誘拐事件から約1週間が経った。
ここは、海鳴大学付属病院のとある病室。ベッドには事件で怪我した子供・・・・基、マサトが横たわっている。
「ぅ...ん....」
微かな声と共に、今まで閉じていたマサトの目蓋がようやく開いた。
見知らぬ天井が目に入り、周囲を確認する。辺りは自分の部屋とは異なる、真っ白の部屋。棚や机、椅子がベッドの右側に置いてあり、左端にはドアがあった。
マサト「ここは.....?」
そう呟き、意識を失う前の出来事を思い出す。
マサト「確か...あの犯人がすずかちゃんを襲ってきたから、僕が…」
視線を下に向け、自分の身体がどうなっているか確認する。腕等は特に目立った外傷は無いが胴体の右脇腹には、包帯が巻いてあった。
マサト「脇腹、怪我しちゃったのか...でもすずかちゃんを守れたなら...」
すずかを守れた事、そのためならこの怪我は軽い代償に過ぎない。マサトはそういうふうに納得した。そして右側の棚にあるビー玉、基ゼオライマーを手に取る。
マサト「ゼオライマー、聞こえる?」
ゼオライマー「マスター!目が覚めたのか!?」
マサト「うん、ついさっき目が覚めたんだ。それでここはどこなの?」
ゼオライマー「海鳴大学付属病院という所だ。あれから5日間ほど眠っていたんだぞ?」
マサト「いっ、5日間!?そんなに眠ってたの僕!?…えっ〜と、眠ってる間何かあった?」
ゼオライマー「そうだな……」
ゼオライマーはマサトが眠っていた時の出来事を話した。彼が意識を落とした後病院に搬送された事や、無事犯人が捕まった事。アリサやすずかが毎日見舞いに来てくれたこと。
ゼオライマー「_____という訳だ。結構大変だったんだぞ?」
マサト「そうなんだ…、迷惑かけちゃったな……。」
ゼオライマー「その場合、迷惑じゃなくて心配っていうんだぞ。何しろ彼女達にとってマスターは、命を助けてくれた恩人なんだからな。」
マサト「そっか…」
ゼオライマー「それと、病院の先生いわく、傷はそれほどひどくないと言っていた。すぐにでも退院できるそうだ。」
マサト「そうなの?」
ゼオライマー「あぁ。それと、マスターに言いそびれてしまった事がある。」
マサト「え、言いそびれてしまったこと?ゼオライマー、それって?」
そう聞くとゼオライマーはその事を話し出す。
ゼオライマー「マスターはまだデバイスや、魔法についての知識が無い筈だ。そこで、トレーニングをすることである程度の知識をつけておき、ある時まで備えておく…という事を最初に伝えておきたかったんだ。」
マサト「ふむふむ…。」
ゼオライマー「本当ならいち早くやるつもりだったが、マスターは今この状態だからな。退院後、少しずつやろうと思うんだが、大丈夫か?」
マサト「うん。大丈夫だよ、ありがとうゼオライマー。」
コンコン
すると、扉をノックする音が聞こえた。だれかお見舞いに来たのだろうか?時間は夕方に近い。確かに見舞いに来ていてもおかしくはないだろう。
ゼオライマー「早速、誰か来たみたいだな。」
マサト「入って良いですよ」
マサトがそう声をかけると扉が勢い良く開けられた。出てきたのは、アリサとすずかがだ。その後ろには付き添いとして忍も居た。
マサト「あ、君達は……」
すずか「マサト……くん?」
アリサ「……起きたのね……?」
彼を見るなり驚いてる様子だった。するとアリサが真っ先にマサトに駆け寄ってきた。
アリサ「良かった!!このまま、起きないんじゃないかと思ったわよ……」
マサト「あはは・・・僕はもう大丈夫だよ」
彼女達はマサトの目が覚めたことに安堵していた。すずかに至っては涙目になっていた。そんな2人を見るとマサトは少し罪悪感を感じてしまった。
するとアリサが気まずそうに話しかけてきた。
アリサ「ね……ねぇ」
マサト「ん?どうしたの?」
アリサ「ありがとう、あの時助けてくれて…」
マサト「そんな、礼を言われるほどじゃないよ。当たり前だと思ったことをやっただけで」
