成志「覚悟しろよ!!このモブ野郎めがッ!!!」
マサト「⋯⋯。」
成志はマサトへ罵声を浴びせながら睨む。なぜこうなったのか?
事の始まりは数時間前だった。
なのは「ご、ごめんね?マサト君⋯急に抱きついたりして⋯///」
マサト「あぁいや⋯気にしないで⋯。それと、そろそろ説明したほうが良いんじゃないかな⋯?」
その言葉にまたクラス全員が首を縦に振る。なんせ今日転入してきた男子に、なのはが急に抱きついたのだから。どういう関係があるのか、説明が必要であろう。
アリサ「そうよ!!なのは、マサトと知り合いだったの?」
マサト「アリサちゃんとすずかちゃんに出会う前に知り合ったんだよ。鳴海市を散歩していたんだけど、公園になのはちゃんが一人で居たところを見かけてさ。何があったのか話を聞いたって感じかな?」
「おいッッッッ!!!」
マサト「!?」
その時、大きな声でマサトへと声を掛ける者が居た。全員が今度は声上げた人物へと視線を向ける。そこには白髪の男子が席を立っていた。肩をわなわなと震わせ、マサトをじっくりと睨んでいる。
アリサ「成志!何よ急に!?」
成志「お前!!!お前が先になのは達と会わなければ、俺が相手をしてたのに!!あの時も、タイミングを狙って待ってたのに!!お前みたいなやつのせいで!!!」
成志のその言葉になのは達は固まる。
アリサ「成志!!あんた前からそんな事しようとしてたっていうの!?」
すずか「成志君⋯流石にそれは⋯ね?」
二人は、引いていると同時に呆れているようだ。まさかそんな前から狙われていたなんて思わなかったのだ。
成志「なのは達は俺の嫁なんだ!!俺と一緒にいれば喜ぶに決まってるだろう!!!」
怒涛の如く言う成志の発言に、クラス全員が白い目や冷たい目で見る。マサトは成志の言葉にすこしイラッとした。
マサト「そんな、自分勝手に決めつけて!なのはちゃん達だって自分で相手を選びたい筈だし、君の勝手な思いを押し付けるんじゃない!」
マサトが言った言葉になのは達も同意する
なのは「そうなの!私達は成志君のお嫁さんになんて絶対ならないよ!」
アリサ「そうよ!あんたのお嫁だなんて御免だわ!!」
すずか「私も嫌だなぁ、成志君みたいなタイプは私苦手だから⋯」
なのは達のその言葉にクラスの女子も頷く。その様子に成志は目を見開き驚いていた。
すると、3人の次の行動に成志は更に驚愕することとなる。それはマサトもだった。
「それに」と3人は口を揃え、マサトを囲むように集まった。その行動にマサトは疑問を浮かべる。
3人は意を決した表情をする。すると次の瞬間、なのははマサトの右腕、すずかは左腕を、アリサは後ろからマサトに抱きついてきたのだ。
マサト「えっ!?」
「「「!?!?!?!?!?」」」
突然の行動にマサトは声を出して驚く。それを見ていたクラスの全員は驚愕の目を向けた。さらに、唖然としている成志にトドメを刺すかのように、3人はとある発言をする。
なのは、アリサ、すずか「「「お、お嫁さんになるならマサト(君)のお嫁さんになる(の)っ!!!///」」」
顔を赤らめながら3人はそう言った。その発言にクラスの皆は歓喜の声に包まれた。女子は黄色い歓声を上げ、男子は悲鳴を上げていた。その光景を見た成志は、呆然と立っており気を失いかけていた⋯という中々にカオスな状況となったのである。
ゼオライマー(まさに両手に華だな⋯いや、背中にもか⋯。モテモテだな、マスター)
マサト(僕⋯別に特別なことなんてしてないけど⋯)
ゼオライマー(彼女たちにとって、マスターの行動は好きになるには、充分すぎるくらいじゃないのか?)
マサト(⋯?)
