今の自分が自分であると証明できるであろうか?
私には過去の"自分"の記憶がある。所謂『前世』というオカルトじみた現象を突然体感している最中だ。
ただ白い空間…その中で映画を見るように私は過去を見せられている。―ー…酷くつまらない
平凡。その一言に尽きる人生だったのだろう。家族がいて、友達がいて、仕事も順調…その人物にとって普通の毎日。
―-その毎日が私を侵食していく―-
実に気に入らない。そして抗う術を私は持っていないのが私という存在に追い打ちをかけていく、自尊心も同時に傷つけられて不愉快さに拍車がかかる―ーーだが面白い知識だけは受け入れられる。
…人生は楽しく生きなければ面白くない…
『こんなものでいいかな。はは、マルチプレイになったらネタにされそう』
『性別:女 出身:アメリカ 名前:アルフォート・
♦
視界が暗転したかと思うと薬品の臭いだ。鼻で息を吸うと独特な刺激臭を感じる。瞼を開けると薬品だらけ、どこかの研究室のようだ。
状況を整理していると男性が入って来た。会って早々、嫌悪感を出しながら話しかけられる。
「何をしているアルフォート、お前には私の引継ぎを頼んだはずだが」
いや何の話だ、それよりお前は誰だ。そう考えるとコミカルな音を立てて男性の頭に▽マークが現れた。
『ブランドン・ベイリー』
始祖ウィルスの培養を成功させた人物だった。マジか、と思って顔を覗くとやつれているように感じた。
「凄い顔ですよ、目の下にクマもできてる。ちゃんと眠れてます?」
「眠れるだと…眠れるわけないだろう!ジェームス博士が死んだんだぞ... お前も内心嘲笑っているんだろう?無能な男のせいで始祖花を枯らしそうになったとな!言っておくが私やジェームス博士がいたから培養出来たんだ!あの無…ッとにかく引継ぎを終わらせる、その様子だと資料も読んでいないな。ウィルス以外興味なしか気狂い女が」
心配したらマジギレされた。それと
他人を上手く使うのも才能と本人も言っての通り、人を動かすのも一つの才能であり他の者に真似できない偉業として考えても良いと思う。
「引継ぎは終わりだ、お前の好きなウィルスでも何でも研究すればいい」
ブランドン・ベイリーはアンブレラ・アフリカ研究所の所長。ジェームス博士が死んだショックで自暴自棄的になりながらもアフリカ研究所が閉鎖されるまで勤めたはずの人物。その代役に主人公がなるらしい。
一方的に話して返事を返す前に行ってしまった。でもジェームス博士が死んでから時間が経っていない様子だ、意気消沈気味だが研究者として終わってないように見えた。
それよりもやっと本作メインシステム『ウィルス研究』ができると興奮気味である。
今作からの新システムで歴代バイオ作品のウィルスを開発・研究ができる。しかもオリジナルウィルスも調合次第でできる。研究をすることでポイントが手に入りスキルツリーを開放していく使用だが、今回は初回からポイントがカンストしてる。やろうと思えばこの時代にT・V・G・Cなどのウィルスから始まりウロボロス、特異菌など使用可能。
早速『T-ウィルス』にポイントを入れてスキル開放したら体が勝手に薬品を調合しだす!…パッとできないのか現実である。テストプレイなので大体のスキル開放しておく。
『材料が足りません』足りない材料:始祖花 or 太陽の階段(始祖ウィルス)
…まあそうか、何もない所から無理だよな。じゃあ早速貰いに行くか、ブランドンと話してから俺ずっと研究室の中から出てなかったな。マップも必要な物を考えると頭の中に浮かび上がる、違和感あるけど便利だ。
「アルフォート所長」
出た瞬間に主人公と同じぐらいの歳の女性が話しかけてきた。しかも赤ん坊を抱いてる、え噓でしょ!?ここどこか知ってますか悪の研究施設の一つですよ!▽マークが出る前に話しかけてしまった。
「貴方は?」
「アネット・バーキンです。この子が娘のシェリー... 始祖ウィルスの補充に来たのですが」
「ああなるほど、私も所長の引継ぎ直後でね。研究の為に始祖ウィルスを取りに行くが一緒に来るかい?」
「ご同行させて頂きます」
アネット・バーキンとかマジかよ。さっきから驚いてばかりだけど、ここアフリカだよ?よりにもよってそんな場所にシェリー連れてくるなよ。というよりアネット・バーキン若いな、公式で年齢不明だけどバイオ2の時のシェリーが12歳だから…ウィリアム博士とほぼ同じなら約26ぐらいかな?何だ主人公より年上じゃないか。それより何でいるんだ?
