『ワン・モア・タイム』   作:緑のおっさん

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ヒロアカとBLEACHの世界を超えてきた主人公が、大抵の相手に負けるはずがありません。
今更ですが第三章は主人公がかなりチート臭くなります。
そしてかなりギャグが強い章となります。
ご了承ください。


第2話 錬金戦団

「ヒノカミ、今よろしいですか?」

 

「お?なんじゃ照星、技術科(こっち)に来るのは珍しいの」

 

ヒノカミが錬金戦団に所属して早10年。

当時10歳だった彼女は20歳になっていた。

小柄なせいで未だに未成年に見られることが多いが。

 

「間もなく長期の任務に当たる予定でして。

 その準備で一度本部に戻ったものですから、以前お話した私の部下たちを紹介しておこうかと」

 

「あぁ、照星部隊。扉の外の3人か?」

 

「……相変わらず、流石の探知能力ですね……入ってきなさい」

 

照星の言葉に応えて部屋に入って来たのは二人の男性と一人の女性。

強気で生意気そうな吊り目の青年。

長い三つ編みの穏やかそうな女性。

真っすぐな目をした黒髪の青年の3人だ。

 

「戦士・火渡赤馬、戦士・楯山千歳、戦士・防人護です」

 

「ちぃーす」

「よろしくお願いします」

「よろしく!」

 

「儂は『ヒノカミ』と名乗っておる。よろしくの」

 

「……名乗って?本名じゃねぇのかよ。

 初対面の相手に偽名使うのか?」

 

「失礼ですよ、戦士・火渡。……彼女にも事情があるのです」

 

喧嘩腰の火渡を照星が咎めるが、彼は面白くなさそうに鼻を鳴らすだけだった。

 

「なるほど……『その方がカッコイイから』だな?」

 

すると防人という青年が真剣な表情で見当違いのことを堂々と断言するものだから、ヒノカミは一瞬呆けたあと、思わず笑いだしてしまった。

 

「……かっかっかっか!そうじゃな、カッコイイよな!

 良し決めた!今日から儂がヒノカミを名乗る理由は、『その方がカッコイイから』じゃ!」

 

「くっそー、いいなー……オレも何か名乗ろうかな?いいですか、戦士長!?」

 

「ハァ……お好きになさい」

 

「このアマ、防人の同類かよ……」

 

暫く笑い転げ、ようやく収まってからヒノカミは坂口に向き直る。

 

「で、わざわざ彼らを連れてきたということはなんぞ深い理由でもあるんじゃろう?」

 

「フフ、話が早くて助かります。

 実は彼ら、特に戦士・楯山が面白い武装錬金を発現しまして」

 

今のヒノカミは錬金戦団亜細亜支部の技術局長。

錬金術研究の第一人者で、数々の道具を発明し戦団に貢献する縁の下の力持ちだ。

珍しい武装錬金が現れたとなれば彼女に報告するのは何もおかしなことではない。

 

「戦士・楯山、お見せしてください」

 

「はい。武装錬金!」

 

楯山が掲げた六角形の金属プレート『核鉄』が展開し、所有者に合わせた武装へと変形する。

彼女の手の上に現れたのは……。

 

「……タブレット?」

 

「?タブ……?これはレーダーの武装錬金、『ヘルメスドライブ』です」

 

画面がついた六角形の薄いプレートと専用のペン。

この時代ではまだ『タブレット端末』という概念が一般的ではないため、伝わらなかったようだ。

 

「レーダーか。特性は?」

 

「はい、対象の走査と……」

 

武装錬金は現代社会では、いや遠い未来の時代の『ヒーローの世界』であっても解明できない特性を兼ね備えている。

単純な武器や、武器に見えない物でも、とんでもない特性を持っていることがある。

 

「……自分自身を含めた重量100kg以下の物体の、レーダー上の座標への『転移能力』です」

 

「っしゃああぁぁーーーーー!!!!」

 

そして彼女の武装錬金の特性は、ヒノカミが長年探し求めている能力に近いものだった。

突如雄たけびを上げるヒノカミに、その反応を予想していた照星以外の3人が驚き後退る。

 

「楯山……いや千歳殿!

 是非お主の武装錬金を調べさせてくれ!

 可能なら今すぐにでも!!」

 

「え?え!?でも私たち、明日から任務が……」

 

「照星ぃ!!」

 

「アナタの同行許可、取ってあります」

 

「でかした!お主らの任務とやら、儂も同行する!

 さっさと終わらせるぞ!そんで調査じゃああぁーー!!!」

 

バタバタと動き出し出立の準備を始めるヒノカミに、火渡が水を差す。

 

「待てよテメェ。技術科ってことは『リタイヤ組』だろ?

 足手まといを連れてくつもりはねぇぞ」

 

全員がそうとは限らないのだが、主に重傷を負ったり恐怖から戦えなくなってしまった者がそれでも戦団に貢献しようと技術科に転向することが多い。

理由は違えど、かつて戦士を務めていたが前線を退いた彼女は確かに『リタイヤ組』だ。

 

「戦士・火渡ならそう言うと思っていましたよ。

 模擬実戦室を一つ押さえてあります。アナタ自身が確かめなさい。

 ヒノカミも実戦は久々でしょう?」

 

「……そうじゃな。ここしばらく訓練しかしとらんかったし、相手を頼もうか。

 では先に行っておいてくれ。核鉄を出したらすぐ向かう」

 

照星の後を追って部屋を退出し、実戦室へと向かう3人。

途中照星から指示があった。

 

「戦士・防人。アナタも参加してください」

 

「オレもですか?」

 

「えぇ……はっきり言って、戦士・火渡では彼女の相手は務まらない」

 

「っ!?どういうことだ、照星サンよ!」

 

火渡赤馬は確かにまだ新人だが、自他ともに認める戦団屈指の天才戦士。

上司である照星であろうと、それを侮辱されては黙っていられない。

 

「アナタでは彼女の武装錬金と相性が悪すぎるんです。

 いえ……肩を並べて戦うのなら最上なのですが。

 一対一で戦ってもアナタは結果に納得できないでしょう。

 ですがアナタと戦士・防人が揃って相手なら、認めざるを得ませんからね」

 

「……ハッ!どんな武装錬金だか知らねぇが、オレの『ブレイズ・オブ・グローリー』に勝てるわけがねぇだろ!」

 

そして30分後。

彼はその発言を後悔することになる。




『肩を並べて』というか、『肩に並べて』というか。
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