『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第132話 破壊神選抜格闘試合

 

選手だけではなく関係者が勢ぞろいで、ウィスの操縦するキューブ型の宇宙船に乗って『名のない星』へと向かう第7宇宙の一行。

ブルマが姉経由で知人となった銀河パトロール隊員のジャコと調査に動いた結果、超ドラゴンボールは『第6宇宙と第7宇宙で合わせて7個』であることが発覚。

つまりシャンパはこっそりと第7宇宙に侵入し超ドラゴンボールを盗んでいったことが確定し、ビルスは『マナー違反だ』と激怒していたが、それ以上に激怒していたのはやはりヒノカミ。

 

「ビルス貴様ぁ!良くも勝手に余計な話を進めてくれたな!!」

 

「貴様のバカ息子がシャンパ相手にやりたいと言い出したことが発端だろうが!」

 

「そこは否定しない!すまん!」

 

「謝る態度かそれが!?」

 

「じゃがアレはないじゃろ!?誰を連れてくるかと思えば惑星ワガシの住人!?

 温厚で争いを嫌う彼らが『儂の次に強かった戦士』じゃと!?」

 

ビルスと口論する神霊のヒノカミが指さす先には、ビルスに無理やり連れてこられた『モナカ』という異星人が端末のヒノカミに慰められていた。傍には悟空、ベジータ、セルの3人。

 

「安心せい、お主を戦わせたりせんから。なっ?」

 

「……だ、大界王神さまぁ……!」

 

「ひっでぇなぁビルスさま。オラたちを焚きつけるためだからって、戦えもしねぇ奴を『強い戦士』だなんて嘘つくなんてさ」

 

「だが貴様のここしばらくのやる気を思えば、確実に効果はあったがな」

 

「……へへへ」

 

「しかしやってくれたな。もう登録されている以上選手の入れ替えもできん。

 我々4人で5人を相手することになるぞ。

 よほどの相手でなければ母上が居れば問題ないだろうが……」

 

 

「「「「「心配はいらんっ!!」」」」」

 

選手5人組に声をかける、同行者のこちらも5人組。

 

「諸君らには我らが付いている……この『ギニュー応援団』が!!」

 

「「「「うぉーーーーーっす!!」」」」

 

黒い学ランに鉢巻を付けた暑苦しい連中がずらりと並ぶ。

体格の良いリクームが『第7宇宙応援団』と書かれた巨大な旗を背負っていた。

 

「パーフェクトじゃ、ギニューよ。

 我らの応援は任せたぞ」

 

「「「「「はいっ!!」」」」」

 

「そして審判と司会は私にお任せを!!」

 

「中立な者を雇っとるからダメ」

 

「ガァーーーーンッ!!」

 

どさくさに紛れて役職を得ようとしていたアナウンサーが、すごすごと引き返していった。

 

 

やがて一行は試合会場に到着。

上空には『名のない星』と変わらぬ巨大なドラゴンボールが6個浮かんでいた。

ビルスは早速シャンパと牽制をしあっているようだが、神霊のヒノカミは転移で先に到着していた界王神たち3人と合流。

そして彼らの足元にはローブで姿を隠した小柄な4人目がいた。

 

「ヒノカミ!」

 

「よう来てくれたの、全。でもあ奴らに聞こえたらまずいからちょっと声を抑えような?」

 

「おっとっと……」

 

「全の案内と面倒、押し付けてしまい申し訳ありませぬ」

 

「い、いえ。全王さまをご案内できるなど光栄なことですから……。

 それと、もうあなたの方が上なんですからそんなに畏まらなくても……」

 

 

 

「失礼、もしや貴公が新たな第7宇宙の界王神か?」

 

声をかけてきたのは二人の男。

服装や耳のポタラから彼らが第6宇宙の界王神とその付き人だと推測できる。

ちなみに第7宇宙以外は界王神は一人しかいない。故に『大界王神』という役職は存在しない。

その理由はいくつかあるが、一番は『ビルスが仕事をしないので人手が足りないから』だとか。

 

「いかにも、お初にお目にかかる。

 儂が第7宇宙の界王神を務めることになった、ヒノカミという」

 

「そうか……それと、あの選手は妙に貴公に似ているようだが?」

 

舞台に上がっていく第7宇宙の5人の戦士の内一人、小柄な女を指さして彼らが尋ねる。

 