「赤ん坊を連れてくる場所じゃないと思うが」
「すいません、本当は夫に預けるべきなんですが...」
言い淀む理由、もしかして。
「タイラント」
「ご存じでしたか、ウィリアムはT-ウィルス計画を指導中でして」
「ウィルスの感染を恐れたと、旦那さんが?」
「いえ、私の意思で連れて来ました。ウィリアムはウィルスの研究で忙しいので」
タイラントとは言ったけど…本当はGの方の研究でしょ?ウィリアム博士は『G-ウィルスは私の生涯をかけた作品なんだ!』とか言ってたしG-ウィルスの方を優先したのかな?というか、この時期はまだ発見したばかりだったなG-ウィルス。サンプル欲しいな~
それにしてもシェリーちゃん可愛いね、2歳だって。ちょっと抱かせてもらったけど笑顔で手を伸ばしてくる いい子だわ~ 本当に生きていると感じられるよ。こんな場所にいるのが不釣り合い過ぎるけど。ゲームだし原作介入ポイントを作ってるんだろうけどね。
それとやっぱり今は1988年らしい。シェリーちゃんの年齢から逆算でわかったけど念のため聞いてみた。いきなり今何年ですか?と聞くと不審に思われるし、なので無難に最近流行ってる音楽知ってる?と聞くと『Get Outta My Dreams, Get into My Car 』と聞いてすぐ1988年とわかったよ、知らない人は知らないと思うけど。ラジオで流してたと…ウィリアム博士あんた良い趣味してるね。
研究所内を歩いていると研究中の社員たちをガラス越しに見れるので(こいつらがリッカーになるのかな)割と失礼な事を考えながら会話していたが施設に違和感がある。
バイオ5で閉鎖後に地下施設を改修?された
「そういえばアネット・バーキンさん。始祖ウィルスの補充は部下にやらせれば良かったのでは?そもそも培養できるはずですが」
「万が一を考えまして... 始祖花は環境変化に敏感で…瞬時に対応するには恥ずかしながら私共の部下では不安が残りました。培養もウィルスの特性で不安が残り完全に確立とはいいがたく...」
「始祖花を培養液で保管すればいいのでは?劣化もウィルスも抑えられるはずです...」
「!既に保存法を確立していましたか。後ほど教えて頂いても?」
まだこの時期だと培養できても一部の施設だけなのか?あのオレンジの培養液はまだできてなかったの?栽培の中心地がここなのに保存が不完全とかブランドンお前... まあいっか確かスキルにあったはずだしそれぐらい。
「いいですよ、今後とも良い関係を築きたいですね。シェリーちゃんとも仲良くしたいですし」
「ふふ、こちらとしてもありがたいです、今後ともよろしくお願いします」
…う~ん 何だろ何か隠してるような気がする。この時期だとG-ウィルスの原型をリサ・トレヴァーから発見とネメシス計画も同時期だっけ?マッドパパだね本当に、別研究所の計画にも関与してるし、助手のアネットさんも同類だなそういえば... なんだ皆マッドじゃないか!まともなのはシェリーちゃんと私だけか!
