硫黄島警備艦隊日誌   作:haruhime

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艦娘同士の近接戦描写。


むちゃくちゃ読みにくいかもしれませんが、ご容赦のほどを。


第012報 仮想敵艦伊勢

 

 皆さんこんにちわ。第122打撃戦隊所属、戦艦伊勢です。

 

 硫黄島は今日も快晴です。いや、つい一週間前は大荒れだったんですけどね。今日は何時にも増して元気一杯な太陽と、湿気た海風が私達を苛んでいます。

 

 跳ねた海水が暖かいのはちょっといただけないかなって思うくらいには。

 

 今日は巡洋艦の子達と模擬戦をするために、第六演習場を利用しているのだけれども。

 

 

「どうしました、カゲロウちゃん。その程度ですか。」

 

「フギャー!?」

 

 隣の第七演習場で、妙な艤装を背負った陽炎型の子が、これまた妙な艤装になってる神通に吹っ飛ばされてるんだよね。それも水平に二十メートル近く。自分で吹っ飛ばしたのに、すでに追いついてるあの神通ってなんなのさ、日向。あ、もう一発くらってる。

 

「そんな事を私に聞かれてもな。それよりも演習に集中しろ、伊勢。」

 

「あいたぁ!?」

 

「いやでも、集中しなくても当たっちゃうからね、今みたいに。手加減しないとダメじゃない?」

 

 牽制のつもりで撃った副砲弾が重巡加古の額に直撃したのを確認して、第七演習場に視線を戻す。艦橋喪失で中破判定ね。

 

「ここだ!」

 

 錆銀色の髪のやつ、見覚えがないけどいい動きしてるね。陽炎がやられている間に、神通の右舷後方に遷位。踏ん張りをつけて全火砲を斉射。狙いもいい。特Ⅲ型に見える制服だけど、臙脂色のベレー帽をかぶっている。胸が大きすぎてへそ出しになっちゃてるし。

 

「甘いですね。」

 

 けれども、もっとすごいのは海上なのに歩法と体術を援用して、凄まじいまでの入りを見せる神通。改二じゃない普通の川内型に見えるけど、水上機射出装置が私達の盾みたいなのに変わっているし、特徴的な緑の鉢巻が伸びている。

 

 各部に黒の追加装甲がついていて、かなり重そうだ。それでも、錆銀の狙いが良過ぎて素直な砲撃を、ふらふらと逸らしてかわして見せた。

 

 おお、更に踏み込んで、錆銀がぶっ放そうとした主砲を盾で逸らしつつ、シールドバッシュで浮かせて、回し蹴りで弾き飛ばすのか。錆銀も対応しきれないと判断して、側面盾で受けようとした判断は良いね。間に合わなかったみたいだけど。

 

「ぐぁっ!?冗談だろう!?」

 

「行くよ!三連装砲ちゃ!?」

 

 しかし後ろから突っ込んできた島風に、魚雷をぶち込むなんて容赦ないなぁ。模擬弾でも顔面はつらいよ。

 

 島風も自動砲台が防御に回ってたが、出足を潰されたらどうしようもないね。というより、片足で、しかも蹴りを入れた後の硬直状態から、海面に手が着く様な姿勢まで身をかがめながら旋回して自動砲台からの頭・胴体を狙った掃射を回避。それと同時に、射撃位置に飛び込んだ二機の自動砲台と島風の顔面に、左手のノールックスローイングで魚雷を当てるって、すごいねあのコ。

 

「ンじゃ、私は前にでるわ。援護よろしく。」

 

 そんなお隣さんを視界に入れつつ、私も前に出る。夕張ちゃんが連射してくる14cm級砲弾を盾で逸らしながら、機関を最大に。

 航空戦艦というよりは、どちらかというと艦隊前衛として敵弾の誘引を得意とする私は、深海棲艦タ級に近い役割を果たせる。格上を相手にしなきゃいけない巡洋艦の仮想敵として、最適な能力を持っているのは航空戦艦的にいいのだろうか。

 

「どぉ?この攻撃、って、当たらないじゃない!?」

 

