おのれ陸八魔アル!!!
※一部のセリフを変えました。
※転校生がメインの回(②連打)は流石にヤバいので纏めました。
※視覚的描写が多すぎて草。
「親睦を深めるのなら手料理が一番だと思ってな。食べてくれ司令」
「あぁ・・・・うん。それでその、料理名は・・・・」
「?見て分からないのか?オムレツだ」
「そっか。オムレツかぁ・・・・」
どうやら触手の生えたモザイク物体の学名はOMURETSUというらしい。いやほんと、どうしてこうなった・・・・。
「い、『磯風』さん・・・・」
「さんは不要だ」
「磯風・・・・味見とかはしたの?」
「ふっ。提督には一番に食べてもらおうと思ってな。味見は一切していないぞ」
おいコラ胸を張ることじゃないぞコラ。ちょっと可愛いじゃねーかコラ。
「磯風。先に食べてくれないかな?」
「何だ?やはり私のご飯は食べたくないということか?」
・・・・・・・・やはり?
「いや、そういうワケじゃなくて」
・・・・これ、毒です(猫々ボイス)(断定)。
「その、・・・・・・・・」
「・・・・」
・・・・・・・・はっ。まさか。まさか『嫌いだからこそ』毒を食わせるつもりなの?実は佐世保の提督が好きで追いやった僕に遠まわしの復讐を仕掛けているとか?
え?ガチ?磯風ってそんな神話みたいな復讐をするタイプの女の子なの?え???
・・・・いや、落ち着け。とにかく落ち着け。
「・・・・・・・・ふぅ」
ガチの毒だったら僕は死ぬ。もしこれが磯風の平常運転だとしたら僕は生き残る(多分)。つまり、食べて確認するしか・・・・・・・・ない!!!
「ナムサンパワー!!!!!」
・・・・・・・・ICUに送られた。
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翌日。
「何アレ」
3年E組の教室、その窓側の最後尾の席。
そこにはテープでグルグル巻きにされた『黒色の冷蔵庫』が置かれていた。
「あーアレ?『自律思考固定砲台』さんっていうらしいぞ」
「一応生徒ってことになってるから殺せんせーも手出しできないんだってさ」
「自律思考固定砲台?」
「名前酷いよなー」
「ってかカイトはどうして昨日休んだの?また提督の仕事とか?」
「うん。まぁ、ちょっと救急車に運ばれてて・・・・」
「え?」
「はいはい皆さん。席についてください。朝のHRを始めますよー」
殺せんせーが教室に入って来たのと同時に、黒色の冷蔵庫が特徴的な駆動音を響かせ始めた。
「朝8時半。システムを全面起動。今日の予定、6時間眼までに215通りの射撃を実行。引き続き殺せんせーの回避パターンを分析・・・・・・・・」
画面に女の子の顔を表示した冷蔵庫は、急に喋り出したと思ったら急に黙り込んでしまった。
「・・・・・・・・」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「え?何この静寂」
「カイトは黙ってて」
「殺せんせー。これでは銃を展開できません。拘束を解いて下さい」
自動音声に合わせて、冷蔵庫の画面に映された女の子の口がパクパクと動いた。
「・・・うーん。そう言われましてもねぇ」
「この拘束はアナタの仕業ですか?明らかに生徒に対する加害であり、それは契約で禁じられているはずですが」
「拘束?」
「あれ。テープでグルグル巻きにされてるでしょ?」
茅野さんに言われてよく見ると、巻かれているテープが明らかに外付けの、しかも安物のガムテープだということに気づいた。
「あぁ、そういう・・・・」
「そういうこと」
「ちげーよ、俺だ。どー考えたって邪魔だろうが。常識ぐらい身に付けてから殺しに来いよポンコツ」
寺坂君がガムテープを見せびらかしながら説教をたれると、それに続くようにしてクラスからも
「・・・・ま、分かんないよ。機械に常識はさ」
「結局昨日のBB弾は全部俺らが片すことになったしな」
「俺らはお前の掃除係じゃねーっての」
「授業終わったらちゃんと解いてあげるからね」
という声が上がった。
・・・・話の内容から察するに、どうやら自立思考固定砲台とやらは好き勝手にBB弾をバラ撒くだけバラ撒いて掃除はしなかったらしい。
そりゃあまぁそうなるわな。ココは清掃員のいるアメリカじゃなくて日本の中学校なワケだし。
「・・・・」
E組の総スカンを受けた自律思考固定砲台は黙り込むと画面に『connecting……』の文字を表示した。
どうやら誰かに連絡をするつもりらしい。
「ダメですよ。保護者に頼っては」
すぐさま自律思考固定砲台の元に歩み(?)寄った殺せんせーは、いつもの諭すような口調で話し始めた。
「あなたの保護者が考える戦術は、この教室の現状に合っているとはいい難い。それにあなたは生徒であり転校生です。皆と協調する方法はまず自分で考えなくてはいけませんよ」
「・・・・協調?」
「なぜ先生ではなく生徒に暗殺を邪魔されたかわかりますか?