「それにしても噂も当てにならないですね」
「敬語はいいですよ?年下ですし... 噂とは?」
「貴方は研究以外どうでもいいと平気で周りの者達で実験するマッドだと聞いたわ。それにマーカス博士の推薦でここの研究員に、そのまま創設者のオズウェル・E・スペンサーから流れ作業のように所長推薦…噂に尾びれが付いたんでしょうね」
フラグ立ちました。はい新事実、俺はマッドだっただけじゃなくジェームス・マーカス博士とオズウェル・E・スペンサーから推薦貰うほどの過去あり。これゲームだと最後に追い詰められてウィルスで変貌するタイプのキャラ設定じゃん。
「私の過去を知ってるかい?」
「さあ、あなた自身に言うのは変だけど隠蔽されてたわ。どんな人物か知ろうとしてもアクセスできないのよね」
これは自分で過去を調べろ的な生涯ミッションかな?あ、そう考えたらミッションとして登録されたっぽい、ストーリー進めればわかるはずだしゆっくり調べるか。
さて、目的の場所である保管室。話にも出てきたが培養液でなく冷凍保存による方法らしい、確かにこれだと保存方法が不完全だな。とっとと保存方法を確立させよう、これから沢山ウィルスで遊ぶんだから!
それは良いとして、ブランドンいるんですけど。まあ所長を辞めただけだから研究所内にいても普通なのだが少し気まずい。何か知らんが序盤から嫌われてるっぽいし、俺が何か過去にやらかしたせいか?無難に話してみるかと思ったら相手から話しかけてきた。
「はぁはぁもう実験か新所長殿」
「それもあるけど貴方は実験しないのかい?あと大丈夫かい息切れしてるけど」
「クビだよハハ... お前がマーカス博士がお前をックソォォかゆいゲホォはぁはぁ、だがお前にだけはやられん!」
クビだったのかいぃぃ!と内心でツッコミをしているとブランドンが突然苦しみ出した。顔や手が裂け血が床に溢れていく。アネットさんがウィルス!と驚いている。マジかよ、よく見たらブランドンの足元に注射針があるし自分に使ったのか。組織作りとか数十年の暗躍はどうした?死ぬの早くない?
数秒後にはうめき声のような声を発するブランドンだった者が現れた。都合よくハンドガンが保管室手前の棚にあると頭にビジョンが浮かぶ、いや何であるんだ。それにしてもグロいな…あと何か知らんが自分が落ち着き過ぎてる気がする。これも仕様か?
すぐさまハンドガンを手に取る、アネットさんはシェリーちゃんと避難してもらうのと救援を呼んでもらった。数分もしないで警備兵が来るだろう。
ブランドンは変異はしていない普通のゾンビのようだ。ゆっくり動いてくるので狙いやすい、近づくにつれ腐敗臭確かp-キシレンだったっけ?微妙に甘い匂いがする。不快な臭いなのは変わらない、ウィルスでもう腐ったのかどうなのか、なんか腐敗早くない?まあいいか撃とう。変異されると厄介だ、頭部を徹底的に破壊しよう。
引き金を引く指に重さを感じる。だがそれは最初だけ、ガンッだったかバンッだったか…一発撃てばとても軽い。1発2発3発567…‥ハハ無限に撃てるのは良いものだ!
無限弾って楽しいな!撃つたびにマガジンに補充されてるっぽい。弾が出てるのに銃の重さが変わらないもん。撃つたびに反動で頭部以外の個所に当たってるけどリロードも必要ないみたいで30発ほど連続で撃っちゃった。表記上『ベレッタ 92』らしいけどマガジンに8発しか入らないっぽいから約3倍の量を撃てたね。ああ、直接血が当たらないように着てた白衣で顔とか覆って撃ったよ、始末した後に見たら真っ赤だね。
「アルフォート所長ご無事!うっ」
「無事ですよ。変異の可能性も考えて念入りに撃ちました」
「そう、ですか」
「警備兵さん達、それよりも保管してある物を運び出してください。予備の保管室ぐらいあるでしょ?ここ汚れちゃったし清掃しないとね」
アネットさんが警備兵を連れてきた、シェリーちゃんはどこかに預けたみたい。今のブランドンは顔付近が潰れたトマトみたいになってるからシェリーちゃんいなくて良かった~
警備兵諸君!早く運べよ、ウィルスは鮮度が命だぞおい!
