停学中の呪術師がキヴォトス入り   作:鉄の字

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そろそろ呪術廻戦側の要素出したいけど、まだかかりそう………


彼女達は美食研究会(テロリスト)

 

事の発端はこのキヴォトスに来てからの収入源となっている賞金稼ぎから起こった事である。

 

違法オークションの開催者が今回のターゲットで、ソイツが開催するオークションがゲヘナに行われるらしい。

詳しく話を聞くと非合法で手に入れた物や強奪に近い形で購入した物をオークションするとか。

 

各自治区の警察的立場の組織の捜査を掻い潜り、各地を転々しているので中々捕まらないので連邦生徒会から直々に出していた。

その連邦生徒会から出たからか中々賞金の額が大変よろしいので捕まえる事にしたのだ。

 

 

「開発中止になった建物をわざわざ買い取ってオークション会場にしてるのか、それは中々捕まらないだろうな」

 

 

即座にゲヘナに向かい例のオークション会場に着いた俺だったが、テンプレの如く会場に入る為の扉の前には警備員らしきロボットが二人居た。

ロボット達は俺を見るや否や手を突き出して止める。

 

 

「申し訳ございませんが、ここは招待状を持ってない方は入れません」

 

 

ロボットは俺の姿をジロリ、と流し見した後、毅然とした態度でそう言う。

 

何時までもボロボロの高専の制服だと目立つので今の俺は黒い半袖のシャツに白いスウェットパンツを着ている。

まぁ、どう見てもオークションに入ろうとしている人間には見えないわな。

こう言うのはドレスコードだもんな。

 

 

「あーー、招待状ね。ちょっと待ってねー」

 

 

ポケットをまさぐりながら周りを見渡してみる。

人は居らず、扉前にはコイツら二人のみ。

よし、やるか。

 

 

「あ、あそこにゴールドマグロのコスプレをした連邦生徒会長が」

 

「「え、どこ!?マジでどこ!?」」

 

「居るわけねぇだろ。逆に見てぇわ」

 

「「ぐえっ!?」」

 

 

呪力を込めた拳でロボット達を殴り気絶させる。

気絶させた二人を物陰に隠し、何事も無かったかのように振る舞いながら扉を開けた。

 

会場は立食パーティーのような形式で、客は立ちながら壇上の商品を値踏みしていた。

次々と番号の書いた札を勢い良く上げる様子は静かな会場ながら独特の熱気を醸し出している。

 

 

「ここまで順調だね。門番が何故か居なかったから、余裕で潜り込めたし!」

 

「これも日々の善行が成した結果でしょうね。それでは皆さん、事前に話した通りにお願いしますわ」

 

「りょーかいっ!」

 

 

会場の様子を見ていた俺の後ろから何やら不穏な事を言っている四人組の集団が通り過ぎたが、聞かなかった事にしよう。

 

おそらくオークションの終わりには開催者が挨拶として出てくる筈。

もし、出てこなかったら裏側に乗り込むつもりだ。

 

うむうむ、我ながら完璧な作戦(脳筋)。

それまではこのオークションを楽しもうとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『次の商品はキヴォトスの外から調達して来ました宝石の肉『ジュエルミート』です!』

 

 

オークションは何事もなく続き、壇上にいる司会者は金に装飾された台に乗った商品を紹介した。

 

 

「ジュエルミートって何処かで聞いた事あるような無いような………」

 

 

詳しくは分からないがトリでコな筋肉ムキムキの美食屋が食ってた気がする………

 

 

「おぉ………ジュエルミート………本当に存在する肉とは」

 

「太古の時代では結婚指輪として用いられた食材………本当に宝石みたいだ………是非とも我が家に置きたい!」

 

「これを食うのは勿体無いですね。大切に保管し飾り付けるべきです」

 

 

鮮やかな赤身に白金の霜ふりが乗った、地球だと確実にお目にかかれない巨大な肉に会場がザワつく。

 

 

「いや、肉でお金持ちアピールするのは違うだろ。絶対、腐るぞ」

 

「あら、貴方もそう思いますか?」

 

 

ロボットや犬、猫達の会話を聞いてそう感想を呟くと聞こえていたのか隣から声をかけられた。

声がした方に向くとそこには一人の生徒が。

 

腰まで伸ばした銀髪に赤い瞳を持ち、僅かな振る舞いで良い所を出ているお嬢様だと分かる。

そんな美少女がジュエルミートを見ながら不満そうな顔をしていた。

 

