「うーん……ゲームなんて少しだけしかやったことないんだけどなぁ」
友人である白峯理沙しろみねりさに押し付けられたゲームのパッケージを見て、時 優希 ときゆうきは溜息を吐く。
「理沙はいっつも僕を振り回して…」
剣や杖を持った男女が数人描かれたパッケージにはNewWorld Onlineと鮮やかな文字で書かれているのが見て取れる。
ここ最近急激に売り上げを伸ばすVRMMOというジャンルのゲームで、優希はこれを動かすハードは薄く埃を被っているが持っていた。
そのハードも理沙に脅され、コホン コホン 誘われて買ってしまったものだった。
「はぁ……断れないんだよね……断ったピーされるからなー」
優希の手にはメモ。これは理沙に渡されたもので、このゲームを始めるためにやることが書かれてあった。
「あの目を見ると…無理だなんて言えないよ…」
理沙は既に優希が始めることを信じて疑っていないのだ。始めないとどんな目にあうかと考えれば優希にはどうにも出来なかった。
「仕方ない…!設定、やるか」
埃を払い落としてハードの電源を入れる。
別にゲームが大嫌いな訳では無くて結構好きなんだ。
少し付き合ってあげるくらい、いいだろう。
そう思って、優希は初期設定を開始した。
優希はNewWorld Onlineの初期設定をメモを片手に終えていく。メモのお陰で設定はスイスイと進んでいく。
「ふーっ…これでいいかな…」
そしていよいよ電脳世界へとダイブすることになる。久しぶりの感覚。目を閉じて、次に開いたときは、そこは既にゲームの世界。と言っても、まだ少し設定が残っているためいきなり町の中という訳にもいかない。
「まずは…名前かあ。うーん、ユウキっていうのも本名そのままでアレだなぁー…どうしようか…あっそうだ苗字が時人だから時になんで、クロノス」
優希はしばらく悩んだ末にクロノスと名前を入れて決定を押す。空中に浮かぶパネルが映し出す内容を変える。次はどうやら初期装備を決める必要があるようである。
「大剣に…弓…大盾…杖…うーん…防御するの結構得意なんだけどな…だけど攻撃とか受けたく無いしなぁ…じゃあ杖で魔法使いかなぁ」
そうやって幾つかある装備を見ていた優希だったが、ピンときた装備があり目を留める。
「片手剣?攻撃力とかはそんな高くないけど扱いやすい万能⁉︎」
説明文を読んだ楓はこれに決めたと片手剣を初期装備に選ぶ。
ちなみに片手剣は初心者にも使いやすいし空いてる手に盾を装備すれば防御力も上がるというところも評価を上げているつまるところ片手剣は人気装備だという訳である。
「次はステータスポイントか…これは全ステータスに全部っと」
俗に言う万能型である。これをすると片手剣なら中補正攻撃がさらにうれしいことになる上、素早さの数値にも振っているため現実の速度と全然違くになる
のだ。
「あー…身長は弄れないのか…もっと背を高くしたかったのに…」
優希の身長は160センチあるかないかといったところである。
自分自身細身で身長も低いと思っているからだ。身長はコンプレックスでもあるが、現実の体と身長、体重を変えると上手くプレイ出来ないため仕方ないことだった。じゃあ目の色を黄色にしておこう
「じゃあ、これでオッケーかな。よし!」
優希の体が光に包まれる。
そして、次に目を開けた時。
そこは活気あふれる城下町の広場だった。
週2くらいで投稿します