とりあえず、毎日文章に触れることで書くことに慣れていきたいです。
学業
それは学生の本分。
現在絶賛高校生の燿覇も例外ではなく。
(数学の時間って、どうして眠くなるんだろう…………)
眠気と闘いながら、ごく普通に授業を受けていた。
教室全体を見渡せる席にいる燿覇からは寝ている生徒が何人か見えるが、入学早々そんなことをする度胸は燿覇にはない。なので、眠らないように考え事を始める。
(そういえば……そろそろ答えを出さないとかな)
あの日。御弦の唐突な勧誘から数日が経つが、どうして御弦が自分のことを勧誘したのか分からず、そのうえ、燿覇は勧誘に対して答えを出せずにいた。
ちなみに、御弦はあの日以降、話しかけては来るものの、一切勧誘をしてこない。
(僕は……ヴァンガードをやりたい。でも、もし……またあの頃みたいになったら……)
考えれば考えるほど、悪い方向に考えてしまう。自身の悪い所だなぁなどと燿覇が思っていると、教室に備え付けられたスピーカーから授業終了のチャイムが鳴る。
(はぁ……考えるのはちょっと止めよう。次は……昼休みか)
号令が終わると同時に燿覇は財布だけを持って1人で教室を出る。
もう一度言う、1人でだ。
(これがボッチ……悲しきことかな)
高校生活が始まって約1週間。燿覇はクラスに馴染むことは出来てはいたが、微妙に距離を作ってしまっていた。
そのせいか学校では、基本的に1人でいるのが普通になっている。
そんな燿覇が向かう先は食堂。理由は勿論、食事のためだ。
(混んでないといいなぁ……)
叶うかどうか微妙なレベルの願いを思いながら、燿覇は廊下を小走りで進んでいった。
≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪
2分ほど歩いて食堂に着いた燿覇。周りを見渡すと、人はまばらでかなり空いている。
なので、さっさと券売機で食券を買い、注文し、料理を貰って適当な席に着く。
ちなみに、燿覇が買ったのはラーメンだ。
(いただきます)
合掌をした後、箸を手に取り、食べ始める。
しばらくして、半分ほど食べた頃に周りを軽く見ると、人が集まってきて混雑してきていた。
そんな時だった。
「相席いいっすか?」
「ふぇ?」
ラーメンを啜っていた燿覇は、話しかけられたのでそっちを見るとそこには、ヴァンガード部部員の絃実 正機が昼食を持ったまま立っていた。
どうやら正機は相手が燿覇と気づいていなかったのか、驚いたような表情に変わる。
「えーっと……座っていい?」
「……ど、どうぞ」
お互いに初対面ならまだ気が楽なのだが、中途半端に知り合いなだけ、若干気まずい雰囲気になる。
「…………あの」
「ふぇ?」
沈黙を破るように燿覇が話しかける。正機は食事に集中していたのか、間の抜けた返事を返す。
「絃実先輩は……僕のことどう思ってるんですか?」
「えーっと、要するにどういうこと?」
「……僕みたいに特殊な『チカラ』を持った人をズルいとか、そんな風に思わないんですか?」
「あぁ、そういうことね」
正機は右手に持っていた箸を置いて腕組みをし、考えるような仕草をする。
「うーん、そうだなぁ……」
しばらく考えてから正機は口を開く。
「俺は、ズルいとは思わないよ」
「それは、どうしてですか?」
「あー、うん、話すと長くなるけどいい?」
「大丈夫ですよ」
「んじゃ、話そうかな」
そう言うと正機は話し出した。
「1年前。俺がヴァンガード部に入部して、しばらくした時だった。部長ーーーーーーーーー輪廻先輩が言ったんだ「オレは特殊な『チカラ』を持っている」ってね。最初は、何言ってるんだこの人。とか思ったんだけど、それは事実だった」
正機は語りながら、懐かしむような目をする。
「ボロ負けしたよ。勝てる気なんて、まったくしなかった」
自嘲の笑みを浮かべ、話しを続ける。そんな彼の姿を見て、燿覇は過去に自分が闘った相手達と同じ何かを感じた。
「何回も挑んで、何回も負けて。どうして負けるのか理由も分からなくなって。負ける理由を、先輩の『チカラ』のせいにして逃げたくなった。でもーーーーーーーーー」
『『チカラ』だろうと何だろうと関係ない。見せてやりますよ、アタシの……凡人の本気ってヤツ!!』
「火穂は勝ったんだ。『チカラ』なんてなくても勝てるって証明してくれたんだ」
「か、火穂が……」
