黒崎一護・護廷十三隊物語   作:hapi

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  一護が死後、尸魂界にやってきて真央霊術院に通う話。
 学院生活を満喫する一護の元に流れてきた噂。それは黒崎一護が学院にいるというもの。
 いったいどこからその噂が流れたのか。たのしくなっちゃった梅が探し始めて発生するあれこれ。

※オリキャラ注意
※原作のネタバレあり
※捏造注意



19.ホンモノ?ニセモノ?どっちもどっち?2

 

 

 

 

 英雄症候群。

 強すぎる自己顕示欲を満たすために、己を英雄だと錯覚してヒーローのように振る舞う心理。

 救世主症候群。

 劣等感からのがれるために、世界や人を救うことが己の使命だと信じ振る舞う心理。

 

 どちらもおろかで哀れなそれを、真なる英雄は持っていたのだろうか。

 否。

 彼の行動は、間違いなく自己犠牲であったのではないか。

 彼の護るという信念は、矮小な感情を隠すための隠れ蓑などではなかったはずだ。

 だから彼は英雄なのだ。だから彼は救世主なのだ。

 

 その心さえ同じならば、英雄も救世主も

 

 

 作れないわけがない。

 

 

 

  

 

 その生徒は、鮮やかなオレンジ色の髪をしていた。

 

 一護よりもすこし茶色みが強い。けれど、太陽のような。ひまわりのような。たんぽぽのような。鮮やかなオレンジ色。

 身近にその色彩の人が居なかったわけではない。むしろなんだかんだ多かったかも知れない。妻も、息子も、似たような色合いだ。

 死神にもかなり派手な色の奴はいるし、同級生の梅などは桃色で。

 要するに変わった髪色の知り合いがかなりいるので、別にオレンジ色の髪だって驚くようなものではない。

 

 ただ、この教室に”黒崎一護”がいる。と聞いた上で目にすると、流石の一護だって驚くのだ。

 

「君たち、どこの学級の生徒かな」

 

 オレンジ髪の生徒は穏やかに微笑んで一護たちに尋ねてきた。

 穏やかそうな物腰で、見た目は一護と似ていない。しかし髪の色はやはり似ている。なんともいえないその光景に一護は黙り込んだ。

 最初に我に返ったのは片倉だ。姿勢を正して向き直る。

「一回生です」

「へぇ、めずらしいね。一回生が六回生の教室に来るなんて、なにか、用かな?」

 なんとなく、含みのある言い方だ。

「たいした用ではありませんが、すこし、妙な噂を耳にしまして」

 その返しに、片倉もいい性格をしているなぁと一護は思った。

 ”黒崎一護”の噂を、妙。と言ってしまうあたりが。しかもおそらく、目の前のこの六回生がその噂の人物であると気づいていて、あえてそういう言い方をしたのだ。本当にいい性格をしている。

 かなりめんどくさいとも言う。

 片倉がこの生徒を”そう”だと判断したのはオレンジの髪だからではない。それについては情報がないから判断の材料にはならない。だからおそらく、彼の霊圧で判断したのだろう。それほどには霊圧が高いのがわかる。すくなくとも他の生徒に比べれば圧倒的だ。

 間違いない。こいつが例の”黒崎一護”だ。

 

 

「噂か。最近そういう生徒が増えてきたね」

 やれやれと男子生徒が肩をすくめてから、ニコリと笑った。

「でも残念だけど、僕は”黒崎一護”ではないよ」

 一護が確信した直後に、そう彼は否定した。

 そのまま続けてペラペラと話す。

「僕の名前は逢咲一輝だ。残念ながら、”黒崎一護”じゃない。いかに僕が優秀だからといって、”英雄”と同一視されるなんて、なんだか申し訳ないよ。仮に黒崎一護がこっちに来ていたらご老人なのだし、僕が本人のわけがないのはみんな知ってることだよ。まぁ若い頃の英雄にさぞ似ているのだろうけど」 

 この時点で、なんだこいつ。と一護は思っていた。

 口では本人説や噂を否定しながらも、言い方や表情には優越感が透けて見える。

 そもそもわざわざ一護たちに声をかけてきたところから胡散臭い。邪魔だったのなら軽く声をかければいいのに、廊下の中央で仁王立ちして、演劇のようにあからさまに用を尋ねた。片倉が言った噂についてあえて強調したように反応し、わざわざそれを否定して。

