今回はメアリーお嬢様の視点となります。
ちなみにメアリー様は、メアリー・トワイライトといいます。悪かったね!安直で!!
隣国はケルビンです、こっちも安直で悪いね!!
明るい陽が昇る頃。
草原を抜けた先にある
少し大きな街へと歩き出した。
石レンガで造られた大きな門。それに連なる外壁。
門の入口では、この街の衛兵と街へ入る商人、旅人、不浪人ばかりだ。
私達の格好はあまりにも目立つから、ここに来るまでの村で庶民らしいものを購入してきた。ただ、私達の髪色までは誤魔化せない。イアは、まだしも。私のは目立つ過ぎている。
それを心配した村人の人達が、フードをくれた。しかもイアの分まで。私達は商人として通ることにした。
「そこの女二人、通行証は。」
「ありません。ここの通行料は?」
「商人が銀貨2枚、旅人が銀貨3枚だ。」
「分かりました。」
イアはそう言うと、私と彼女の分、合計銀貨4枚を差し出し通行しようとする。けれど…。
「待て。その身なりで商人?商品はどこにある?」
当然だ。あからさまに手ぶらな2人組み。そう思うのも無理はない。目配せをしたら、イアは小さな袋から高価そうな小物を幾らか取り出した。
「これが売り物ですよ。満足しましたか?」
冷ややかな言葉、視線を衛兵に送る。
彼は引き攣った笑顔を見せながら、見送ってくれた。
「イア。今のは意地悪過ぎるわよ。」
「あれくらいには丁度いいんですよ。メアリー。」
ふい、とツンケンな態度を取られてしまった。
そういう所も可愛いんだけど。
「あ、メアリー、あれを。」
彼女が指を差す方向を見ると古物商のお店が。
2人で顔を併せて頷き。私が中へ。
イアには、この街の情報を集めて欲しい。
「店主、これを売れませんか?」
厳かな店主へ声を掛け。先程衛兵にみせた小物を全て。
「ほう、これらを何処で?」
「…知り合いの伝手で。」
「トワイライト家の紋章が入ったコレをか?」
しまった。その事を忘れていた。
盗賊が持ってた事に?いや、それは…。
「ま、何処が出処だろうと此処はそういう店だ。」
店主はぶっきらぼうにそういえば、金貨5枚と銀貨3枚を机の上に。流石に多すぎる…。良くて銀貨6枚だと思っていたのに。
「この小物の中に宝石が入ってたんでな。その分だ。」
まるで心を呼んだかのように、店主はそう言う。
それなら、と。有難くお金を革袋へしまい。一礼して店を出る。
情報収集をしているイアへの元へ。
「メアリー、どうでしたか。」
「意外と売れましたわ。それで、貴女は?」
「私の方は、これを。」
彼女はお屋敷にいた頃から得意だった手芸品を、自由に売り買いが出来るマーケットへと出店して稼いでいたらしい。
2人して、結構な路銀を稼げたと思う。
まず、必要なものを買わないと。
私達は自衛の手段が無いため、何とかしないと…。
「メアリーは武器を持たないように。」
「なんで!?」
「そういう危ない役目は私のですから。」
全くもってその通り…。今まで花よ蝶よと育てられた私と、守る為に育てられたイアでは練度が違う…。
渋々、武器は諦めた。
イアには護身用の短剣と、投げるためのナイフを買ったらしい。投げる…?ナイフを…??
「後は泊まる場所ですね、イア、お金はどのくらい残ってるかしら?」
「メアリーが売った調度品と、私の手芸品でかなり稼いだので…。銀貨23枚、何泊かは出来ますね。」
久しぶりのお布団…と言っても2日3日だけど。
「じゃあ、今日は早めに休みましょうね、イア。」
「そうですね、また明日から、頑張りましょう。」
2人して微笑み合う。楽しい時間が過ぎるのは一瞬だ。この子となら、幾らでも…一緒に過ごせる、そう確信できる。