『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第23話

 

亀仙人の島に戻った一行は、改めて回収した海賊の宝箱を開ける。

 

「「「おぉ~~~…………!」」」

 

「こりゃたまげたな……」

 

箱の中には金貨や宝石や財宝がぎっしりと敷き詰められていた。

全部合わせれば数億……いや、数兆ゼニーの価値はあるだろう。

牛魔王の財宝も中々だったが、こちらも負けてはいない。

 

「これでオレたち大金持ちだ!やったーーーっ!!」

 

「ひゃっほ~~~~い!」

 

「く、くぅぅ……ワシにもちょっとだけ分けてもらえたりせんかのう……!」

 

「何を言っとる、当然であろう?」

 

「「「へ?」」」

 

自分たちが一度立ち寄ったことを突き止められ、亀ハウスにもレッドリボン軍が攻めてきたらしい。

そこは流石の亀仙人。あっさりと撃退したらしいが、迷惑をかけたことは事実。

 

「等分……とは流石に行かぬが、この場の全員で分かち合うべきじゃろう」

 

「……そーね、こんだけあったって4人じゃ使い切れないし!」

 

「分け前を決めよう。

 ホレ、ランチもこっちにこい」

 

「っ!?い、いいのかよっ!?」

 

「最初からそのつもりじゃ。

 ……だから余計な気は起こすなよ?」

 

「へへっ!わぁってるって!」

 

不在の間に一度くしゃみをしたらしく、今は凶暴で強欲な方のランチだ。

彼女は自慢の銃火器はヒノカミに通じないと理解しているのだが、金銀財宝を前に欲望が駄々洩れだった。

なので短絡的な行動を取らないよう彼女の欲望を満たしてやることにしたのだが……実はその心配はほとんどない。

凶暴な方のランチはいわゆるヤンキーというかチンピラというか、そういう俗っぽい人間で自分が認めた上下関係には結構従順だ。

真正面から自分を圧倒し、敵対したのにこうして世話を焼いてくれるヒノカミのことを、内心では姉御として尊敬していたりする。

 

ただ財宝の額があまりに大きく、クリリンたちも自分の取り分を亀ハウスに置くのは不安のようだ。

なのでカプセルコーポレーションに換金と保管をお願いし、各々で自由に引き出す形にした。

転移装置が取り付けられたので亀仙人たちもいつでも簡単に訪ねることができる。

カプセルコーポレーションの総資産はこの財宝すら霞む額なので、ブルマに奪われるかもという心配もしなくて良いだろう。

 

よって、ここからはもう一つの問題について話し合う。

 

「しかしレッドリボン軍か……絶対にボールを揃えられるわけにはいかんのぅ……」

 

「ひとまず悟空が集めたボールは儂が預かっておく。構わんか?」

 

「じいちゃんの形見じゃないからいいよ。ホイ」

 

気配を察知し、銃火器を無効化し、転移能力を持つヒノカミならばレッドリボン軍にボールを奪われる心配はない。

これで連中がボールを揃えることはないだろう。

 

「しばらくの間、儂はこのボールを持って連中では容易にたどり着けない場所に身を隠す。

 それで諦めてくれれば御の字じゃが……」

 

「望み薄じゃろうな。

 しかしあの戦力を正面から叩き潰すのもちと辛いの」

 

「相手もレーダーを持ってるみたいだしね……。

 レーダーに映らない入れ物とか、開発できないかしら?」

 

「それは是非ともほしいが、解析するためにはお主にボールを預けねばなるまい。

 今の状況では危険すぎるんで保留じゃな」

 

連中なら天下のカプセルコーポレーションであろうと襲い掛かるだろう。

西の都が火の海になるかもしれない。

 

「悟空はこれからどうする?」

 

「じいちゃんの形見を見つけるまで旅を続けるよ」

 

「レッドリボン軍に襲われてでもか?」

 

「勿論!」

 

「命知らずね~~」

 

「じゃがボールの一つはレッドリボン軍が持っているようじゃ。

 それが四星球だった時はどうする?」

 

「だったら突っ込んでやるさ!」

 

「向こう見ずもここまでくると、呆れるより先に尊敬するぜ……」

 

「もし本気でレッドリボン軍と事を構える時がきたなら、その前に儂に声をかけぃ。

 儂とお前の二人ならなんとかなるじゃろ」

 

「ふむ……悟空よ、その時はワシとクリリンも力を貸そう」

 

「えぇっ!?」

 

「ヒノカミの言う通り、これは他人事ではない。

 武天老師とその弟子として、世界の危機を見過ごすことはできぬ。よいな?」

 

「は、はい……」

 

「いいこと言うじゃない、亀仙人さん!