通信で語りかけるゼオライマー。マサトは首を傾げた。
確かに相談に乗ったり、助けたりと当たり前のことはしたものの、それが理由で簡単に恋愛的な感情は持たないんじゃないか?とマサトは思っていた。
すると、成志は意識を取り戻したのか今度は罵声を浴びせ始めた。
成志「お前っ!!なのは達に何を吹き込みやがった!?お前が洗脳したんだろう!?だからこんな事になってるんだ!!!」
今度は何を言うかと思いきや、意味不明なことを喚き始めた成志。これにはマサトは勿論、なのは達やクラス全員が怪訝な目を向けてしまう。
マサト「な、何を言ってるんだ君は⋯なんでそうなるのさ⋯?僕はなのはちゃん達と友達になった、それだけだよ!」
そう答えるものの、聞く耳持たず、成志は怒り心頭の表情でマサトを睨みつける。マサトへと指を指しこう宣言した。
成志「木原マサトッ!!俺と勝負しろぉ!!」
マサト「し、勝負⋯?」
成志「そうだ!!!この後体育の授業がある!その時に俺と勝負しろ!!そして、俺が勝ったら二度となのは達に構うなよ!!!」
また、自分勝手とも言えるその発言の内容に、3人は苦言を呈する。
なのは「成志君!!何言ってるの!?」
アリサ「そうよ!!何自分勝手に決めてんのよ!?」
すずか「そうだよ成志君!!私達は好きでマサトくんと友達になったんだよ!!」
そう抗議する3人とはまた別に、マサトは成志のことを見つめていた。成志は不敵な笑みを浮かべており、まるで、コレで逃げられないな!と言わんばかりの表情だった。
マサト「分かった⋯。その勝負、受けて立つ!」
なのは、アリサ、すずか「「「マサト(君)!!??」」」
彼の返答に驚愕の声を上げる三人。
マサト「その代わり、僕からも条件がある!」
成志「なんだなんだ?ハンデでも欲しいのか?」
マサト「ハンデはいらないよ。僕の条件っていうのは、僕が勝ったらこのクラス皆の意見を叶えてもらうこと。」
成志「は???」
そう、朝のホームルームが始まる前、マサトが職員室の前に居た時の事だ。成志が女子にセクハラまがいのちょっかいを掛けているところを目撃しており、彼を止めたのだ。成志に対するクラスの様子を見る限り、恐らく皆も成志に迷惑をかけられてると考えた。
だからこの条件を言ったのだ。
条件の内容に呆然とする成志。しかし、挑発されてると受け取ったのか、青筋を立てながらマサトを再び睨んだ。
成志「望む所だ!!」
そう言うと成志は席へと戻り、腕を組んでいた。マサトは皆の方へ振り向いく。
マサト「皆、ごめんなさい!!僕のせいで初日からこんな面倒な事になってしまって⋯」
頭を下げ、謝罪するマサト。しかしクラスの反応はこうだった。
「気にすんなって!!成志のやつには皆迷惑かけらてるんだからさ!!」
「そうだよ!!マサト君、成志君なんかに負けないでね!!」
クラスの皆は気にせず、それどころかマサトを応援してくれたのだ。やっぱり皆、成志には迷惑をかけられてるようだ。
マサト「皆⋯、ありがとう!必ず勝ってみせるよ!」
彼はキッパリとそう宣言したのだった。
そして現在に至る。場所は体育館。コートの中でマサトと成志は向き合っている。他の生徒は皆二人から離れ、コートの外から見守っている形となっている。
成志「へっ!よく逃げずにここまで来たな!!」
マサト「元から逃げるつもりなんて毛頭ないよ。」
嫌味たっぷりに上から目線で言う成志に対して、全く動じず返答するマサト。気に食わねぇやつだと言わんばかりに顔を歪める成志、だがすぐにニヤリとした表情を浮かべた。
マサト「というか、勝負って実際何するの?」
勝負すると入ったものの、どういった内容でやるかまでは言われてなかった為分からなかった。
成志「ドッジボールで勝負だ!!」
マサト「ドッジボールかぁ⋯」
そう聞いてマサトはちょっと安心した。体力は中学生並みとは言え運動はあまりしていない方だ。もしマラソンとかだったらどうしようと思っていたのである。
成志「どうしたぁ?怖気付いたか?」
マサト「いや、何でもないよ。」
また成志は煽りをいれるものの、なんなく受け流され舌打ちする。お互い準備ができると、先生が笛を鳴らし、試合が始まった。
成志「しゃぁっ!!最初から全力投球だぁっ!!オッラアァァ!!」
マサト「うっ!?」
開始早々、ボールを持った成志が投げてくる。中々の速さだが、マサトはギリギリの所両手でしっかり受け止めた。
