ヒノカミは神霊の方の姿でバシっとスーツ着てます珍しく。
ちなみに原作一話開始前の出来事です。
第1話 東京都立川市松田ハイツ
「入居できてよかったぁ~~、折角のバカンスがいきなり躓くかと思ったよぉ~~」
「諸々の手続き、ありがとうございます。お手数をおかけしました」
「いえ、そちらには以前お世話になりましたし。
それにやはり身元不明の外国人だけでは手間も増えるでしょうから」
「ホントだよぉ。入居の保証人、マルコ君に頼るところだったもの。
名前が日本人っぽいからって」
「それは無理がある……しかし、本当によろしかったのですか?
こう言っては大家さんに悪いですが、このアパートは現代社会でもかなり質が低いです。
今時風呂無し、しかも六畳一間にお二人でというのは……」
「いいのいいの。私が巡礼してた頃に比べれば天国みたいな環境だよ」
「実際に天国から降りてきた方が言うのは問題になりそうですが!?」
「大丈夫ですよ!目の前に川だってあるんだもの!」
「行水や洗濯は川でしてはいけませんからね!?」
「「そうなの!?」」
「お二人の生前の時代とは違うのです……本当に大丈夫なのですか?」
「ははは、少しずつ勉強していきますよ。
それにあんまり家賃が高いと私たちの給料では払えないんですよね……」
「天界で頂いていた人々の笑顔、満たされた気持ち……。
それらを日本円に換算すると二人合わせて26万円だったからね」
「円高のあおりを思いっきり受けてしまったよね……」
「天界はもう少しお二人を甘やかすべきだ!!
……はぁ、儂はもうしばらく現世で人として活動するつもりです。
面倒ごとが起きたら儂に一報くだされ」
「何から何までありがとうございます、大日さん」
「…………」
「おや、どうしたの?浮かない顔だけど……」
「……やはり相応しくないのではないでしょうか。
儂のような者が、その名を預かるなど……」
「
「日本の神様って増えたり減ったりするんでしょ?
別の名前や姿になってたり、他の
だったらそれくらい問題ないって!」
「そういう話ではなく!
……儂は聖人どころか仏門すら叩いておりませぬ。
暴力も殺生も、数えるのが億劫になるほど繰り返してきました。
そんな儂が……如来(真理に目覚め悟りを開いた者)などと……」
「貴女に
「っ、何故……!」
「私たちの言葉は悩み、苦しみ、道に迷う者を導くためのものだからね。
君は悩みも苦しみも背負い、進む道を見つけてるじゃないか」
「ですがこの道が、とても正しいものとは……」
「人によって悩みや苦しみの形は異なります。
時代が変われば悩みも苦しみも変わります。
ならば世界が違えばそれはどれほどの違いとなるでしょうか。
正しさも真理も、違って当たり前なのです。
貴女が正しいと信じた道を行き答えを見つけたのならば。
それが貴女の真理であり、それを知った貴女も如来である。
ですが如来だからと言って生き方を改める必要はありません。
肩書は貴女ではないのですから」
「君は『天界は私たちに甘くするべき』だと言ってくれたね。
だから私からもこの言葉を贈ろう。
『君は君自身に、もっと胸を張るべきだ』」
「貴女は貴女らしく生きてください。
人々が如来と呼んだのは、そんな貴女なのだから」
「……敵いませんな」
「敵味方や優劣を競うことではありませんよ」
「そういうところがですよ。
……折角の休暇だというのに、仕事を押し付けてしまいましたな。
儂はこの辺りで失礼しましょう。よい休暇を」
「うん。君もね」
「……そういやブッダ。彼女『以前お世話になった』って言ってたけど、君何かしたの?」
「……あぁ、アレね。
彼女に頼まれて、七福神の皆さんを紹介したんだ。
『自分はどうにも運が悪すぎるから、何とかしたい』って……」
「へぇ~~。それはどうなったの?」
「私や他の仏や神も協力して、ご利益やら何やら総動員して、一応は成功したんだよね……一応は」
「一応?」
「その後で試しに宝くじ買ってたんだけどさ。
あ、彼女が現世の戸籍やら立場やらを作ってたのはこの時ね」
「成功ってことは、当たったの?何等だったの?」
「すっごい喜んでたよ……。
『バラで10枚買って300円当たったのは初めてだ』って……」
「……300円?初めて?」
「うん。バラだとそれこそ100枚買っても奇跡的に全部ハズレてたらしいから……」
「……よ、よかったじゃない!運気は上がったってことなんだから!」
「……でもどうやら彼女、弁財天さんにロックオンされちゃったみたいなんだよね。
だから正味マイナスなんじゃないかと……」
「…………」
「聖痕開いてるよ。
気持ちはわかるけど、流すのは涙だけにしようね、イエス」
『聖☆おにいさん』より一幕。
ギャグとか日常系だと、こんな感じの一話形式で扱うこともできるかもしれない。
結構頭捻ってコレですが。