『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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第21話 第三の試練 予選

 

5日間を終え、第二の試験を突破したのは29チームの内、たったの7チーム。

大蛇丸に殺された草の忍びを含め遺体が十分に残っていた者は今合格者たちの前にいる綱手により蘇生されたが……やはり蘇生が間に合わぬ者もいて、幾人かは帰らぬ人となった。

 

「まずは第二の試験、合格おめでとう」

 

大勢の木の葉の忍びを後ろに従えた綱手が労いの言葉をかける。

 

この場にいるのは砂の忍びが1チーム、サスケ一人に敗走したが逃走に成功し生き残った音の忍びが1チーム。

残る5チームは木の葉の忍びだ。今回の開催国は木の葉なので参加人数を鑑みれば妥当な比率ではある。

しかし5チームの内3チームは下忍になって半年も経たぬ新人であり、もう1チームもその一つ上であり初参加組というのは明らかに異常である。

この場に集まった木の葉の上忍たちも驚きを隠せないようだ。

 

「これより始まる第三の試験……の前に、お前たちに伝えておきたいことがある。

 ……この試験の本当の目的についてだ」

 

初めてここまで生き残った新人たちは何を言い出すのかと眉を顰める。

動じないのは父であるミナトや目の前の綱手本人から聞いたことがあるナルトと、彼を通じて知った修行仲間のサスケとヒナタだけだ。

 

なぜ忍びの里が合同で試験を行うのか。

なぜ試験がこれほどに過酷なのか。

そもそもこの中忍試験は何のために始まったのか。

 

答えは『冷戦下の各国間の代理戦争』である。

 

第三の試験には忍びに依頼を出す立場である各国の有力者が大勢観戦に集まる。

彼等はそれぞれの里の若き中忍候補たちの戦いを通じて、それぞれの国の力を計る。

そして優秀な者が多い里に依頼を出して、そうでない里には依頼を出さなくなる。

また依頼人だけでなく他の里に対しても『我が里はこれだけの戦力を保有している』と示す場である。

 

『忍びの里の中忍や上忍の数は、それぞれの里の戦力を現すバロメーター』

『他の国の人が依頼を出す時にどこを選ぶかの指標になる』

 

綱手の言葉を聞いて新人たちも、第一の試験でナルトが口にしたことを思い出したようだ。

中忍試験とは忍び個人の夢や目標だけでなく、里の威信をかけた外交戦争でもある。

命懸けの試験であったのは任務と同じく、里の忍びとして命懸けで臨まねばならぬ価値のある戦いだったからだ。

 

「……ま、それが余計な恨みや憎しみを産み次の戦争の引き金になることも否めんがな。

 実際に過去の試験では他国の若き芽を摘むために積極的な殺害を試みる事例も多々あった。

 だからこそ木の葉では試験中の監視を増やし、可能な者は私が蘇生に当たっているわけだが……」

 

「御託はいい。早く第三の試験とやらの内容を聞かせろ」

 

「焦るな。すぐに……と言いたいところだが、お前らにとって残念なお知らせがある」

 

まるで『無駄な時間を割いた』とでも言いたげな我愛羅が催促するが、綱手は言葉を濁す。

 

「ここからは審判を仰せつかった、『月光ハヤテ』よりお伝えします。

 ……えー、皆さんには第三の試験の前にやってもらいたいことがあります……ゴホゴホ」

 

酷く顔色が悪く病弱そうな忍びが出て来た。

ちなみにこれでも、綱手の治療のおかげで以前よりもかなり健康になった状態だったりする。

 

「先ほど火影様がおっしゃったとおり、第三の試験にはたくさんのゲストがいらっしゃいます。

 なのでダラダラとした試合はできず時間も限られてくる。

 ……よってこれより第三の試験『予選』を行います」

 

ハヤテという忍びが言うには、21人と言うのは想定以上に多すぎるのだという。

規定により10名前後……つまり半分まで減らさなくてはならない。

 

「ここからは個人戦です。チームの事を考える必要はありません。

 その上で伺います。辞退を希望する者はいますか?