 

「ん、アンタは……?」

 

「キヴォトスの外から遠路はるばるやってきた高級肉を食べずに権力のマスコットにしようなんて………美食の礼儀に反しますわ」

 

「び、美食………?」

 

「その点、貴方はよく分かっていますわね。そんな輩はジュエルミートを手にする資格は無く、塵と硝煙でも啜っていろと」

 

「え?いや、そこまで言ってないけど………」

 

 

あ、コイツ、話通じない聞かないタイプの人間だ。

何やら不穏な事を言い始める生徒に嫌な予感がした俺はその場を離れようとするが、生徒の行動が早かった。

 

 

「大丈夫です。貴方の気持ちもコレで解決ですわ」

 

 

ピーッ

 

生徒が持ったリモコンのボタンを押すと、そんな電子音が鳴る。

 

ドドドドカァァァァンンン!!!

 

そして、会場の至る所から小規模の爆発が起こった。

 

突然の爆発にパニックになる会場。

ポカン、となる俺。

ドヤ顔の生徒。

 

とりあえず分かる事は一つ。

俺の作戦(脳筋)はおじゃんになった。

 

 

「おいぃぃぃいい!!!お、おま、何してんの!?!?」

 

「極上の肉を不当な扱いをした不届き者達の妥当な末路ですわ」

 

「この状況、不届き者はお前なんだけど!?」

 

「私は『お前』と言う名ではなく『黒舘 ハルナ』という名前がありますのであしからず」

 

「あ、スミマセン。自分は真茅 筒彦です………じゃなくてっ!!」

 

 

パニックになる会場の中、言い争う──正確には俺がツッコんでるだけ──俺達に壇上から大声が響く。

 

 

「ハルナー!ジュエルミート手に入れたわ!ついでに高そうな食材もかっぱらったわよ!」

 

「ジュンコさん、でかしましたわ!目的を達成した以上、ここにいる理由はありません!行きますわよ!」

 

 

壇上のジュエルミートを両手で掲げぴょんぴょんと跳ねる赤髪ツインテールに生徒はサムズアップで返す。

赤髪ツインテールの近くにはパンパンに詰め込んだ袋を持った奴らもいた。

 

 

「クソッ!早くあの五人を捕まえろ!!」

 

「五人!?俺も含まれてる………ってアイツら居ねぇ!!!」

 

 

混乱が解けた警備員達に何故か数に入れられている何も関係ない俺。

誤解を解くようにハルカと言う名の犯罪者の方へ振り向くが、姿どころか影すら無かった。

更に壇上にいる三人もいつの間にか消えていやがる。

 

あのハルナとか言う奴、俺を囮にしやがったな!?

めんどくさい術式持った呪詛師よりもタチ悪いぞ、おい!!

 

怒りが湧いてくる俺を他所に警備員のロボット達は銃を撃ちながら俺に迫って来る。

 

 

「チッ、向かってくるお前達が悪いんだからな!!『大身(おおみ)』ッ!!」

 

 

呪力を最低まで落とした術式で奴らの足下を打ち込む。

威力と重みがある不可視の呪力の刃が床を抉り、土煙を大きく巻き起こす。

 

 

「アイツも爆弾を持ってやがったか!?」

 

「やはり、奴らの仲間だったか!」

 

「あの男だけでもいい!捕まえて仲間の情報を吐かせるぞ!!」

 

 

あれ?

余計に誤解を生んでる気がする………

 

と、とりあえず今は逃げよう。

計画(脳筋)は粉々になったが、チャンスは幾らでもある。

別の日に機会を見て賞金首を捕まえ────

 

 

「この俺のオークションを滅茶苦茶にしやがって………絶対に許さ────」

 

 

「賞金首ゲットォォオオオ!!!」

 

 

「────ごぶぇぇ!?」

 

 

「「「ボスゥゥウウウウ!?!」」」

 

 

何故か目の前に出てきた賞金首(プードルみたいな顔した犬)にドロップキック叩き込み、首根っこ掴んで会場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメェら、待ちやがれぇぇえええ!!!」

 

 

オークション会場があった建物から脱出し、賞金首を引きずりながら猛ダッシュするとあの四人組の背中が見えて来た。

 

どうもこの世界の生徒達は『呪力』とは違う別のエネルギーを内包しているみたいで、強いエネルギーを持っている生徒程、残穢の様に道に残っているので四人組を見つけるのは苦労しなかった。

