同人エロゲにTS転生したので処女を守ってたら楽しくなってきた   作:ぴゅせー

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3 始まりはゴブリンから

 ゴブリン、同人エロゲに限らず、エロの定番とも言うべき存在。

 ゴブリンか?

 ゴブリンです、小さくてエロいことしてくるアイツラです。

 そんなゴブリンだが、『淫蕩救世日誌』でも例に及ばず定番のエロモンスターである。

 

 この世界のゴブリン……というかモンスターは『邪神』と呼ばれる裏ボスが生み出した悪の手先である。

 なのであちこちにいつの間にかポップしてくるし、倒しても倒してもいなくなることはない。

 ある程度効率的にエロモンを狩っていれば、一時的にいなくなることはあっても根絶することはできない。

 これ、私が好き放題エロモンを駆除しまくった結果判明した事実だったりする。

 結果、先程まで私は組合で呑んだくれてたわけだけど、まぁそこら辺は置いといて。

 

 ゴブリンの特徴は、小さい、エロい、数が多いである。

 一匹見かけたら三十匹は居ると思え。

 一匹に犯されたら三百匹(自分の産んだ子供含む)にマワされると思えという言葉が格言として残るくらいだ。

 まぁこれ、いい出したの私なんだけど。

 少し前(二十年くらい前?)に適当にそんなこと言ったら、いつの間にか広まっていた。

 

 かくいう私も、この世界に生まれて始めて戦ったエロモンがゴブリンだった。

 当時の私は貞操を守るという強く硬い意志を持っていて、そういうエロモンは避けていたのだけど。

 流石に、立ち寄った村がゴブリンに襲われてるとなっては、助けなければ一宿一飯の恩義に報いることができない。

 そういうわけで、覚悟を決めてゴブリンの巣へと潜り――

 

 

 ――三十分ほどで退治は終了した。

 

 

 いやぁ蹂躙だった。

 単純にレベル差がアリすぎたのだ。

 ゴブリンは初期レベルで戦うことを想定されたモンスター。

 当時の私は、すでにレベルが二桁を超えていて、この世界では一人前の冒険者として認められる程度にはなっていた。

 加えて、対エロモンということで万全に万全を期して挑んだ結果、想定以上に無双してしまったのである。

 

 正直言って、拍子抜けだった。

 なんだこんなものか、って。

 たいしたことないじゃんエロゲ世界! って。

 そりゃもう見事にフラグを立てまくって、帰りにうっかり遭遇したメガスライム(スライムの上位種、当時の私には荷が重かった)に襲われ危うく貞操を散らしかけたのはいい思い出だ。

 なお、装備は思っきし溶かしてしまったので、村には全裸で帰ることになった。

 あのときの痛ましい女性たちの視線と、助平心を隠せていない野郎どもの視線は未だに忘れられない。

 

 そんなオチもあって、拍子抜けだったとはいえ、当時の私にとってはそれはもう緊張した戦いだった。

 ゴブリンの巣に単独で入り込み、ゴブリンに囲まれたときのあの興奮……もとい恐怖。

 がむしゃらにゴブリンを切り捨てたり魔法で吹き飛ばしているときの快感……もとい無我夢中さ。

 すべてが、私にとっては大きな経験だった。

 

 そんな、今の私を形作ったと言っても過言ではないゴブリンと、再び相まみえる。

 ああ、今度はどんなエロイベが私を待っているのか――

 

 

 ♡

 

 

 なんて、思っていた時も私にはありました。

 

「えい」

 

 ざく。

 

 指し示された洞窟のすぐ近くで、女の子を襲っているゴブリンを見つけた私は、剣で小突いてそれを振り払った。

 否、振り払ったつもりだった。

 別に倒すつもりはない。

 女の子の服があられもないことになっていたので、取り急ぎゴブリンを引っ剥がそうとしただけだ。

 

 結果、真っ二つになった後、大きく吹っ飛んで消えてしまった。

 

