『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

144 / 792
第16話 ムー大陸

パッチ特製オーバーソウル『パッチマリン』により、二次トーナメントに進出した12名がムー大陸へと運ばれる。

そこでハオ以外の全員がシャーマンファイトを辞退。

これにより、ハオがシャーマンキングに確定した。

 

「と、言うことで。

 シャーマンキングはハオ兄上に決定じゃ。

 皆の者、拍手ー」

 

パチパチパチパチ。

 

12名しかいなかったはずのシャーマンがめちゃくちゃ増えていた。

 

「おめでとなぁ、ハオ」

 

「「「ハオ様ー!!」」」

 

「な、なんだこれは!?どういう状況だ!?」

 

それはパッチたちが聞きたい。

 

「どうやらお前だけが蚊帳の外だったらしいな。

 だからお前はいつまでたっても『チビマルコ』なのだよ」

 

「リゼルグ、アンタ言ってなかったの?」

 

「はい……マルコに伝えたら絶対猛反発してパッチにバレてしまうと思ったので」

 

「ごめんなさい、マルコ」

 

「ジャンヌ様!?」

 

「……説明してもらおうか!」

 

パッチ族の族長ゴルドバがシャーマンたちに凄み、涼しい顔をしたガンダーラのサティが一歩前に出る。

 

「我らが計画していた『五人の戦士』。

 詳細はすでにそちらでも把握済みかと思います。

 しかし『ふんばり温泉チーム』と『THE・蓮』は一次トーナメントでぶつかり、どちらかが敗退してしまう。

 故に両チームをどうやって二次トーナメントに進めるかに四苦八苦していたのですが……紅葉さんが素晴らしい解決策を提案してくださいまして」

 

「儂は次元を切り裂けるんじゃ。

 行先を把握していれば二点をつなぐ扉を開くなぞ容易い。

 んで、折角呼び寄せるなら多い方がいいじゃろ」

 

「我らガンダーラと、ハオの仲間の方々、『ふんばり温泉チーム』の関係者の皆で、シャーマンキングの戴冠式に参列させていただこうと考えた次第です」

 

「えぇと、僕はシャーマンじゃないですけど、お邪魔してます!」

 

「それを許すと思うか!?」

 

「逆に聞くが、阻めると思うか?」

 

「……!」

 

巫力800万の紅葉、内臓巫力200万のゴーレムを筆頭に、神クラスのシャーマンが十数人。

そこに至らぬ者も皆強豪ばかり。

この先ではパッチ十祭司が各々のプラントで侵入者を待ち構えるのだが、あまりに分が悪い。

 

「物理的に道を閉ざすというなら仕方がない。

 直接転移させてもらうとしよう。

 儂一人ならば知らぬ場所でも、知った人間を対象として移動できるのでな」

 

「!?」

 

場所ではなく人を対象とするヘルメスドライブの利点だ。

そしてハオの元に辿り着いた紅葉がまた次元を切り裂き、この場にいる全員を迎え入れればよい。

 

「さぁて、どうする?

 儂らはどちらでも構わぬがなぁ?」

 

「ぐ……うぅ……!」

 

紅葉……ヒノカミは執念深い。

『なんでも願いが叶う』と言うのは大嘘で、それどころか危うく夢が潰えるところだったのだ。

パッチたちに悪意が無かったとはいえ、彼女の中では復讐対象なのである。

 

「諦めろゴルドバ。

 どう足掻こうとソイツはすべてを捻じ伏せて突き進んでくるぞ。

 ならばパッチが用意した道を歩かせた方がまだマシだ」

 

「……畏まりました、シャーマンキング様」

 

ハオの言及により、ついにゴルドバが観念した。

この大軍勢を前にしてはパッチ精鋭の十祭司と言えど撃退は不可能。

彼らに出来るのはもはや命がけの時間稼ぎだけだ。

 

「……そういえばサティ。目当ての物は?」

 

「えぇ、こちらに。

 アナタが会場を破壊したお陰で時間に余裕があったので、今日までに全て揃えることができました」

 

ガンダーラの者たちが葉たち4名に差し出したのは……スピリット・オブ・ファイアを除く4体の大精霊。

 

「では、頼みましたよ。五人の戦士たち」

 

「おぉ、よろしくな。スピリット・オブ・アース」

 

「スピリット・オブ・サンダーか……いい面構えだ」

 

「頼りにさせてもらうぜ、スピリット・オブ・レイン!」

 

「さぁ、スピリット・オブ・ウィンド!

