『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第26話 まほら武道会 予選

 

復活した伝説のまほら武道会へと挑む武闘家たちは、いずれも己の拳と実力に自信を持っていたはずだ。

だが所詮表の人間。裏の人間には遠く及ばない。

例外は3-A出席番号12番、麻帆良の格闘チャンピオンと名高い『古菲』くらいだ。

出席番号20番『長瀬楓』は魔法にこそ関わりはないものの甲賀の忍であるため裏の人間と言っていいだろう。

彼女らもまた強者との戦いを求めてまほら武道会に参加を決意。

金で雇われる傭兵、出席番号18番『龍宮真名』も優勝賞金1000万につられて参加を決めた。

 

ネギと小太郎は元から参加予定だったので言うまでもないが、超の動向が気になるネギパーティーから刹那と明日菜、委員長が参加した。

木乃香・宮崎・夕映・ハルナ・千鶴も魔法使いとしてはそれなりの実力になっているが、後衛寄りなので単独戦闘は難しい。

特にハルナの戦闘スタイルは『描いた絵を実体化し簡易ゴーレムとして操る』というアーティファクト『落書帝国』に依存しており魔法バレの危険性が高すぎる。

夏美の名前が挙がっていないのは単純に時間がないからだ。

彼女は演劇部の出し物が被っているので一回戦途中までの観戦しかできない。

 

だが学園側からタカミチと、未成年の見習いであるため魔法使いの仕事の負担が少ない麻帆良女子中等部2年の『佐倉愛衣』、聖ウルスラ女子高等学校2年の『高音・D・グッドマン』も参戦してくれた。

 

当然彼らは全員予選を勝ち抜き、本戦への参加を決めた。

本戦参加枠は16名。

その内5名はネギパーティーで、3名は学園の魔法使い。

参加枠の半数を事情を知る身内で占めることができたのは上々の結果だろう。

ちなみにこの8名と楓たち3人以外の面々は運よく強敵と当たらなかった一般人の武道家2名と、田中という不審な大男。

『クウネル・サンダース』という明らかな偽名を名乗りローブで全身を隠した謎の青年。

そして、六道リンネである。

 

ネギたちは予選会にて舞台の上で暴れるリンネに気付き声をかけようとしたが、リンネは試合を終えるや否や消えるように姿を消してしまった。

 

 

 

「こっそり調べたんだけどさ、リンネさんのエントリーナンバー、1番だったんだよ」

 

「「「えぇっ!?」」」

 

「つまり彼女は、超くんと組んでいる可能性が高いということかい?」

 

「た、たしかにどっちも学祭準備中にゃ揃って姿を消してたが……」

 

その夜、緊急で開かれたまほら武道会に参加した魔法関係者たちの会合の場。

司会役として雇われた朝倉が立場を利用して集めた情報を共有する。

 

「ど、どど、どうしよ~~っ!

 もし超さんが何か悪いことをやろうとしてるとしても……マスターが協力してるんじゃどうしようもないよぉ~~っ!!」

 

「何を怯えているのですネギ先生。

 貴方の師と言うならば相応の実力はあるのでしょうが所詮は一人。

 何より彼女は魔法使いでもないというではないですか」

 

「ハハハ、魔法使いと呼べないのは僕もだけどね」

 

「っ!申し訳ありません高畑先生!!」

 

戦闘能力こそ学園どころか全世界において最上級であるタカミチだが、彼は生まれつき『呪文詠唱ができない』というハンデを抱えている。

故に彼は本国の魔法至上主義者からは嫌われており、『偉大な魔法使い』の称号を与えられることは決してない。

純粋に彼を尊敬している高音は慌てて謝罪し、愛衣もそれに倣う。

 

「……トーナメント表を見る限り君たちがぶつかる可能性は少ないと思うが、伝えておこう。

 ネギくんたちの京都の修学旅行で暴れた『リョウメンスクナノカミ』を討伐したのは彼女だ」

 

「なっ!?」

「エヴァンジェリンさんではなかったんですか!?」

 

「エヴァは敵の魔法使いの足止めをしてくれてたらしいんだ。

 確かに、エヴァでもスクナを倒せたとは思うけどね。

 学園に無関係どころか魔法使いでもないリンネくんの活躍を広めると大きな反発が予想できたから、彼女自身の許可をもらって秘匿することになったんだ。

 ……そしてエヴァが言うには、リンネくんは『自身と同等以上の実力者』だと。

 まともにぶつかったら僕でも勝ち目はないだろう」

 

「闇の福音と……同等以上……!?」

 

「しかもエヴァとは違って麻帆良の結界で弱体化なんてしてねぇ。

 そんで姐御が『魔法使いじゃねぇ』ってことがむしろやべぇんだ。

 最初から詠唱する呪文なんてねぇから『呪文詠唱禁止』のルールが縛りにならねぇ」

 

「「あっ!」」

 

「そんで、リンネさんとは別件で追加の情報だよ。

 確かに超りんの言う通り、武道会場では観客の記録機器は使えなくなるみたい。

 でも会場には複数のカメラが設置されてるんだ。

 記録できないのは一般客だけで、運営側は別ってことだね」

 

「何それ!?ズルイ!!」

 

「裏の人間に秘匿している力を使うことを促しながら、それを記録する。

 記録するということは、その映像を使う予定があると言うこと。

 ……では、超さんの目的は」

 

「魔法を広めようとしているのかもしれないね……」

 

「学園側に連絡し、大会の中止に動いてもらうべきでしょうか?」

 

「連絡はするが中止は無理だろう。まだ仮定でしかないからね。

 一度学園側が許可してしまっているし、何よりこの大会の注目度と盛り上がりがとんでもない。

 明確な違反行為もないのに強引に中止させたら反発が大きすぎる。

 僕たちが一斉に参加を辞退しても同様だろう」

 

「ではせめて力を隠して……」

 

「はぁ!?試合で手ぇ抜けっちゅうんか!?

 せっかくの大舞台やで!?」

 

「ハハハ。僕もできればちゃんと戦いたいかな。

 僕も小太郎くんほどじゃないけど、ワクワクしてるんだ。

 ネギくんがあれからどれくらい強くなったのか、さ」

 

「……そうだったーーーっ!

 僕の1回戦の相手、タカミチだーーーっ!!」

 

「わたくしの相手はリンネさんですわね……直接対峙して、何かわかればよいのですが」

 

会合の結果、試合での振る舞いはそれぞれの裁量に任せるとなった。

また、やはり学園側も今すぐ無理やりに中止にするべきではないと判断したようだ。

連絡したが『引き続き警戒を』と念を押されるだけにとどまった。

 

 

 

そして一夜明け、明朝8時。

龍宮神社特設会場にて、まほら武道会本戦が開始される。

 

 

第一試合

佐倉愛衣VS犬上小太郎

 

第二試合

大豪院ポチVSクウネル・サンダース

 

第三試合

長瀬楓VS中村達也

 

第四試合

龍宮真名VS古菲

 

第五試合

田中VS高音・D・グッドマン

 

第六試合

ネギ・スプリングフィールドVSタカミチ・T・高畑

 

第七試合

神楽坂明日菜VS桜咲刹那

 

第八試合

六道リンネVS雪広あやか

 

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