礼を言われ、マサトはそう答えた。単純に助けたかったから。それ以外何もない。そう言いながらマサトはアリサの頭を優しく撫でた。アリサは最初驚いたものの、途中から気持ちよさそうに目を閉じるようになっていた。
すると、そこにすずかと忍がやってくる。
忍「マサト君、怪我は大丈夫なの?」
マサト「はい、特にこれと言ったことは無いです。それと忍さん達も事情聴取されたそうなんですが、大丈夫ですか?」
幼い子供ながら礼儀正しく、しかも自分より他人を優先するマサトに、忍はよくできた子だと感心しつつも、あまりのお人好し具合に少々心配になった。
忍「そんな状態でも他人の心配をするの…?はぁ……まあ、私たちは大丈夫よ、すずかもアリサちゃんも大した事は聞かれてないわ」
マサトはそれを聞くと安心した。この様子だと犯人が言った月村家の事情も聞かれてないみたいだ。
マサト「……何ですずかちゃんはずっと後ろに隠れてるの?」
未だに忍の後ろに隠れているすずかのことが気になり、聞いてみる。
忍「すずかは責任を感じてるのよ」
マサト「え?ど、どうして?」
別にすずかに何かされたわけでもないのに、彼女が責任を負う必要はない筈だ。すると、すずかが忍の後ろからそっと前に出てくる。涙ぐみながらこう言った。
すずか「……私のせいでマサトくんが怪我したんだから……」
マサト「もしかしなくても、お腹の事?」
その問いにすずかは頷く。だが、マサトはすずかのせいだとは全く思っていない。
マサト「気にしなくていいよ。元はといえば危険だと分かってて突っ込んじゃった僕が原因だしさ。すずかちゃんが気に病む必要なんてないよ」
そういうも、すずかは納得のいかない様子なのか更に表情が暗くなり、下を向いてしまった。その反応からある事が脳裏に浮かんだので、マサトは聞いてみた。
マサト「もしかして、自分が化け物だから、そのせいで僕が怪我した…とか思ってる?」
その言葉を聞くと、すずかはビクッと肩を震わせてしまった。予想は当たっているみたいだ。誘拐犯の口からでた”化け物”という言葉。やはりこの事をどうしても気にしているらしい。
するとマサトはベッドから降りてすずかの方に向かった。すずかは彼の方に顔を向ける。マサトが怒っていると思い、彼女は目を閉じる。
しかし、マサトはすずかの頭にそっと手を乗せた。
すずか「……え?」
すずかはこれに呆気を取られた顔をしている。叩かれると思っていたのだろう。
マサト「さっきも言ったけど、あれは僕が勝手にやったことなんだ。すずかちゃんが気にする必要なんてないよ。」
彼女の頭に乗せた手を左右に動かし、撫でる。
マサト「それにね、”化け物”かどうかなんて関係ない。」
すずか「…っ!」
マサト「すずかちゃんは、あの時アリサちゃんや僕のことを心配してくれたよね。それは、すずかちゃんが優しい心を持ってる証拠さ。アリサちゃんたちと変わりない、同じ人間だよ。」
すずか「ま…さと……くん…」
マサト「今まで隠してて、きっと辛かったよね。でも、もう大丈夫だよ。」
優しい声と共に、マサトはすずかに微笑んだ。自分を包み込むような優しい言葉にすずかは耐え切れず、大粒の涙が溢れてくる。
すずか「…っ……うっ………うわああああああぁぁぁん…!!」
すずかはマサトに抱きつき、ひたすら泣いた。すずかの泣き声が病室内に響く。それを見ていたアリサも涙目になりつつ微笑んでいた。マサトは、ただひたすら優しくすずかの頭を撫でた。
忍「それでマサト君、脇腹は大丈夫?」
マサト「傷については先生からそれほど酷くもないらしくて、明日にはもう退院できるみたいです。」
すずか「そうなの?良かった…。」
マサト「それに家でも色々とやることがあるから、出来ればすぐに帰ろうかなって思ってて」
退院できると聞いて安心したアリサとすずかだったが、マサトが帰ると言うのを聞き、
すずか「え…?マサトくん、もう…帰っちゃうの?」
マサト「うん、これからちょっと忙しくなりそうだからさ」