 

 

「あら、予想以上に早かったですね、ツツヒコさん」

 

「ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

 

「わぁ、この人、怒りで言葉の全てに濁点が付いてますね」

 

 

俺の怒りも軽く受け流しながらハルカは走りながらも優雅に髪を梳く。

 

 

「まぁ、落ち着いて下さい。我々美食研究会もツツヒコさんの囮が無ければ逃げれなかったでしょうし、ここから上手く逃げ出せたらジュエルミートの一口目はツツヒコさんに差し上げますわ!」

 

「…………本当?」

 

「美食の道を進む者に二言はありませんわ!」

 

「…………じゃあ、やる」

 

「思ったよりチョロいね!」

 

「五月蝿いぞ、ハンバーガー娘!」

 

 

べ、別にオークションの時から気になっていた訳じゃないんだらねっ!

賞金首捕まえたらコレも頂こうとか、ついでに他の物も頂こうとか思ってないんだらねっ!

 

 

「そこに美食研究会の車がありますわ!」

 

「ボンネットに給食部って書いてるんだけど?」

 

「そんなの些細な事ですわ!」

 

「些細………些細なのかなぁ?」

 

 

ハルカが指差す先には大きな字で『給食部』と書かれたジープが停車しており、ハルカの言葉に疑問に思いながら賞金首を座席に突っ込んだ。

 

すると『むぎゅっ!?』とくぐもった声が響いた。

思わず座席を覗き込むとそこには頭巾とエプロンを着た少女が縄で縛られて座席に転がされていた。

 

 

「おい!ここに縄でぐるぐる巻きされた子がいるんだけど!?」

 

「この方は今回、ジュエルミート調理の為に快く申し出てくれた給食部の愛清 フウカさんですわ」

 

「むーー!?むぅ!むーー!!」

 

「否定するみたいにビタンビタンしてるよ!?陸に打ち上げられた魚でもこんなにビタンビタンしないよ!?」

 

「分かってますわ、フウカさん。この状況を切り抜けたら共にジュエルミートを食しましょうね!」

 

「絶望的状況から脱出、そして、共に同じご飯を食べる。美しい青春ドラマですね☆」

 

「むぅ、むぅ、むぅ、むぅ、むぅ、むぅ、むぅ!!」

 

「滅茶苦茶首を横に振ってるけど!?」

 

「わわっ!追っ手が来てる!!ハルカ、早く出して!!」

 

「合点承知之助ですわ!さぁ、ツツヒコさん、共に美食研究への旅へと行きましょう!!」

 

「いや、俺、テロリストの仲間に入った覚えないんですけどぉぉぉおお!!!」

 

 

美食研究会なる四人組と巻き込まれた俺、賞金首(気絶中)、ぐるぐる巻きのフウカさん、高級食材×2、ジュエルミートと言う過積載の車は苦しそうなエンジン音を立てながら暗い街中を爆走し始めた。

 




少しでも呪術廻戦要素出したいので今更ながらキャラクター紹介

真茅 筒彦 (まがや つつひこ)
停学中の呪術高専三年生。
夏油の百鬼夜行に保守派の大人にブチ切れ秤達と共に停学となる。
しかし、適当な理由をつけて高専に戻り後輩達と交流していた。
お気に入りは憂太と悠仁。
停学中は秤と共にパチンコしたり競馬したり呪詛師ぶっ飛ばしたりしていた。

渋谷事変の際はハロウィンの最中、一人寂しく買い物してたら帳に巻き込まれ学長達と待機していたがヤバい呪力を感じ待機場所から飛び出す。
そしたら後輩がヤバい式神召喚してて呪いの王に憑かれた後輩がエントリーしてた。
頑張るに頑張ったが、結局宿儺に首チョンパされキヴォトスに流れ着く。

基本的に自分や他の人間に害が及ばなければ積極的に法を破りに行くタイプ。
上層部並びに保守派のジジィ共は大嫌い。
秤達と仲良く停学したが本心は共に高専へと戻り青春したいと考えている。

秤が『ざらつくヤスリみたいな呪力』なら筒彦は『体を突き抜ける呪力』で通常よりも体の芯に響く衝撃を与える。
その実力は『無敵状態の秤を凌ぐ』と言われており、五条が自身を越す呪術師の一人と数えられている。
尚、本人は『んなわけねぇだろ』と超否定している。
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