 まるで、注目させようとするかのような態度だ。

 つまりこの生徒は、自分が”黒崎一護”だと思われている状況を楽しんでいる。あるいはそれで自己顕示欲を満たしているのだろう。

 

 一護がこっそり周囲を見れば、廊下にいた他の六回生たちはどこか得意気だし。

 逢咲という生徒に尊敬だとか、羨望だとか、そういう目を向けているようだが、かなり気持ち悪い光景だ。

 中にはもしかして、彼が”黒崎一護”であることを隠しているホンモノ。と認識している生徒もいるかもしれない。そんな空気だった。

 

 ――めんどくせぇ。

 

 一護は盛大に眉をひそめる。

 本人が語り始めたのか、周囲が言い出したのかは知らないが、英雄のように扱われて優越感を感じているというのはどうなのか。

 自分で言うのは酷く気恥ずかしいが、あの”黒崎一護”を名乗るとは、かなり愚かだ。

 だって護廷十三隊には一護のことを知っている者が数多く居る。卒業したらそんな栄光は消え失せるし、もし学院でそう呼ばれて得意になっていたことが知られたら、かなり恥ずかしい思いをするだろう。

 しかもだ。彼が順当に卒業し、一護が予定通り卒業したら、この逢咲という生徒とは同期になる。

 英雄と思われて気分良く入隊したら、別の隊にホンモノがいたなんて、白い目で見られるに決まっている。

 まぁ、黒崎一護だと言いふらしていないので、言い逃れはなんとかできる。のだろうか。

 なんにしてもやっぱり馬鹿だと思う。

 そんな馬鹿には関わりたくない。

 

「まぁでも、六回生に黒崎一護がいる。なんて噂をきいたら、見に来てしまうのも当然かも知れないな」

 逢咲がたたみかけるように言ったとき、片倉がふっと笑った。

 今、鼻で笑った? 

 一護は思わず片倉を凝視する。視線の先でごまかすようにニッコリと笑った片倉が笑う。

「そうですね。噂に躍らされて恥ずかしい限りです。あの英雄が、学院にいるわけがありませんね。お邪魔しました」

 流れるように言い切った片倉は、一瞬逢咲が不快げに眉を顰めたのを気にした様子なく、一護たちに視線を向けた。

「昼休みも終わるし、戻ろうか」

「お、おう」

 

 かなり強引に流れを切った形だ。

 一瞬こんなんで大丈夫か? とも思ったのだが、まぁ上級生に媚を売るのも変にビビる必要もないし、何だったら「人違いでしたー」でいい話だ。

 自分の偽者というからついつい神妙になって分析してしまったが、本来そういう面倒なことを一護は好まない。

 なので「まぁいっか」と思い直して、一護はもと来た道を戻った。

 次の授業なんだっけ。などとのんびり考える。

 片倉も踵をかえし、逢咲の隣をするりと抜けた。

 

 瞬間、逢咲が片倉の腕を掴んだ。

 

 いきなりの行動に驚いたように片倉は逢咲を凝視する。

 そして反射的に手を振りほどこうとした。けれど腕はぴくりとも動かない。

 おそらく霊圧の問題。霊圧が単純な腕力などを高めることもある。つまりそういうことだ。思いっきり掴まれれば簡単に振りほどけない。あとは単純に人体構造の問題だ。その状態ではうまく力が入らないだろうという形にうまく持っていかれている。

 ギリリと音がしそうな勢いで、逢咲は片倉の右腕をひねり上げた。

「一回生の言葉遣いじゃないね。先輩に対する敬意がたりないんじゃないかな」

 片倉が痛みで「っぅ」と唸った。

 それを聞いた瞬間、一護は逢咲の腕を掴んでいた。

 

 逢咲と目が合う。

 茶色の逢咲の目が驚いたように見開かれるのを睨みつけて、一護は唇を開いた。

 

「離せよ。センパイ」

 