 わたしもヤムチャに声かけとくわ!」

 

「かか、決して強制はせぬようにの。

 ……では連中が再び攻めてくる前に儂は去る。

 また形見以外のボールを見つけたり、何か動きがあったらすまんが近くまで来てくれ。

 気配で察して合流しよう。

 悟空、お主も気を付けろよ」

 

「うん!」

 

 

 

 

――――……

 

 

 

 

レッドリボン軍本拠地にて。

 

「あの小僧がイエロー大佐のところに現れただとっ!?」

 

「通信では、間違いないと」

 

「どういうことだっ!

 あのガキが持っていたボールの反応は全く別の場所に移動しているのだろう!?」

 

「おそらく、あのガキが協力者とやらに預けたのでしょう……」

 

「ちっ……しかし考えようによっては好機か。

 その3つのボールがあのガキの手元を離れたということだからな」

 

もはやレッド総帥に悟空を侮る気持ちはない。

奴を倒すためにと3つのボールの反応にレッドリボン軍の戦力を送り込んでいた。

そして相手が悟空でないのなら、奪い取るのは容易と考えた。

 

「ほっ、報告いたします!!」

 

「どうした!?」

 

しかし突如駆け込んできた部下に思考を打ち切られる。

 

「移動していた3つのボールの反応が、停止しました!」

 

「そうか!そこにいるのは例のガキじゃない!

 ただちに総力を持って奪い取れ!!」

 

「そ、それが……追跡させていた部隊から、その場所には近づけないと……」

 

「何馬鹿を言っている!さっさと行かんか!!」

 

「不可能です!レーダーの反応があるのは、3つのドラゴンボールがあるのは……!」

 

 

 

 

「活火山の火口のど真ん中ですっ!!」

 

「「なにぃっ!?」」

 

 

 

 

――――……

 

 

 

 

「……なぁんか泥の上に寝そべってる気分じゃな」

 

試しにマグマの上に寝転がってみたヒノカミは、思ったよりつまらない感触に落胆する。

起き上がって上半身に着いたマグマを手で払い、溶岩の上で胡坐をかく。

 

「暇じゃのー……とはいえこの体の制御を放棄するわけにもいかんし……」

 

端末が無事なのは能力で熱を制御しているからだ。

この体の耐熱性はとんでもなく高いが、リンクを切ってほったらかしにしたら流石に燃えてしまうかもしれない。

 

いっそ自分一人でレッドリボン軍に乗り込み壊滅させてしまいたいが、人間に合わせた端末を使っているとはいえ、自分はこの地球の神様だ。

自分勝手な理由で下界に大きな影響を及ぼすわけにはいかない。

行動する時は、最低でも誰かの付き添いという形を取らなければならない。

 

「もうちょっと悟空が強かったらそっちの流れに持っていったんじゃが……。

 こんな場所では暇つぶしの道具を持ち込むこともできんし……失敗したなぁ」

 

彼女の周囲ではマグマが龍のように舞い踊っている。

それは彼女と同じ能力を持っていたとしても容易ではない超精密操作の賜物なのだが、生憎とこれくらいなら呼吸をするより簡単にできてしまう。

完全に能力を極めており技術面での老化すらない彼女は、ここにいてもこれ以上出来ることが無い。

 

「いっそレッドリボン軍でもいいから来てくれんかなぁ。

 はようこーい。ボールはここじゃぞーー」

 

それでも彼女はこの火口から動かない。

ここがボールを守るに最適な場所である限り、悟空たちからの接触がない限り、例え1年であろうと10年であろうと待ち続けるだろう。

 




桃白白との戦いには不参加です。
ヒノカミが殺して終わりになり、いろんなフラグが消えてしまうので。
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