 モンスターは、倒すと闇に還る。

 そして再び邪神の力によって別の場所に出現するのだ。

 この時、女を苗床にして魔物を産み増やすと、還元される力が多くなり邪神復活へ近づく……何ていう設定もあったりするが、ともかく。

 

「え、あ、え」

「大丈夫?」

 

 今まさにヤられる寸前だった女の子は、泣き顔でこちらを見上げている。

 多分この子が、あの人の娘さんなのだろう。

 珍しく間に合ってよかった。

 

 少しその子と話をして、このまま急いで街まで戻るよう伝えた。

 街は目と鼻の先なのでこのまま街に戻って、町中で暴漢に襲われるコンボが発動しなければこの子は大丈夫だろう。

 そこら辺の後始末を終えたら、いよいよ洞窟に突入だ。

 

 それにしても――

 

「……私、強くなりすぎてしまった」

 

 ゴブリンがここまで弱いとは……まぁ素のゴブリンだからしょうがない。

 これがメガゴブリンやギガゴブリンなら、流石に剣で小突いただけでは死なないはずだ。

 死なないよね?

 

 っていうか、ああそうだ……このやり取り前にもやったなぁ。

 そんなに前じゃなかったと思うけど……確か十年前か。

 

 どうでもいいが、エルフは種族特性で完全記憶能力を持っている。

 この世界のエルフは「知識を溜め込み思索にふける種族」とされていて、その一環だろう。

 シナリオに関わる大事な設定なのだが、私はもっぱら前世の記憶を思い出すことに使っている。

 前世のことも思い出せるあたり、脳の構造とかじゃなくて、ある種の不思議パワーなんだろう。

 

 ともあれ。

 そうなると、私は一瞬でゴブリンを殲滅できてしまう。

 であればどうするか――

 

 

「――するか、舐めプ」

 

 

 そういうことになった。

 

 

 ♡

 

 

 エロイベに遭遇しても、全然エロくならない時の対処法。

 強くなりすぎてしまった私は、普通ならエロイベになるところも暴力で解決できてしまうようになった。

 これが普通の同人エロゲ主人公なら、純真無垢ゆえに騙され、流されてエロいことをされたりするわけだけど。

 そういう主人公にしたって、流石に雑魚エロモンに遅れを取ってエロいことをされたりはしないだろう。

 淫乱度が高ければ話は別だが。

 

 そういうときの解決法、舐めプ。

 一番わかり易いのは、自爆スキルとかアイテムだろう。

 

 使うとその場で戦闘不能になり、敗北イベントを回収してくれる便利アイテム。

 これがあるのとないのとでは、ゲーム自体に対する好感度が数点違ってくる大事なアイテムだ。

 もしくは、敗北イベのある敵を倒したら自動回収とかね?

 

 この世界は自爆スキル形式だ。

 というか、自爆するための魔術というものが存在する。

 ただ私はこれを覚えていない。

 理由は単純で、私がエロイベに遭遇したがるのはスリルを求めてのことだ。

 結果高ぶりすぎて、うっかり自爆魔術を使ってしまうと取り返しがつかないので戒めのために覚えることは控えている。

 

 なので今回やるべきことといえば――

 

「うわ、すっごい数……どんどん群がってくる」

 

 とりあえず、ゴブリンに攻撃せずに囲まれることだ。

 

 グゲゲ、とモンスターらしい声を出しながら迫ってくる自分の腰くらいまでの背丈のモンスター。

 言うまでもなく、ゴブリンである。

 洞窟の中で私はゴブリンに襲われていた。

 こちらからは一切反撃せず、向こうのさせるがままにするのである。

 

「やば……全然ダメージ効いてない……レベル差ありすぎていっそ可愛く見えてくる……」

 

 もちろん、最弱ゴブリンの攻撃で私がダメージを受けることはない。

 それでも今まさに私を犯そうと迫ってくるモンスターに囲まれるという状況は……中々に“クる”ものがある。

 