 腕の力を込める。

 やろうとすればその腕の骨さえも砕くことができるほどの膂力を持つ一護に掴まれたのだ、痛みに呻くように顔を歪めて、逢咲がぱっと手を離した。

 一護はあえて手を離してやって逢咲が距離をとることを許すと、そのまま逢咲と片倉の間に体を滑り込ませる。

 後ろで片倉が己の腕を抑えてうずくまるのを気配で感じながら、一護は逢咲を睨みつけた。

 

「六回生がやることじゃねーな。後輩に対するハイリョが足りねーんじゃねーのか。つーか。人に対するハイリョが足りねーよ。利き腕怪我したらどーすんだ」

 

 そこでようやく一護は正面から逢咲という生徒を見た。

 髪の色。瞳の色、背格好に体格。確かに似ている。顔もきれいな方で、多分本にのっている一護はこういう感じなんだろうなと思う。そんな容姿をしていた。

 そのキレイな顔を歪めて、逢咲は一護を睨む。

 

「六回生に喧嘩を売るなんて、いい度胸だね」

 顔はきれいなのに、笑っている口元と言動がひどく凶悪な印象を与えてくる。

 一護は相手の言葉に答えずに片倉を起こした。

「大丈夫か」

「あ、ああ」

「ならいい。心平。梅。帰ろうぜ」

 これ以上関わりたくなかった。

 だって嫌な予感しかしない。

「いいのかよ一護……」

 心平が不安そうに言う。

 逢咲が「喧嘩を売る」と表現した時点で、流れとしては六回生に喧嘩を売ったようになっているのだろうから、心平が心配するのも当然だ。

 一護は肩をすくめて「大丈夫だろ。行こうぜ」と再度促す。

 

 その時、後ろから声がかけられた。

 

「君、一護というのか」

 首だけを振り返って、一護は「ああ」と答える。

「……俺もちょっと聞きたいんだけどさ、センパイ。なんであんたそんな髪の色なんだ?」

 ”黒崎一護”と間違えられるやつが、どうして誰も知らないはずの”黒崎一護”の外見と似ているのか。そんな不思議を解消したくてなんとなく尋ねたのだが、相手は別の意味に捉えたらしかった。

「……英雄と同じ名前だからね。君は自分が英雄だとでも思っているのかな」

「は?」

「その上英雄と同一視される僕と同じ髪の色だったから、さぞ嬉しいみたいなね」

 

 ――意味わからん。

 ――英雄と同一視されて喜んでいるのはテメェであって、俺じゃねーんだけど?

 

 英雄と同じ名前だから自分を英雄だと思う。それはまぁ、一万歩譲って言いたいことがわからないわけでもないような、気もする。

 しかし、英雄と同じ髪色で、というならともかく。英雄と間違えられた奴と同じ髪色だと、なんで一護が喜ぶことになるのだろ。

 

 本気で正気を疑い始めた頃、逢咲がすっと表情を抑えて優雅を装ったように笑った。

 

「なるほど。僕に喧嘩を売るのが目的だったわけだね」

 

「……は?」

「君たちは僕に勝負を挑みに来たのだろう。僕を挑発して揉め事を起こさせようとしたのかな。浅はかだね」

「は?」

「僕も喧嘩を売られて黙っているわけにはいかない。なんせ喧嘩は買うと決めてるんだ」

「なんだって?」

「いいだろう。僕が君を負かすとしよう」

「おーい」

「君は自分が黒崎一護だと主張したいわけだろう? 僕は黒崎一護ではないけれど、彼の代わりに偽物と戦う。あの英雄を騙る不届き者を、僕は許せないんだよ」

 

 ――お前に言われたくはねぇんだが?