 それにしても夕張ちゃんは照準が甘い。いや、後方航行射撃がダメってとこかな。後ろ向きで砲撃しなきゃいけないし、艤装が重いから射撃で余計に体勢が崩れやすいものあるよね。

 そこであえて足元に副砲を打ち込む。やっぱり射撃体勢が維持できないみたい。もっと平衡感覚と下半身を鍛えないとダメだね。

 

「な、ん、で、あたらないのよ!」

 

 連続した射撃音に惹かれて隣を見る。復帰した陽炎が同航戦で砲撃してるけど、何あれ新型!?陽炎の手にある普通の12.7cm連装砲に見える砲。でもその射撃速度はかなりのものだった。

 

「日向!すごいよあれ!」

 

「確かにすごい速度の連射だな。」

 

 機関砲並みの射撃速度なのに集弾率がすごい!50mで30cm圏内位かな。射撃反動もかなり抑えられているみたいだし、あんな近接火器があったら便利だよ!提督に持ってきてもらわないと。

 

 けれども一発もあたっていない。神通は陽炎の正確すぎる射撃を見切り、体捌きと速度の緩急だけで完全に回避している。

 

「射撃が素直すぎますね。相手を追尾するのではなく、逃げ場を塞ぐ様に打ちましょう。行き足が緩めば儲けです。今のあなたみたいに。」

 

「え、あ、ちょ!?あいたぁっ!?」

 

 神通は陽炎の進行方向に弾幕を形成。海面が泡立つのを見た陽炎は転進を図ろうとするものの、わずかに行き足が緩んでしまう。当然だろう。自分の進行方向に大量の砲弾が着弾しているのだから、無意識に減速してしまう。ましてや彼女は駆逐艦で、14cmが致命になりかねないのだから。。

 

 減速と余所見の代償は、フルスイングで投げ込まれた魚雷の直撃だ。顔面にめり込む形で被弾し、後ろに向かって倒れこんだ。痛いね、あれ。

 

「魚雷、よく狙って、いけ~!」

 

 聞こえた声に意識を戻せば、左舷側から古鷹が打ち込んだ魚雷が、こちらの進行方向をちょうどふさぐような機動を取っていた。全力航行中にこの精度で雷撃できるのは戦隊旗艦の面目躍如だね。でも、同航戦かつ雷撃戦の距離で砲撃命中弾が出せないのはいかがなものか。あ、無意識に回避機動とってたわ。

 

「でも古鷹ちゃん、油断はよくないなぁ?」

 

 雷撃コースが教科書どおり。弾道が読みやすくてダメだけど。主砲二基四門に装填してあった対地演習弾で、魚雷ごと海面を吹き飛ばす。

 

「えっ?」

 

 まるで噴火したように海面が吹き上がり、遅れて二個の水柱が立ち上がった。水中に発生した衝撃波で、魚雷をへし折るのに成功したね。たーまやー。

 

「よ、予想の範囲内だかr、ンがっ!?」

 

 全身に海水を浴びながら、主砲に次弾を装填。右足を軸に即時旋回して、三・四番砲塔で左舷を同航中の古鷹に牽制射撃を、って、また当たっちゃった。主砲直撃、完全大破か。

 

 今度は左足を踏み出して即時旋回。元のルートに戻る。正面に目をやれば、夕張ちゃんがあわてて回避機動に入ろうとしていた。けど、もう目の前なんだよね。さすがに砲弾が命中するけど、角度をつけた盾で受け流して。

 

「ゲームオーバーだね。」

 

「うわーん!?」

 

 そのままシールドで押し倒して、副砲で追撃。轟沈判定。

 

 あ、日向も容赦ないなぁ。正面決戦挑んで、主砲連打で鳥海撃沈とは。でもノーガード戦法とは言え、ドヤ顔ってどうなのさ、日向。

 

 向こうを見れば、更にひどい事になっている。錆銀が牽制と回避で稼いだ時間で、どうにか立ち上がった島風。

 

「無事ガァッ!?」

 

 けれども錆銀は、島風が立ち上がったのを視認する一瞬を突かれて、側面盾が凹む勢いで蹴り飛ばされる。重巡の装甲くらいの厚さがある鉄の塊を凹ませつつ、自分と大して重量が変わらない艦娘を蹴り飛ばすって、どんな出力してるんだろうか。私よりは強そう。

 

「ギャン!?」

 

「クソッ!ガハッ!?」

 

 蹴り飛ばした方向は損傷のひどい陽炎に向かって。陽炎は直撃を受けて気絶、ぶつかった錆銀も戦闘不能なのは明らかだった。

 

 島風は背後から援護に向かおうとするけれども、すでに神通が接近していた。30mを数歩で詰めるとか、ニンジャかサムライなの?

