追いつかれそうになったらまた1日1回に戻します。
神殿の広場はそれなりの広さではあるが、悟空たちにとっては流石に手狭。
加えて今回は観客もいるのでどうしてもスペースが足りない。
更に言うなら神殿そのものが危ない。ヒノカミが常日頃から改造したり結界を書き足したりして強度を増しているが、悟空たちが本気で暴れたら跡形もなく消し飛んでもおかしくはない。
かといって『手加減して戦ってくれ』など本末転倒。
これは界王神たちに地球の戦士たちの強さを認めてもらうために開いた大会なのだ。
熟考と検討の末、ヒノカミは得意の空間制御能力でなんとか問題を解決した。
神殿の広場の中央に直径10メートルほどの陣を敷き、選手が内側に入ったところで術を起動し陣の内側の空間を十倍に拡張する。
疑似的に内側にいる戦士を十分の一に小さくするわけだ。
これで選手にとっては直径100メートル。広いとは言えないが十分だろう。
選手が放つ衝撃や気弾の威力も大幅に減衰するので、たとえ悟空が全力のかめはめ波を使おうと、外側に一切漏らさず完全に防ぎきることができる。彼の協力を得てすでに実証実験済みだ。
そして内側から結界に触れると結界の外側にはじき出される仕様であり、つまり場外となる。
これに加えてダウンからのテンカウントと降参の三つで試合の勝敗を決める。
制限時間を設けるべきかも検討したが選手の人数が少なく、彼らはスピードも並ではないので1試合に何十分も費やすことは無いだろう。
尚、武器の使用や相手の殺害が反則として失格になる点は本家天下一武道会と同様である。
特に前者のルールはヒノカミと16号にとっては致命的。最初から参加するつもりもないので問題ないが。
(限定空間の拡張……!?
一介の星神がそのような高等技術を……こんなことのために!?)
界王神は真剣な表情で一筋の汗を流す程度だったが、キビトの方は思いっきり驚愕が顔に出ていた。
『組み合わせと試合の順番はクジで……と言いたいところですが、今回はヒノカミさまより前もって決定されているとのことです』
「えぇっ!?なんだよそれ!?」
「言いたくはないが、選手間の実力差が大きいからな。
界王神さま方に各々の実力を知ってもらうための戦いでもあるからこちらで指定させてもらった。
可能な限りお主らにも配慮したつもりじゃからまずは聞け。
反対が多いようなら再考する」
『えー、それではまず組み合わせの発表から……』
・ヤムチャVS天津飯
「……なるほど、あの時の試合のリベンジマッチか」
「フッ、悪いが前と同じ結果にしてやるぜ」
・トランクスVS孫悟天
「悟天と?今んとこオレが勝ち越してるんだぜ?
またオレの勝ちに決まってるじゃん!」
「ぶーぶー!今日はボクが勝つもんね!」
・ベジータVS孫悟空
「カカロットとか……いいだろう!」
「ベジータなら思いっきりやれそうだ!オラ文句ねぇぞ!」
・ピッコロVS孫悟飯
「お前とやり合うのも久しぶりか。
腕がなまっていないか確かめてやる」
「胸をお借りします、ピッコロさん!」
・クリリンVSラディッツ
「異議あり!異議ありぃーーー!!
なんでオレだけ実力差がでかい相手なんだよ!?
いきなりサイヤ人とかそりゃねーだろ!!」
「落ち着け、クリリン。
セルが相手になるよりもマシだろう?」
「そりゃそうだけどさぁ……あれ?
だったらセルの相手って……!」
・セルVSミスター・サタン
「「「「「………………」」」」」」
「ヒノカミとやら、わたしの相手をコイツにした理由はなんだ!?」
「彼は儂らの中で暫定最強の戦士でしてな。
世界チャンピオンの対戦相手として不足はないかと」
「がははははは!なるほど、そういうことか!!
だがこのミスター・サタンの前では誰であろうと不足だがな!」
(((((不足してんのはアンタだよ)))))
その場にいた全員が無言で心を一つにしていた。
殺してしまっても蘇生できるとはいえ、試合で人死には避けたいし殺してしまうと失格になってしまう。
そしてセルは治癒術も使えるため攻撃と同時に繰り出すことで相手へのダメージを減らすことができる。つまり手加減が上手い。
参加者の中で最も穏便にミスター・サタンにご退場いただける戦士が、セルだったというわけだ。
(という訳で、すまんが頼む)
(中々の試練だな……信頼の表れと思っておこう)
手加減に失敗したら失格で敗退。
ミスター・サタンは本大会において、下手をすればどんな相手よりも手強いダークホースだった。
実に刺激的で、別の意味で手に汗握る戦いとなるだろう。
『次に試合の順番ですが、これは先ほどの組み合わせ発表の逆の順となります。
それでは改めて読み上げます』
第一試合:セルVSミスター・サタン
第二試合:クリリンVSラディッツ
第三試合:ピッコロVS孫悟飯
第四試合:ベジータVS孫悟空
第五試合:トランクスVS孫悟天
第六試合:ヤムチャVS天津飯
『今大会は人数が中途半端なこともあり、トーナメント表はありません。
勝ち進んだ者が誰と対戦するかは、ヒノカミさまが全試合の結果から判断し決定するとのことです』
穏当に試合が終われば勝者6名の内4名で2試合行い、勝者2名とシード枠の2名を加えて準決勝、決勝の順に行う。
そして場合によっては勝者5名となるので内2名で1試合行い4人に絞り、以下同様に。
どちらになるかは第一試合の結果次第である。
『それでは始めていきましょう!
まずは第一試合のお二人は、舞台の中央へお願いします!』
申し訳ありませんが、各試合についてはほぼ描写する予定はありません。
ほんの少しだけ触れて終わりです。
界王神たちに実力を示すためと、仲間内でワイワイやってるってのを表現するためと、ビーデル・サタンと戦士たちの接点を作る為の話です。