地獄!?転生先地獄なの!?なんで!?   作:アーチマン

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 メリークルシミマス!!地獄へようこそ!

 チェンソーマン世界の過去についての独自展開?が入ります

 あと1話と2話、特に1話は少しスレ量を盛りました。内容に変わりはありません。ここすきって行ズレしないんですね…。ここすきの半分くらいが名無しの転生者についたわ



天使の悪魔の警鐘

 

 

 

申請状

レミング・ソーサル

 

報告

 

 12月3日、聖地エルサレムにて天使と思しき存在を確認。

 対象は約10分にわたる遊泳飛行を繰り返し、エルサレムの地に降り立つ。

 

 その姿を見た民が暴徒化、警団を押し退け天使と思しき存在に接触。祈りを捧げる。

 それから21秒後、天使と思しき存在が民の虐殺を開始。無辜の民2000人近くの死亡を確認。

 

 教会はそれを天使の悪魔と断定。

 祓魔師(エクソシスト)3名を偵察として派遣するも3名ともに殉職。

 

 緊急対策会議が開かれる。

 この時既に推定2万8000人の死者を出していた。

 

 会議の末、御手付き祓魔師(エクソシスト)3名の派遣を決定。

 2名が殉職。1名が重体。祓魔師(エクソシスト)にも被害多数。

 その結果、天使の悪魔の右腕の切断及び確保に成功。

 

 その2日後の12月5日、聖地エルサレムは天使の悪魔によって陥落。

 

 

天使の悪魔の能力について

 

 観測、接敵の結果より、現物大の異能を有する楽器を呼び出し、操る力であると思われる。

 種類は多岐に渡り、鐘、ハープ、リコーダー、オルガン、パンフルートなどがあり、それぞれでその能力が違う。

 観測できたのはハープの斬撃、リコーダーの圧力、オルガンの爆発のみである。

 異能の発動条件はおそらく楽器の音色を聞くことがトリガーだと推測される。

 

総被害

 民間の死者 推定3万人

    軽・重傷者推定100名

 祓魔師(エクソシスト) 3名殉職。

     8名重傷。

 

 この件について、大司教の名において本部に御手付き祓魔師(エクソシスト)の増援を要請する。

 

 

1498年12月5日

 

 

 

 

 

_____________

 

 

 

 

 

承諾書

教皇   

 

内容

 

 教会本部は報告に信憑性及び緊急性ありと判断を下す。

 よって御手付き祓魔師(エクソシスト)5名、

『呪い』

『蝗』

『蛇』

『蝿』

『槍』

さらに祓魔師(エクソシスト)30名を派遣する。

 

 支部は天使の右腕に腐敗防止措置を施し、これを厳重に管理。そしてこれ以上の被害が出ないように努めよ。

 

1498年12月9日

 

 

 

 

 

 

_____________

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは次の議題に移ります」

 

 

 凛とした声が辺りに響く。

 ここは現世のとある宗教を司る教会本部の会議室。ここでは上位の役職を持つ人間達が今ある様々な議題について話し合っていた。

 神聖な柱、白無垢な壁、太陽の光が差し込むステンドグラス、この場は正しく神聖不可侵な領域であった。

 

 だがその場には暗雲が立ち込めていた。

 

 

「次の議題はかの聖都、エルサレムに突如現れた天使の悪魔についてです」

 

「ああ…」

 

「天使の名を冠する悪魔か…実に75年ぶりではないかね?」

 

 

 最初に反応したのはこの場に8人いる大司教の1人であった。彼は他と比べて若く、そして信心深かった。それ故に勉強熱心で教会にある歴史書や教本、哲学書から児童書までもを読み込んでいたため、教会の歴史に造詣が深かった。

 

 

「前回は120年は現れなかったそうだが…」

 

「悪魔の発生には規則性がないのか!」

 

「最近は悪魔の発生も抑えて下さったばかりだというのに…」

 

「馬鹿者!この場でその話は御法度であるぞ!」

 

 

 会議はこの議題に移ってからすっかり荒れていた。脈々と受け継がれている由緒正しき教会の歴史書から天使の悪魔の強大さを知っているからだ。ある時は槍を持ち、ある時は聖典を携える。そのどれもが強力で、教会も様々な悪魔を捕えその力を利用しているが、毎回の如く甚大な被害が出ていた。

 

 それ故に、教会の教皇から枢機卿、大司教に至るまでが『我々の時代には来るな』と常々思っていた。

 

 

「天使を騙る悪魔めが…どこまで卑しい存在なのだ!」

 

「まあまあ落ち着いて…今は建設的な話をしましょうか」

 

 

 禿頭が特徴的な怒りっぽい男と白髪やシワが似合うおじいさんと言うべき年齢の男が口を開いた。

 