俺の激励?に感化されたのか警備兵達が頑張って運んでる。ブランドンは…いいやこのまま保存だな、ウィルス感染者としてのサンプルにしよう。そう考えていると、アネットさんがブランドンを調べ始めた。
「…これだけの弾痕どこに弾が」
「私は普段から弾を持っているのさ。こういう事態の為にね」
そうやってマガジンから弾を見せつける。ハンドガン持ってなかったじゃん。のツッコミされてもすぐさまある場所に直行してたから問題なく言い訳できる。それより何かアネットさんから警戒されたっぽい。今回は仕方なくない?
「そう警戒しないでくれ。今回は仕方ないだろう?」
「私は対応に関しては間違っていないと思うわ。でも貴方、撃った事に対して何とも思っていないでしょ?それどころか楽しんでた... 違うかしら」
笑ってたとこ聞かれたか、そもそも数分も経たずに元同僚に30発打ち込む時点で警戒されるな普通。血が流れても ふ~ん だけで何も感じてないんだよね。一応重要人物のブランドンが死んでやっちまったなみたいな感情はあるけど。
「まあね」
「…そう」
その後、雑談で何とか互いに持ち直した。そして約束通り培養液の作成とその過程を伝えた。一度スキルを開放するとどう作るかがわかる仕様らしい。頭の中で感染したらどのような過程で二次感染するのか等、詳しく説明できるぐらいには理解した。
一通り話終えるとすぐに帰ってしまった。貴方の理論を試してみたいとか言われたけど、どう見ても警戒を解いてないんだよね。まあ仕方ない、今後の付き合い方次第でしょ。まあそれは置いておいて…
『T-ウィルスの調合を完了』
Tウィルスゲットだぜ!そしてこのウィルスで更に作成できる派生型、見つけてしまったゲーム限定『Tウィルス(完全版)』ウェスカーがあの超人になった専用のウィルスの完全版。抑制剤『PG67 A/W』もいらないで、常時、5のウェスカーみたいになれる!と表示されている。まあすぐさまスキル開放するよね、その過程で派生型ウィルスの作り方も理解できた。全部作りたいけど材料や施設設備の問題があってすぐには無理。
徐々に試していこう。ああそうだ、ブランドンが死んでから1時間ほど後に皆大好きかは知らないがスペンサーからメールが来た。
『前任の件は処理しておく、お前の今後の働きを期待している』
いやこれだけかよ。と思うけどあの疑り深いスペンサーがわざわざメールをだぞ?私は本当に何者なのやら。
まあ今日は良い時間だし今日はこれぐらいで…‥
…何か忘れてる?う~ん…‥あ、そっか何て大事な事を忘れてたんだ私は…‥
「私はアルフォート・
自分で自分を忘れるなんて器用な事をするね私は!まあいっか、未来の事も
私は楽しい人生を歩むんだからね!
そうだな、せっかく楽しい人生を歩むんだから目標を立てよう。私は何でもできるんだ、人生の終着点がないとね。まあ今後の動きは決めてるけど。
第一にアンブレラで遊ぶのは確定。その後は…自分だけの組織でも作るか?そして対をなす組織でも作らせて戦い続ける!…‥それだと原作の汚職組織共で十分だな。いっそのこと裏方に回る立ち振る舞いをしようか?・・・その場の状況で行動しよう!