先程ゼオライマーが言った通り、マサトはデバイスや魔法についての勉強をしなければならないのだ。
すずか「そう…なんだ」
アリサ「なによ!せっかく友達と遊べると思ったのに!!」
マサト「ともだち…?」
アリサ「そうよ///なによ!?文句あるわけ!?///」
頬を赤らめながら、アリサはそう言う。マサトは首を横に振る。
マサト「いや、無いんだけどさ…僕なんかが君達の友達になっていいのかな?って…」
アリサ「何いってんの!?アンタは私達を助けてくれたのよ!?理由なんてそれだけで充分じゃない!それに何より私がなりたいっていってるの!!」
すずか「私も…マサト君と…友達になりたいな…ダメかな…?」
マサト「こんな僕でもいいなら、是非、友達になりたいな。僕にとって、初めてできる友達だし」
マサトがそう言うと、二人は顔を合わせて喜ぶ。その光景を見てマサトは微笑んだ。マサトは生前友達と言える人が居なかったのだ。その事もあって、二人と友達になれたことがとても嬉しかった。その時、二人は彼の表情を見て顔を赤らめていたとか。
時間が立ち、アリサ達が家へ帰った後、マサトはまたゼオライマーと話をしていた。
マサト「ゼオライマー、これからのことなんだけどさ。さっき言ってた魔法などの知識以外でなにかやっておくのってあるの?」
ゼオライマー「他の事となると、勉強だな。神が言うには、マスターが小学3年生の時に私立聖祥大学付属小学校に転入してもらう予定、だと言ってた。」
マサト「えぇ…小学校のレベルなら復習しなくてもいいんじゃないかなぁ⋯。」
ゼオライマー「しっかりやっておかなきゃダメだ。念には念を入れて、と言っていたぞ。」
マサト「そんなぁ⋯」
ゼオライマーとの会話を終え、マサトはベッドに横になり睡眠についた。転生初日からいろいろあった為、まだ疲れが溜まっていたらしく、ぐっすりと眠れたようだ。
それからというもの、時間というのはあっと言う間に過ぎて行った。
退院した後、勉強の復習も少し挟みつつ、デバイスの展開の動作確認や、魔法の知識をぼちぼちと学習していた。
幸い、近所周辺の家は少ないためトレーニングもしやすかった。
それ以外は、何ら変わりのない普通の日々を過ごしていった。
四年という月日は過ぎ、ついにマサトは8歳となり、いよいよ小学校へ転入の日となった。
朝早くに起き、朝食を食べ終えた後、制服に着替える。そして必要な荷物の準備を整えていた。
ゼオライマー「マスター、緊張しているな」
マサト「う、うん…転入を経験するのは初めてだし、何より小学校へ行くのは久しぶりだからね…。けど、正直楽しみでもあるかな」
ゼオライマー「そろそろ時間だな、マスター。」
時計に目をやると針は登校の時間帯を指していた。
バックを背負い、ゼオライマーをポケットに入れ、玄関に足を運ぶ。
マサト「いってきます。」
誰もいない家にそう言い、ドアを開けて外に出た。学校までの道のりを進んでいく。通う学校は、私立聖祥大学付属小学校。勉強の難易度が高く、頭が良くなければ普通は通うことのできない所である。
歩いてる中、同じ制服を来た子達が見えた。同じ学校へ通う生徒だ。グループで固まっている女子や男子が居た。
その中、マサトへ視線を向けている女子達もちらほら居た。それに気づいたマサトが、視線を向けると何故か顔を赤くして背けてしまう。
マサト「なんでこっちを見た後顔を背けるんだろう…なんか気まずいな」
ゼオライマー「まぁ、マスターはそれなりに顔立ちが整っている方だからな。惚れる人が居てもおかしくはないさ」
マサトは内心疑問に思う。本当にそうかな…。
そんなことを思っている内に、目的地である学校へと到着した。
マサト「ここが…これから僕が通う学校かぁ…。」
ゼオライマー「こりゃ大きいな…」
つい言葉が漏れるマサトとゼオライマー。他の学校と比べても比べ物にならないほどに大きかったのである。それもそのはず、ここは小学校から大学まで合体している一貫校なのだ。大きくなるのは当たり前だろう。