成志「受け止めただと!!?」
マサト「このっ!!」
今度はマサトが成志へとボールを投げた。それなりに力を入れて投げられたボールに成志は手で受け止めようとするものの、ボールが手から滑り無様にも取り損ねてしまった。地面にボールが落ち、バウンドする。
勝負はあまりにも呆気なく終わった。
先生「はいっ、勝負はマサトくんの勝ち!」
先生が宣言すると、体育館が歓声で包まれる。マサトが勝ったのだ。その事にクラスの皆は喜び、マサトの元に集まり、すっかり彼を囲んでいた。
成志「嘘だ!!俺がこんなことで負けるなんて!!」
マサト「勝ったことに変わりはないからね。条件通りにしてよ。」
正直胸がすっとした。成志の態度はいくらマサトといえど普通に腹が立ったのだ。その憂さ晴らしも出来てせいせいする。
成志「ふ、ふざけるなぁっっ!!!!なのは達は俺の嫁なんだぁ!!!」
その事実を認めたくない成志は、怒りのあまり八つ当たりと言わんばかりに、力いっぱいボールを投げた。その行動にクラスの皆は驚愕した。
マサト「うわぁっ!?」
投げられたボールをマサトは何とか避けたが、直後悲鳴が上がる。
後ろを向くと、なんとクラスの女子にボールが向かって居たのだ。急な出来事で避けようにしても出来なかったのだ。
マサト「うっ!!」
間に合うかどうかわからないが、マサトは急いでその子のもとへ向かい、前に出る。が、ボールを受け止めることは流石にできず、もろに胴体に当たってしまう。柔らかいボールとは言え、勢いがあったため普通に痛い。
マサト「ぶっ!?⋯いってて⋯だ、大丈夫?」
「う、うん⋯私は大丈夫だけど⋯、マサトくんこそ大丈夫⋯?」
マサト「なんとか大丈夫だよ⋯」
女子へ声を掛ける。怪我がないようで良かった。するとそこへ、なのは達が駆けつけてきた。
なのは「ま、マサトくん!!大丈夫!?」
マサト「これくらい大丈夫だよ」
アリサ「まったく成志のやつ!!他の人に当たったらどうするつもりなのよ!!」
すずか「本当だよ⋯大丈夫?」
3人は女子生徒とマサトの怪我がないか確認した後、女子生徒を連れ成志のところへ向かった。どうやらマサトの条件通り、願いを言いに行ったようだ。マサトは最後にすることにした。
こうして、成志による騒動も無事に終わり迎えたのである。
因みにマサトの願いは、なのは達や皆に迷惑をかけないことを約束できるなら仲良くしよう、というものだった。
そして、時は昼休み。
なのはSide
私達3人は弁当を持って屋上へと来ていた。何時もここで弁当を食べるのだ。定位置である椅子へ座ると、私は2人へ話しかける。
なのは「アリサちゃん、すずかちゃん⋯⋯二人に聞きたいことがあるの。」
アリサ、すずか「「聞きたいこと?」」
二人は首を傾げる。私は思い切ってずっと気になっている事を質問してみた。
なのは「二人は、マサト君の事⋯好きなの?」
すると、2人はボンっと音がしそうなくらい顔を赤らめて驚いた。
アリサ「なななななな、なのは!?何言ってるのよ!?」
すずか「そうだよ!ま、マサト君を好きだなんて!」
慌てながらそう言う二人。私はそのまま続ける。
なのは「私⋯気になったの。朝の時、二人もマサト君に抱きついていたから、もしかして好きなのかなって」
それを聞いた二人は顔を見合わせた後、決心した表情になり、私へと視線を戻す。
アリサ「⋯そうよ、私はマサトが好き。⋯4年前に助けてくれた時から⋯あの時の姿が忘れられない⋯。この想いは、誰にも負けない!」
自分の思いを打ち明けるアリサちゃん。それに続いて、すずかちゃんも打ち明けた。
すずか「私もだよ⋯、誘拐犯から助けてくれたマサト君はカッコよくて、笑った時の顔が好きなの。だから私も負けないよ?」
4年前⋯2人も私と同じくらい前に会っていたんだ⋯。2人のマサト君に対する想いは、とても大きくて暖かいものだった。でも、それは私も同じ。
なのは「私も、マサト君の事が好きなの。4年前に悩みを聞いてくれて、励ましてくれた時からの初恋なの!私だって、負けないの!」
私も、自分の想いを口にした。
2人がマサト君どう思ってるかハッキリして、もやもやしていた気持ちが無くなる。それと同時に、今度はふたりに負けないという対抗心が出てきた。
私もアリサちゃん達に負けないよう、頑張らなきゃ!