とりあえず地位を得よう、話はそれからだ。今もアフリカ研究所の所長だけどさ、ぶっちゃけ軟禁状態と同じなんだよね。前所長ブランドンも生涯研究所が閉鎖されるまで軟禁状態だったぽいし、始祖花の価値を知ってたら当然の処置だと思うけどさ~嫌だよ飼い殺し。
早速私が作った培養液の量産をここのスタッフ達に命じた。自分で使うウィルスの為もあるけど私の価値をスペンサーにわからせる為の処置でもある。今後も適当に小出ししていけば側近レベルにするかもね、だって10数年規模で研究する計画だった物が数時間下手すれば数分で完成だもん。
でもね、誤算がいくつか出てきたの最悪の誤算…‥量産できるだけの設備がない+スタッフ達が培養液の有用性は理解できても配合する才能がない、正確には今までウィルス研究もとい始祖花の栽培が主だった連中では似てる分野だけど保存を主とした培養液の配合に瞬時に対応できていない、つまりノウハウがない。さらに言えば培養液の原料は今までの薬品配合で調合可能だが複雑らしく失敗する連中が多々いる。
くッ私が先を行きすぎてしまったのか。設備に関しては1988年頃だから未来知識がある私からしたら古臭いと感じる故に仕方ない思いもでる。しかしだ、スタッフの連中も一応優秀な研究者のはずなんだ、モブだけど始祖花の研究に携わってるんだからさ~それに何か怖がられてるし面倒なんだけど。
『この配合なんだけど間違ってないかい?』
『ヒッ申し訳ありません!すぐに作り直します』
『怖がらなくていい。大丈夫…安心してくれ、ゆっくりで良いんだよ?』
ちょっと注意しただけでこれだよ。大体のスタッフは私の事を恐れているけど一部の奴らは媚びを売る?私の技術を盗もうとしてる。まあそういう奴らと私みたいなガキを上司と認めない連中とかミックスなんだよここのスタッフ。今後の活動の為にも意識改革させないと…
「私が頑張るしかないか」
早速施設の改築依頼を工事長に依頼しにいった。未来で登場したワクチン精製機などがあれば便利だし、研究レベルも上がると良いこと尽くめだからね。
遺跡内を見て回るのも気分転換になるな。答えがわかっているのに自分だけでは駄目という、人生は上手くいかないから面白いとかいう奴らもいるが理解できん、ストレスしか理解できんぞ。
それはそれとして、歩いていて思ったんだが、ンディパヤ族も対外反則染みた技術を持ってたと思うんだ。太陽光を集めたビームとか、仕掛け扉に仕掛け罠、お前らインディージョーンズに出て来ても違和感ないぞ。未来でトライセルが保護を名目にしないで強引に排除しようとしたら相当苦しめられたと思うんだ。まあ、今はアンブレラが無理やり遺跡から追いやってるから矛先がこっち向いてるけど、いっそのこと技術者として上手く雇っちまえば天然要塞にしてくれるんじゃないかな?
バイオ5の『村の青年の日記』だとゴンドラをリカルド・アーヴィングが配備させて喜んだ的な様子が書かれていたけど…嘘だろ?これだけの技術があってゴンドラで喜ぶとか、それとも先祖が凄かっただけなのか?技術は失われている可能性もあるのか、実はトライセルが全部作りましたの可能性もありえる。
さて…施設防衛機能も考えるとしてこれから会う工事長の印象はねちっこい奴と私は思ってる。ブランドンが始祖花を栽培する過程で拡張工事を依頼したが地脈に変化が生じて危うく枯らしそうになった事件がある。その結果、現工事長の前任がクビになった。そのことを陰口しまくってたのが今の工事長なのだ。まあ仕事はまっとうしてくれるだろう…‥
「無理です」
その言葉を聞いて一瞬、無になったよ。工事長はジョン・カーシスという髭面のおっさんだったが難しい顔で言われたから意味がわからなかった。
「設計図も書いたじゃないか、その通りに作ってほしい」
「ワクチン精製機に関しては単純に部品がないです。設計図を見ても全て理解できたわけではないですが... 部品の多くが現状存在しないパーツばかりでして」
マジかよ
「それと施設の改築ですが…‥」
おいおいまさか
「こちらも無理です。地下施設を作る事は可能ではありますがご希望の規模となると20年ほどかかるかと」
ふざけんなお前2008年~2009年とか歴史通りになっちゃうじゃないか!違うか、原作基準だともっと早くできてないと可笑しいはずだ!
「ブランドンと違って遺跡内じゃなくて地下だぞ!」
「常識的に考えろ!こんな大規模地下施設を掘れる掘削技術あるわけない!仮にあったとしても所長の言う5年以内とか無茶です!」
アンブレラの技術なら5年で十分だろ!できてたじゃん未来で、トライセルが最終的にやったかもしれないけどそのノウハウは君が持ってるはずなんだ工事長!
