硫黄島警備艦隊日誌   作:haruhime

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やっぱり速いって大事よね。

だって、速くなかったら間に合わないじゃない。

敵を殺すのも、味方を守るのも。

一歩でも早く、一歩でも遠くに。

次こそは、間に合ってみせる。

だって、それがシマカゼだもの。

私が一番速いんだから!



第006報 駆逐艦シマカゼ

「はじめまして!核戦争対応型高速駆逐艦、シマカゼです!速きこと、島風の如し、です!」

 

 最初のアイサツが大事って、昔誰かに言われた気がするから元気にしてみた!ンだけど。なんで二人とも返してくれないのかな。何か失敗した?三連装砲ちゃん、どうしよう。

 

 思わず三連装砲ちゃんを抱きしめちゃった。怒られるかな?

 

「あ、ああ、すまないシマカゼ。よく来てくれた。」

 

「テートク!よろしくお願いしま~す!」

 

 テートクさんはちょっと戸惑ってる?けどちゃんとアイサツしてくれたよ!なんだか見た目で誤解されそうだけど、きっと優しい人なんだと思う。

 

「防空戦艦、ハルナです。よろしくね、シマカゼちゃん。」

 

「おねーさんも、眠ってる人も、よろしくお願いしま~す!」

 

 ハルナおねーさんもアイサツしてくれた!もう一人は眠っているみたいだけど、二人ともなんだかんだ優しそうな感じ。

 

 やっぱりアイサツって大事ね。あ、奥にも二人居る?でも艦隊の人じゃないみたいだから、後でもいいかな?

 

「テートクさん、きっと私が活性化したことに驚いてるでしょ?説明してもいいかな?」

 

 テートクさんに近寄りながら、上目遣いでおねだりします。こうすると男はイチコロって誰かが言ってた気がする。オオカミさんだっけ?

 

「……説明してくれ、シマカゼ。うおっ!?」

 

 テートクさんはあっさり許してくれました。やっぱり正しいんだね。それに、やさしい瞳で、頭をなでてくれました!

 

 第二次世界大戦が起きなかった世界で、ドゥームズディまで生き残った冷戦型駆逐艦なの。127mm三連装高角砲二基と九連装対潜ロケットシステムヘッジホッグⅡ Mark.24二基、六連装旋回式多用途ロケットランチャー、五連装超音速魚雷一基、レーダー同期型40mm単装機関砲二基、同20mm連装機関砲二基、チャフ、フレアランチャー二基を搭載して、巡航速度は29kt、最高速度は46kt。当時最新鋭の推進システムと艦体後部のブースターシステムによって、瞬間最高速度は65ktを叩きだせるよ!対核兵器隔壁と表面融溶対熱線コーティング、完全換気システム、艦体洗浄装置、核パルスECM対抗防壁を標準搭載しているから、対艦隊核攻撃も一度なら耐えられるよ!二回目は無理だけど。

 戦術データリンクはリンク11を使用。でも最後の近代化改修で、C4Iシステムの受信機能を得ているから、戦隊防空には参加できるよ。でも主要任務は潜水艦狩りかな?対潜水艦作戦なら任せて!

 艦娘としての機能は、自動砲台としての三連装砲ちゃん二基と、六連装マルチランチャーちゃんが全ての攻撃を担当してくれるの。機動防御も担当するからいざとなったら盾にしてね。

 

 これくらいかな。テートクさん、私は役に立てる?

 

 でも、ハルナおねーさんがちょっと怖いです。満面の笑みなのに、目が死んじゃってる。

 

「ヘーイ、テイトクゥ。シマカゼちゃんカラ、離レルネ~?」

 

「おい、ハルナ。金剛になってる、金剛になってるぞ。あとシマカゼがくっついて来るんであってだな。」

 

 こういうときは、……抱きついてもっと接触する、かな?ちょっと大きくなったから、少しは楽しんでくれるかな?

 

 ぎゅーっとしたら。おねーちゃんがもっと怖い感じになったよ!?

 

「いいからとっととハナレルデース!」

 

 でも、瞳は緩んだね。テートクさんも、緊張が取れたみたい。

 

「おねーちゃん、こっわ~い。」

 

「シマカゼもあおるんじゃない!」

 

 えへへ、二人とも本気じゃないのは分かってるよ。私を受け入れようとしてくれてるんだよね。

 

 最終戦争で最初に沈んだ私は、開戦の口実として友軍に沈められたんだもん。

 

 味方が信じらレなイかも、ってオもってクれたんだよね。

 

 だから私は、がんばって信じるよ。

 

 それがあの戦争を始めてしまった私の後悔なんだから。

 

 けれど私は、そんな思いを表に出さないように精一杯笑うんだ。

 

「他の子が待ってるよ!テートクさん!」

 

 だって、せっかく生きてるんだよ。皆の分も生きなきゃダメだもん!

 

「だったらハルナを止めてくれ!」

 

 ん?テートクさんちょっと本気であせってる?

 




それでも私は、沈みたくない。

仲間を信じないで、一度も戦えずに沈んじゃったんだもん。

今度は私が最後の番だよ。

皆の戦いをこの目で見て、心に刻んで。

最後に笑って沈んでみせる。

それが私の願いだから。




テートクさん、私をうまく使ってね?

最後になるまで絶対に沈まないよ。

だって私、速いもん!
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