 

 絶句する一護に、指を突きつけた逢咲はニンマリと笑う。

 

「君は一回生だからね、ハンデをやろう。斬魄刀をもってきたらいいさ。僕は木刀だ。明日の放課後、第五演習場で君を待っていてあげよう」

 

 ――あげようじゃねーよ。待つな。

 

「正々堂々闘うことになるとは思っていなかったようだね。それが浅はかだというのさ。それとも怖いのかい? まぁ仕方ないよね。だって六回生相手なんだから。君が負けるのは当然というものだ。結果がわかりきった勝負から逃げ出したい気持ちもわからないわけではないさ」

「志波くんが負けたりはしない」

 一護はぎょっとして後ろを振り返る。

 すっかり平気な顔をした片倉が、怒りに燃えた顔を押さえきれないという様子で逢咲を睨んでいた。

 

「え、片倉何言って……」

「その申し出、受けますよ先輩」

「俺は受けるっていってねぇんだけど」

「待っているよ」

「勝手に話を進めんなって」

「志波くんそれじゃあ戻ろう」

「なんで決闘の申し出受けて真顔なんだよオマエ」

 そうこう言っている間に昼休み終了のチャイムがなった。

 と同時に片倉と心平と梅は教室に戻っていく。

 途中梅が振り返って「それじゃあ先輩明日の放課後!」などというので思わず「おいこら」と言いつつ振り返れば話は終わったというように解散する六回生たち。

 

 「どーしろっていうんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日の昼。つまり決闘のようななにかが行われる日の昼間に、一護は片倉に呼ばれて中庭のベンチに来ていた。

 うなだれてベンチに座る一護の両隣には梅と心平がいて、正面に片倉が立っている。

 

「大変なことになったね」

 とは梅の言葉だ。

 全く以て同意見だが、言葉のわりに困ってなさそうな梅が憎い。

「あの偽物嫌なやつだよな」

「全くだ」

 心平は怒ったように、片倉はあきれたように言った。

 梅はともかく。

「オマエらはあの人偽物だと思うか?」

「「絶対偽物」」

 二人の声が揃う。

「だってすげー性格悪そうだったぞ」

 そこで判別されるってどんだけ自分は聖人君子になってるのだろう。

 片倉は頷いて「性格はたしかに悪そうだ。僕はそこが気に入らない」と要するに相性が悪いことを指しつつ続けた。

「本人も言ってたけど“黒崎一護“は老人だろう。そもそもいるわけもないし。最初から偽物なのはわかっていたよ。ただ、肩を持つわけじゃないけれど、名乗っているわけじゃないと思う。多分勝手にそれらしいと思われて騒がれてるだけかと考えているよ」

「それは私も同感」

それに関しては一護も同意見だったので頷く。

しかし、彼は黒崎一護ではないし、志波一護も黒崎一護ではないことになっている。この決闘になんの意味があるのだろうか。

 

「あのあと、調べてみたんだけど」

 唐突に片倉が言った。

 胡乱げに見上げて、そういえば喧嘩を売った、というか買ったその日、作戦会議をしようと言う梅の提案を真っ先に断って片倉は姿を消してしまったことを思い出した。しかもそれを梅が追いかけて行って、結局できることもなく解散したのだ。

「調べたってなにを」

 片倉は持っていた手帳を開いた。

「あの先輩のことさ。何事も事前準備というのは大事だからね」

 梅が続いて頷く。

「あの先輩がどうして”黒崎一護”って呼ばれてるのかがきになったの」

 たしかに、外見がわからない以上、そうだと判断する材料は知人からの証言くらいしかないだろう。霊圧がいかに強くても、それの性質が同じだと誰かが言わなければ結局判断できない。誰かが、たとえば一護の知る人がそんなことをするとは思えないが。

「で、なんでだったんだよ」

「それがよくわからないんだ」

「はぁ?」

「強いて言うならちょっと名前が似てるくらい?」

「それは俺もうぜえなと思ったけど」

 困ったように片倉が頷く。

「もともと一年の時からすごい人だったらしいんだ。護廷十三隊入もほぼ確定って話。彼が”黒崎一護”だという噂が流れ始めたのはそれが決まった頃で、ちょうど今年に入ってからみたいなんだが、どうもそのときから霊圧が上がったらしい」

「いきなり霊圧が上がるとかありえんの?」

 心平が不思議そうに言う。

 一護は自分がどうであったかを思い浮かべながらうなずいた。

「始解とか、卍解とか出来るようになったらまず一気にあがるって感じだろ」

「その考えで言うと、あの逢咲という先輩は今年に入って始解ができるようになったってことかな」

 片倉が顎に手を当てて納得したふうに頷く。

「けど結局、アイツが英雄扱いされてる理由はわかんねってことだろ?」

「そういうことになるね」

 一護は大きなため息をついた。

 