「たかが10000mぐらいだろう!」
「ハンフォード・サイトよりも大規模でしょうが!しかも施設用の電気線に、水道管、ガスなどの設置も含めて5年は無茶です、それに遺跡が崩落しないような補強作業、そもそも遺跡の下を掘らせないでください…‥今後の掘削技術などが向上すれば可能かもしれませんが15いや20年はかかるかと」
言い方変えただけじゃねえかクソッ、それとさっきから敬語が崩れてるぞお前、私は所長だぞ舐めてんのか、やってやろうじゃねえかよこの野郎!
「君は言ったね掘削技術が向上すれば可能だと?」
「まあ掘るだけなら」
「電気・ガス・水道などの設置も手軽にできるだけの技術があれば可能なんだな?」
「いったい何を…どこへ行くんですか」
「必要だと思う物を準備してくる」
いいだろう。全部用意してやるよ…‥スペンサーがな!あの人のコネを使えば用意できるはずだ!
『離せ!』
「黙れクソガキ!」
メールをしに行こうとしたら手足を拘束された子どもに暴力を加える警備兵を見かけた…どうやらンディパヤ族の子どもを捕まえたようだ。あの部族特有のペイントはしてないようだが使えるかな?
「暴力は感心しないな」
「!…所長」
近くで見ると歳として…何歳だ?私より身長が小さい、16歳以下かな?顔だけで判断が難しいな。顔の高さを合わせて警戒心を解かせるようにゆっくり話す。殴られたか、蹴られたかは知らないが顔は膨れ、お腹ら辺がやや赤い。それでも泣き言一つ吐かないのは感心できる。骨は折れていないな、臓器も問題なし…
『大丈夫かい?私はアルフォート・
『!…バルト、13歳』
「いきなり槍を投げてくるような連中です。躾ですよ」
お前に聞いてねえよ。警備兵が馬鹿にするように発言してからバルド君はクソ野郎とか罵倒しだしたが、警備兵は言語を理解できていないようだ。仕方ない部分もあるが警備兵としているなら勉強しろと思う。
アフリカはアムハラ語、オロモ語、ソマリ語、ズールー語、アフリカーンス語、英語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語…それと部族特有の言語など多言語が地域ごとに使用される。まあ今回は関係ない、だってこの子英語を理解してるもん。ワザと部族言語を使用して言ってるだけと二人のやり取りを見ててすぐにわかった。そもそもここ、ナイジェリアだし主要言語は英語だからね。
それにしても…いい体してるね君。別に他意はないよ?その歳にしては筋肉質だな~と思っただけさ、それに精神面も良好ときた。それに比べて…
「この子に手当をする。手錠の鍵をくれるかい?」
「何を言ってるんですかこいつらはあの部族ですよ、この後に仲間の居場所を!―ー」
バルト君の顔を見ると…やはり言語を理解しているようだ。それにしても…この警備兵サディストかな?拷問のプロセスを語ってくるのだがお前がやりたいだけだろ。ンディパヤ族は成人することで青い戦士ペイントを塗って祭りごとをする、それまでに獣狩りなどに参加させたりするらしいが…我々の闘争に大人たちが巻き込むはずがない。
「どこでこの子を捕まえた?」
「遺跡の中心地辺りです。そいつは小さな槍を持って叫びながら来たので笑いましたよ」
どう見ても情報持ってないだろ。何だお前村に攻撃でもする気か?アホかお前意味もない厄ネタを作るなよ!あくまで遺跡内で襲ってくる奴らだけでいいんだよ、無駄に殺戮すればその分だけ情報が漏れるリスクが高まるだろうが!
「君の趣味にとやかく言わないが、この子は情報を持っていない。君のテクは相応しい奴らに披露してくれ」
そう伝えてバルド君と施設内に入って行く。警備兵は何とも言えない目でこちらを見ているが気にしない。バルド君は初めて見る機械類に興味津々のご様子、辺りを警戒しながらも興味深そうに見ている様は見ていて面白い。
『…何で助けた』
『君は我々の戦いに関係ないと思ったから』
私に対するこの子の警戒心は薄れているが、今だに鍵の奪取を目論んでいるのがわかる。安心してくれバルド君…‥
♦
大人たちが最近荒れている。
『奴らのせいで遺跡が!汚れた者達が来てから―ー』
『次はここから狙い撃つか―ー』
『ならここに―ー』
ご先祖様たちが作った遺跡、その遺跡に悪い奴らが侵略してきた。大人たちは酒を飲みながら話し合っている、でも子どもには一切教えない。直接聞いても苦笑いで答えてくれない…子どもが関わるべきじゃないと言うのだ。
(俺だってもう大人だ!)