 肘を机の上に掛けている偉そうな彼らはこの場に2人しかいない枢機卿である。全世界にある教会支部の統轄や人事、重大な事件や異端審問に関する事柄を主とする偉い方々である。

 

 そんな方々も今は苦々しい顔をしていた。なんせ天使である。信仰対象の使徒なのだ。かのイスラム教においては六信の一つとして挙げられているそれは教会の信仰において絶大な影響力を持っている。

 もし仮に天使の悪魔が暴れ回り、それを人々に天使の仕業だと誤解されては教会の損害は凄まじいものになるだろう。

 

 

「被害報告によれば、かの悪魔は御手付き祓魔師(エクソシスト)3名を撃退しています。歴史書通りの強さと言っていいでしょう」

 

 そのうちの2名は殉職なされた。進行役がそう言う。

 

「天使の悪魔との交戦で殉職なさった方々に追悼の意を…」

 

「可哀想に…死より楽な『終わり方』も他にあったであろうに…いくら天職とはいえ、このような仕打ち…。主も彼らを楽園へと誘うであろう」

 

「うむ、そうだな…」

 

「しかり然り」

 

 

 そこらのどんな書類よりも薄っぺらい言葉。彼らは何よりも死を恐れる。急に襲いかかる生命の終わり。とてつもない苦痛を持って終わるとされる『死』。

 魂はどこへ行くのか?意識はあるのか?本当の終わりなのか?天国は?地獄は?何もかもが分からない。人は未知を恐れる。それが本能なのだ。

 

 

「ふん、そんなことは後だ。まずはかの悪魔をどう討伐するかだ!お手付きが3人もやられたのだ、それ以上の戦力を動員せねばなるまい!」

 

「御手付きは貴重です。そう易々と減らされては堪らない」

 

「だが、御手付きでなければ決定打に欠けるのでは?」

 

「馬鹿者、御手付きの安否の方がはるかに重要だ」

 

「では悪魔はどうする!倒せるのか!?相手は"あの"天使の悪魔"だぞ!」

 

 

 会議は踊る。彼らも初めは意見がぶつかっていた。だがある時、30分を過ぎた辺りを境に進展が異様に早くなる。

 普通ならこういう場合、長々と話し合いや罵倒が続くのだが、だんだんと物申す者も現れず、先ほどの熱心な大司教ももう用はないとばかりの有様だった。

 話し合いの末にこの場の決定権を持つ教皇が卓を囲む皆に問いかける。

 

 

「御手付きは向かわせよう。彼らが死なないように教会の守備は最小限にし、余った者どもを討伐に同行させれば良い。どうかね?」

 

 

「「「異議なし」」」

 

 

 結局のところ彼らは他人事なのだ。適当な采配、演算の無い計画、やる気のなさ。

 

 約100年に一度訪れる『天使動乱』それは強大な天使の悪魔による人類に対する無差別攻撃から始まり、それにより行われる活性化した悪魔たちの大規模侵攻の総称である。

 まるで天使の悪魔が指揮をとっているかのように広がる戦乱であるために付いた名で、あらゆる聖職者たちの恐怖や悩みの源泉だった。

 

 『天使動乱』における死者の多さは毎度、このような会議によって生み出される。今まで天使の悪魔を滅ぼせたのは祓魔師のレベルの高さにあった。

 

 彼らは今代も歴史書の通りになると思っている。年代を経るにつれて上がる生活水準。祓魔師の数。御手付き祓魔師の存在。彼らを見守る絶対なる『神』。

 これだけあればと、そう思う。だから適当に調査もせずに決めてしまう。

 

 

「では決まりだ」

 

「我らが主の御力をお借りし、主に仇する悪魔を討伐する!此度の天使動乱、共に乗り越えようぞ!」

 

 

 これから始まる約300年の争い。人が、悪魔が、『主』の名の下に争い合うその聖戦。後世の歴史書に描かれる神時代崩壊の象徴。

 

『神魔大戦』

 

 これは、その始まりの遠征である。

 

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 

報告書

アル・レミングソン

 

内容

 

 12月21日、頂いた増援達と共に天使の悪魔討伐へと動く。

 増援93名は全滅。支部にも多大な被害を確認。

 奮闘の末、天使の悪魔の肉体の75%の破壊に成功。が討伐は成功せず。

 教会支部が悪魔によって占領される。

 我々は天使の悪魔の討伐は不可能だと判断。

 我々教会支部は聖地エルサレムを放棄。撤退する。

 

 

1498年12月25日

 

 

____________

 

 

 

 

 

 

 ◆聖地エルサレム

 

 