その時ふと、思いついたことを口にする。
なのは「そうだ、アリサちゃん、すずかちゃん!お弁当一緒に食べるの、マサト君も連れてきていいかな?」
アリサ「えぇ、勿論良いわよ」
すずか「私も大丈夫だよ!」
なのは「じゃあ、私連れてくるね!」
そう言って私はマサト君のいる教室へと足早に向かった。
一方、マサトは家で作った弁当を取り出し、机に広げ食べようとしていた。その時、声をかけられる。
なのは「マサト君!」
マサト「ん?どうしたのなのはちゃん?」
なのは「一緒に屋上でお弁当食べよう?アリサちゃん達も一緒だから!」
声をかけたのはなのはだった。マサトを誘いに来たのである。一方男子からの羨ましそうな視線が突き刺さる。
マサト「屋上で良いんだよね?勿論行くよ」
なのは「本当?やった!じゃあ一緒に行こう!」
喜びながらマサトの腕を引っ張り、屋上へ行くなのは。満面の笑みを浮かべながら、階段を登り屋上へと向かう。道中周りからの視線が集まっていた。
マサト「あんまり引っ張らないで〜⋯」
「え!?なのはちゃんが男の子を連れてる!?」
「あれって確か転入生の子だよね!?」
「あの転入生、成志のヤツと勝負して負かしたんだって!!それにすごく優しいんだとか!!」
「なにそれ!?凄くかっこいいじゃん!!」
と、こんな感じの会話が聞こえていた。他の生徒が驚くのも無理はない。今日来たばかりの転入生を誘っているのだ、当たり前だろう。それでいて、マサトの活躍の噂も広がり評判もうなぎ登りみたいだ。
階段を登り、なのはとマサトは屋上に到着した。扉を開けるとアリサ達が座っている姿が見えた。
アリサ「なのは!遅いわよ!」
すずか「あ、マサト君!待ってたよ!」
二人は僕を見ると、待っていたと言わんばかりに笑顔を向け、こちらへ座るよう誘う。すずか、アリサの隣になのは。そのまた隣にマサトが座り、昼食を食べ始めた。
するとなのははマサトの弁当を見るなりこう言った。
なのは「マサト君の弁当美味しそうなの!」
マサト「そ、そうかな?」
なのは「本当に美味しそうだよ!お母さんが作ってくれてるの?」
マサト「いや、自分で作ってるよ。」
そう答えると、なのは達は目を開いて驚いた。
すずか「これマサト君が作ったんだ!?」
アリサ「作ってるって⋯あんた料理とかするの?」
マサト「うん。親は海外で仕事していて中々帰ってこないから、家事とか前半は一人でやってるんだ。」
その言葉になのは達は更に驚く。自分達と同じくらいの小学生の男の子が一人で家事をこなしているのだから尚更だ。
なのは「でもマサト君、一人で寂しくないの?」
マサト「寂しいといえば、寂しいかな⋯。でももう慣れちゃったよ。」
笑いながらに言うマサト。
転生前からそういう事があったから慣れているものの、そうでなかったらきっと大変だっただろうなと、心の中でふと思う。
アリサ「そうだ、学校が終わったら皆で翠屋へ行ってみない?」
マサト「翠屋?」
すずか「なのはちゃんの家族が経営してる喫茶店の事だよ。とっても美味しいんだよ!」
マサト「そうなんだ。放課後特に何もないし、僕も行くよ!良いかな、なのはちゃん?」
なのは「ふぇ?う、うん!いいよ!」
アリサの誘いに乗り、行っていいかどうかなのはへ聞くマサト。なのはは呆気にとられた顔をしたものの、了承した。
なのは(マサト君がお店に来る⋯緊張するよぉ///)
そしてまた時は過ぎ、放課後。
マサトはなのは達と一緒に翠屋へ向かっていた。周りから見るとマサトの状態は、俗に言うハーレムであった。
アリサ「そういえばマサトは知らないのよね?なのはのお兄さん、恭弥さんって名前なんだけど、重度のシスコンなのよ」
マサト「シスコン?」
すずか「うーん、何て言えばいいのかな?なのはちゃんの為ならなんでもする人かな?」
なのは「着いたの!」
そのような話をしている内に、翠屋へと到着した。時間はもう夕方だというのに客が大勢居る。相当人気みたいだ。
なのは「ただいまーー!」
そうなのはが帰りを告げると、家族と思われる女性が返答する。
「おかえりなさい、なのは」
アリサ、すずか「お邪魔しまーす!」
マサト「お、お邪魔します⋯」
「アリサちゃん達もいらっしゃい⋯あら?初めての子もいるのね?」