「かなり辛勝だったけどね……でも、勝ったのは事実さ」
驚愕の事実に驚く燿覇。燿覇の知っている彼女は、けして弱くはないが、輪廻に勝てるほどの何かがあるとは思えなかった。
「だから俺は『チカラ』があることをズルとは思わない。だって、『チカラ』がなくても『チカラ』を持ったヤツに勝てるんだから!!」
正機の言葉が燿覇の胸に突き刺さる。
(『チカラ』がなくたって……勝てる)
よくよく考えれば分かることだった。
先日の燿覇も一応は『チカラ』を使わずに『チカラ』を使った輪廻に勝ったのだから、分かっていたハズなのだ。
本当は、勝敗に『チカラ』は関係ないということを。
「…………それが……先輩が『チカラ』を否定しない理由ですか」
「あぁ、そうだよ」
「そう……ですか…………」
一言だけ言うと、黙り込む燿覇。
すると食べ終わったのか、正機は席を立つ。
「まぁ、とにかくあれだ……」
うーん……などと唸りながら少し考える間を取ると正機は、口を開く。
「俺や……火穂。夜代先輩…………それに部長と御弦先生。ウチの部の人達は君を絶対に『チカラ』があるから、なんて理由で否定したりはしない。だから……気が向いたらまた、部室に来てくれよな?皆待ってるからさ」
≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪
昼休みが終わり、教室で午後からの授業を受けている燿覇。彼は今、先ほどの正機の言葉を思い返していた。
(待ってる、か…………)
自分のことを、否定しないと言ってくれた人の言葉。
だが今の燿覇の中には、その言葉すら疑っている自分がいる。
(信じたいのに信じられないのってツラいな……あぁ、モヤモヤする……)
机に倒れ込み、小さくため息を吐くと、授業の終わりを報せるチャイムが鳴った。
今の授業で今日の授業は全部終了。
クラスメート達はいそいそと、帰り支度を始めようとすると
「おーい、帰る前に楽しいホームルームの時間だぞー」
御弦が教室に入ってきて、支度を進める生徒達を一旦、席に着かせる。
「これといって言うことはないんだけど、そろそろ部活の入部申請期間が終わるから決めておいてくれよー。はい、俺からの話は以上!!解散!!」
それだけ言うと御弦は教室を出て行き、他のクラスメート達も皆ぞろぞろと教室を出て行く。
そして一気に人がいなくなった教室に残ったのは、燿覇1人。
(どうようかな……)
この後の予定が特にないからこそ燿覇は悩む。
その時、燿覇の脳裏にある案が思いつく。
「あのカードショップに行ってみよう」
あのカードショップ。
先日、輪廻に強制的に連れて行かれたあのショップだ。
(ヴァンガードをするにしても、しないにしても、デッキは調節しておきたいしね…………うん)
自分自身によく分からない暗示をかけながら、教室を出る。
歩きながらスマホの着信を確認すると、火穂からのメールがあった。
内容は、「今日、ヴァンガード部の部室に来ないか?」といったものだ。
(…………)
立ち止まり少し考えるが、答えは変わらない。
『用事があるから行けない』
たったそれだけの文章を返信し、燿覇は再びカードショップ目指し歩き出す。
場所はなんとなく覚えているから行けるハズだ。
≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪
「本当に着いた…………」
記憶を辿ってみた結果、無事に到着しました。
店先の看板を確認してみると、『カードショップ Shinonn』と書かれていたので、ここだなと確信する。
「とにかく入ってみよう…………」
恐る恐る店の前に立ち、自動ドアが開くと中に入る。
「あ、いらっしゃいませー!」
すると前に店に来たときには聞いた記憶のない、だが最近聞いた記憶のある声が聞こえてきた。
その正体はーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれ、陽世君?」
「えっと…………楠之葉……先輩?」
ヴァンガード部の部員である楠之葉 夜代だった。
≪≪≪≪≪≪続く
リンクジョーカーとシャドウパラディン救済はよ!!
今はディメンジョンポリスとかげろうで頑張ってるものの……やはり闇クランがこないと盛り上がらない……
そんなわけで、指摘、感想、意見。全てお待ちしております!!
また次回~