色々とすみません!!!!!
あれから特に何事もなく学校への通学路を燿覇は歩いていた。家から学校までの距離は、時間にしてみれば約10分ほどなので、まさに近所だ。
学校の校門に到着すると校舎を見上げる。
(凄い綺麗な校舎だなぁ……流石、一昨年に新校舎に替えただけある)
しばらくして生徒用玄関へと行ってみると、人はそんなにいなくてまばらだった。
軽く見渡してみると、下駄箱の近くに掲示板があったので新しく買った内履きの靴に履き替えて掲示板へむかう。
どうやら、1年生と2年生のクラス分けが書かれた用紙が貼ってあるようだ。
(え~っと、ボクは……あった。1年A組か)
クラスを確認してから、燿覇は1年生の教室がある3棟まで移動する。何で1年生の教室がこんな遠いんだ。そんな事を思いながら歩いていると、すぐに3棟に着く。
そして、3棟に着いてからは自分のクラスの教室を探してさまよい始める。
(あ、あった)
目的の教室を発見し、中に入る。教室全体を見てみると、もうクラス全員いるようで。4、5人はそれぞれの席に座っていて、その他はグループを作って雑談をしているようだった。
(さーて、座席を確認しないとね)
座席表の貼られた黒板へと近づく。名前を探すと、燿覇の名前と名簿番号が、窓際の一番後ろを示す位置に書かれていた。
(これ、どういう基準で位置を決めたんだろう)
燿覇の苗字は、は行だからだいたい真ん中の席や、真ん中より少し後ろくらいが普通だ。
(ま、いいや。とりあえず移動しておこう)
どうせ気にしたって仕方ないと諦めて、自分の席へと移動し座ると、隣の席をちらりと横目で見る。
そこに座っていたのは、煌めくシルバーのロングヘアに儚げな横顔が印象的な女子生徒だった。
「………………」
彼女は、クラスに溶け込むこともせずに、ずっと手元の本を読んでいるみたいだ。
(あんまりジロジロ見るのも悪いよね……)
そう思い視線を窓の外に向けると、チャイムが鳴り、担任の教師らしき男性が入ってきた。長身で少し寝癖のような金髪に、白衣というなかなか変わった恰好というか……奇抜な恰好の先生だ。
「おー、全員いるみたいだな。関心関心」
男性教師は、黒板の前に行くと、チョークを手にとって名前を書いた。
「俺は今年、このクラス担任をすることになった【
慕宮先生が挨拶を終えると、教室内で笑いが起きる。多分これを狙って彼女募集中とか言ったんだろう、などと考えるが真実は本人にしか分からない。
「はい、静かに!!じゃあ、これから講堂で入学式をするから廊下に並んでくれー」
皆、慕宮先生の指示に従って動き出す。燿覇も遅れないよう動いていた。並び方は名簿番号順で2列らしく、燿覇は左側の列の真ん中に並ぶ。
そして、何故か分からないが、また彼女に視線を向けてみる。彼女は燿覇の右斜め前にいて、一瞬、彼女がこっちを見た気がしたが、彼女はすぐに視線を逸らして前を向いた。
そして、しばらくしてから講堂へと歩き出し、入学式が始まった。
≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪
入学式は実に面倒くさかった。というか、寝ないようにするので精一杯だった。校長先生や理事長の話とか全く覚えていない。
そして、入学式が終わり教室に戻ると、先生がいないからか各々好きなように過ごしていたが、少し遅れて先生が入ってきて、皆席に戻り出す。
「よし、それじゃ皆に自己紹介でもしてもらおうかな?一番前の君からよろしく!」
(自己紹介かぁ……特にする事ないんだけど)
などと思っていたら、隣の彼女に順番が回ってきた。彼女が椅子から立った瞬間、男子全員が彼女に釘づけになっている。
「【
…………………………
(終わるの早っ!! 短すぎないですか!? 教室にいる全員が若干苦笑いしてるよ!?)
