『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第8話 デビルガンダム

 

「……そして、ついにアルティメットガンダムは完成した。

 そこに軍を率いたウルベとミカムラ博士が現れた。

 母は私とガンダムを地球へ逃がすために盾となり撃たれ、父はウルベらに捕らえられ口封じとして冷凍刑にされたのだ……」

 

『そんな……お父さまが……っ』

 

『……お、のれぇっ!ウルベぇっ!!』

 

銃弾の嵐に晒されながら真実を伝えたキョウジは、通信モニター越しに予想通りの反応を返したドモンを見て思わず苦笑する。

 

「……ふふっ、そうやってすぐ感情を表に出すとわかっていたから、お前には何も明かせなかったのだ、ドモン」

 

『うっ……』

 

「そして流石のミカムラ博士でも娘まで殺そうとするはずはない。

 おそらく彼はウルベにかどわかされているのだろう。

 ……だからレインが気に病むことは無い」

 

『キョウジさん……でもっ……!』

 

「おそらくキミがドモンのパートナーに選ばれたのは、ミカムラ博士を裏切らせないための人質だったのだ。

 ……ミカムラ博士を、君の父を許すことはできない。

 だが私たちの真の敵は、母の仇はウルベだ。

 間違えるなよドモン」

 

『……わかってるさ。レインがこんな悪事に加担するはずがないことくらい』

 

「ならいい……ぐぅぅっ!?」

 

『兄さん!?』

『キョウジさん!?』

 

増援が到着したようでいつの間にか敵の数が増えており、攻撃は止むどころか一層苛烈さを増している。

シャイニングガンダムから譲り受けたエネルギーを修復と防御に回していたが流石に底が見えてきた。

 

「これは……間に合わないかもしれんな……」

 

(ーー!)

 

「……そうだな、アルティメットガンダム。

 彼らを信じなければ……!」

 

『彼ら……!?』

 

ネオジャパン軍のモビルスーツが包囲網を狭めてきた。

アルティメットガンダムの損傷が再生する速度が明らかに遅くなったことから、こちらのエネルギー切れを見抜かれたようだ。

そしてワイヤーが付いたアンカーを次々と撃ち込まれる。

 

「っ、いかん!」

 

アルティメットガンダムが残る力を振り絞り、シャイニングガンダムと接触しないように両足で下半身を持ち上げる。

 

 

(ーーーー!)

「ぐぁぁぁあああーーーーーッ!!」

 

 

『兄さん!』

 

ワイヤーを通じて流し込まれる高圧電流がアルティメットガンダムとキョウジの思考を焼き切ろうとしてくる。

 

『兄さん、兄さん!くそぉっ!!』

 

「触れるなぁっ!お前は耐えられても、レインが耐えられん……!!」

 

少しでも兄の負担を軽減しようとシャイニングガンダムが手を伸ばすが、寸前で叱責され動きを止める。

 

このままではアルティメットガンダムの前にキョウジが力尽きる。

そして生体ユニットを失えばアルティメットガンダムは動けなくなる。

……だがガンダムファイターであるドモンが自分の代わりに搭乗すればアルティメットガンダムは息を吹き返し、この包囲網を突破することができるはずだ。

暴走する危険があるので避けたかったが、このままではドモンたちも殺されてしまう。

キョウジはアルティメットガンダムを信じて弟を託そうとした。

 

「ぐぅぅっ……後を、頼む!私の代わりに、ドモンを守って……!」

 

(ーーーー!!!!)

 

「……!?」

 

そこで、突如アルティメットガンダムが空を見上げた。

 

「あれは……!」

 

(ーー!ーー!!)

 

 

 

 

――――……

 

 

 

 

『ぬぅぅっ、間に合わなんだか!』

 

「いやまだじゃ!やれぃ、東方不敗!!」

 

『おうよ!』

 

風雲再起に乗って大気圏から降下したクーロンガンダムは、掌に乗っていた鬼を眼下の戦場目掛けて力の限り投げ飛ばした。

 

 

 

「ガンダァーーーーーーーーーーム!!!」

 

 

 

(ーーーー!!!)

