『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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今のヒノカミの端末の実力は天下一武道会での天津飯より少し上くらいです。
しかし様々な能力含めてその評価なので、ルールのある武道会だと多分負ける。
武闘家ではなく剣士ですし。


第2話

ブルマはここには車で来たらしいが、悟空が妖怪と間違えて壊してしまったらしい。

よって別の乗り物を用意するとホイポイカプセルを取り出した。

小さなカプセルのボタンを押し放り投げると、バイクが現れる。

 

「妖術だ!やっぱりおまえも妖術使いだろ!?」

 

「ホイポイカプセルくらい、都じゃ常識よ?」

 

「だとしても安価なものではないがの。

 そんだけ大量に持ち歩いとるあたり流石ではある」

 

「悪いけど3人乗りの乗り物は持ち合わせがないのよね。

 ヒノカミ、アンタバイクの運転できる?

 だったらもう一台出すけど?」

 

「いや必要ない。お主は悟空を後ろに乗せてやってくれ」

 

「あぁ、やっぱり何か乗り物持ってるのよね?」

 

こんな人里離れた場所だというのに世間に詳しいようだから、ヒノカミは頻繁に人里に移動しているのだとブルマは勘違いしていた。

 

「いや、走る」

 

「へ?」

 

 

 

そして3人は旅立ち、悟空を後ろに乗せたブルマがバイクにまたがり疾走する。

 

「すげーなコレ!

 オラが走るよりずっとはえーぞ!」

 

「……うん……そうね」

 

「でもやっぱばあちゃんのがはえーな!」

 

「なんでよ!?」

 

周辺に人気もないからとアクセル全開だというのに、ヒノカミはバイクの前をそれ以上のスピードで疾走していた。

走り出してから今まで、彼女の背中しか見えない。

 

「アンタも大概化け物だけど、アッチの方がとんでもないじゃない!」

 

「すげーだろばあちゃん。

 オラもまだ一回も勝てたことないんだぜ?」

 

悟空たちの住んでいる山の近辺には人食いの化け物もそれなりに現れるが、大体はヒノカミに手を出して痛い目を見ている。

彼女が先導する一行に襲い掛かろうという愚か者はいなかった。

 

そして次のボールがある西に向けて走り続け、気づけば夜。

今日はここで一泊しようとブルマはホイポイカプセルで立派な一軒家を取り出した。

『家一つを所有し持ち歩いている』。

これだけで彼女がいかに裕福な人間かが伝わるだろう。

 

「わっ!こん中だけ真昼になったぞ!?」

 

「電燈も知らないわけ?」

 

「あそこは電気自体が通っとらんからな」

 

電線を引いたり発電機を置いたりはできるが、家電はどうしても壊れやすい。

流石のヒノカミも道具や材料がなければ修理できないので手を出さなかった。

逆に言えば、道具と材料があれば大体は修理できる。

それどころか自分で作り上げることも可能だろう。

 

「これがテレビ、これがレンジ、んで冷蔵庫じゃな」

 

「へー!ばあちゃんの書いてくれた絵とはだいぶ違うんだな」

 

「あぁ、教えはしてるけど実物は見たことないわけね。

 家電なんていろんな種類があるからわかんないか」

 

「ふむ、キッチンもあるのか。

 んじゃちょいと腕を振るってやろうかの」

 

「できるの?じゃあお願い」

 

「任せておけ。何を隠そう、儂は料理の達人じゃからな。

 すまんがその間に悟空をフロにでも入れてやってくれんか?」

 

「いいわよー」

 

彼の年齢は12歳らしい。16歳のブルマからすればまだ子供だ。

彼の裸を見るのも体を洗ってやるのも大した抵抗はない。

しかし悟空のオシリから本当に尻尾が生えていることに驚いたブルマが悲鳴を上げたり。

悟空が入浴中のブルマを覗いてひと悶着あったり。

 

「なんで胸にまでオシリがあるんだ?」

 

「オシリじゃなくてバスト!

 女の子は胸が膨らんでるものなの!!」

 

「ばあちゃんも女だけどぺったんこだぞ?」

 

「……ごめん」

 

彼らがリビングに戻るとヒノカミが部屋の隅で膝を抱えたりしていた。

 

「……うわっ!ホントにおいしっ!

 こんだけの材料と時間でコレって、ホントに達人じゃない!

 ……ね~、いい加減機嫌直しなさいよ~」

 

「……気にするな……気にしと、らんから……」

 

「めちゃくちゃ気にしてんじゃない……。

 あら?どうしたの孫くん?」

 

「うめぇんだけどこれっぽっちじゃ食べた気になんねぇや。

 なんかとってくる」

 

「やはり足りんか。あまり遅くなるなよ」

 

悟空がとんでもなく大食いなことを知るヒノカミは、素直に彼を送り出した。

 

 

 

「……ねぇ、孫くんってなんなの?

 あの尻尾ってホンモノなのよね?」

 

「そりゃあ気になるか。

 長旅になるじゃろうし、少し説明しておこう」

 

山に捨てられていた赤子の悟空を拾い育て上げたのは孫悟飯という老人。

各地を放浪していたヒノカミが悟飯のもとを訪れたのは、彼が悟空を拾った後だった。

そして彼が少し前に寿命で亡くなったため、ヒノカミが後見人となり引き続き悟空の面倒を見ている。

 

「……尻尾が生えてたから捨てられたのかしらね。

 辛い過去なら孫くんの前では触れない方がいいかしら?」

 

「構わんさ。比較対象がおらぬから『辛い』という考えにすら至っておらぬ。

 ……やはり人は他者と触れ合わなければ客観的に自分を見ることができぬ。

 あの子を外に連れ出すきっかけを作ってくれたブルマには感謝しておる」

 

「アンタが自分で連れ出してやりゃよかったじゃない。

 確かに尻尾生えてる子なんて、周りに色々言われるかもしれないけど……」

 

「……儂のことも少し話しておこうか。

 儂はな、年を取らんのじゃよ」

 

「はぁっ!?」

 

「20歳の頃からな。

 実年齢は秘密じゃが、儂はガチでばーちゃんなんじゃ」

 

「何それ羨ましい!世界中の女性の憧れじゃない!」

 

「便利なことだけではないぞ?

 同じ場所に長くは留まれんからな」

 

「あ……」

 

「色々と面倒が多いんで、儂自身があまり人の多い場所に住み続けたくないんじゃ。

 そんな儂が悟空に『外に行け』と強制するのはおかしいじゃろ?」

 

「確かに……でもそういうことなら、思いっきり振り回してあげる!」

 

「かか、お手柔らかにな」

 

直後帰って来た悟空が捕まえてきたオオカミとムカデを見せつけたため、にこやかに迎え入れたブルマは悲鳴を上げ罵声を浴びせた。

しかし一つしかないベッドを二人に貸そうかと提案する当たり、やはり心根の優しい少女のようだ。

 




この世界線での孫悟飯の死因は老衰です。
大猿のせいではありません。
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