『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第109話

 

『界王神というお方がお越しになられたので、地球の戦士たちの強さを知ってもらうため『天上一武道会』を開催する。

 開催は三日後、場所は神殿。望むならば誰でも参加可能とする』

 

魔人ブウの存在は敢えて明かすこともあるまいと伏せて関係者に一斉に招待状を送った。

ピッコロ……先代は当然界王神の存在を知っており、彼らが動くとなればただ事ではないはずだと問いただしに来たので、洗いざらい白状したが。

ヒノカミの思い付きに呆れつつ、今のところ危険はないと理解したので参加を表明した。

 

事態を把握しているセルは当然参加。己が最強であると証明してみせるという。

最強を目指す姿勢はサイヤ人らしいとも言えるが、もしやセルという人造人間そのものに刻まれた欲求なのかもしれない。

16号は不参加。ヒノカミもだ。

残念ながら彼らは7年前の戦いから大きな成長はできておらず、もう戦士たちにはついていけない。

大会運営側としてサポートに専念する。

 

この大会はいわば祭りであり、祭りの後は宴会を開く。

そこでヒノカミが至高の料理を好きなだけ用意してやると添えた。

この一文だけで純粋なサイヤ人の3人は一本釣りである。

……トランクスと悟天まで参加すると言い出したのは予想外だが。

確かに超サイヤ人になれるようだが、その程度ではヤムチャたちにすら敵うまい。

それでも善戦はするだろう。参加自由と書いていたので受け入れた。

 

ヤムチャ、天津飯、クリリンは参加を表明してくれた。

話を聞いた娘たちの期待のまなざしに耐えられなかったというのが決め手だったそうだ。

開催日は休日にしたが突然道場を休みにするのは良くないだろうとチャオズは残るらしい。

17号と18号にも声をかけたが不参加だそうだ。理由はヒノカミたちと同じである。

 

残る参加者候補は、孫悟飯。

 

 

 

「へぇ~~……『天上一武道会』ねぇ……」

 

「うん、今度の休日に。

 だから突然で悪いけど、特訓はキャンセルさせてもらえないかな……?」

 

「……ねぇ、それって私でも出られる?参加は自由なんでしょ?」

 

「えぇぇっ!?いや、そうだけど、でも……!」

 

「……アハハ、冗談よ。

 勝負にならないことくらいわかってるもの。

 でもせっかくだから観戦はしたいかも。

 ヒノカミさまにお願いできないかしら?」

 

「それなら大丈夫だと思うよ。

 おばあちゃんだけじゃなくてお父さんやみんなも、ビーデルさんのことは知ってるんだし」

 

放課後、悟飯はジュニアスクール時代からの友人である少女、ビーデルと雑談していた。

出会った当初は同年代では負け知らずの武道家だった彼女は、武道をたしなんでいるという悟飯に勝負を挑み、あっさりと返り討ちにされた。

しばらくは負けず嫌いな性格から悟飯に付きまとっていたが、やがて彼も彼の家族や知人たちも文字通り天上の人間であると理解。

以降は素直に教えを乞う立場となり、それはハイスクールに進学した今でも続いている。

 

 

 

「待てェ~~~~~い!!!」

 

「?」

「パパ!?」

 

「おい小僧!その武道会とやら、このミスター・サタンさまも出場してやろうではないか!!」

 

「「えぇっ!?」

 

ここはビーデルの実家で、二人がいたのは備え付けられたトレーニングルームの隣の休憩スペース。

盗み聞きをしていたらしい彼の父、ミスター・サタンが扉を開けて怒鳴り込んできた。

 

「ちょっとパパ!

 これって悟飯くんの家族や知り合いの方の、身内の大会なのよ!?」

 

「なぁに、この世界チャンピオンにして前回の天下一武道会の覇者であるわたしが参加するとなれば、その武闘家たちも泣いて喜ぶさ!

 小さな大会だろうが拍が付くというものではないか!?なぁ小僧!」

 

「は、はぁ……」

 

「よぉし!見ていろビーデル!こんな小僧よりもパパの方が強いって証明してやるから!

 パパよりも弱い男なんかに、ウチのビーデルはわたさんぞぉぉぉおおおおーーーーっ!!」

 

「っ!?パパのバカ!!」

 

「がはははは……よぉし、大会まで特訓だぁーーーーっ!!」

 

ミスター・サタンは高笑いをしながらトレーニングルームへと戻って行った。

悟飯は終始彼の勢いに圧倒されていた。

 

「……ホントゴメン!ウチのパパが……」

 

「……うん、大丈夫。

 おばあちゃんたちに相談してみるよ」

 

「ゴメンね!もしホントに出ることになったら、ぶっ飛ばしちゃっていいから!

 仮にも世界チャンピオンなんだし、そう簡単に死なないとは思うから!」

 

超人が表舞台から消え去った平和な世の中に置いてではあるが、彼は世界の頂点に君臨する武道家であった。

特に妙な打たれ強さにはヒノカミすらこっそり注目している。そして彼女がいる限り死んでも問題はない。

 

「でもこれでちょっとは身に染みるでしょ。上には上がいるって。

 調子に乗る性格が落ち着いてくれればいいんだけど。

 ……まぁ最近は、割と頑張ってる方だと思うけどさぁ」

 

悟飯を連れてくるようになってからは特に必死に修行をするようになった。

高齢になってきたが成長は著しく、彼は間違いなく人類最強と言えるだろう。

ただし彼はあくまで『天下』一。

実力はとっくにビーデルの方が上だ。彼女は既に『天上』に至っているので。

 

ともかく、ついに武道会の参加者が出揃った。

悟空。

ベジータ。

ラディッツ。

ピッコロ。

セル。

ヤムチャ。

天津飯。

クリリン。

トランクス。

悟天。

悟飯。

そしてミスター・サタン。以上12名だ。

 

 

「……なんでサタンさんはいつも怒ってるんだろう。

 僕なにか嫌われるようなことしちゃったのかなぁ……?」

 

「~~~っ、知らない!!」

 




この世界ではそもそもセルが暴れていないので、サタンの知名度は原作よりも低めです。
しかし調子に乗っていないので実力はかなり高め。
パンプットやチャパ王よりは上だと思います。
ギャグキャラ体質であることを含めて、初登場時のヤジロベーとどっこいくらいかもしれません。
本作ではヤジロベーいませんけど。
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