 

鬼の叫びに呼応して、アルティメットガンダムが残る力全てを振り絞り、上半身を勢いよく天へと伸ばした。

標的の急な行動に戸惑いつつもネオジャパン軍は冷静に対処し、離れていく上半身へと攻撃を集中。

 

(ーー!?ーー!!!)

 

攻撃を受けて上半身と下半身を繋ぐ蛇腹状のケーブルが引きちぎれるが、アルティメットガンダムは各部から炎を噴き出して飛翔し、上半身だけで尚も天を目指す。

そして胸部のハッチを大きく開き、飛び込んできた鬼を飲み込んだ。

 

 

 

「……待たせたなぁああ!!!!」

 

「あぁ……待っていたぞ……!」

 

(ーーーーーー!!!!!!)

 

 

 

コクピットの中でケーブルに接続された鬼が、全身から炎を噴き出した。

枯渇状態だったアルティメットガンダムに途方もない量の生命エネルギーと熱エネルギーが注ぎ込まれていく。

 

そして死の寸前まで追い詰められた経験が反映され、アルティメットガンダムは一気に進化した。

 

全身各部から炎が噴き出すと同時に、UG細胞が増殖し損傷した装甲と引きちぎれた下半身の再構成を開始する。

しかしその下半身は先ほどまでの昆虫のようなものではなく、巨大なガンダムの頭部を模していた。

それは浮遊能力を兼ねているらしく、地上への落下が停止し滞空を始める。

さらに両肩が展開しフジツボ状のパーツが変形して巨大な掌を形成。

眼下の軍に向けた指先にエネルギーを集中する。

 

 

(ーー)

 

「……できるのか?」

 

(ーー!)

 

「よかろう……『天網恢々(ヘルストリングス)』!!」

 

放出された10の熱線は、アルティメットガンダムが新たに学んだ『光と熱を制御する能力』により無数の熱線に細分化し湾曲して、眼下の敵軍を細切れに切り刻んでいく。

 

 

 

 

――――……

 

 

 

 

「……すごい……!」

 

「あれほどの数を一瞬で……ウルベが欲しがるわけだ……!」

 

残されたアルティメットガンダムの下半身から這い出したシャイニングガンダムは、周囲の惨状を見渡して思わずつぶやく。

 

『気を抜くでないわ!この馬鹿弟子が!』

 

「師匠!?」

 

『今掃討したのはこの一帯のみ、まだ敵の軍勢は我らを取り囲んでおる!』

 

『キョウジも休ませてやりたい。気を失っとる。

 ……無理をさせてしもうたからな』

 

いつの間にかシャイニングガンダムの隣に東方不敗の駆るクーロンガンダムが腕を組んで立っていた。

続いて降下してきたアルティメットガンダムの下半身が変形して脚部となり、彼らの傍に着地する。

モニターにはキョウジを抱えた、鬼の鎧を纏う巨漢の姿があった。

 

『動くな』

 

「何?ぐっ!?」

 

アルティメットガンダムの左手首から伸びた先端がガンダムの頭をした触手……ガンダムヘッドが牙を剥いてシャイニングガンダムの脚部に噛みついた。

 

「貴様っ……これは!?」

 

UG細胞がシャイニングガンダムを侵食し、機能を停止していた機体の脚部を修復した。

 

『これがUG細胞の本来の力よ。

 キョウジを起こしたくない。つゆ払いはお主らに任せる』

 

ドモンは動きを確かめるかのように立ち上がる。

同時にエネルギーが送り込まれたようで、シャイニングガンダムのエネルギーゲージが回復していた。

 

 

『ならばドモンよ……アレをやるぞ!』

 

「っ!?はいっ!!」

 

クーロンガンダムが全身からエネルギーを放出して回転させ、その後ろに立つシャイニングガンダムが腕を構えた。

 

 

「超級!」

 

『覇王!!』

 

 

「『電影弾!!!!』」

 

 

巨大な弾丸となったクーロンガンダムが開けた風穴を通り、ガンダムたちはネオジャパン軍の包囲網を突破した。

 




言うまでもありませんが、進化したアルティメットガンダムの姿は『デビルガンダム最終形態』です。
加えてヒノカミの特殊能力も習得しているので戦闘力は更に上です。
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