 体調がすぐれない方や決意が鈍った方は今すぐ申し出てください。

 予選はこれからすぐに始めますので」

 

「これからすぐだとぉ!?」

 

ナルトたち第七班のように比較的早くゴールし十分に休息できた者もいるが、時間ぎりぎりとなり5日間の命がけのサバイバルを乗り越えたばかりのチームもいるのだ。

もはや満足に動けず立っているのがやっとな状態である者がいてもおかしくはない。

 

 

「あのー……僕はやめときます」

 

 

だから木の葉のベテランチームのカブトが手を挙げても、訝しむ者は現れなかった。

ナルトたち第七班だけは彼の本当の実力を聞き及んでいるので驚き目を剥いたが、よく考えればだからこそ彼がこれ以上勝ち進むのはまずい。

暗部が大勢の観客がいる場で試合に参加するなど今後の活動に支障をきたすだろう。

棄権が受理され背を向けて立ち去る直前、カブトはナルトたちにだけ見えるようにウインクで合図した。

納得した彼らはカブトを見送り、綱手も何も言わなかった。

 

実際には『音の忍びのチームの担当上忍』のフリをしてこの場に参加している大蛇丸に気付き、これ以上自分がサスケたちの観察のために試験に残る理由はないと判断してのことだったが。

 

脱落はカブト一人。これで人数は20人となり偶数となった。

これより1対1での個人戦を行い、勝者が本戦勝ち抜けとなる。

ルールは無用。明らかに勝敗がついたと判断した場合は審判のハヤテが止めるとのこと。

 

「電光掲示板に対戦者の名前が2名ずつ表示されます。

 それでは早速始めていきますね。第一回戦は……」

 

 

 

第一回戦 うちはサスケ 対 赤胴ヨロイ

 

カブトのチームメイトであり、実は同じく大蛇丸の配下であるヨロイは『触れた相手のチャクラを奪う』という特殊能力を持っていたが、触れられなければ意味がない。

ヨロイの動きからどうやら掌で触れることが狙いだと気付いたサスケはそれを許さず、常に距離を取ったまま攻め削り切った。

 

勝者、うちはサスケ。

 

 

第二回戦 ザク・アブミ 対 油女シノ

 

掌の穴から音と衝撃波を放つ音の忍びの一人は、その穴をシノの操る虫により塞がれ術を暴発させてしまう。

抗う術を無くしたザクはトドメの一撃を喰らい昏倒した。

 

勝者、油女シノ。

 

 

第三回戦 剣ミスミ 対 カンクロウ

 

全身の関節を外したまま動くことが可能なミスミは試合開始直後にカンクロウを全身で締め上げたが、それは偽物だった。

試合開始前に背負っていた傀儡人形と入れ替わっていたカンクロウは、人形で逆にミスミを締め上げ関節どころか骨まで砕いた。

 

勝者、カンクロウ。

 

 

第四回戦 春野サクラ 対 山中いの

 

アカデミー時代からくノ一として、そしてサスケを巡る恋敵としてライバルであった二人は女の執念丸出しの泥臭い殴り合いを開始。

医療忍術を学んだサクラだが単独の戦闘能力はそこまで高くなく、サポート向きの術の使い手であったいのもまた同様であったため一対一の実力は拮抗。

最終的にはクロスカウンターにより両者相打ちとなった。男性陣はちょっと引いていた。女って怖い。

 

勝者、無し。

 

 

第五回戦 テンテン 対 テマリ

 

木の葉の忍びの暗器使いテンテンは確かな実力者だったが、巨大な扇で暴風を操る砂のテマリとの相性が悪すぎた。

多彩な武器攻撃は全て風に飛ばされ完封された。

 

勝者、テマリ。

 

 

第六回戦 キン・ツチ 対 奈良シカマル

 

己の影を操り相手の影に届かせることで自分と全く同じ動きをさせる『影真似の術』。

ある意味初見殺しなシカマルの術にはまってしまった時点でキンの敗北は確定していた。音の忍び、二人目も敗退となる。

 

勝者、奈良シカマル。

 

 

第七回戦 うずまきナルト 対 犬塚キバ

 

アカデミー時代からの付き合いであり、よく一緒にいたずらもしていた悪友であるキバとナルト。

だがこうして対峙した以上は敵同士だ。『今日こそは同期の体術トップの座を明け渡してもらう』と挑んだキバは相棒である赤丸と連携しナルトを苦戦させたが、ナルトがチャクラの腕を全身に巻き付けることで鎧とし、これを削りきることができず敗北。

キバはナルトに『次は負けない』『オレの分まで本戦で勝て』と激励を送り、両者は笑みを浮かべ拳を突き合わせた。

 

勝者、うずまきナルト。

 

 

残るは6名。そして次の試合へ。

 

第八回戦 日向ヒナタ 対 日向ネジ

 




予選に関しては、ヒナタ以外は原作との劇的な差がないためダイジェストとさせていただきました。
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