『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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RTAもびっくりのスピード解決!


第50話

春先の雄英襲撃にて、言い訳のしようもない大敗を喫した敵連合。

しかし脳無という化け物を作り出す技術力と危険性、保須市での大規模な破壊行動とその様子が大々的に報道されたことにより、再び敵連合へと悪意ある者たちが集い始めた。

敵連合が雄英に忍び込ませている内通者から得た情報を基に計画された、敵連合二度目の雄英襲撃作戦。

しかも前回とは異なりチンピラ同然の弱小ヴィランではなく、少数ながら凶悪なネームドヴィランたちを引き連れている。

リーダーである弔と補佐の黒霧。

快楽殺人鬼『血狂い』マスキュラー。

死刑判決を受けた脱獄囚ムーンフィッシュ。

武闘派の殺人犯マグネ。

彼らを筆頭とした実力派のヴィラン数名に多数の脳無。

敵連合の戦力は前回とは比べ物にならないほど強化されている。

対して雄英は秘匿性を重視して林間合宿に参加するヒーローの数を絞っている。わずか7名。何よりオールマイトがいない。

周辺には山しかなく、要請を受けたとしても救援が来るには時間がかかるだろう。

敵連合の勝利は確実かと思われた。

 

「ぐほぁっ!!」

 

「……残念だったな、敵連合。君たちの企みは失敗だ。

 なぜかって……?」

 

「くそっ!!ふざけんな!!」

 

「私が、いた!!」

 

「なんでオールマイトがここにいるんだ!!」

 

敵連合は生徒たちが寝静まる深夜を狙って合宿施設を取り囲み奇襲をかけようとしたが、直前に施設の中から多数の火の玉が飛び出しヴィランたちに襲い掛かった。

彼らが動揺した隙に空から飛び込んできたのは、雄英高校にいるはずのオールマイト。

この時点で敵連合は襲撃計画が露呈していたことを悟り、脳無にしんがりを命じて逃走。

弔と黒霧が控える脱出予定地点へと急ごうとした。

しかし。

 

「ドウヤラ……USJヲ襲ッタ個体ホドノ強サハ無イヨウダナ……!」

 

「YEAHHHHHHH!!プレゼントマイクのゲリラライブにYO-KOSOOOOOOOO!!!」

 

「にゃははは!私の土流と相性ばっちし!

 教師ってのも……アリかも?(じゅるり)」

 

「くけけ……!?……今すげぇ悪寒が……。また発目がなんかやらかしたか……?」

 

「あっちには敵しかいないわ!思いっきりまき散らしちゃって!!」

 

「了解ッス!ミッドナイト先生!!」

 

「山火事はすべてなんとかしてやる。存分に暴れてよいぞ。

 ……お主らの戦い、儂の眼に焼き付けよう」

 

「上等ォ!」「ああ!」

 

「緑谷少年!一発ぶちかまそうか!!」

 

「はい!!」

 

オールマイトだけではない。

彼と同じく雄英にいるはずの教師たちがヴィランたちを取り囲むように次々と現れ、さらに施設にいたヒーローや個性の使用を許可された一部の生徒も飛び出し、敵連合を一斉に攻撃し始めた。

ヴィランたちはもはや我を忘れて散り散りに逃げ惑うばかりで、一人、また一人と捕らえられていく。

傍受されることを恐れ、敵連合がしばらく通信を切っていたことも災いした。

眼下の施設で生じた大爆発を見て歓声を上げていた弔が状況に気づいたときには、すでに目の前にオールマイトが迫っていた。

 

「黒霧ぃ!!」

 

弔たちは仲間も脳無も置き去りにして転移で逃走する。

またも主犯に逃げられてしまった。しかしオールマイトたちは目的を果たしていた。

 

「……どうだい?ラグドール」

 

「ばっちし見たにゃん……うぇぇ、胃がシェイクされて気持ち悪いにゃあ……」

 

オールマイトの背中にはラグドールが隠れており、彼女は弔と黒霧の姿を直接視認していた。

これでもはや彼らがどこに逃げようと、彼女の『サーチ』から逃れることはできない。

 

一方、九死に一生を得て拠点である神野市のバーへと帰り着いた来た弔と黒霧。

 

「くそっ!くそっ!くそぉっ!!」

 

「落ち着いてください、弔!」

 

「落ち着けぇ?馬鹿言ってんじゃねぇ!完全に襲撃がバレてたじゃねぇか!!

 スパイ共が俺らを売りやがったのか!」

 

「可能性は否定できませんが、スパイの雄英生徒以外も、日中に雄英校内エリアでオールマイトや多数のヒーローの姿を目撃しています!

 それこそ転移でも使わなければ、短時間で雄英から合宿先まで移動できるはずがありません!」

 

「だったらテメェか!テメェが裏切ってんのか!?」

 

「決して!そんなことは!!」

 

またしてもたった二人になってしまった敵連合は、疑心暗鬼に陥り消滅しかけていた。

モニター越しにそれを見ていた『先生』は、弔を見て落胆のため息をついた。

 

同時刻、雄英の根津校長の元に合宿先のヒーローから敵連合撃退成功の連絡が届く。

 

「うん、事態は無事解決したそうだよ。協力ありがとう!」

 

「他の先生方はともかく、オールマイト先生はちょっと抵抗ありましたよ?

 なんか酸っぱい臭いしたし」

 

「HAHAHA!!彼もまぁ、年だからねぇ!」

 

「あー……わりぃな。こんなことさせちまって……」

 

「大丈夫です!女の子は、好きな人のためならなんだってできるんですから!!」

 

「……やべ、眩し。

 自分の心の汚さ自覚して消えそう……」

 

「HAHAHA!!実にいい笑顔だよ渡我くん!!」




AFOは戦力不足の可能性を危惧しましたが、ギガントマキアは呼びませんでした。
成長してない弔に預けたら調子に乗って無駄死にさせそうなので。
そしてここがこの世界でのトガヒミコの居場所。
雄英教師たちならば『個性の影響で吸血衝動がある』と聞けばためらうことなく献血に協力するでしょう。
真摯にヒーローを目指す生徒たちも然り。
彼らは良い意味で普通じゃない人間ばかりなので、トガちゃんは楽しい学生生活を謳歌しています。
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