「君が、木原マサト君かな?」
マサト「あ、はい」
「良かった。私がこれからあなたの担任になる先生なの、これからよろしくね」
マサト「はいっ、こちらこそよろしくお願いします!」
「いい返事ね、よろしく。じゃあ、学校の中に案内するからついてきてね」
先生との自己紹介が済み、言われた通り先生の後をついて行くマサト。
これからマサトにとって、二度目の新たな学校生活が始まる。
「すずかちゃん!アリサちゃん!おはよう!!」
私、高町なのはは、扉を空けて教室へ入る。そして、新しくできた二人の友達に挨拶した。
アリサ「おはよう!」
すずか「おはよう、なのはちゃん!」
二人とは、学校に入学してから知り合った。色々あったけど、それがきっかけで友達になったのだ。学校では毎日のようにこうして三人で居る。
いつものように私達が談笑していると、クラスメイトの女の子が話しかけてきた。
「ねぇねぇ、3人はもう知ってる?」
なのは、アリサ、すずか「「「何が?」」」
「あのね、今日このクラスに転入生が来るらしいよ!」
なのは「転入生?」
「うん、担任の先生と制服を着た見かけない子が職員室に入っていったんだってさ」
アリサ「このクラスにねぇ⋯それって男子?それとも女子?」
「見た人が言うには男子なんだって。ちょっとかっこいいとかなんとか!」
すずか「男の子かぁ⋯成志くんみたいな人じゃないと良いけど⋯」
「「「うんうん」」」
すずかちゃんの言葉に私達は頷く。
成志君は入学したときから同じクラスだった。見た目は良いんだけど、ナルシストで、何故か私達を嫁と呼んでくる男の子だ。正直言って本当に迷惑でしかない。
すると、クラスメイトの子はそれを否定した。
「いや、それは無いんじゃないかな?」
そう言われて、私達は疑問符を浮かべる。
アリサ「なんでそんな事言えるのよ?まだ分からないでしょ?」
「その男の子、職員室から出た後、困っている人を助けてたんだって。成志がちょっかいかけてる女子とかを助けてたりしてたらしいし。」
アリサ「へぇ、あの成志がやられたの?いい気味ね!」
私達もアリサちゃんと同じように思った。でも、あの成志君がやられちゃうなんて、転入生はどんな人なんだろう?私はその転入生の事が気になった。
すずか「他に特徴はないの?髪とか目の色とか⋯」
すずかちゃんの質問に女の子が答えようとした時、それを遮るようにチャイムが鳴った。私達が急いで自分達の席に座ると、教室の扉が空き、先生が入ってきた。
先生「皆さん、おはようございます!授業を始める前に一つ、お知らせがあります。今日、このクラスに転入生がやってきます!!」
その言葉に、教室は歓喜の声が上がった。新しい仲間が増えるのは嬉しいことである。
「先生先生!!その転入生は男子ですか!?それとも女子ですか!?」
男子の一人が質問すると、先生は「残念、男の子です」と答えた。その瞬間、半数歓喜の声が減ってしまう。女子たちが歓声を上げる中、反対に男子は静かになってしまった。女子に期待していたのだろう。何人か、机に頭をくっつけて項垂れていた。
先生「さて、そろそろ転入生に来てもらいましょう!扉の前で待ってもらってますからね、⋯さぁ、入ってきて!!!」
先生が扉に向けてそう言うと、ガラッと扉が開らかれる。ご待望の転入生の登場だ。教室へと入ってきた転入生の男の子。しかし、その姿を見て、私は目を見開いた。
黒髪の男の子。
それは、4年前のあの時、私を励ましてくれた男の子だった。私はつい、その子が教えてくれた名前を呟いた。
なのは「マサト⋯くん?」
マサトside
先生に呼ばれ、マサトは教室へと入った。教壇の横へと立ち、周りに視線を向けると、見知った顔を見つけた。
すると先生が話し始める。
先生「彼がこれからこのクラスに入る子です!彼は、今日、初めて学校に来たので、分からないところがいくつかあると思います。皆さん、何かあったら積極的に教えてあげましょう!仲良くしてくださいね!
