黒崎一護・護廷十三隊物語   作:hapi

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一護が死後、尸魂界にやってきて真央霊術院に入学した後の話
 今回はちょっとした小話になります。
 時系列的には試験の後です。

※オリキャラが喋ります
※原作のネタバレあり
※捏造注意



9.スクープ!黒崎一護を探せ!SS1

 

 

 

 

 どんな人かは知らない。でも英雄だと知っている。

 でもそれって結局何も知らないのと同じじゃない?

 

 

 

 はじめまして!

 真央霊術院新聞部の島山です!

 え? 新聞部なんてものがあるのかって? ありますとも! 私がその部長! わたしが!

 他の部員? さぁ知りません。

 そんなことよりスクープです。今日はそっちが大事なので、部員募集はまたの機会にします。でもきっと今日のスクープを見ればたくさん部員が集まるに決まっていますよ。

 さぁ、今日の見出しはこれです。どん!

 

《霊術院に黒崎一護出現!?》

 

 え? そんなわけがないだろうって? まぁ私もそう思ってますよ。でもねぇ。なんかあちこちからそういう噂が上がってきてるんです。

 噂があるならば、それを調べるのが新聞部の仕事です!

 噂の出処ですが、私が調べた限りでは五回生から聞いたという人が多いです。なのでまずはそちらに聞いてみましょう!!!

 

 

 

 

 

 

 

「黒崎一護様? もちろん! 憧れてるよ! あの大戦ですごい活躍した。うーん。どう活躍したかはあんまりしらないけど。本に書いてあったし。え!? 学院に? そんなわけないじゃない! でももし居たらお近づきになりたいな! すごいイケメンて話だし」

 

「英雄は知ってる。クインシーを倒した人だ。死神代行。生きた人間だって言うんだから驚きだよな。すごい尊敬してる。だからわかるけど、そんな人が学院にいるなんておかしいと思う。普通にないでしょ。え? うーん。そうだな。そういえば隣のクラスのやつが同じようなこと言ってたな。そんなわけないだろって言ってたけど、もしかして本当に?」

 

「実は俺の兄貴がさ、黒崎一護様と一緒に戦ったことあるらしいんだけど、なんかすごく普通の人らしい。若い頃だったみたいだけど、めちゃくちゃ暴れてたらしいよ。なんか髪の色が派手だって言ってた。本にはそういうの載ってないけどさ。きっとかなり信憑性高いと思う」

 

「黒崎一護様が? なんで学院にくるのさ。だって隊長格と同等かそれ以上の力を持っているんだろ? 学院に通うなんて、漫画じゃないんだから。でももし通っていたら会ってみたいなぁ。みつかったら教えてよ」

 

「ああ、その噂なら知ってるよ。えーっと確か隣の特進学級の生徒から聞いたんだよ。うーん。特進学級の生徒? いやでも五年間一度もきいたことないけど」

 

「それで特進学級に来たんだ? 度胸あるね。で、何だっけ、英雄様がこのクラスにいるかって? いるわけないだろ。まったく。……ああ、でもなんかすごい生徒が下の学年にいるらしいって。そいつが黒崎一護みたいだったって」

 

「黒崎一護? 知ってるとも。英雄様だろう? 棘がある? そういうわけじゃない。いい印象も悪い印象も特にないってだけだ。英雄といっても元々人間だしね。で、それが? ……へぇ。まさか英雄が学院に? そんなことあるとは思えないが……。ああ、たしかにそういう噂はあったかもな。心当たりなんてないけど。……嘘じゃないよ。でもそう言われるとそうかなって思う生徒はいる。かな。……別に。ただかなりの瞬歩だったよ」

 

「ああ、噂の生徒。知ってるよ。何回生だったかなぁ。えーっと一回生? いや、二回生だったかな」

 

「それってあの夜一様の弟子っていう生徒?」

 

「試験のときに、夜一様が瞬歩で圧倒されてた! すごい生徒がいるもんだよね。えーっとたしか一回生だよ」

 

「黒崎一護様のこと調べてるの? ふーん。実は私姉が四番隊なんだけど、聞いた話では鬼道全然つかえないらしいよ。本と違うよね。え、嘘じゃないよ!」

 

「ああ、ちがうちがう。あの日は共同で演習場使っていたから一回生と一緒に試験受けただけ。多分噂の元の生徒は一回生だよ。名前なんて言ったかな。とりあえず一回生に聞いてみたら?」

 

 

 

「新聞部なんてあったんですね。……は? 黒崎一護様が学院に? なんですかその噂、ありえないですよ」

 

「新聞部ってあるんですね。いえ、別に他意はありません。それで? 貴族の僕に何か? ああ。黒崎一護様ですか? 知ってますよ! 実は僕昔あったことが有りまして。ええ、お姿を見たことがあります。すごく精悍な方でした。は? まさか。学院にいるわけ無いでしょう?」