「あぁ、あれが儂でな」

 

「「は?」」

 

「そちらに話は通っていると聞いたが?」

 

「……シャンパさまのところで止まっているんだろうな」

 

「……お互い苦労しますな」

 

 

 

第6宇宙の選手5人と、舞台の上で向かい合う。

黄色い熊のような巨漢『ボタモ』。

ロボットのようなメタルマンという種族の『オッタ・マゲッタ』。

おそらく第6宇宙のフリーザ一族であろう『フロスト』。

平和を守る第6宇宙のサイヤ人『キャベ』。

そして寡黙なコートの男『ヒット』。

彼らの出場順はこの並びとなる。

 

対する第7宇宙はセル・ベジータ・悟空・ヒノカミ・モナカの順だ。

戦えないモナカは実質いないものとして、端末でもなお最強であるヒノカミが総大将を務める。

そしてヤバイくらいのやる気に溢れているセルが一番手だ。

そう、セルはやる気に溢れていた。

 

 

「ぶぅるぁぁぁぁあああアア……!」

 

敗北すれば、母との別れ。

マザコンはここまで抑え込み溜め込んできた鬱憤を、試合開始と同時についに爆発させた。

 

「ぶるぁッ!」

 

弾力ある体を持ちダメージを受けないボタモを霊力の拳で貫き昏倒させ。

 

「ぶぅるぁッ!!」

 

強固な鋼を肉体を持つが1000トンもの重量を持つオッタ・マゲッタをOFA『浮遊』で持ち上げ場外に叩きつけ。

 

「ぶぅるぁぁぁぁああアアアッ!!」

 

紳士な振りをして毒針を仕込む卑劣なフロストを、毒の通じない体で圧倒。

 

 

「がぁぁぁああああーーーっ!!!」

 

「……こりゃセルが全部終わらせちまうかもな」

 

脅威の3人抜き。しかもほぼ無傷。

 

セルは正式に地球の神となって身に着けた『神威』で己の内にあるサイヤ人たちの細胞に呼びかけ、『超サイヤ人ゴッド』に匹敵する神の力を手に入れた。

さらにもう一つ上の段階である『超サイヤ人ブルー』に至った悟空とベジータには戦闘力は追い抜かれてしまったが、ヒノカミ譲りの多彩な特殊能力を持つセルは応用力がとんでもなく高い。

ボタモやオッタ・マゲッタのような特異な相手に対してはむしろ悟空たちよりも優位に立てる。

 

 

「なんだよアイツ!?どの惑星の種族だ!?

 第6宇宙であんな奴見たことないぞ!?」

 

「地球の科学者が作った『人造人間』だそうです。

 分類としては、地球人だそうですよ」

 

「地球、おっかねぇーーーっ!!」

 

シャンパの中で地球に対する評判に傷がついたような気がするが、誇張ではなく事実なので何も言い返せない。

界王神とキビトが目を閉じ腕を組んで、深々と頷いていた。

 

 

「つぎはァ……どォいつだぁぁぁァァ……!」

 

セルの血走った目を向けられ、残る第6宇宙の選手であるサイヤ人のキャベは尻込みし、おそらく最強の戦士だろうヒットも冷や汗を流す。

彼らの反応からその実力を正確に計測できた端末のヒノカミは、やはり自分がいれば問題ないと判断した。

 

「セル、その辺にしておけ」

 

「「?」」

 

「……母上?」

 

「お主の強さは十分伝わったさ。そろそろ次に見せ場を譲ってやれ」

 

「「!?」」

 

「……良いのか?」

 

「儂が負けると思うか?」

 

「……フフフッ、そんなはずがない。レフリー、私はここで辞退する」

 

『!?セル選手、リタイヤです!』

 

「ばあちゃん、サンキュー!」

 

『では、次の試合は第6宇宙キャベ選手と、第7宇宙ベジータ選手となります!』

 

「みっともない真似はしないでくれたまえよ?」

 

「お前が言うな!」

 

(((お前が言うな!)))

 

セルの振る舞いは紳士に戻っているが、先ほどまでの醜態を目にした者たちは一斉に内心で叫んだ。

 




ある意味セルマックスよりたちが悪いです。
ちなみに、物語の都合上対戦順を少し変えています。
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