 

「二人とも!って、ジンツウさん速ッ!?」

 

 さっきの交戦で、自動砲台は二機撃墜されて機能停止。残り一機を抱えているけれども、砲塔部分が白いコンテナになっている。多分ロケット砲になってるから近接射撃は自爆になりかねない。固有武装を持たない島風に打てる手はないと思うのだけど。

 

 案の定防御しようとした島風は自動砲台ごと胴体を蹴りぬかれる。鋭い踏み込みからのヤクザキックだった。ロケット砲部分だけが掴んでいた手の中に残り、砲台は拉げて腕から零れ落ちる。蹴りぬかれた衝撃で島風は大きく吹き飛ばされた。海面に叩きつけられるがバウンド中に体勢を立て直し、どうにか二回目のバウンドを防ぐ事はできたらしい。

 

 ほぼ全ての武装を失った島風。でも島風の目は死んでいない。手の中に残っていたロケット砲の残骸から、生き残っていた二本のロケット弾を抜き出して両手に握りこむ。まさか、あの神通相手に近接戦を挑む気なのか。いいね、魅せるねぇ。

 

 二人はお互い今にも飛び掛りそうな雰囲気で、停止していた。お互いの隙を狙っているのだろう。先に動いたほうが負ける。ここまでの攻防速度を考えれば、目で見てからでも対応できてしまうのは明白だった。

 

「うう、怖いよ。当たらないし。」

 

 それに比べてこっちときたら。残っているのは最上、阿武隈、北上。最上は改装前とは言え15.5cm三連装砲を遠くからぱらぱらと撃つだけで、積極性にかけてるな。配属直後だからって、もう一寸前に出てほしいところだな。

 

「阿武隈、もっとあっち行ってよ。」

 

「北上さんこそ、近寄らないでくださいよ。」

 

 阿武隈と北上はお互いの牽制で忙しいみたい。そこまでお互いに意識してると衝突する気がするんだけどね。演習中に敵のほうを見ないなんて面白いまねをしてくれるじゃない。

 

「三人とも余裕じゃないか。」

 

「キャン!?」

 

「なっ、あふぅ!?」

 

「それっ、ぐえっ!?」

 

 あ、日向が突っ込んでいく。北上と阿武隈は即座に反応したね、直撃だけど。センスは良いんだから、もう少し真面目にやってくれないかな。まだまだ実戦には出せないよ。

 

 最上は、仕方ない。次だ次。

 

 ……全滅しちゃった。あっけないな。それよりこっちのほうが気になる。おっ、動くね。

 

「シマカゼ、突撃します!」

 

 島風は姿勢を低く保ち、蹴り足を下ろした神通にあえて正面から挑みかかる。受ける側の神通は、一瞬驚きの表情を受かべるが、すぐに凄惨な笑みが取って代わる。勇猛果敢な獲物に敬意を表しつつ、どんな手を使ってくるのか楽しみにしている表情だ。水雷戦隊はあの表情が出ると怖いからね。何をしてくるかわからない。

 

 島風は表情を引きつらせながらも更に姿勢を前傾にする。水上滑走ではなく水上疾走だ。通常の艦娘が取る動作ではないね。普通なら機関出力とスクリューによる推進補助を失うために遅くなるが、島風は更に増速する。

 

 しかし、もっと可笑しいのは神通のほうだろう。なにせ水面が爆発している。一歩踏み出すごとに水面が爆ぜ、彼女の体は大きく前に飛び出していくのだから。神通の凶相は更に深みを増し、その瞳が爛々と輝いている。悪鬼羅刹の笑みだ。

 

