『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第140話 力の大会・本戦

 

「ついたぞ。ここが、力の大会の舞台じゃ」

 

「へぇ~~~、でっけぇなぁ」

 

公平性を期すために今まで秘密にしていたが、ヒノカミは力の大会の運営側。

舞台の設営にも当然関わっている。

 

とんでもなく巨大な、宙に浮く独楽をイメージすればわかりやすいだろうか。

中央に軸のような柱があり、舞台は平面で円形。

そしてその外側には円弧状のベンチが浮いている。

各宇宙の破壊神や界王神が待機する場所であり、場外に落ちた選手は自動的にここに転送される仕組みだ。

 

「……なぁんか周りの視線がキツくねぇか?」

 

「当然だろう。ヒノカミが思いっきり喧嘩を売ったらしいからな」

 

「げらげらげら。流石にここまで煽ってやればやる気を出すか」

 

端末でだが、ヒノカミは第6宇宙との戦いに参戦し活躍している。

その時の動画は神tubeで公開されており、他宇宙の戦士たちは皆それに目を通したようだ。

明らかに警戒し、敵愾心を向けている。

各宇宙の選手たちだけでなく破壊神と界王神もだ。

実は第7宇宙以外は彼らと戦うために、すでに休戦協定を結んでいたりする。

 

しかし大会に参加しておらず、観戦のために来訪した4つの宇宙の神々はヒノカミに好意的な視線を向ける。

彼らはビルスと同様、天使からヒノカミの言動の理由を明かされている。

揃って舞台の外のベンチから第7宇宙を注視していた。

 

 

「なぁばあちゃん、オラたちと同じかそれ以上強ぇってのはどいつだ?」

 

「第11宇宙の、あの同じ服装を着た集団。

 太い腕を持つひげを生やした男がトッポじゃ。

 ……しかしどうやら奴の上がいたようじゃな」

 

ベルモッドと向かい合う頭髪の無い巨漢が、おそらく第11宇宙最強の戦士なのだろう。

 

(ん~~……仲間たちとの連携次第では、儂でも苦労しそうじゃな。

 悟空らではちと苦しいが、キレたブロリーなら行けるか?)

 

しかし全宇宙最強の選手ではなかった。

その上には更に二人。しかもどちらも第7宇宙の選手だった。

 

 

「……さて、今のうちに作戦を再通達する。全員集合」

 

ヒノカミの呼びかけに応じて第7宇宙の戦士たちが円陣を組み一塊となる。

聞き耳を立てようとする者もいたが、別に聞かれても問題はない。

 

「先んじて伝えたが、連中は今儂を目の敵にしておるはず。

 よって儂は単独で真っ先に舞台の中央に移動し敵の注意を惹きつける。

 儂が危機に陥ろうとも見過ごせ。囮と割り切ればよい」

 

「本当に大丈夫なんだろうな?」

 

「なぁに、駄目ならそれまでよ。

 悟空とベジータは遊撃じゃ。自由に動いてよい。

 儂へと襲い掛かろうとする集団からあぶれる者、儂以外へ攻撃しようとする者が出るはず。

 気になった奴にどんどん挑んでいけ」

 

「よっしゃ!」

「ふんっ!」

 

「他の7人は基本的に一丸となって行動してくれ。

 方針は生存最優先。誰も脱落しないよう心掛けよ。

 必要に応じて二手に分かれても良いが、集団には必ずセルとブウのどちらかを含めること。

 治療とエネルギー回復ができるこの二人はパーティの要じゃからな。

 なんで二人はあまり前に出ず、中央からの支援に徹してくれ」

 

「了解した」

「わかったぞ」

 

「ピッコロと悟飯は迎撃。

 集団からあまり離れぬように気を付けつつ、襲い来る相手を迎え撃て」

 

「任せろ」

「はいっ!」

 

「ラディッツとクリリンはブロリーのサポートを頼む。

 ブロリーはまだ混戦に慣れておらぬので、彼が集団に囲まれる事態を防いでほしい。

 1対1ならブロリーに勝てる奴などおらんが、一斉に襲われれば焦って暴走するかもしれんからな」

 

「いいだろう」

「安心しろって。大船に乗ったつもりで、とは言えねぇけどさ」

「あぁ……わかった」

 

「そしてブウとピッコロは腕を伸ばして、セルとクリリンは技を使って場外に落ちそうな仲間の救出を頼みたい。気を配っておいてくれ。

 あとはまぁ、臨機応変に行くしかないな。

 基本方針は先の通りじゃが自分が『必要だ』と思えばこれに背いて独断で行動しても良い。

 ただし目指すは誰一人欠けることない完全勝利じゃ。

 自分一人生き残れば良いなどという考えは捨てよ。良いな?」

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

「オホホホ、頼もしいですねぇ。

 ……そろそろのようですよ」

 

上空に浮かぶ小さな浮島の前に、大神官が姿を現した。

次いで全王。神々でもなければ全王を見たことなどあるはずもなく、各宇宙の戦士は予想以上に幼い姿にどよめきを隠せない。

普通に何度も顔を合わせて会話して、一緒に遊んだりご飯を食べたりしてきた第7宇宙の地球の連中が異常なのだ。

 

「間もなく競技を始めます。選手以外はベンチへどうぞ」

 

各宇宙の天使と破壊神と界王神が舞台の上から飛び立っていく。選手以外は飛行の術は封じられていない。

どうやらヒノカミ以外に選手として参加する界王神はいないようだ。

『根性無し』と言うつもりはない。

本来界王神とは戦う者ではないのだからより強い選手がいるならそちらに託すべきだ。

 

 

 

「改めてルールを説明します」

 

前回はヒノカミがあの場にいたが今は彼女も選手。

全王を背にした大神官が司会を務める。

 

制限時間は100タック(約48分)。

中央にある柱が時間経過と共に下降していき、舞台と同じ高さになった時が競技終了。

選手が自分の力で作り出したもの以外の武器や道具の使用は禁止。

飛行の術は使用不可。ただし選手の身体能力により飛翔できる場合は例外。

ステージから落ちた選手は失格となり自動的にベンチに移動となる。

制限時間経過後に残っている選手が多い宇宙、または最後の一人になった選手が所属している宇宙が勝利となる。

第7宇宙以外は敗北した宇宙の破壊神と界王神は消滅。

全王が選出した最優秀選手には超ドラゴンボールの使用権が与えられる。

 

「ではみなさん。準備はよろしいですね?」

 

各宇宙の戦士たちが一斉に身構える。

第7宇宙に向かって。

 

 

 

「それでは、『力の大会』……はじめ!!」

 

 

「「「!?」」」

 

大神官の宣言と同時にヒノカミの姿が消え、全ての戦士たちの丁度真ん中に出現する。

 

「天神武装『縁炎烏蛇・王番振舞』」

 

そして彼女の頭上に上半身だけの鎧人形が現れる。

 

鬼のような鎧を纏う炎の巨人。

右腕は赤い手甲。左腕は白い手甲。

燃え盛る羽根をまき散らす炎の翼。

青白い光を放つ白銀の鱗の陣羽織。

肩当に擬態していた鋭い爪を持つ一対の副腕が、禍々しく展開する。

 

その姿は選手たちも動画で予習済みだったが、こうして直接目の当たりにしてその力の大きさにたじろぐ。

まして今回は端末ではなく本体。

それぞれの宇宙の破壊神と対面している戦士たちも、それらと同等以上の神が牙を剥いているという事実を改めて痛感し吞まれかける。

 

 

「……かかってこいやぁ!!」

 

 

「「「っ……うぉぉぉおーーーーっ!!!」」」

 

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