地獄!?転生先地獄なの!?なんで!?   作:アーチマン

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好きな作品が2年ぶりに更新されてたので元気でた

 正直最後の一文だけ見れば良いような話



蛸の悪魔の逃走

 

 

 

 走る。走る。走る。

 

 蛸の悪魔は全力で逃走していた。気配察知に長け、風景に擬態し悪魔が近づくと奇襲を仕掛ける、そんな凶悪で恐るべき悪魔が無様にも触手をバタつかせ、半狂乱で走り続けていた。

 何故なら…

 

 

 ー見られた。側に近づかれるまで気づかなかった。あり得ない!

 

 

 蛸の悪魔は当時、風景に擬態していたのだ。ただの擬態ではない。擬態という言葉を用いているが、それは正に透明化と言っても過言ではない代物だったのだ。

 

 蛸の悪魔は気配察知に長けている。だから分かる。()()はだめだ。その身は小さくとも溢れ出る上位者のオーラ。蛸の悪魔が今生きているのはあの悪魔の気まぐれに過ぎないのだと本能に強く刻まれる。

 本能が叫ぶ。

 

 

 ー逃げなければ…()()と出会わないところまで!

 

 

 だからこそ蛸の悪魔は走る。身を隠すことなく、その身を他の悪魔達に晒しながら。

 

 少しして大きな炸裂音が遠くから響く。その中には楽器の音色が混じっていた。蛸の悪魔はすぐに気づいた。

 

 

 ーバカな!?()()と戦うつもりか!?

 

 ートチ狂ったか!天使!!

 

 

 その悪魔は天使の悪魔を知っていた。何故ならここら一帯の地獄を割拠し合っている間柄だからである。いつもであれば先ほどの場所で天使の悪魔と殺し合いをしているところであるが今は訳が違う。その悪魔は命の危機に敏感だった。

 

 だが…と思う。

 

 

 ーだがこれはチャンスだ。ヤツを押し付け消耗させる。

 

 ーそこで奇襲しアレを確実に仕留める。

 

 

 その悪魔は臆病だった。よく言えば慎重であった。今までも勝てる勝負や消耗の少ない奇襲、そういう安全で確実な展開しか経験しなかったし、しようとしなかった。つまりはチキンであった。

 

 

 だから逃す。あの強大な悪魔(因果の悪魔)を滅ぼす機会を。自身の身の安全も。

 

 

 手始めにその悪魔は自身の権能が持てる限りの気配察知で察知範囲ギリギリに例の悪魔を捉える。様子見というわけだ。

 だがそこで見えたのは例の悪魔が天使の悪魔から逃げ回っている姿だった。さながらそれは先ほどの蛸の悪魔のような、そういう無様さであった。

 

 

 ー???

 

 ーどういうことだ?

 

 

 それから数十分、よく分からないが念のため蛸の悪魔は観察を続けた。その最中、例の悪魔はその悪魔の予想の悉くを覆す。

 なんといっても反撃をしない。物理攻撃はするが悪魔としての権能を行使しない。使えないのか?

 それに例の悪魔は焦っているように見える。

 

 一見すると何も危険には見えないのだが蛸の悪魔は警戒を続けていた。

 何故ならまだ例の悪魔は攻撃を喰らっていないからである。いつも紙一重で避ける。視界や聴覚に関係なく例の悪魔に攻撃が向かえばその全てが反応される。それはあり得ないことだった。

 

 流石に蛸の悪魔といえども気配を感じることのできない攻撃には反応が出来ない。だが蛸の悪魔は天使の悪魔より頭が良かった。それは未だに天使の悪魔と縄張り争いを繰り広げている、繰り広げてしまっている原因の一つだった。

 

 だが、ついに天使の悪魔の攻撃が例の悪魔に当たる。

 

 

 ー!!

 

 

 天使の悪魔が瀕死のアレに近づく。勝ちを確信したのであろう。そのまま殺傷能力を持った楽器の音色をアレに向けて放つ。

 

 

 

『アウロス、キタラ』

 

 

 

 そして例の悪魔(因果の悪魔)は簡単に切り刻まれた。あの強大で凶悪な悪魔は何かに押し潰される様に圧縮され血の花となった。確実な死、生存はあり得ない。いや、あり得てはならない。

 

 

 

 ーそのはずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━蛸の悪魔は()()を捉えることが出来なかった。

 

 

 

 ━ただ分かったことは天使の悪魔自身の楽器(ぶき)が自身に牙を剥き

 

 

 

 ━ぐちゃぐちゃにされた血塗れの肉塊があった場所に()()が超然と佇んでいたということだけである。

 

 

 

 

 

 

天使の羽根が捥がれる。

手が、足が折れ曲がる。

地面に叩きつけられる。

身体中が切り刻まれる。

血反吐を吐く。

 

 

 

 

 天使は地に堕ち、悪魔が解き放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━恐怖。

 

 蛸の悪魔は恐怖していた。今までの好敵手とも言える悪魔を一瞬にして瀕死の状態まで叩きのめしたあの悪魔に。その未知の怪物に。

 

 足がすくんで動けない。その未知の恐怖に魅入る。吐き気を催す。蛸の悪魔が今まで積み上げてきた70年もの長き生。その全てが彼に逃げろと警鐘を鳴らす。

 

 

 気がつけば、天使の悪魔はかの悪魔が引き起こした暴発で無惨に殺されていた。そこで蛸の悪魔は我に帰る。背筋が凍え、本能が高鳴る。

 

 

 

 

 

 

 ー逃げなければ!!ヤツに見つからないほど遠くへ!!

 

 

 

 

 

 

 

 蛸の悪魔の悪魔生最大の逃走劇が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を擦る。その瞳は銀色に輝いていた。

 

 

「あれなんだっけ?………あぁ!蛸か!」

「蛸の悪魔は逃げた」

「そして逃げ続けていたらここまで戻ってきてしまっていて」

「僕と再会する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦⇦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蛸の悪魔は逃げた。逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げた。

 触手をばたつかせては空の扉を渡り、地獄の様々な次元の層を経由してはさらに移動する。地獄という大魔境を縦横無尽に駆け巡る。

 自分の知らない地獄まで、アレのいない地獄を目指して進み続ける。

 

 そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、さっきぶり!タコ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 『因果の悪魔(絶望)』と遭遇した。

 

 

 

 

 蛸の悪魔は気がつけば元の地獄まで、かの悪魔のいる場所まで戻ってきてしまっていたらしい。

 実際のところ彼は()()()因果の悪魔の近くの地獄を行ったり来たりするのを繰り返していただけである。墨吐きそう…

 

 まあ、なんにせよ蛸の悪魔はもはや蛇に睨まれた蛙の如く、ただ己の死を待つだけの哀れな悪魔へと成り果てたのだ。

 彼は思う。何だ?殺されるのか?我?どうすれば良い!どうすれば逃げ切れる…っ!死にたくない!

 蛸の悪魔の顔が絶望に染まっていく。頭の中に"諦め"が刹那に浮かぶ。

 

 そして裁定が決まる。

 

 

 

 

 

 

「君、今日から僕の足ね!」

 

 

 

 

 

ー………は!?

 

 

 

 

 

「君は天使より賢いのかな?」

 

 

 その悪魔は純粋な笑顔でニコニコしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 "主人公 は 移動用の足 を 手に入れた!!"

 

 

 





 駄文から良い文章になるように頑張ります。

 え?もしかして返信重すぎ!?
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