『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第90話

 

ナメック星跡地にて超サイヤ人となった悟空のかめはめ波を受けたフリーザは、全身を焼かれバラバラにされながら、それでも生きていた。

フリーザは軍に回収されたが、彼の敗北が知れ渡れば軍全体の士気にかかわるとして忠誠心と地位が高い一部の幹部たちを除いて彼の惨状は秘匿されていた。

そしてフリーザは惑星フリーザの一つにて極秘裏に機械化再生手術を受け、ついにサイボーグとして復活した。

彼は父である『コルド大王』と共に、フリーザ一族の仇敵である超サイヤ人を始末するために悟空がいる地球への侵略を企てていた。

 

「その必要はないぜ、フリーザ」

 

「!?貴様らは……!」

 

戦闘員たちを連れ宇宙船に乗り込もうとしたフリーザたちの背後に二人のサイヤ人が前触れもなく現れた。

ラディッツとベジータだ。

ヒノカミと悟空はいない……のではなく。

 

(なぁばあちゃん、ホントにオラ見てるだけなんかぁ?)

 

(我慢せい。お前が出たらまた惑星の破壊を選ぶかもしれんからな)

 

結界で姿を隠しつつ、いざという時に備え控えていた。

 

トドメを刺し損ねていたとはいえフリーザを倒したのは悟空であるが、ヒノカミとの戦いで弱ったところにかめはめ波を打ち込んだだけ。

今度こそちゃんと戦って倒したいとワガママを言ったが、諦めるよう諭した。

フリーザはサイボーグ化により多少戦闘力は増加しているようだが、安定して超サイヤ人に変身できるようになった悟空の敵ではない。

そして実力差を痛感したらまた惑星を破壊される可能性がある。

それでも今の悟空なら天神武装が切れるまでの10分があれば余裕で倒せるとは思うが。

 

ピッコロや他の面子を連れてこなかったのも、大勢が宇宙に投げ出されたらヒノカミがカバーしきれないからだ。

そしてラディッツとベジータだけをフリーザたちの前に立たせたのは、これが彼らにとって必要なことだと判断したからだ。

 

「二人だけか……超サイヤ人とやらはいないようだな」

 

「どうやってここに来たかはしらんが、やはりサイヤ人はどいつもこいつも馬鹿のようだね。

 パワーアップした今の僕なら超サイヤ人でも敵ではない……だというのにただのサイヤ人でしかないお前たちだけで挑んでくるとは」

 

(ばあちゃん、フリーザの言ってることホントか?)

 

(いや、希望的観測という奴じゃろう。

 多少力を抑えているようじゃが全力を解放したとしても2億に届くまい。

 明らかにお前の方が上じゃな)

 

ブルマから借りたスカウターでフリーザの戦闘力を計測する。計測できた時点で明らかだ。

超サイヤ人となった悟空の戦闘力はもはやスカウターでは計測できないのだから。

隣のコルド大王とやらはフリーザより少し下。周りの戦闘員は相変わらず数千が精々だ。

 

「まぁいい。せっかくのこのこ来てくれたんだ。

 超サイヤ人を始末する前に、準備運動にでも付き合ってもらおうかな?」

 

「「…………」」

 

『お前たちなど眼中に無い』と宣言されたも同然。だが二人は表情を変えない。

 

『……どうじゃ?行けそうか?』

 

「あぁ……感謝してるぜ」

 

ヒノカミの念話に笑みを浮かべつつ冷静に答えるラディッツ。

しかし二人の額にはこれでもかと青筋が浮かんでいた。

 

 

 

フリーザとの戦いの後、超サイヤ人となった悟空を検査し情報を精査して大願成珠で答えを導き出した。

超サイヤ人への変身に必要なプロセスは3つ。

 

数百万以上の戦闘力を持つこと。

一定期間以上精神的に安定した状態で過ごすこと。

上記2つを満たした上での激しい怒り。

 

ラディッツとベジータは1つ目はとっくにクリアしていた。

2つ目はここ1年でそのように振舞うよう努めさせた。

3つ目をどうやってクリアしたものかと考えていたが、そこで発覚したフリーザの生存。

長年フリーザ軍の戦闘員としてこき使われてきた二人だ。

改めて目の当たりにして見下されたとなれば。

 

 

「「うぉぉぉぉぉおおおおーーーーーっ!!!!」」

 

「「「!!?」」」

 

 

条件を満たした。

二人の髪が金色に染まり、黄金の闘気が全身から溢れ出す。

そしてヒノカミが付けていたスカウターが爆発する。

 

「馬鹿な……貴様らも……!?」

 

(うっひゃー、すげぇすげぇ!)

 

『はしゃぐな悟空。

 晴らしたい恨みもあるじゃろうが、奴がこの星を破壊する前に手早く済ませよ。

 お主らは宇宙空間に出た途端に即死じゃからな』

 

「わかっているさ。それほど時間はかけん。

 かける意味すら見出せんからな」

 

超サイヤ人に至り、実感する。

目の前にいるフリーザなどもはや自分にとって取るに足らぬ相手であると。

 

「おいラディッツ。

 オレがフリーザ共を始末する間に周りの雑魚を掃除しておけよ」

 

「ハッ!冗談じゃない。いつまでオレに命令するつもりだ?

 貴様こそ引っ込んでいてもいいんだぞ?」

 

『ちゃっちゃと済ませいと言うたばかりじゃろーが。

 だったら早い者勝ちでよかろう。

 ただし互いへの攻撃は厳禁じゃぞ』

 

「「いいだろう!!」」

 

『ここには改心の余地のない悪党しかおらん。

 戦闘員も一人残らず始末せい。そいじゃ、よ~いドン!』

 

ヒノカミの気の抜けた合図と共に、二人の超サイヤ人がフリーザたちへと突撃する。

 

そしてわずか1分。

フリーザとコルドは今度こそ、この世界から跡形もなく消滅した。

ラディッツとベジータのどちらがフリーザを討ち取り勝利したのかは……敢えて語るまでもない些末なことだろう。

 




原作にて初めて超サイヤ人になった悟空の戦闘力が1億5000万だそうですが、本作の方が基礎値が上なのでとっくに2億オーバー。
ここで超サイヤ人になったベジータとラディッツも同様です。
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