『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第22話 アルティメットガンダム/デビルガンダム

 

参戦した先代シャッフル同盟、および各国ガンダムのよる世界ガンダム連合はデスアーミーとガンダムヘッドを次々と破壊していく。

ガンダムヘッドはコロニーがある限り何度でも生えてきたが、デスアーミーは打ち止めとなった。

パイロットとなるゾンビ兵の数は有限で、ネオジャパン国民はヒノカミとデビルガンダムが守り続けているため新たに人員を補給できないのだろう。

 

『ノーベルフラフープ!このデカブツだけならいい的だっての!』

 

『気を抜くでない!敵はまだまだ沸き続けておるのだぞ!?』

 

「しかしわずかながら余裕ができたか……。

 キョウジ!未だドモンらの応答がない!

 何機か連れて突入し、彼らの援護を!」

 

『わかった!』

 

『あ!だったらアタシも……!』

 

『待ってください!コロニー内部から巨大反応!

 ……ゴッドガンダムたちと共に、地表に出てきます!!』

 

『『『!?』』』

 

ネオジャパンコロニーの中心付近で大きな爆発が生じ、爆風の中から突入した5機のガンダムが飛び出してくる。

 

『ドモン!何があった!?

 動力炉は未だ破壊できていないのか!?』

 

『兄さん!……あれが、コロニーの動力炉だ!!』

 

5機のガンダムが見下ろした先、爆発の中心部には。

 

 

 

『…………フハハハハハハ!!!!』

 

 

 

赤熱した巨大な下半身を持つシャイニング……いや、新たなデビルガンダムの姿があった。

 

『なっ……動力炉そのものがデビルガンダムだと!?』

 

『膨大な熱量を検知……まさか、臨界状態!?』

 

『おそらくは!故に下手に攻撃を仕掛ければ大爆発を起こし、コロニーそのものが吹き飛びかねないのです!

 そうなれば被害はネオジャパンコロニーに留まらない!

 周囲一帯に吹き飛んだ岩塊が地球や他のコロニーにも激突し、大災害を引き起こしてしまう!』

 

『だからとにかくコロニーから引き剥がそうとしてたんだけどさ!

 何度根を千切っても繋がっちゃうんだよ!キリがないって!』

 

『……待て!爆発なぞすればウルベも無事ではなかろう!?

 何故奴はそんな自殺まがいを……!』

 

『アレはもうウルベじゃない、完全にDG細胞に侵されている。

 わずかな自我すら感じられない……会話すら成立しないんだ!』

 

『『『!?』』』

 

 

 

『ハハハ……!マッ……サツ……!

 人類、ナゾ、滅ビテシマエェェェェッ!!!』

 

 

 

『ウルベ……!』

 

モニターに表示されたウルベは全身がDG細胞に侵食されていた。

そしてシャイニングガンダムの名残であるフェイスガードが開くと、その下にあったのは牙の生えた化け物の口だった。

 

 

 

 

「……くけけ、げげ、げっげっげっげ!」

 

 

 

『ヒノカミ……?』

 

「……おかしいと思ったんじゃよなぁ。

 突然聞き分けがよくなるんじゃもんなぁ……!」

 

(ーー…………)

 

そもそもデビルガンダムの本体は上半身だ。

下半身の質量の方が圧倒的に大きくとも、それはただのDG細胞の塊でしかない。

なのに他のガンダムを埋め込んだ程度のことで勝手に動き出し、本体に対しても反抗するとなれば。

 

 

「デビル……いや、アルティメットガンダム!

 お主はあの時、完全に二つに別れていたんじゃな!?」

 

『二つに……別れた!?』

 

(ーー……)

 

以前ヒノカミの不在時にアルティメットガンダムはネオジャパン軍からの攻撃を受け、怒りで暴走寸前に陥っていた。

この時彼の中では『人と共に歩み地球再生を目指す意志』と『人への憎しみを募らせ人類抹殺を誓う意志』がせめぎ合い拮抗していた。

そして宇宙からヒノカミが帰還した時、彼は彼女の呼び声に応え上半身を天へと伸ばした。

この時アルティメットガンダムの上半身を操っていたのは前者の意志。

その状態で上半身と下半身が切断されたことで、彼の肉体と共に彼の意志もまた二つに分離していた。

そして下半身を構成するDG細胞に焼き付いた後者の意志、人類への激しい憎悪と殺意が、シャイニングガンダムの怒りのスーパーモードと適合した。

 

『ハハハ!ギャハハハハハハァッ!!!!!』

 

「そして『地球再生』を願う真のアルティメットガンダムと、『人類抹殺』を掲げる真のデビルガンダムに別たれた! 

 アレは地球を救うために人を殺すのではなく、人を殺し尽くすことそのものが目的!

