《私》が生まれた時、〈私〉は絶望の渦の中にいた。
《私》が表に出た時《私》の頭の中は〈私〉を救うことでいっぱいだった。
《私》はお父さんと呼ばれるものやお母さんと呼ばれるものがいない星月夜に窓から、暗いアスファルトの上に立った。そこから《私》は人に会わないよう暗い物陰に隠れながら、なるべく遠く、遠くへと足を進めた。
遠い場所に移動しながら、物陰のゴミ箱を漁る。そんな生活も5日で終わった。警察に見つかったのだ。《私》の必死の抵抗も虚しく5分後捕まった。そしてあれよこれよと《私》と〈私〉は孤児院に入れられることになった。
そうして年月が経ち、《私》と〈私〉、《
《私》と〈私〉は同じ編入生の谷山麻衣と友達になった。麻衣は周りとコミュニケーションが苦手な〈私〉の言葉を待ってくれるし、冷たい《私》のフォローしてくれるいい子だ。
そんなこんなで、私達の日常はかねて平穏だ。
*
私、谷山麻衣高校一年生。私のクラスには変わった子がいる。
その子の名前は月居舞桜ちゃん。舞桜さんはおどおどしている時とかっこいい時がある。
おどおどした舞桜ちゃんは何もかもに怯えているみたいで会話をする時、あ、や、う、とよく言葉を詰まらせる。だけど穏やかで優しい子。
かっこいい舞桜ちゃんを見たのは舞桜ちゃんが珍しく学校に遅刻をした時だ。その時の担任の先生は朝機嫌が悪くって、さすがに怒り過ぎなんじゃないかと思うほどで、先生が違う事で怒り出した時。ずっと哀れなほどに震えていた舞桜ちゃんの雰囲気が変わり先生に強気な態度で言い返した。少し鋭くて冷たいけど、なんだかんだで優しい子なんだ。
*
とある日の放課後、〈私〉は美術部の活動が終わり家に帰ろうと、廊下を歩いていると麻衣と黒服の男性か話し込んでいた。〈私〉は黒服の男性に怯えながらも麻衣に話しかける。
「麻衣ちゃん、どう、したの?」
「あ、舞桜ちゃん!うーん実はね、この人の手伝いをする事になって」
「そう、なんだ……」
そうして〈私〉と麻衣が話し込んでいると、黒服の男性は不機嫌に言う。
「そろそろいいですか?早く調査をしたいのですが」
すると麻衣は〈私〉を見て何か閃いた顔をして黒服の男性にこう話した。
「そうだ!人手が足りないなら舞桜ちゃんにも手伝ってもらうのは?」
「人手が足りなくなったのは谷山さんが私の助手を怪我させからだが?そもそも彼女は力仕事が出来るのか?」
「怪我をさせたのはそうだけど、けど舞桜ちゃん結構力仕事出来るよ」
〈私〉はいつも助けてくれる麻衣が困っているし、いつもの恩返しが出来ると意気込み、〈私〉は勇気を出して黒服の男性に向かって言った。
「あの!わ、私、力仕事頑張ります!」
「ほら!舞桜ちゃんもこう言っているしね、ね、」
黒服の男性は私達を見てため息をついて言った。
「……わかった。ただしきっちり働いてもらうぞ」
そう言って、黒服の男性は旧校舎へ歩いていくのを〈私〉と麻衣はついていった。