『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第21話 群訝山荘

全国各地に点在する超常解放戦線の拠点。

その中でも最も巨大な施設である群訝山荘。

地下には神殿とも言える巨大な空間が存在しており、今そこでは幹部が大勢の構成員たちを集めて定例会議を開いている。

一網打尽にする絶好のチャンスだった。

全国のヒーローどころかヒーロー候補生たちすらかき集め、作戦開始に備えている。

 

『間もなく作戦開始予定時刻となります。各員、準備と最終確認をお願いします』

 

マンダレイのテレパスが、森の中に潜んでいる作戦参加者たちの頭に響く。

 

「しかし最前線のチャージズマたちは大丈夫なんかね?」

 

「信じるしかありませんわ」

 

「そーいやデクとバクゴー……ダイナマイト見たか?

 アイツらどこに配属されてんだろ」

 

「そーだね、ウラビティは知らない?

 ……どしたの?麗らかじゃないよ?」

 

最前線から少し離れた後衛集団に配属されたA組生徒たちが雑談に興じていたが、すでに無言で目を閉じ手を合わせて精神を集中させていた麗日……ウラビティの様子があまりにも緊迫していたので思わず声をかける。

 

「……ゴメンね、みんな」

 

「麗日……?」

 

『……え、これは?……えぇっ!?……ハイ、伝えればいいんですね?』

 

話の途中で上擦ったマンダレイの声が割り込み、生徒たちだけでなく周囲のヒーローたちも訝しむ。

 

『追加連絡です!

 ヒーロー及び候補生の皆さんは当初の作戦通りですが、チーム『ワン・モア・タイム』の方々は独自に行動します!』

 

「……『ワン・モア・タイム』?」

 

「お前知ってるか?」

 

「いや知らねぇ」

 

聞いたこともないチーム名に、周囲にざわめきが広がる。

 

『チーム『ワン・モア・タイム』のメンバーは以下です!』

 

ナンバー1:エンデヴァー

ナンバー2:ホークス

ナンバー3:ベストジーニスト

ナンバー4:ミルコ

 

ここまでは誰もが知っているトップヒーローたちだ。

いつの間にチームを組んだのかは知らないが、彼らならこの重大作戦においての独自行動も納得だと皆の疑念が晴れる。

だが続くメンバーの名前を聞き、彼らを知る者は驚愕の声を上げた。

 

『ナンバー5:デク

 ナンバー6:ダイナマイト

 ナンバー7:ウラビティ

 ナンバー8:イレイザーヘッド

 ナンバー9:プレゼント・マイク

 ナンバー10:ラウドクラウド

 以上10名が構成メンバーとなります!

 皆さんは極力彼らには近づかないように!

 支援・救援は互いに不要とのことです!』

 

「「「はぁ!?」」」

 

A組、その場にいたB組の生徒たちが一斉にウラビティを見る。

ヒーローたちも彼女が構成メンバーだと気付いたようだ。

しかし彼女は周囲の視線を受けても物怖じせず、敵拠点の方角をじっと見つめていた。

 

「よぅ、ウラビティ」

 

「ミルコ!?」

 

「……よし!じゃあ行ってくるね、みんな!」

 

そして前線にいるはずのミルコが彼女を迎えに現れたことで、先ほどの連絡が真実なのだと知った。

 

「一緒に戦えんのは残念やけど、大丈夫!

 みんなが怪我せんで済むよう、デクくんもダイナマイトくんも、私も精一杯頑張るから!」

 

「待ってください!何故アナタ方がトップヒーローたちと同じチームなのかは存じませんが、あまりに危険すぎます!

 我々はまだヒーローですらない学生なのですよ!?」

 

「安心しろって、コイツは強ぇ。

 なんせこのアタシとサシでやり合えるんだ。

 とっくにトップヒーローレベルなんだよ。

 アタシら全員のお墨付きさ」

 

「「「!?」」」

 

雄英生徒とは言えまだ1年のヒーローの卵が、オールマイトに次ぐとされていたトップクラスの武闘派ヒーローと渡り合えると本人に太鼓判を押され、話を聞いていた周囲のプロヒーローたちも目を剥く。

 

「んじゃ行くぞ!」

 

「はい!!」

 

「速……!?」

 

ウラビティはミルコに続き、風のような速さで木々を駆け抜け最前線へと向かっていった。

 

『……間もなくエンデヴァーが緊急会見を開きます!

 突入の合図は、『彼が頭を下げた瞬間』とのことです!

 全員、会見を注視してください!』

 

「会見……?」

 

「じゃあエンデヴァーはここにいないのか!?

 何やってんだよナンバー1!」

 

「ひとまず会見を見よう!」

 

ヒーローたちがスマホを取り出し、それぞれの集団で固まって中継映像に食いつく。

 

『……皆さん、本日は急な連絡にもかかわらず、お集まりいただきありがとうございます』

 

丁度エンデヴァーが報道陣に挨拶をしているところだった。

 

『私から皆様にお伝えせねばならないことがあります。

 どうか最後まで、ご清聴お願いいたします。

 これより語ることは……全て真実です』

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