『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第72話

 

「アレです!あの高い岩の上に……」

 

「お、アレだな?」

 

しばらく飛んでようやく、悟空たちは最長老が住むという家に辿り着いた。

先ほどの村よりも一回り大きな建物が、そびえ立った細長い岩の頂上にポツンと佇んでいる。

 

「二つ気配があるな……一つはかなりの強さだ」

 

「それは多分……あ!ネイルさん!」

 

建物の傍に着陸すると扉が開き、中から年若いナメック星人が現れた。

 

「よく来たなデンデ。最長老さまはお前たちの到着を心待ちにしておられた」

 

「やはりお見通しでしたか……」

 

「それにしても、ピッコロそっくりだな」

 

「客人たちよ、先に言っておく。

 最長老さまは死期が近い。

 御前で騒ぎ立てるのは慎んでもらいたい」

 

「わ、わかりました……」

 

(……このネイルというナメック星人、恐ろしい強さだな)

 

(あぁ。界王拳でも使わねぇとオラじゃ勝てねえな)

 

(すぐ戦う方に考えるなよ!これだからサイヤ人は!)

 

一行はネイルという青年に続いて家の中に入り、2階へ。

 

「最長老さま、デンデと客人です」

 

「で……でかい……」

 

建物の2階に鎮座する、巨大なナメック星人。

瞳を閉じ、大きな椅子に全身を預けている。

そして椅子の上には一星球が置かれていた。

 

「よく来てくれました。遠き星の同胞よ。

 まさか無事に辿り着けていたとは……カタッツの祈りは届いたのですね」

 

「カタッツ……?それが私の?」

 

「えぇ、あなたの親です。

 記憶を失ってしまったことは残念ですが、生きていてくれた。

 ……本当にありがとう」

 

「はい……はい……!」

 

「……オレたちは外に出ていよう」

 

ヤムチャに促され一行は家の外へ。

デンデとネイルもついてきたが、ピッコロは無理やりその場に残してきた。

 

 

 

「……ナメック星の者は、全て最長老さまの子だ。

 あの方はたった一人の生き残りだった。

 たった一人で、この星とナメック星人の未来を支えてこられたのだ。

 ……お亡くなりになる前にお前たちが来てくれて、本当によかった」

 

「まぁこの星を知ったのは偶然みたいなもんだけどな。

 そういう意味じゃベジータたちに感謝しとかねぇと」

 

「ベジータ……サイヤ人のベジータ王?

 やはりお前たち二人はサイヤ人か。何故地球に?」

 

「オラも先代さまと同じで地球に飛ばされてきて、同じように記憶を失くしちまってんだ。

 んで1年前に兄ちゃんが地球に来て、その後でベジータともう一人のサイヤ人の生き残りも攻めてきて……」

 

「地球は辺境の僻地で、宇宙でも特に平和だと最長老さまより伺っていたが……そうでもなかったのか」

 

「平和……うん、平和……かな?」

 

「?」

 

まさかその地球に送られてきたナメック星人から大魔王が生まれ地球の平和を脅かしたなど、想像できないだろうし伝えるわけにも行かない。

まぁ結果的にヒノカミが来たので地球は平和になりはしたのだ。

彼女と関わりを持ってしまったクリリンたちの平穏は失われたが。

頼りにはなるのだが、アレに振り回されると心労が絶えない。

 

 

 

「……!?」

 

「どうした、チャオズ?」

 

「近づいてくる。この星に……。

 濁って、淀んだ気配がたくさん……!」

 

「「「!?」」」

 

突如震え出したチャオズ。

彼は誰よりも早くナメック星に接近する悪意に気付いた。

 

「ほとんどはボクたちよりずっと弱い……でもベジータと同じくらいのが一つと、ベジータよりちょっと強いのが二つ……!?」

 

「ベジータ以上だと!?

 ……ザーボンとドドリア!もう一つはキュイか!」

 

「まさか、フリーザ軍か!?」

 

「ベジータ以上という二人はフリーザの側近だ……!

 チャオズ、そいつらよりもっと強い気配はあるか!?」

 

「ううん、ない!」

 

「フリーザはいないか……。

 ならオレたちだけでなんとかなりそうだが、何故この星に……!?」

 

「とにかく行こうぜ!連中は星に侵略して売り飛ばすんだろ!?

 ナメック星人たちが危ない!どっちの方角だ!?」

 

「あっち!今すぐ行けば、降りてくる前に間に合うかも!」

 

「おい孫!」

 

ピッコロたちが家から飛び出して来た。

おそらく最長老が事態を察知し伝えたのだろう。

 

「先代さまと悟飯はここで待っててくれ!」

 

「わたしは最長老さまのもとを離れるわけにはいかん。

 だがその二人は私が守ろう」

 

「わりぃ、頼む!」

 

「できりゃあ一緒に来てほしかったけどな……」

 

「ウダウダ言うな!飛ばすぞ!!」

 

ピッコロとラディッツが真っ先に飛び出し、悟空たちが後に続く。

 

 

「兄ちゃん!そいつらはどんな奴なんだ!?」

 

「ザーボンの方はナルシスト、ドドリアはデブの単細胞だ!

 だが戦闘力はどちらも2万を超える!

 キュイってのは一方的にベジータをライバル視していやがったが、確かに戦闘力はほぼ互角だった!」

 

「つまり、ベジータが3人いるようなもんかよ!?」

 

「大猿に変化しないだけありがたく思え!

 ドドリアとはオレが戦う!

 カカロットがザーボン、ピッコロがキュイに当たれ!

 他の奴らはただの戦闘員だろう……戦闘力は精々1000かそこいらだ!

 お前たちはそいつらをすぐに片付けてピッコロに加勢しろ!」

 

「おいラディッツ、お前一人で大丈夫なのか!?

 だってここでやられたら……」

 

「……『ヒノカミでも蘇生できない』、か?」

 

ヒノカミは地球の神だ。

彼女がほぼ全能の力を振るうことができるのは地球圏の内側に限られる。

圏外では死亡直後でもなければ蘇生することはできず、今彼らは地球から遠く離れたナメック星にいる。

あの世に行った魂を迎えに行き現世に連れ戻してから蘇生することもできるらしいが、それには魂が天国に送られていなければならない。

地獄に落ちた魂を勝手に現世に連れ出すのは重罪だ。閻魔が許可を出すはずもない。

そして悟空たちは今のところ天国行きになる可能性が高そうだが、ラディッツは間違いなく地獄行き。

 

「フリーザと袂を分かつと決めたときから、連中とやり合う時が来ると覚悟していた。

 ……もしも、オレが死んだら」

 

「神龍に頼んで生き返らせてもらうさ!」

 

「……無駄話はここまでだ、もうすぐだぞ!」

 




ピッコロは生まれ変わってるので大魔王時代の罪は査定外だから多分セーフ。
元盗賊のヤムチャは際どいかもしれない。
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