『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第71話 ナメック星

 

「……記憶は全て失ったはずだ。

 なのに、どこか懐かしい……」

 

背の高い山は見当たらない。草原と岩山と海と、妙な形の木々。

ナメック星の光景を見て先代が呟く。

そしてピッコロもおそらく彼と同じ感想を持っていた。

 

「感慨深いのはわかるが、この星は広い。

 移動を考えると時間の余裕はそうないぞ?」

 

「っと、そうか。

 ここから近くにある気配は……」

 

「あっち」

 

ラディッツに指摘され、クリリンが同意し、チャオズがある方角を示す。

言われてから気配を探ってみると、確かに10人ほどの反応がある。

この大きな星に100人ほどしかおらず、それぞれで村を作って点在しているらしい。

 

「結構遠いな……飛ばしても1時間はかかるか?」

 

「いや、先代さまはオレたちほど速くは飛べない。

 2時間……いや、3時間は見るべきだ」

 

「……そいつはオレが抱えていく」

 

「……すまん、ピッコロ」

 

「悟飯はどうする?オラの背中に乗るか?」

 

「ううん、自分で飛んでみたい。頑張って追いかけるから」

 

「そっか、無理そうなら言えよ?」

 

 

一斉に飛び立ち、移動すること1時間と少し。

一行の眼下には住居らしきものが見えた。

先代の乗って来た宇宙船に似た奇妙な形をしている。

ナメック星人たちも気配を探る力を持っているらしく、悟空たちの存在に気付いて上空を見上げていた。

 

「おぉ……おぉぉ……!」

 

「…………」

 

「先代さまとピッコロにそっくりだ……」

 

「降りるぞ。フリーザ軍の記録によればこの星に異星人が訪れたことはほぼなかったはず。

 いつまでもこうしていては余計な警戒をさせかねん」

 

ラディッツに促され、ナメック星人たちから少し距離を取った場所に着地する。

老人が3人、青年が3人、子供が2人いた。

 

「同胞……!?

 しかし其方らのような者はこの星にはいないはず……!」

 

「お初にお目にかかる。

 私は本当の名も忘れたナメック星人……。

 ここより遠く離れた星にて異星人であることすら忘れ暮らしておりましたが、故郷の存在を聞き足を運ばせていただいた」

 

「!?まさか、異常気象を乗り越えたナメック星人!?

 最長老さまの他にもいたというのか……!」

 

どうやら信じてもらえたようで、先代は老人たちと抱擁を交わしている。

ピッコロもまた、青年たちから差し出された手を無言で固く握った。

 

先代の同行者ということで悟空らも家へと招かれ、今のナメック星の話を聞く。

 

かつてナメック星が異常気象に襲われた際に、たった一人だけ生き残ったナメック星人がいた。

それが最長老。

この星にいるナメック星人は全て彼が生み出したもので、彼らはこの星の各地に別れて暮らし星の復興に取り組んでいるそうだ。

 

「どうか最長老さまにお会いになってくださらぬか。きっとお喜びになる。

 より詳しい話も語っていただけるでしょう」

 

「是非。最長老さまはどちらに?」

 

「ここから歩けば30日ほどの距離に……飛べば4時間ほどです。オレが案内しましょう」

 

青年のナメック星人が同行を申し出たがラディッツが割り込む。

 

「いや、オレたちだけなら1時間で済む。案内は不要だ」

 

「だがナメック星人の方に同行してもらわねばいらぬ警戒を招くのではないか?」

 

「……たしかに」

 

「そういうことなら……デンデ、お前がお供しなさい。

 小柄なこの子なら、どなたかに抱えていただければ……」

 

「なるほど、じゃあその子はオレが掴んでいくよ」

 

悟飯と意気投合していた子供のナメック星人が同行することになった。

揃って長老の家を出る途中、チャオズが一室に鎮座する見覚えのあるものを見つけた。

 

「……ドラゴンボール!?」

 

「「「何!?」」」

 

星が入った半透明の球体。地球の物と全く同じ形だ。

しかし大きさが違う。地球の物は掌で掴めるほどだが、こちらは人の頭よりも大きい。

 

「ドラゴンボールのこともご存知で?」

 

「地球にて、私も作り上げたのです。これを作ったのは?」

 

「最長老さまです。

 最長老さまと儂ら各地の村の長老が一つずつ所有し、知恵や勇気で全員に認められた者が、ドラゴンボールを使うことを許される……そういうしきたりとなっております」

 

「……こっちの方が平和的だな。

 地球だと悪党が己の欲望を叶えるために集める事が多かった」

 

「それ、ヤムチャさんが言います?」

 

「う”っ!」

 

悟空とブルマが出会い、初めてのボール探しの旅のことは既にみんな知っている。

当時は言い訳のしようもない悪党だったヤムチャがクリリンに指摘され言葉を詰まらせていた。

 

「ははは、いっそ知恵比べもされて行きますかな?」

 

「そんな時間はないし、必要もない。

 願いなら地球のドラゴンボールがあるし、よほどでなければヒノカミが叶えてしまうからな」

 

「下手をすれば神龍より万能な方だからな……」

 

特に人を生き返らせることに関して。

神龍に同じ願いを2度叶えてもらうことはできないため、蘇生できるのは1回だけ。

加えて死んで1年以内という制限もある。

しかしヒノカミは条件さえ揃えば何度でも蘇生できる。

……蘇生できてしまうのだ。

 

「ナメック星の神龍も見てみたかったけど……まぁこれっきりってわけじゃなさそうだし、次の機会にするか」

 

「えぇ。是非またいらしてください」

 

再び先代をピッコロが掴み、疲れた悟飯が今度は悟空の背に乗り、デンデはクリリンが抱きかかえる。

ナメック星人たちに見送られ、一行は最長老のもとへと飛んで行った。

 

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