親には狩りをしてくると伝えて出てきた。遺跡の方には行くなと言われた、でも悪い奴なら俺が倒す!そんな勢いで遺跡に入って悪い奴を見つけた。丁度一人で見回りをしているらしい、俺は槍を持って襲い掛かったけど…途中で怖くなった。今まで獣に向けていた槍を人に向けるのを…
…‥殴られた、蹴られた。同じ個所を狙って攻撃してくる。襲った奴は人の形をした化物だった、きっと油断させるために人の姿をしていると感じる程、笑いながらしつこく攻撃してくる。そんな時だった…
『大丈夫かい?私はアルフォート・
彼女は優しかった。敵である自分を見ても心配するように駆け寄ってくれて…顔やお腹を触って安心したように見えた。これでも鍛えている、クソ野郎の攻撃なんてへっちゃらだ!
それにクソ野郎から所長と言われて偉い人のようだった。彼女、アルフォートが奴に手当をしたいと言った時…恥ずかしいけどとても安心した。こんなクソ野郎のような奴と違って良い人だと。でも逃げなきゃいけない、アルフォートが優しくても他の奴は信用できない。
『何で手錠を外すんだ!』
彼女に連れられて施設の中に入ると見たこともない世界が広がっていた。綺麗な床に窓、何かを作っている人…チラチラと見ていると突然手錠を外された。
『だって手当の邪魔でしょ?』
襲われると思わないのか、怖くないのか…どうすればいいのかわからないでいると彼女は変わった。
違う、何と言えばいいのか…とても魅力的に映るのだ。目や口元の変化、今まで優しそうに微笑んでいた顔ではなく別の何かを含んだ笑顔になった、立ち振る舞いも様になっている。
その姿から目が離せない、本当にさっきまでの彼女なのかわからない。何故だろう…‥まるで母さんやお父さんに言われたような深い愛情に似た安心感を感じる。
『バルド君、恐れることはないんだよ 友達になろう』
殴られて腫れた部分を避けるように顔に触れられ、耳元でゆっくり優しく話しかけてくれた。
『と、ともだち?』
『そう友達…君は誤解している。君だけじゃない、部族の者達全員が』
『誤解?』
『本当に悪いのは今も戦う事を止めない者達さ。君をこんな目に合せた奴も含めてね…私の話を聞いてくれるかな?』
伸ばしてきた手を俺は…‥
♦
アネット・バーキンの日記
1988年☓月☓日
夫がGウィルスという未知の因子を発見した。NE-αプロトを寄生させたリサ・トレヴァーに改良型のTウィルスを投与したことで生まれた因子だと突き止める。T-ウィルス計画と同時進行で進めているがタイラントにはもう興味が薄れているように感じる。
その因子に私も興味があったが、アフリカ支部所長に就任となる アルフォート・S・レッド の事を調べる必要があった。始祖ウィルスの件もあるが相当やんちゃな小娘らしい、幹部養成所で実験と評して無能と判断した者を変異させたそうだ。
上手い事隠蔽されていたが、わかった事だけでもどんな人物か判断できる。試しではあるがシェリーを連れて行ってみる、もしかしたら円滑に話が進むかもしれない。どこかウィリアムに似ている気がしたから。
1988年☓月☓日
彼女は付き合っていく分には問題は起こらない人物。ややヒステリックの傾向にあるが刺激しない限り表面上には出ない、そして敵対した者には容赦をしない冷酷さが垣間見える。感染した前所長に対しての射撃、直接は見れなかったが銃声の間隔からリロードまでの時間があまりにも早くリロードをしていないのではとすら感じられた。彼女が使用した銃は装弾数8発、30発ほど撃ったと彼女は言ったこと及び銃痕を確認しておおよそ本当だろう。だとしたら彼女はリロードを最低でも4回行っていたという事実、彼女の技量がどれほどかわかる事件だった。