じゃあ、自己紹介、お願いね」
先生はそういいながら目配りをする。マサトは頷き、一歩前に出て自己紹介を始めた。
「き、木原マサトです!先生の言う通り、初めて学校に来ました!わからないことがあると思いますが、皆と仲良くしていきたいです!これから、よろしくお願いします!」
自己紹介を終え、先生の方に視線を向けると、バッチリと言わんばかりにサムズアップしていた。うまく行ったことにマサトはほっとすると、その時
アリサ「マサト!?マサトよね!?あんたが転入生なの!?」
すずか「ほ、本当にマサト君!?夢じゃないよね!?」
急に席を立ったアリサとすずかが詰め寄ってきた!
か、顔!!!顔が近いよ!!
マサト「ちょっ、落ち着いて、落ち着いてよ二人共!!」
アリサ「落ち着けるわけ無いでしょ!?退院した後どうしてたのよ!!連絡してくれたっていいじゃない!?」
そう言うが、マサトは2人の連絡先を知らない。というか聞く暇がなかったのだ、どうしようもないだろう。
先生「あら?マサト君、二人と知り合いなの?」
先生にそう聞かれる。その質問に便乗するようにクラスの皆が首を縦に振る。どうやら疑問は皆同じ様だ。
マサト「2人とは4年前に会って友達になったんです。」
アリサ「先生!4年前に私たちの誘拐事件があったのは知ってますよね!」
先生「え、えぇ。確かすずかさんも拐われた有名な事件よね?それがどうしたの?」
すずか「あの時、マサトくんが私達を助けてくれたんです!」
「「「!?!?!?!?!?!?」」」
すずかが言ったことに先生含めクラスの皆が驚愕する。ちょっすずかちゃん!?
先生「マサト君!!あなたは何してるの!?警察を待つべきでしょう!?」
マサト「えっと⋯その、見過ごせなかったんです⋯。偶然その場に居て、誘拐の場面を見かけてしまって⋯だから⋯」
マサトがそう言うと、クラス全員の見る目が変わった。ちょっとかっこいいという噂に加えて、お人好しで優しいという要素がプラスとなり、好意の目を向けるようになった。だが、一人の男子だけ、マサトのことをコレでもかというくらい睨んでいた。
先生「あなたのその心はとても立派だと思うわ。でも、それはとても危険なことよ。今後、あまりそういう無茶はしないようにね。いいわね?」
マサト「は、はい⋯善処します。」
そう返事した時、ガタンと音が鳴った。全員が音を立てた主の方へ視線を向ける。そこには一人の女の子が席を立っていた。先生がその子に声を掛ける。
先生「た、高町さん?どうかしましたか?」
席を立った女子は、なのはだった。目を見開きマサトの方を見つめている。よく見ると涙を少し流していた。その姿に皆驚いている最中、なのははマサトに歩み寄り、声を掛ける。
なのは「マ⋯マサトくん?本当に⋯木原マサトくん⋯?」
声を震わせながら、マサトにそう聞いた。マサトはなのはの目を見て答える。
マサト「君は⋯もしかして、なのはちゃん?久しぶりだね!
あの時、ちゃんと家族に自分の思いを伝えることは出来た?」
そう答えると、なのはは大粒の涙を流しながら、マサトに思いっきり抱きついた。
「「「ええええええええええぇぇぇぇぇぇっ!?」」」
アリサ「な、なのは!?///」
すずか「な、なのはちゃん!?な、えっ!?///」
クラス全員の驚愕の声が教室中に響き渡る。その最中、アリサ、すずかは顔を赤らめながらなのはの名前を呼んでいた。混沌とした状況にマサトはどうしたらいいかわからなくなり、ついゼオライマーへ通信をかけてしまう。
マサト(ぜ、ゼオライマぁ〜⋯ぼ、僕はどうすればいいの⋯?)
ゼオライマー(俺に聞かないでくれ⋯。⋯まずはなのはをどうにかしたらいいんじゃないのか?)
マサト(どうにかって言われても⋯)
とりあえず、泣いているなのはの頭を撫でるマサト。すると、クラスから歓喜と黄色い悲鳴が響き渡る。先生が止めるまでしばらくこの状態が続いたのであった。
こうして、マサトの学校生活は始まりを告げたのである。
はい⋯、3年ぶりに投稿ということで待たせた方々、ほんっとうに申し訳ございませんでした!!!次回をすぐに書き上げるので許して下さい!!!何でもしますから!!!!!