 お互い最後の一歩を踏み出した、いや、わずかに島風のほうが速く踏み切ってしまう。神通はわずかに遅れて、左足を踏み込む。右足を蹴りだし、空中に浮いてしまった島風に向けて、刺突剣の様に魚雷を突き込んだ。

 

 確殺の一撃。空中の島風に逃れるすべはなかった。駆逐艦としては長いリーチも、軽巡と比べれば短くなってしまう。魚雷とロケット弾の長さの差もこの状況では大きすぎた。

 

 しかし、島風は笑みを浮かべる。どんな秘策があるというのか。

 

「シマカゼには、誰も追いつけないよ!」

 

 島風の背中から閃光が放たれ、浮き上がっていた体が前のめりに海面近くまで押し付けられる。背中に取り付けられていたのは、魚雷管ではなくブースターだったのか!白い推進炎を噴出しながら、島風は凄まじい加速で突きこまれる魚雷を交わした!

 

 島風は海面とほぼ平行になった体を左足一本で支えて踏み切り、四基ある偏向ノズルとサイドブースターが無理やりに体を右に旋回させた。右手のロケット弾が、腕の降りとブースターの推力を合わせた凄まじいまでの速度で神通に迫る。体が流れているはずの胴を狙った回避ではなく攻撃までするのか。

 

 しかし、神通は笑みを絶やさない。その理由はすでに明らかだった。

 

「合格です、ご苦労様でした。そしておやすみなさい。」

 

 神通はすでに魚雷を射出していたのだ。左腕に取り付けられていた魚雷発射管から飛び出た魚雷は、神通の左手側に飛び込んだ島風の顔面をしたたかに打ち付ける。直撃する寸前に蒼い光を放つ障壁が展開されるが、ほんの少し速度を緩めただけで容易く割れて、魚雷は当たってしまった。

 

 自身の速度と、圧搾空気で射出された魚雷の速度。二つを掛け合わせた衝撃が島風の気を失わせた。人間なら首から上がスプラッシュしていたであろう衝撃だ。艦娘ゆえの頑丈さと、演習用の結界によって極端な破壊が防がれるために、無事に済んでいるに過ぎない。46cm弾の直撃を受けるのとどっちが痛いんだろうか。

 

 真上を向いていた島風は、魚雷によってその運動ベクトルを変更され、後頭部から海面に突き刺さる事になる。気を失ったと同時にブースターが途切れても、それまでに得られた推進力は減衰できなかったようで、縦に三回転した後に海面に浮かぶ事になった。

 

 しかし、島風は大手柄といえる。射出途中だった魚雷は、島風とぶつかった衝撃を魚雷発射管に伝え、魚雷発射管は大破してしまった。さらに、その衝撃は神通の左腕に何らかの影響を与えたらしい。なにやらしきりに動作を確かめている。

 

 機能的に問題はなかったのだろう、全身のチェックを終えた神通は通信を始める。

 

「提督、第五次近接戦演習は終了しました。高速修復材と資材、霊力供給をよろしくお願いします。30分で次の演習に入るので。」

 

 え、30分後に次の演習始めちゃうの?これだけ痛めつけたのに?

 

「え?嫌ですね、まだ続けますよ。あと八時間したら夜戦演習に入りますし。」

 

 ぶっ続けで夜まで逝くの?死んじゃわない?精神的に。後なんでそんなに虚を突かれたみたいな顔してるの?聞こえないけど、多分提督の反応が正しい。

 

「訓練終了ですか?そうですね、三日後位になると思います。」

 

 三日後って、三日後ってなんなんだろう。この密度の訓練を三日はやりたくないな。

 

「明日は艦体形態で轟沈寸前まで逝って貰いますし、明後日は私と一対一で全力交戦です。」

 

 すごい笑みを浮かべる神通に恐怖を感じてしまう。いつの間にか隣に来ていた日向と顔を見合わせ、思わず合掌してしまった。島風、錆銀、陽炎、強く生きろ。

 

「最終日一日かけて、払暁戦、朝戦、昼戦、夕刻戦、夜戦を深海棲艦相手に実戦演習する予定です。単艦で戦艦を潰したらそれで配置訓練は終了になります。」

  

 ダメかもしれない。生き残れなさそうな感じがすごいする。

 

「私達は艦娘ですよ?前世では一週間の訓練なんてざらにあった事ですから。」

 

 そうだね、あったね。でも航行訓練が大半だった気がするな!