「一歩間違えれば貞操終了確定……♡ そこら中から性欲まみれの視線が飛んでくる……やば……♡」

 

 もしも私がここで服を脱ぎ始めれば、ゴブリンたちは嬉々として私を襲うだろう。

 そう考えただけでも、私はこの状況にスリルを感じてしまうのだ。

 まぁ、()()()()じゃないのは否定できないけれど。

 

 そうやって、ゴブリンにされるがままにされていた時だった。

 

 

 不意に、私の足元に魔法陣が浮かんだ。

 

 

「――――は?」

 

 一瞬のことで、思考が停止する。

 状況は単純だ。

 ゲーム的に、こういう魔法陣は踏むと罠が発動する仕掛けの一種である。

 内容は様々だが、この世界では()()()()()()ことがあるというのが大きな特徴。

 おそらく、たった今私が戯れているこの場所に魔法陣が発生し、それを上にいた私が踏んだことで起動したのだ。

 

 だが、そんなこと一瞬で分析できるはずもない。

 今の私は、ただ混乱のままに罠を受け入れるしかなかった。

 

 ――気がつけば、私は地面に倒されていた。

 両腕をトリモチのようななにかに固定され、釘付けにされ。

 周囲には、性欲を暴走させたゴブリン群れ。

 

「あ、え」

 

 心臓が、鼓動を早める。

 

 呼吸が、目に見えて荒くなる。

 

 まずい。

 

 まずいまずいまずいまずい。

 

 ――いくら舐めプをしていたからって、こんな所で本当に貞操の危機を迎えるなんてありえない。

 

 嘘でしょ?

 

 こんなところで?

 

 こんな理由で?

 

 いや、いやだ。

 

 いや、いや、やだ、やだ――

 

 迫りくるゴブリンの手。

 

 私の服に手を掛けて。

 

 

 ぐいーっと服が伸びて、そこで止まった。

 

 

 ――――――――うん。

 

 なんてことはない、私の装備はゴブリンが素手で破ける防御力ではなかった。

 正直、混乱する頭の中で一瞬そうなるんじゃないかと思いつつ、意図的に無視して状況に酔うことにしたんだけど。

 まぁ、そうなるよね。

 

 ぐいぐい、ぐいぐい。

 一向に破けない服、じゃあ脱がそうかと思えば、私の服は少し複雑な構造のベルトで締め付けられていてゴブリン程度の知能では脱がすことができない。

 これ、案外モンスター相手には有効な対策になるんだよね。

 

 結果、絶体絶命の状況で――私は特に何もされることなく、魔法陣の魔法が解けるまで服をひっぱられるのだった。

 キスの一つくらいされるかと思ったけど、服を引っ張るのに気を取られて誰もしてこなかったね。

 まぁしてきたら、普通にこの状況脱出するつもりだった程度には冷静になってしまってたんだけど。

 それでも、もう少しくらい雰囲気に酔いたかったのです、はい。

 

 ――正直、こういうことは結構ある。

 油断した結果、エロイベに巻き込まれるのは同人エロゲのあるあるだし、そうでもないとエロイベントが向こうからよってこないのだ。

 だからまぁ、ここから巻き返す方法も一つや二つで済まない程度には用意してるのだけど。

 

 まさか、服を破けないとは思わなかったなぁ……

 

 とりあえずゴブリンは無事に駆除できましたとさ、終わり。

 

 バカじゃないかって?

 バカじゃなかったらこんな性癖こじらせてないんですよ!

 バカで悪いか畜生!




邪神は裏ボスです。表ボスではないのがポイント。
本作はこんな感じでおバカなTS転生者がバカやりながらエロイベと対決していくお話です。
これで貞操守りきれてるのは難易度が低い気もしますが、なんやかやきちんと基本的な対策は取っているのも大きいですね。
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