 俺たちで世界に笑いの風を巻き起こしてやろうぜ!!」

 

「「「…………」」」

 

憐れ十祭司。彼らはパッチが崇めてきた五大精霊たちの最初の生贄となることが決まった。

 

「ハオ兄上ー。スピリット・オブ・ファイアもこっちにくれ」

 

「いいだろう」

 

「「「シャーマンキング様!?」」」

 

憐れ十祭司。新たな王にすら裏切られる始末である。

ハオがスピリット・オブ・ファイアを開放し葉たちの方へ向かわせる。

 

「フフ……だが何もかもがお前たちの予想通りになるとは思わないことだ」

 

「?それはどういう……」

 

スピリット・オブ・ファイアは他の大精霊たちと千年ぶりの再会を果たした後、新たな主の元へと歩み寄る。

……リゼルグの隣を通り過ぎて。

 

『……』

 

「……儂か!?」

 

「「「何ぃ!?」」」

 

「ハハハ、ソイツはお前を気に入ったとさ。

 精々可愛がってやってくれ。

 ……では僕は先に行く。戴冠式に遅刻するなよ」

 

背を向けてハオが立ち去る。

そしてスピリット・オブ・ファイアはヒトダマモードに変化し、困惑する紅葉の中に勝手に入り込んでしまった。

直後、彼女の背中から炎が溢れる。

 

「ぬぉうっ!?えぇいはしゃぐな!落ち着かんかい!!」

 

「こ、これはどうしたものか……!」

 

付け焼刃のリゼルグよりも圧倒的に高い巫力。

『敵意の炎』よりも強い『憤怒の炎』。

個性や斬魄刀等、あまりに高すぎる炎への親和性。

加えて以前戦いになった際にスピリット・オブ・ファイアの魂の一部を吸収した紅葉は、まさに炎の巫女とも呼べる存在になっていた。

 

「……うん、紅葉ちゃん。スピリット・オブ・ファイアをよろしく頼むよ」

 

「リゼルグ・ダイゼル!?」

 

「ごめんなさい、サティさん。

 でもやっぱり彼女が一番だと思います。

 アナタの考えた条件にはそぐわないかもしれませんけど……一番ハオのことを想っていたシャーマンは、多分彼女だと思うから」

 

「……仕方ありませんね」

 

『諦めないでくれ』『何とか説得してくれ』というパッチたちの無言の祈りは届かなかった。

王に付き従い立ち去っていく彼らの背中が煤けていたのは気のせいではないだろう。

最凶最悪のシャーマンが五人の戦士とやらに内定し、自分たちと戦うことが決まってしまったのだから。

 

「しゃーないのー……まぁ、仲良くやろうか。スピリット・オブ・ファイア」

 

『……!』




・個性『炎舞』 → 炎舞『劫火絢爛(ごうかけんらん)

スピリット・オブ・ファイアと融合し個性が進化。
膨大な巫力を使い炎を自在に生み出し、この世全ての炎を自在に操る。


遂に自由に炎を出せるようになり、『火の神』に相応しい能力を手に入れました。
これにより武装錬金に斬魄刀を突き刺す必要が無くなり、斬魄刀と超パワーと火炎生成・操作を同時に行えるようになりました。
ただ一番大きいのは卍解の炎すら操れるようになったことです。
炎をつぎ込んで巨大化させたり、月牙天衝を遠隔操作したり。
……鬼かな?
鬼だったわ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。