彼らにしてみれば君の射撃で授業が妨害される上、君が撒き散らした弾の始末に労力を使う。しかも君が先生を殺したとして・・・賞金は恐らく君の保護者に行くでしょう。
あなたの暗殺は他の生徒には何のメリットも無いわけです」
機械に合理を説いた殺せんせーに、クラスの面々が顔を見合わせた。
「・・・・そう言われて理解しました殺せんせー。クラスメイトの利害までは考慮していませんでした」
「ヌルフフフ。やっぱり君は頭が良い」
そう言って酷く嬉しそうな表情をした殺せんせーは、ポケットからUSBメモリを取り出した。
「ところで、これをあなたのために作ってみました」
「・・・・?」
「アプリケーションと追加メモリです。ウイルスなどは入っていないので受け取って下さい」
「・・・・・・・・これは」
「クラスメイトと協調して射撃した場合の演算ソフトです。暗殺成功率が格段に上がるのが分かるでしょう?」
USBメモリを読み込んだ冷蔵庫は一言。
「・・・・異論はありません」
と言った。
「暗殺における協調の大切さが理解できたと思います。どうですか?皆と仲良くなりたいでしょう?」
「・・・・・・・・方法が分かりません」
凄く素直(というか殺せんせーに言いくるめられている?)自立思考固定砲台が呟くと、殺せんせーは彼女の不安を掻き消すような明るい声で言った。
「おまかせあれ。すでに準備してきました」
殺せんせーがUSBに続いて取り出したのはダンボールに入ったジャンクの山だった。
「・・・・それは何でしょう」
「協調に必要なソフト一式と追加メモリです。危害を加えるのは契約違反ですが・・・性能アップさせる事は禁止されていませんからねぇ」
殺せんせーがニヤニヤしながらドライバーを握ると・・・・。
「おやおや。随分な扱いを受けているみたいだね」
自律思考固定砲台のいる場所とは真反対の、廊下側最前列の席の辺りから知らない声がした。
クラス一同が一斉に声のした方向を見ると、そこには白装束の不審者が立っていた。
「あ、ごめんごめん。驚かせたね。あぁいや、不審者とかじゃないよ。落ち着いてね、妖精さん」
教室に入って来た白装束の男は、何故かピリつき始めた妖精さん達を片手間で宥めながらクラスの皆に名乗った。
「私はこれから来る『もう1人の転校生』の保護者で・・・・まぁ白いし『シロ』とでも呼んでくれ。もう一度言うけど不審者じゃないよ。ちゃんと学校の許可もとってる。ほら、入校許可証」
そう言った白装束の男(シロさん)は、手に持っていた入校許可証を皆に見せてきた。
「初めまして、シロさん。それで肝心の転校生は?」
生徒の事になると人一倍敏感になる殺せんせーが『今になっても姿を現さない転校生』について聞くと、シロさんは気さくな態度で差し入れのようかんを渡しながら言った。
「初めまして、殺せんせー。ちょっと性格とかが色々と特殊な子でね。私が直に紹介させてもらおうと思いまして」
「・・・・そうですか」
「お。ようやく来たみたいだね。
・・・・おーいイトナ!!入っておいで!!」
シロさんが教室の後方の壁に向かって手を振り、吊られて白装束の指差した方向を見ると・・・・・・・・。
教室の壁をぶち破って、1人の少年がダイナミックに登場した。
「俺は・・・勝った。この教室のカベよりも強い事が証明された。それだけでいい・・・それだけでいい・・・」
「「「・・・・・・・・」」」
本日2度目の静寂。
「『堀部イトナ』だ。名前で呼んであげて下さい。
ああそれと、私も少々過保護でね。しばらくの間見守らせてもらいますよ」