その女性の容姿はなのはと同じ栗色のロング髪、エプロンを着用していている。年齢は分からないけど若そうに見えた。
マサト「は⋯始めまして、木原マサトです。今日からなのはちゃんと同じクラスメイトになりました。」
「!!そうなの⋯あなたが⋯」
マサト「?」
自己紹介すると、女性は軽く驚いた反応を見せた。それはマサトを知っているようなものだった。しかし、マサトは女性と初対面のはずである。
「ああ、ごめんなさいね?私は高町桃子、なのはの母親です」
マサト「えっ?⋯は、母親?」
母親と聞いてマサトはなのはと桃子を交互に見る。そして率直な感想を述べた。
マサト「てっきり若いからお姉さんかと思いました⋯」
桃子「あら?嬉しいこと言ってくれるわね?」
その感想に桃子は微笑み、手をマサトの頭に乗せて撫でていた。忍に撫でられた時もそうだが、少々恥ずかしい。
マサト「その⋯桃子さん、さっき驚いていた様でしたが何かあったんですか?」
先程、自己紹介した際の桃子の反応が気になり、マサトは質問してみる。
桃子「前になのはが、遅くまで帰ってこないことがあってね?帰ってきた時なのはが顔を赤くしていた事があったのよ。その時から、我儘を言うようになったの。
何があったのか気になって聞いてみたら、男の子に勇気をもらったって言ってね?名前を聞いたら、それがマサト君だったのよ」
なぜ知っている反応をしたのか、それは4年前に励ましたあの時、どうやら家に帰ったなのはがマサトの名前を教えたというものだった。
マサト「そっか⋯ちゃんと自分の気持ち、伝えられるようになったんだ⋯。」
桃子「だからお礼を言わせて。ありがとう、なのはを勇気付けてくれて。」
マサト「そ、そんな!気にしないで下さい」
そんな感じで話をしながら、マサトはなのは達の方へ視線を向けた。
3人の様子はというと、注文したケーキを食べながら談笑しているようだった。
その時、カウンターの方から何やらグサグサと突き刺さるような鋭い視線を感じた。
そちらへ目を向けると、高校生ぐらいの男性がマサトを睨みながら立っていたのだ。
マサト「も、桃子さん。そっちにいる男の人って⋯」
桃子「あら?恭弥、来ていたの?」
男性の名前は恭弥さんというらしい。さっきアリサちゃんが話してた、なのはちゃんのお兄さんのことかな?
恭弥と呼ばれた男性は、マサトを睨みながら近付く。
すると突然、木刀を振り下ろされた。
マサト「!?」
そんな事をされるとも思わなかったマサトは勿論避けることも出来ず、頭に木刀が直撃する。
ゴスッ!!!っという鈍い音が鳴り、頭に暖かいものが流れた。触れてみると、それは少量の血だった。
音が鳴った直後、なのは達はそちらへ視線を向ける。マサトの状態を見るなりすぐに駆け寄ってきた。
アリサ「マサト!?大丈夫!?」
すずか「マサト君!頭から血が!!」
マサト「だ、大丈夫⋯」
ふらふらと歩きながら、何故か店の外に出るマサト。
幾らか歩いた後、流石に限界が来たのか意識を手放し、倒れてしまった。
余談ではあるが、その一件で恭弥はなのはに嫌われてしまい、真っ白になってしまったとかなんとか。
マサト「⋯んあ?」
マサトの目が覚めた。すると、視界に入ったのは、自分にとってとても馴染みある場所であった。
マサト「ここは⋯玄関?」
そう、自分の家の玄関であった。無意識にここまで来たのかな⋯?
そう思いながらも、倒れている身体を起こし自身の状態を確認する。頭を触ってみると血は止まっていた。
ゼオライマー「大丈夫か?マスター。災難だったな」
ゼオライマーが声をかけてくる。
マサト「な、なんとか⋯。」
応答し、靴を脱いで中へ入っていくマサト。もう空は暗く、それなりの時間帯になっていたとは。夜ご飯やお風呂などを終え、自分の部屋に入る。ベッドへ寝そべり、徐々に眠気が出てきた。
今日も色々あったけど、なのはちゃん達と再会するなんて思っても居なかったな。しかも同じクラス。これからの日々が楽しみだなぁ〜⋯。
そんな思いにふけながら、やがて目を閉じ、眠りにつく。
同時刻、鳴海市に21の光が振り注ぐ。それはまるで流れ星のようだった。
そして、遂に”物語”は始まりを迎えようとしていた。
はい、と言うことで次回からいよいよ原作無印編が始まります。いつ投稿できるか分からないですが、頑張ります!!