 教会。太陽光がステンドグラスに散りばめられている神聖なこの場所は今、悪魔に占拠されていた。

 純白の三対の羽、神々しい天使の輪、色白な肌、照り輝く美しい金の髪。彼女は『天使の悪魔』。人間が寄ってくるととりあえず殺してしまうほど殺人欲求が高い悪魔である。

 

 そんな彼女は教会の最前列、十字架の根元にて祈りを捧げていた。何に祈るのかが分からずともそれは刻み込まれた本能であった。

 

 

「主ヨ」

 

「ドコヘトモ知ラナイ我ガ身ヲ、オ救イ下サイ」

 

 

 彼女の肉体は下半身が存在しなかった。翼も一対が腐り落ち、右腕は干からびていた。そう遠くない内に死ぬ。たとえ死なずとも弱体化は免れない。それは誰が見ても明らかだった。彼女にとって教会が無人だったのは自身の醜態を見られないという点で幸運だったであろう。

 

 だが()()は天使を見ていた。

 

 

『おぉ、天使よ』

 

 

 恐ろしいほどの威厳と超越的なまでの存在を感じさせるその声は彼女の脳に直接響いた。彼女は混乱する。祈りなんぞに返答が起きた時のことなど考えていなかった。少し焦る。

 

 

「ダレダ!」

 

『ふむ、分からぬか…』

『我こそが主、絶対なる器、万物を司る神である』

 

 

 突如として頭に届くナニカはそう言った。自身は神であると。教会にて出会う超常的存在。その状況から鑑みればそれは『そう』なのだろう。

 だが彼女はこの時妙に賢かった。

 

 

「神…アリエヌ。神ハ教会ナゾニヤッテ来ナイ」

「オマエ、偽物ダナ?神ヲ騙ルトハナントモ小賢シイ」

 

 

 だが彼女は馬鹿だった。偽物であると疑うだけでそのナニカがなんなのか考えずに返答してしまったのだ。もしこれで敵対などされた時には彼女は何の抵抗もできずに殺されるだろう。彼女はそこまで頭が回らなかった。

 

 

『ふむ…。賢いな。確かに私は【神】ではない。だがな、私は神なのだ』

『天使よ、この意味が分かるな?』

 

「?????」

 

 

 彼女は全く分からなかった。血が全然足りなかった。仮に死にかけでなく、血が足りようとも全然分からないのだが彼女は自身の尊厳のためか血の不足を言い訳にした。

 

 

「頭ガ回ラナイ…血ガ足リヌ」

 

『ふむ?そうか…そう言えばそうだったな。これは私のせいでもあるのだ。救ってやろうぞ』

 

 

 ナニカが尊大に言う。

 

 そして彼女は奇跡を手にした。なにかが身体に与えられたような感触を受け、身体のありとあらゆる傷が、欠損が、不調が治った。

 

 彼女はすぐさま立ち上がり治った体で警戒する。

 

 

「何故ダ?ナニガ目的ダ?偽神ヨ」

 

 

 ナニカの小さな笑み。問いかけられたそのナニカは待ってましたとばかりに、畳み掛けるように言葉を発した。

 

 

『我の元に下れ天使よ。共に新たな時代を幕開ける悪魔を、因果の悪魔を滅ぼそうぞ』

 

 

 十字架を通してナニカがクツクツと笑っていた。

 

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 

 十字架を見る。途方もないナニカを感じるが、彼女は無知で頭が足りず、そしてなにより恐れを知らなかった。

 

 彼女は無駄に閃いた。ーコイツハワタシヲ洗脳シヨウトシテイル!!

 

 彼女は"因果の悪魔"だとか"新たな時代"だとかそんなもの知るわけもないし、興味もないのだ。

 それになにより彼女の中では既にナニカは『偽神』であると認識が凝り固まっていた。天使を司るものとしては捨ておけることなどできなかった。

 

 故に彼女はーー

 

 

「嫌ダ!!」

 

『…愚かな』

 

 

 落胆の声が彼女の頭を通りぬける。途端に身体を駆け巡る本能の警鐘。賽は投げられた。彼女はこの超越存在との敵対を悟る。

 

 故に彼女は行動に移した。力を行使する。彼女の背後に荘厳な金に輝く鐘が現れた。

 

 

『グイロ』

 

 

 静寂の教会に鈍い鐘の音色が何度も何度も響く。

 

 

 戦闘は静かに始まった。

 

 





 次回から神時代一章、始まります。
原作期じゃないから何やっても良いよね…?だってハーメルンだもの。
いつかくる原作は、理由もなく何故か居座るオリキャラとか原作の大幅改悪とかは絶対にしないのでよろしく。
 次章が面白かったら評価、面白くなかったらさらに次章をみるんだよお! 合わねえ奴は原作期まで待つのだ。

 気が向いたらこちらもよろしくお願いします
 悪魔図鑑ー募集編ー
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