黒歴史が追ってくる   作:かりん2022

4 / 4
黒歴史を俺も紡ぐぞ!

「俺に!? デジモンくれんの!?」

 

 五条の頬が紅潮する。五条の前に、光がスポットライトのように現れ、丸い生き物が現れた。

 

「エッグモーン!」

 

 五条は無事、次代の勇者に選ばれたのである。

 

「ハートモンはハートモンでしか倒せんからな。これは任務で、五条家も承知のことだ。頼んだぞ、悟」

「わかった。エッグモン! よろしくな!」

「さとる〜」

 

「よくわからないけど、君は次代の勇者なのかな? よろしくね、私は先代勇者の夏油傑だよ。こっちは繰屋 匠。聞きたい事はなんだって聞いていいよ」

 

 そこで、夏油は相棒の異変に気づく。

 

「たくみ」

「……嘘だ。マジカルダンサモン」

「俺は巧に嘘はつかねぇ」

「パパとママが僕のせいで死んだなんて……傑が傑のパパとママを殺したなんて……」

「え!? 巧、どういうこと!?」

「ここは未来なんだよ。20年後の未来なんだ。未来の勇者が過去の俺達を召喚したんだ。大人の俺達が犯罪者で腑抜けになってたから」

「えっ」

「えっ 俺は? 俺の未来は?」

「社畜」

「俺は犯罪者じゃねーのか。よかった」

「私、大人になりたくないよ。大人ってやっぱりどうしようもないんだね」

「大人に騙されたんだ。俺。大人を信じちゃいけなかったのに」

 

 じれたように、今代勇者は問いかける。

 

「それで、世界を救うのを手伝ってくれる?」

 

 三人は顔を見合わせ、頷いた。

 気になる事は山ほどあるが、今は世界の救済である。

 

「「「任せて!!!」」」

 

 そして、巧はプチモンを何度か進化させてさまざまな指示を出す。

 マジカル関係とはいえ、進化先を操り多彩な事をなすのがプチモンと巧のスペシャルな技能である。

 今代勇者、次期勇者、歴代勇者達は巧の指示に従い、結界を張るなどして精力的にハートモン達の世界を幻想世界に押し返し始めた。

 

 呪術師達は未だ気付いてない。

 勇者の任期は一年。悟は今期ではなく次期勇者なので、任期が終わるのは今から2年後。

 悟達が子供でいる期間もそうなる。

 

 そして、2年間、呪詛師が黙っていてくれるかというと、決してそうではないのだ。

 

 

 そして、今季勇者が負けた理由もまた聞いていない。

 

 今季勇者が負けた理由。

 それは、ハートモン達の争いとは全く別の所。

 ……ハロウィンでの仲間の死亡である。今代の勇者、その一人のみが逃がされた。

 

 いくら子供が世界を守っても、大人が世界を壊しては世話はない。

 

 今代の勇者の隠された目的は、大人達をも世界の救済に巻き込み、訳がわからぬまま失う未来を排除すること。見えない化け物の正体を看破すること。

 幸い、この騒ぎで、呪術師という容疑者達を発見できた。

 大人の問題も解決しなければ、世界の未来は存在しない。

 

 時駆ける勇者の、未来を勝ち取る戦いはまだ始まったばかりだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。