彼女と接する際はウィリアムだと刺激する可能性がある。基本的に私が会った方が良いだろう、それと人並みの感性は持っていた。シェリーの事を気に入ったようだ。定期的とはいかないが会わせた方が彼女と関係を結びやすくなり、シャリーにとっても良い繋がりになるだろう。
1988年☓月☓日
彼女はウィリアムと同等、もしかしたらそれ以上かもしれない。彼女から教えられた培養液、あれは画期的だった。いや画期的過ぎた、始祖ウィルス強いてはそれから派生したTウィルス、変異したB.O.Wでさえ含めて細胞劣化・変異を抑える働きがあった。ありえない代物を隠す事でも無いように私に伝えた彼女は何を考えているのか、利益を求めないのだろうか。アフリカ支部で既に量産を開始しているようだが、これだけの成果を何とも思っていない彼女に戦慄を覚えざる得ない。
ウィリアムも培養液の有用性を認めてはいるようだが、彼女に対し対抗心が芽生えたようだ。良い方向に進んでくれるといいのだけれど無理ね。アレクシア・アシュフォードの時も南極研究所の主任になってから死ぬまで無駄な被験者が増えてたと今でも記憶に残っている。16歳で主任研究員という肩書がウィリアムと被ってしまったのを気にしているのだろう。直接会わせてみるのも検討した方が良いだろうか?
1988年☓月☓日
最近になって施設設備の拡張を含めたアップグレードが頻繁に行われている。それとアンブレラが重機機械や精密機器の開発に力を注いでいるようだ。数多の分野に手を伸ばしているアンブレラなら違和感を覚えるほどではないが彼女が絡んでいるだろう。
「アルフォート、貴方は万能の天才にでもなるつもりかしら」
アルフォート・S・レッド。彼女と交流を持ったことは科学者として尊敬と嫉妬、後は好奇心に苛まれる日々を約束されるだろう。彼女はまるで当たり前であると言わんばかりに何かを聞けば答えを伝えてくれるのだ。最近だとウィリアムが作りだした
…彼女と話すと研究は進むが無力感だろうか、彼女がいれば全て上手くいくと考えてしまう。科学の進歩なんて9割の失敗した上で1割の成功が世に広まるものだ、本来は。こうも1年以内にハイペースでウィルスから始まって施設設備が目移りするなんて本来ありえないのだ。彼女は遺伝子工学だけじゃなく全ての分野に精通している。これが才能の差なのだろうか、ここまで差がわかると拍手もできそうだ。ウィリアムは無理そうだが。
ウィリアムの機嫌が
それと被験者の数も予想通り増加した。上から苦言を受けているが直接的には干渉されない。良くも悪くもウィリアムが優秀だからだが…引き合いに彼女を出してきて彼女がいかに最小限の資源で成果を出したかを言われる。そして機嫌が悪くなり実験の頻度が増えるの悪循環。B.O.W.のデータが溜まっていくのは上層部もわかっている故の苦言なのだから人が悪い。
「こんな時に爆弾を送ってくるなんて」
彼女の自作だというT-ウィルス…のようなサンプルが届いた。本来のT-ウィルスは緑色に近いはずなのだが、
アフリカ研究所で量産・実験に使用しているそうだ。手紙も同封されてわかりやすく常識を破壊する説明書きがあった。
『始祖ウィルスを
「豆腐シェイクでも飲みましょう」
私はストロベリーとバナナを合わせた甘酸っぱいのが好み。最近アメリカでブームになっている健康食品でありながら美味しい飲み物。冷やしておいたものを注ぎ一気に飲み干す…
口の中で大豆ポリフェノールを感じる。喉を通り、胃に到達するまでにあらゆる身体的毒素をデトックスされていく感覚に陥る。
〝これが豆腐の力〟
彼女から送られてきた爆弾でウィリアムが確実に爆発する。
『始祖ウィルスを使わないでT-ウィルスを作ってみました。…‥植物のB.O.W.を作る予定なので何か植物を送ってくれませんか?それで作ってみます!』
大量の大豆を送ってあげた。
見てくれてありがとうございます。