 

「英雄様のことは私よく知ってますよ。本が結構いい加減なことも。え? なんだ知ってるんですか。……ああ、そういう情報持ってる人意外といますよね。僕が知ってる限りだと、あの志波家とゆかりがあるらしいですよ。本当のところは知りませんけど」

 

「志波? ああ居ますよ。たしか特進学級だったかな。すごい破壊するやつ。いやほんとに、なんか今まで色々壊してるらしいし。俺は近づきたくないですね」

 

「黒崎一護様が学院にいるわけ無いですけど、一護って名前の生徒なら知ってますよ。すごい爆発事件起こした生徒です。知らないですか? 鬼道で大爆発おこしたんですよ」

 

「黒崎一護っすか。ああ、まぁ、はい。知ってますけど、名前同じなんで。まぁ。……俺が? いや、違いますけど」

 

「すごい生徒なら知ってますよ! あの斑目一角副隊長と知り合いで、すごい模擬戦をやってて。え? 副隊長ですよ。なんか隊長って勘違いされているだけらしいですよ。名前? なんて言ったかなその生徒」

 

「こんなところで何をしている。……何? 新聞部? そんな部あったか? なんだ? 噂? どんな。…………黒崎一護様がいるわけ無いだろう。何を言っているんだ。そんなことしてないで、授業をしっかり受けなさい。まったく。…………まさかそんな噂になっているとは」

 

「ああ、それ志波くんのことだと思うけど。でも多分違うよ。すごい鬼道で大爆発起こしてたから。普通に考えてあの英雄なわけ無いだろ」

 

「一護くんのこと? うーん。普通ですよ。黒崎一護様のわけないですって。ちがう。ちがうよ。多分。でもなぁ。だってやっぱり普通じゃ……ううん。友達疑っちゃだめだよね」

 

「一護のこと? あれ? さっき話してませんでした?  話してましたよね。ほら、あそこにいる。あいつがそうですよ。名前は一緒ですけどね。ちがいますよ。だってあいつ結構抜けてるし」

 

 

 

 いろいろ話をきいてきましたが、みなさんやはり黒崎一護様をよく知ってるようで知らないのですね。私も知らないこといっぱいでした。

 で、ですよ。私はとうとう知ってしまったのかもしれません。

 その人物にたどり着いてしまったのかも。

 ええ。きっとあの人がそうなのです。

 

 だって全ての情報が正しいとしたら、あの人以外を指してないです。間違いないです。本人は否定しましたけど、絶対そうです。

 ああ、ウズウズしてきました。

 

 それでは突撃ーーー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目がさめた時、島山ありさは一人で裏庭の椅子に腰をかけていた。

「あれ?」

 

 なぜこんなところにいるのだろう。そう思って首をかしげるが一向に答えは出ない。

 いつももっている手帳も手元にはなく、それも不思議だ。

 

 ふと目の前に影が落ちて、島山は顔を上げた。

 そこにいたのは背の高い黒髪の男。

 色白で細身、優男のようでどことなく蛇のような、不思議な。

 

「君、こんなところで寝ていたら風邪をひくよ」

 

 男は穏やかな声で島山に言った。

 あわてて島山が立ち上がると、背の高い男が笑う。目元に傷がある以外はあまり特徴的な部分もないように見えたが、手には刀を持っている。

 死神ではない。と思う。白い着物を着ている。でも刀を持っているのは死神だ。それに学院の中にいるということは教員だろうか。

 島山は困惑したまま男を見上げる。

 

「それじゃあ、僕は行くよ」

 男はふっと笑って踵を返した。

 そのまま軽い足取りで中庭を突っ切っていく。

「あの! だれ、ですか?貴方は。どうして学院に?」

 島山の好奇心が勝って思わず尋ねると、男は軽く振り返った。

「さぁ。誰だろうね。僕はただ間借りしている家の家主から言われて来ただけだから」

「え?」

「これは忠告だけど」

 

 男は再び背を向け、後ろ手に手を振る。

「好奇心は程々にね。特に相手は選んだほうがいい」

 

 どういう意味かと尋ねようとして、瞬き一つをしたときには男はそこに居なかった。

 

 

 

 

 

 建物の木陰に背を預けて、男は懐から一冊の手帳を取りだす。

 そこに小さな栞を挟んで、男はわずかに微笑んだ。

 

 

 

 





 
 今回はちょっとした息抜きに書いたSSのようなものですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
 さて、次は再び一護とその友人たちに話がもどり、ちょっとした事件が発生します。
 シリアスモードになりつつ、ワチャワチャ感を残したいと思ってます!

 ところで、最後の人が誰だかおわかりでしょうか?

 それでは~!
 
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