タイトルが何を意味しているのか、それは主人公の正体と一緒に明かす予定ですが…申し訳ありませんが、それは随分先の話になります。
暫くは「胡散臭いヒーローがご都合主義全開で周囲を引っ掻き回す物語」だと思っていただければ幸いです。
ただ断言しておくと、主人公は完全にOFA側の人間です。
AFO打倒にかける思いはそれこそオールマイトにも負けていません。
ナイトアイからの連絡を受け、オールマイトの事務所の一室に集まったOFA関係者。
オールマイトたち3人と、共にAFOと戦ったグラントリノに加え、個性により知性に目覚めたネズミの雄英高校校長根津、同じく雄英高校の保険医であるリカバリーガールの姿があった。
「本当に、間違いないのかい?」
「無骨な仮面で顔を隠していましたが……いくつもの個性を操る異形の姿。
あれは間違いなく、オール・フォー・ワンでした」
「……まさかあの傷で生きていたとは……」
オールマイトの呟きに、皆が内心で同意する。
確実に頭蓋をつぶした。人間なら生きているはずがない。
いや、AFOを人間という括りで考えたことこそが誤りだったのかもしれない。
「時期はおそらく3,4年後。
瓦礫と化した市街地にて、AFOに立ち向かうオールマイトとヒノカミとエンデヴァーの姿がありました。
その後の映像が途切れていたので、ヒノカミはおそらく……」
「……ほー。儂ゃそんなに生きられるのか。
てっきり1年そこいらかと思っとったんじゃがな。かっかっか」
「笑い事じゃねぇ!老い先短ぇのはこっちもだってのに。
……そこに俺が映ってねぇのは、俺の方が先に死ぬからじゃあるめぇな?」
「いえ、一瞬ですがあなたの姿も直前に」
高齢であるグラントリノはこの3年で大きく衰えた。
オールマイト自身もすでに50歳を超えている。
対してオール・フォー・ワンは不老。
あの用心深い男が、以前よりも弱いままで戦場に出てくるとは思えない。
決戦まで最短で3年。今度こそAFOを倒すため、再び力を結集しなければならない。
「しかし、兄上も手を貸してくれるのか」
「居合わせただけという可能性もあるけれど、参戦してくれるなら心強いね。
轟君はもうワン・フォー・オールを知っている。実力も人格も問題ない。
後で僕から事情の説明と協力の要請をしておくのさ」
「だがまだ戦力が足りねぇ。
半端な奴じゃ個性を奪われるだけで足手まといだ。
くそっ!せめてワン・フォー・オールの後継者が見つかっていれば……」
「馬鹿をお言いでないよ。
もうワン・フォー・オールを継承させることはできない。
例え相手が了承したとしても、あたしは認められないよ」
OFAを受け継ぎ使いこなすには条件があり、それを満たさぬ者がOFAを継承すれば深刻な問題が生じると発覚している。
そしてその条件を満たす若者は皆無。
医者であるリカバリーガールが頑なに反対するのも無理はない。
「……そのこと、なのですが」
周囲の言葉を遮り、ナイトアイが挙手をして全員の視線を集める。
「予知の中に、頻繁に映る少年の姿がありました。
おそらく……ワン・フォー・オールの継承者と思われます」
「まさか……いるのかい!?
ワン・フォー・オールを受け継ぐ資格と、意志を持った子供が!」
OFAは自分の代で途絶えるものと諦めていたオールマイトが立ち上がって食いついた。
「私が見たのは、ヒノカミがその少年を鍛えている姿。
少年とヒノカミ、そしてオールマイトが雄英と思われる学校にいる姿。
そしておそらくオール・フォー・ワンの手先であろう敵と何度か衝突する姿でした」
「なるほど、オールマイトが表立って動けば、オール・フォー・ワンに気取られる可能性がある。
僕やグラントリノ、ナイトアイでも怪しまれかねない。
後継者を隠しつつ育てるなら、表舞台から離れて長いヒノカミが適任だね」
「だがその未来に従えば、ヒノカミは殺されちまうんだろう?」
「なぁに、構わんよ。その少年の育成は引き受けた。
しかしこれから雄英に入る年齢では、決戦の場に参加するのは難しかろう」
「だが最優先事項だ。
おそらく、今度こそ最後のワン・フォー・オール。
何としても守り、導かなくては。
どうか皆の力を貸してほしい」
結局AFOに対抗する名案は浮かばなかったが、OFA後継者候補が見つかったというのは大きな希望だった。
根津校長の提案により、AFOを欺きながら後継者を育てるために、各々が分担して動くことになる。
オールマイトはヒーロー活動を更に活発にして、AFOの目を引き付ける囮役。
グラントリノとナイトアイは気づかれないようにAFOの情報収集に当たる。
根津は後継者を受け入れ育てる環境を整えるため雄英高校の経営に全力を注ぎ、
OFA後継者候補が見つかったとの連絡を受けたヒノカミは、見い出された少年、緑谷出久の元へと向かった。
とある事情により、すでにOFA後継者は『無個性』でなければならないと発覚しています。
そして上に書いた通り主人公、轟舞火の物語は神野市での戦いで一旦幕を閉じます。