 正直なところ、どうしてそうなったかより、これからどうするかのほうが今の一護には大事なことだ。

 

 逢咲一輝。

 たしかに霊圧はある。

 が、一護から見ればたいしたことはない。隠している。という可能性もなくはないが、圧倒的小物感故にどうにも強敵には見えなかった。

 だから倒すのは簡単だ。

 しかし倒さない方がいい気もする。

 ニセモノに負けるのは癪だが、ニセモノに勝ってしまってもオオゴトだ。

 闘うなんて無理。手加減できない。

 

「先輩は斬魄刀使わないって言っていたけれど、鬼道はかなりの実力者らしい。斬術も歩法も六回生一を誇るそうだ。教師からも一目置かれているとか。座学での成績は常に一位。眉目秀麗の人気者」

「本物相手にどうすればいいんだよ俺は……」

 一護は思わずそうつぶやく。

 だってまるであの本にあった”黒崎一護”だ。そこに外見まで入ってきて……。

 

 一護は首を傾げる。

 あまりにもできすぎていて、それでいて陳腐。

 筋書きの悪い映画を見てるような。

 なぜだろう。何か引っかかる。

「…………………わかんねぇや」

 わかんないことは考えても仕方ない。

 ともかく今やることは。

 

「どうぶちかますかだな」

「回避する方法考えようよ!?」

 

 梅の冷静なツッコミに一護は首を傾げる。

「なんで?」

「なんでって、なんで喧嘩するの前提なの!?」

「売られたら買うだろフツー」

 生来の性格は年をとっても治らない。というより、若返ったことで昔のようになっており、一護の好戦的な面が僅かに出る。

 然も当然という顔をするのは残念ながら一護だけではない。なんだかんだ好戦的な片倉も、まさか逃げるのか!?という顔をして梅を見ていた。

 

「反対でーす!問題起こすの反対でーす!」

 

「えー」

「なんで不満そうなの? おかしくない? 進路的にも問題起こすの良くないし、一護くんだって問題起こしたらまずいでしょ!?」

 

 主に知り合いの隊長格たちから怒られるという点で。

 それを唯一知っている梅に言われると反論できない。実際もう白哉の説教は受けたくない。

 それこそ回避は無理だと思うが。

 

「じゃあどーすんだよ」

「だから回避する方法考えようよって!」

「おめーが“明日の放課後にー“とか言ったんじゃん」

「あ、あのときはムカついてたんだもん! 一護くんなら負けないって思ってたし!」

 ただ一日たってみると、ちょっとまっててまずい気がするのだ。

「逃げるのはなしだと思うから、なんかこう、えええ!ってなるようなびっくり事件とか起きないかな」

 梅がいうと、心平はひらめいたというように手を叩く。

「本物の黒崎一護が来て、喧嘩すんな! って言ったらいいんじゃね?」

「無理だね。馬鹿なのかい」

「片倉最近マジ辛辣だな!」

「君にだけさ」

「なんで!?」

 地味に仲のいい二人の漫才を見ながら、一護は腕を組んで考えた。

 何を言っているんだという感じだが、心平の言うことも案外いい提案かもしれない。

 要は「二人とも黒崎一護ではないし、騙られても黒崎一護はなんとも思わないよ」と黒崎一護かそれに近い人が否定すればいい。

 ついでにあの男の鼻っ柱を折ってくれると尚良い。

 

 一護は一つ頷くと教室に向かうことにした。

「え、一護くん?」

「一護?」

「志波くん?」

 三人の呼ぶ声に適当に手を振りかえして、一護は軽い足取りで教室に置きっぱなしの己の荷物のもとへ急いだ。

 当然のように瞬歩でもどり、荷物をあさる。

 そこから出てきた無機質な塊を見下ろして。

 

 

「呼ぶか。とりあえず」

 

 一護は伝令神機の電源を入れた。

 

 

 

 





 すっごい難産でした。
 こんなにかけないこともない(笑)

 一応大事な話なのですが、なんかすごくかけなかった。
 ご指摘あったら内容いじるかもしれない。ははは。
 
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