 ……この世界から人類を絶滅させることしか頭にない!」

 

『……悪魔だ……悪魔そのものだ!』

 

『っ!?ネオジャパンコロニーが動く!?

 まさか……これは!?』

 

 

 

「っ!?コロニーごと地球に体当たりしての自爆!

 奴は地球を跡形もなく消し飛ばすつもりじゃぞ!!」

 

 

『『『『『なんだとぉっ!!!!!』』』』』

 

 

『ギャハハハハハHAHAHAHAHA!!!!』

 

 

地球が大爆発を起こせば周辺宙域に漂う各国コロニーも致命的な損害を受けるだろう。

自らの命すら顧みぬ、人類を滅亡させるための最適解だ。

 

 

「……づぇぁぁぁあああああああっ!!!」

(ーーーー!!!!)

 

デビルガンダムが最終手段に移行し、UG細胞への抵抗が弱まった今が好機。

ヒノカミの駆るアルティメットガンダムがコロニー表面から離れる。

同時に全身から伸びた機械の触手が、コロニーの中からいくつもの塊を引きずり出した。

 

『!?ネオジャパンコロニーのシェルター!?』

 

「全機撃てぇ!地球に近付く前に何としても破壊せよ!!」

 

 

『総員、攻撃開始!出し惜しみするなぁ!!!』

 

『『『『『うぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!』』』』』

 

 

もはや他のコロニーへの二次災害を気にしていられる状況ではなかった。

アルティメットガンダムがシェルターごとコロニーから急いで離れたところで、同じく爆発に巻き込まれないよう距離を取ったガンダムたちが、一斉に臨界状態のデビルガンダムへと攻撃する。

 

しかし時間を与え距離を取ってしまったことが失敗だった。

 

 

『な……防がれた!?バリアだと!?』

 

球状のバリアの外側は削ったが、内側の大地とデビルガンダム本体は無傷。

そして防御壁を展開したままデビルガンダムは地球へと降下していく。

 

『攻撃を緩めるな!何としても破壊するのだ!!』

 

『くっそぉぉぉおお!!!』

 

しかし出力が違い過ぎた。モビルファイターたちではおそらく動力炉のエネルギー全てをつぎ込んでいるバリアを突破できない。

 

(儂とアルティメットガンダムならば、バリアの中に転移して……だが儂等だけでは……!)

 

デビルガンダムを瞬殺、とは行かない。

既に動力炉であるデビルガンダムはコロニー内部に引っ込んでしまった。

撃破には相応の時間が必要であり、その間にコロニーは更に地球へと近付く。

バリアが解除されてから一斉攻撃でコロニーを破壊しても破壊しきれず、地表に大量の残骸が降り注ぎやはり地球は死ぬ。

 

 

『っ!ネオアメリカから緊急通信!

 ……”全機、ネオジャパンコロニーから距離を取れ”!?』

 

『まさかアレを!?』

 

ネオアメリカ代表であるチボデーが真っ先に気付き、ネオアメリカコロニーに視線を移す。

コロニーの一部が分離し、その中央に立つ巨大な自由の女神像の掲げる松明に、恐ろしい量のエネルギーが集中していた。

 

『チボデー、アレは!?』

 

『ネオアメリカの最強兵器、『自由の女神砲』だ!!』

 

その威力は地上を7回焼き尽くすほどだと言う。だがヒノカミはその光を見て察する。

 

「……ダメじゃ、アレでも足りぬ!」

 

『……Jesus!』

 

「……いや、そうかっ!?」

 

(ーーーー!?)

 

「……アルティメットガンダム。付き合ってくれるか?」

 

(ーー!)

 

『ヒノカミ!?何を!』

 

 

シェルターを放り出しMA形態に変形したアルティメットガンダムが単独で突っ込む。

 

自由の女神砲からネオジャパンコロニーへの射線上に。

 

 

「……喰らい尽くせぇぇーーーっ!!」

(ーーーーーー!!!)

 

アルティメットガンダムが両肩の巨大なサブアームを広げ、自由の女神砲から迫るエネルギーを全身で受け止める。

そして己の身を焼かれながらもその熱を吸収し、蓄えたエネルギーでUG細胞を増殖させていく。

 

 

 

 

「……『輪廻、天照』ぉ!」

(ーーーー!)

 

 

『『『『『……なぁぁぁあああっ!?』』』』』

 

光が消えた後には、コロニーに匹敵するサイズにまで肥大化したアルティメットガンダムの姿があった。

 




・輪廻天照アルティメットガンダム
膨大な熱を吸収したエネルギーを使って、自己増殖により生み出した巨大アルティメットガンダム。
本体そのものが大きくなったわけでなく、本体であるガンダムが乗り込んで操る外装。
ヒノカミの技と違い実体があるので自然消滅はしない。
活動に必要なエネルギー量が膨大すぎてヒノカミ一人では賄いきれないため他からのエネルギー供給が必須。
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