「うーん……無郷さんは何か言いたいことは無いのかな?」
ここで先生のフォローが入った。ナイス先生!!先生の言葉を聞いた無郷さんは、少し考える。そして彼女は、なぜか一瞬こちらを横目で見た。
(……なんでだろう。嫌な予感がするーーーーーーーー)
「そう、ですね。ならーーーーーーーー
最近の趣味はヴァンガードです」
「おぉ、ヴァンガードか!無郷さん、だったらウチの学校にはヴァンガード部があるから入ってみると良いよ!!」
先生が何か言っている。だが、燿覇はそんなことに興味はなく、鎖月の視線の意味と、わざわざ趣味を言った理由を頭の中で整理していた。
(ただの偶然?いや、それにしては不自然だよね。なら……昔のボクを知ってる?)「おーい、陽世くん。自己紹介してくれー」
「あ、は、はい!!」
考察を続ける燿覇の耳に御弦の声が聞こえて、焦りながら起立する。
「ひ、陽世燿覇です!趣味は特にないけど、料理洗濯といった家事は得意です!よろしくお願いします!」
自己紹介が終わると、パチパチと拍手の音が聞こえ、しばらくしてから椅子に座る。
「よし。全員自己紹介も終わったし、後はSHRだけやって今日は終わりだ。明日からは授業も始まるから忘れ物はするなよー!」
はーい。と周りの皆は先生に返事を返す。ただ、そんな中で鎖月はーーーーーーーー周りに興味無さそうに本を読んでいた。
≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪
なんやかんやでSHRも終わり、放課後。放課後といっても、時間的にはまだ午前中だ。
(特にする事ないし、帰ろうかな)
燿覇は席を立ち、教室を出て帰ろうとする。
「ちょっと待った!陽世くん。ちょっといいか?」
「? はい、何ですか?」
突然、御弦から呼びかけられたので、御弦の元へ行く。
「キミってこの学校に姉弟がいる?」
「はい、姉がいますけど?」
「それって陽世火穂?」
「はい。そうですよ」
「よし、じゃあちょっと頼みごとがあるんだけどさ」
そう言った先生は紙袋を片手に持っている。
(……あぁ、嫌な予感(本日2回目))
「これを、火穂に渡しておいて欲しいんだ。俺は今日忙しくて会えそうにないからさ」
「……わかりました。渡しておきますね」
「ありがとう!じゃあよろしく!」
それだけ言って先生は走り去っていった。
(にしてもこの紙袋、何が入ってるんだ……結構重量あるし。とにかく、火穂がどこにいるかメールで聞こう)
制服のポケットからスマホを取り出し、火穂に「今どこにいる?」とメールを送ってみると、数十秒で返信が届く。
(おぉう、早いな……なになに?「旧校舎1階の教室にいるよー」……旧校舎ってどこだよ)
廊下に貼り出されている校内の地図を眺めてみる。どうやら、旧校舎は現在使われている新校舎から離れた場所に建っているらしい。
(……行くしかないよね)
紙袋を左手、カバンを右手に持って旧校舎へと歩き始めた。
≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪
この皇天学院高校が、改修工事を行ったのが一昨年。旧校舎は、新校舎が建築されるまで使われていたらしい。もっとも、新校舎が出来上がった今では、使われていないらしいが。
「さてと、火穂は1階のどこにいるんだろ」
燿覇は旧校舎に着いたものの、火穂がどこにいるかわからず歩き回っていた。するとーーーーーーーー
(あれ?人がいる)
とある教室に、人が入っていくのが見えると同時に、人が出ていくのも見えた。
そして、すれ違いざまに彼らの話が聞こえてくる。
「まったく、何なんだよアレ」
「絶対入部テストの領域じゃねぇって」
「でも誰か合格してたじゃん」
「あんなテスト、合格できんのは異常者ぐらいだろ」
(入部テスト?)
彼らが通り過ぎた後、彼らが出てきた教室を覗いてみる。そこで行われていたのは、燿覇にとって見慣れたカードゲームーーーーーーーー《ヴァンガード》だった。
(そういえば部があるって言ってたっけな)
先程この教室に入っていった1年生らしき生徒たちが、上級生らしき生徒とファイトをおこなっていた。その上級生の中には火穂の姿も見え、しばらくしてから火穂はこちらに気付く。
「アキハ!来てくれたんだね!」
「え?あ、うん。実はーーーーーーーー」
「いいから早く!ほらこっち来て!」
「え?えぇ!?」
火穂に無理矢理引きずられて教室に入る。
(あれ……ただこの荷物を届けに来ただけなハズなのに……)
「はい、ここに座って!」
強制的にファイトテーブルの座席に座らせられる。しかも、座らせられたテーブルの対面には上級生らしき男子生徒が座っていた。
「おーい火穂。この子、誰?」
「新入部員候補!入部テストしてあげて!」
「ほーう、なるほど。了解!」
「なっ、待ってください!ボクは別にーーーーーーーー」
なぜか話が当事者を置いてけぼりにして進んでいく。2人を止めようとすると、火穂が耳元に顔を近づけ、囁く。
「また、逃げるの?」
たった一言。しかし、それは燿覇の心を揺さぶる。強く。強く。大きく。
「ーーーーーーーーっ!!」
(違う、僕は逃げてなんていない。僕はーーーーーーーー)
考える。考える。そして燿覇が導き出した答えは
「わかった……やるよ」
「……うん、いい返事!」
火穂は燿覇から離れ、自分のカバンから何かを取り出す。それは燿覇が捨てたはずの、2つのデッキケースだった。
「どっち使う?」
「黒」
「オッケー!」
火穂からデッキケースを受け取り、カードを出して手に取った瞬間に、久しぶりの感覚が彼の身体に走る。
「じゃあ始めるとするか。あ、オレの俺の名前は【
「はい、よろしくお願いします。あと、僕の名前は陽世燿覇です」
「ってことは火穂の弟さん?」
「はい。そうです」
「そっかそっか、なるほど」
互いにデッキカットをおこない、デッキをファイトテーブルにセットし、デッキから5枚引く。
「あ、そうだ。キミは、ヴァンガード経験者って事でいいの?」
捨てる手札選んでいると、正機が燿覇に問い掛ける。
(とりあえず、3枚でいいかな。)
「はい。今はやってませんが、経験はあります」
デッキをカットして、3枚引く。
(……まぁまぁいい感じかな)
「了解。じゃあ軽く本気でやるかな!」
「お手柔らかにお願いします」
2人は、ヴァンガードサークルに置かれた
「さぁ、いくぜ!!」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」
開戦の掛け声と同時に2人は
(やってやる……やってやるよ。全力で……潰してやる)
彼の中の何かがーーーーーーーーあの頃眠りについた何かがーーーーーーーー再び目を覚ました。
≪≪≪≪≪≪続く
読んでくださった皆様の声を代弁。
まだファイト始まんねぇのかよっ!!
ホント、すみません(2回目)
日常描写も大して上手くないのにこんなにダラダラやってて申し訳ないと思います。
作者自身も頑張ってやってるので、長い目で見てください……よろしくお願いします。
そして、早速お気に入り登録してくださった方。ありがとうございます!!!頑張っていくのでよろしくお願いします!