読みづらいかもしれませんがご了承ください。
「……んなことして、なんになるってんだよ!?」
「さてそこまでは。
しかし998年前の戦いは滅却師が死神に『攻め滅ぼされた』のではない。
滅却師が尸魂界に『攻め入り』、『霊王』を討たんとしたものだったそうです」
「姉貴が籠ってた、藍染が行こうとしてた場所にいる奴だよな?
一体何なんだ?その『霊王』ってのは」
「百万年ほど前に世界を現世・尸魂界・虚圏に分断し維持し続けていた者です。
故に霊王が滅びれば生と死が入り混じる世界に逆戻りし、今ある世界が滅びる。
そして間もなくユーハバッハは復活し、再び尸魂界に侵攻してくるでしょう。
そのために護廷十三隊は虚圏の破面たちとすら連携し、戦いに備えています。
アタシと隣互サンもそれに協力しているんです」
「虚とも……!?」
「か、勝てるんですか……?」
「……アッハッハ。勝てますよ、確実に。
こっちには隣互サンがいるんですよ?
『滅却師の王』の力は強大ですが、どう考えたって彼女の方が上です。
まともにぶつかれば彼女が負けるはずがありません」
「……ハァ、そっか」
「よかったぁ……」
「ですが護廷十三隊はほぼ壊滅します」
「「「「!!?」」」」
「良くて半壊、最悪全滅。
……それがアタシの見込みです」
「そんな……!」
「ルキアも、恋次もか!?」
「勿論。
だから隣互サンは霊王直属の零番隊と共に、少しでも被害を減らそうと動いてたんです。
アタシや総隊長も協力し、他の死神たちに秘密でとある計画を進めていました。
……正確には別の目的の計画なんですが、それを実行することが滅却師たちとの戦いを有利に運ぶことに繋がるとわかり対応を急いできました。
そして先日ようやくその基礎が完成した。
これで護廷十三隊の損耗率は3割ほどにまで抑えられる試算です」
「それでも、3割……!」
「仮にアナタ方が参戦しても大きく変動はしないでしょう。
そして当然、命の保証はない。
だから隣互サンも尸魂界も皆さんには秘密にしているんです。
被害は大きくとも勝てるとわかっている戦い。
今の時代の現世を生きる若者を、これ以上巻き込むべきではないと。
……実はアタシも最後まで黙っているつもりでした。
隣互サンとの計画が『成功していなければ』」
「え?……逆じゃないんですか?」
「皆さん、今日の彼女におかしなところはありませんでしたか?」
「おかしな?
……だいたいおかしいぞ、姉貴は」
「あぁ」
「うん」
「ウム」
「あー……スイマセン、言葉を変えましょう。
今日の彼女は、やたらと力を使ってませんでしたか?」
「それなら確かに。
包帯とか炎とか、使うまでもねぇことに力を使ってた気がする」
「でしょう?
彼女は今『慣らし運転中』なんです。
自分の今の力がどのくらいかを詳細に把握するために。
……先ほどの計画は彼女に多大な負担をかけました。
今の彼女は『著しく弱体化』しているんです。
死神の被害は減り、滅却師との戦いは更に優位に運ぶでしょう。
ですがそれと引き換えに『0%』だったはずの隣互サンが死ぬ確率が『0%』じゃなくなってしまったんですよ」
「「「「!!?」」」」
「今の彼女の実力は、おそらくかつての藍染や零番隊の方々と同程度……それでもとんでもないんですがね。
ですが今回の戦いに参加すれば、無事で済む保証がないんです。
……彼女との計画はまだ途中。
個人的にも、ここまで貢献してくれた彼女を絶対に死なせたくありません。
だから『この戦いには参加するな』とアタシら全員口を酸っぱくして言ってるんですが……」
「……姉貴は……仲間を見捨てねぇ……!」
「そうです。いざとなれば彼女はきっと勝手に飛び出してしまう。
だからアタシも勝手に動くことにしました。
……重ねて言いますが、アナタ方の力を借りたとしても確実に被害は出ます。
アナタ方が死んでしまう確率は非常に高く、隣互サンが死ぬ確率も0にはならない。
……ですがわずかに、ほんのわずかに0に近付く。
そのわずかの可能性のために命を懸ける覚悟、お有りですか?」
「ったりめぇだ!!」
「はい!」
「ウム!」
「……雨竜サン。アナタは『滅却師』です。
ユーハバッハにつくというならアタシに止める資格はありません。
今の話を持っていかれると困ったことにはなりますが……」
「言うまでもないでしょう……お断りです。
祖先だか王だか知らないが、母の仇に手を貸すなんて真っ平御免だ。
負けが決まっている陣営に付くほどひねくれてもいない。
……何より僕は、今の世界と生活を気に入っているので」
「……頼りにしてるぜ、雨竜」
「あぁ」
「開戦は先ほどお伝えした通り、おそらく6月です。
今からでは出来る事は少ないですが、備えと覚悟をしておいてください。
あとどうせバレるでしょうが……隣互サンや他の方には秘密にしておいてください。
言質を取らせずのらりくらりと。
今の隣互サンがやっていることです。
であればそれを棚に上げて追及はしてこないでしょう」
「はは、だろうな」
「ま、戦いが終われば結局追及されるんですがね。
……ハハハ、アタシ今度こそ殺されますかねェ」
「オレらが生きてりゃ、庇ってやるよ」
「なるほど、まさしく皆さんとアタシは『一蓮托生』なわけだ。
是非とも皆さんには生き残ってもらわなきゃ。
……よろしくお願いします」
隣互が関わっている時点で勝ちは確定、後はどのくらい被害を少なくできるか。
彼女が一番死なせたくない一護らを参戦させるはずがないので、浦原にやらかしてもらいました。
ごめんよ浦原。だから恨まずに逝ってくれ。