 

「そろそろ向かいますので、よろしくお願いします。では。」

 

 通信を打ち切ったらしい神通は、海面に浮かんでいる三人を次々に回収していく。曳航策に繋いで曳航するのか。何気にひどいな。

 

 現実はもっとひどかった。三人を結びつけた後、神通は三人に気付けを入れてたたき起こす。

 

「それでは皆さん。港湾入り口まで鬼ごっこです。撤退中の艦隊統制訓練ですから、陣形を乱さずに、がんばって逃げましょう。二十秒後に追撃をしますね。では、始め。」

 

 三人は必死の形相で逃げ始めた。思わず天を仰いでしまう。

 

「では、第六演習場で浮いている諸君。私達も帰投するぞ。」

 

 日向の合図と共に、死体のようになっていた巡洋艦たちが集まってくる。いつもなら疲労と痛みに顔をしかめながらゆっくりと来る連中が、今日は嫌に早い。まぁ、鬼が近くにいたからね。その反応はわからないでもないけど。

 

「ん~、皆お疲れ様。とりあえず帰投しながら、今回の反省点をまとめておいてね。改善法と合わせて、本日1530までに課題箱に提出する事。」

 

 私から今回の演習の締めを伝える。みんな結構悔しそうな感じだね。いいよいいよ、その感情は向上心につながっていくものだからね。

 

「1700に戦隊会議室に集合だ。私達から所見を伝え、多少の講義を行う予定だ。……では、全艦単縦陣にて警戒航行、始め!」

 

 日向からは反省会の開催を伝える。それぞれの私見を採点し、教官としてアドバイスをしなきゃいけないのが先輩のつらいところだよね。一応、警戒態勢を指示して、帰投を開始する。

 

 皆、疲労している中、それなりにがんばって陣形を維持している。多少ふらついているけど、ま、仕方ないね。

 

「ねぇ、日向。」

 

「なんだ、伊勢。」

 

 彼女たちを後ろから眺めながら、胸のうちに生まれていた、情熱の炎に突き動かされるように言葉を紡ぐ。

 

「一戦、やりたいね。」

 

 神通のあの圧倒的な戦闘センス。それに追随しようとする三人。楽しみでしょうがない。一戦して、自分の全力を出し切ってみたい。そう思ってしまう。

 

「そうだな。」

 

 思わず日向の顔を見た。反対されるかな、と思っていたのに。積極的ではないタイプの日向が同意してくれるなんて。

 

「提督にお願いしてみますか。」

 

「よろしく頼む。」

 

 なんだかうれしくなってしまった。姉妹とは言え、割と性格が違うと思っていた。

 

 実際違うし。

 

 それでも、艦娘としての根っこに変わりはなかったのだと知れたことがうれしかった。

 

「日向も手伝ってよ!」

 

「まぁ、そうなるか。」 

 

 何気に面倒ごとを任せようとしないでよ、日向。事務仕事も提督の説得も二人でやらなきゃね。

 

 伊勢型戦艦姉妹的にはさ。

 

 ……戦闘狂ってのはどうなんだろうね、娘的にさ。

 

 





ちなみに演習なので装薬は少なめ。

仮想演習は一回だけやって打ち止め。

ジンツウさん的には、近接打撃への対応は必須項目なので、弱装弾と木製魚雷での殴打を指導中。魚雷で殴るのは最後の手段ですが、敵がやってくる可能性は意外とある世界です。(当たっても自爆ですし。)

一人だけ戦闘行動が異常なのは、前の世界で人型での戦闘経験を持つのがジンツウだけなのが原因です。
ジンツウ 前世経験Lv150+艦娘経験Lv1
他の子  前世経験Lv0+艦娘経験Lv1
みたいな。

第122打撃戦隊は、航空戦艦で編成された、前進攻撃部隊だったが現在は教導隊。
伊勢、日向はLv99の砲戦教導要員、扶桑、山城はLv99の水上機教導要員として活動中。
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