ちなみにこの作品は東方メインにするつもりですが時々呪術廻戦側の描写もあります。
「んで、気が付いたらここにいたって訳さ。」
あれから五条悟に着いていくと伊地知さんというめちゃくちゃ不憫なキャラが車で待機していた。
そのまま何処かへ連れてこられた訳だが、恐らく呪術高専だろう。
「へぇ……じゃあ君はあの両面宿儺と互角の戦いを繰り広げた訳だ。」
互角……いや互角では無かったな。邪魔が無くても火力不足で負けていた気がする。
式神を召喚する隙が無かったからな。せめて体力が残ってる内に何としても魔虚羅を召喚するべきだった。
「残念ながら、あれを互角と言える程プライドを捨てた覚えは無いね。」
「まあそこはいいさ、問題は君が平安時代から来たって事だ。」
ここは現代。話を聞く限りだと宿儺は既に受肉している様に聞こえる。百鬼夜行後だろうか?
「よく分からんけど、別の時代なのは理解したよ。俺の存在が公には出来ないという事もな。」
「いやぁ、理解が早くて助かるよ。今はやる事が多くてさ、本当は君に構ってる暇は無いんだ。上の指示で仕方なく動いてんのよ。」
やる事か……やっぱり教師としての仕事だろうか?とりあえず、渋谷事変がまだなら俺にも出来る事は多くある。
「五条悟……一つ聞きたいんだが、今は何年の何月だ?」
「っ!君、やっぱり現代の知識があるね。今は2018年の10月28日だよ。」
……は?それは流石に無理があるだろ。いっその事五条悟に全て話すか?……俺は僅かに逡巡しながらも結局は話す事に決めた。
「聞け、五条悟。信じるか信じないかはお前に任せるが、今から3日後に大規模な呪術テロが起こる。」
「……嘘じゃないみたいだね。いいよ、続けて。」
「お前は羂索という夏油傑の肉体を乗っ取った術師に特級呪物、獄門疆によって封印される。」
「は?傑の肉体……っ、そういう事か。俺の行動が裏目に出たか。」
「続けていいか?」
「……ごめん、続けて。」
五条悟は眉間を揉みながら話の続きを促した。
「その後は色々あるが、まずお前の知り合いは殆ど死ぬ。その後宿儺が復活し、お前を殺す。」
本当は俺が裏で手を回すのが最適なんだろうが、流石に時間が足りなさ過ぎる。
「そうか……で、何で君はそんな事知ってる訳?」
五条悟は目隠しを取り、真剣な目でこちらを見詰めながら問いを投げた。
「知ってるのさ、この世界の未来を。詳細は話せないが嘘は無い。何なら縛りでも結ぼうか?」
「……嘘が無いのは見りゃあ分かるさ、僕の目は特別製だからね。でも……はぁ。」
まあ、同情はするさ。だが俺は一人だと何も出来ない。まず出歩けないからな。
「まず獄門疆の特徴を教えておこう。見た目は賽子の様な立方体だ。獄門疆の半径4m内に対象を留め、対象の脳内時間で一分が経過すると封印される。」
ここまで教えておけば、こいつなら何とかしてくれる筈。
「後は宿儺だな。まず言っておくが、宿儺の攻撃は全て避けろ。覚醒した宿儺の術式はお前の無下限でも防げない。」
「……簡単に言ってくれるね。相手は歴代史上最強の呪術師だよ?」
「だがお前も最強なんだろう?頼むから負けてくれるなよ。」
これで負けたなら、もはや俺にはどうしようも無い。俺も宿儺には勝てなかった訳だしな。
五条悟と共闘するにしても、そうすると俺が邪魔で五条悟が本気を出せなくなる。
「……勝つさ。まあ、何にせよ情報には感謝しとくよ。」
さて、他に俺にやれる事はもう無い。てかこんだけ情報を提供したんだから衣食住の用意くらいして貰いたいね。
「とりあえず寝かしてくれ。宿儺と戦ってからずっと身体がだるいんだ。」
てか、今更だがなんで反転術式も使ってないのに肉体が回復してるんだ?そういえば死ぬ瞬間何処かに落ちるような感覚が……
「とりあえず、そこを曲がるとすぐ部屋があるからそこのベッドを借りといて。持ち主には後で言っとくから。」
「はいよー。」
……ここか。てかこれ虎杖の部屋じゃねえか。ポスターで丸わかりだよ。
そんな事を考えながらも、身体は限界だったのか、ベッドに着く前に倒れ込んでしまった。そのまま俺は意識を失った。
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「ここ何処だよ。」
目が覚めると、そこは地底世界でした。
もういいよ、このくだり。何回やったよ。目が覚める度に何処か知らない場所に飛ばすのはやめて欲しいんだが。
この世界に神が居るんだとしたら顔面を三発は殴ってやらないと気が済まない。
「おい坊主。お前もしかして人間か?」
……どう見ても角が生えてるんだが。お前こそ明らかに人間じゃねえだろ。
「生憎と、もう三度目の生だが俺はずっと人間だよ。」
「三度目の生?よく分からんが、ここに居るって事は何かやらかしたんだろ?何をやったんだ?」
何をやったか?……俺生まれてからやった事何も無くね?化け物に殺されて、宿儺に殺されて……
ほんと碌でもない人生だったな。
まあ俺の行動で生き延びた人間が数人くらい居るだろ。
「何にもしてねぇよ。むしろ善行を積んでたさ。」
「はっ!善行なんか積んで何になる?生きたいように生きなきゃ勿体ないだろうが。」
俺もそう思うが、既に死んでる筈なのに弟の縛りは未だに有効みたいだしな。
「そういう約束をしちまったんだよ。弟とな。破る訳にはいかねぇんだ。」
「ほう。いい心掛けじゃねえか。そうだよな、約束は守らねぇとな。よし、気に入った。お前俺と喧嘩しねえか?」
何でだよ。何もかも唐突過ぎるだろ。そもそも何で気に入った相手と喧嘩するんだよ。
「悪いが、お前じゃ相手にならねぇよ。」
「あ?」
コイツにもプライドはあるんだろうが、それは俺も同じ事。
「こちとらさっきまで呪いの王と殺し合ってたんだ。悪いが手加減出来ないぞ?」
「呪いの王……まあいい。それが嘘じゃねえ事を証明してみな。」
そういうと鬼の様な大男は拳を振り上げて殴り掛かってくるが、遅い。
俺は身体を半身にして避けると、空ぶった相手の腕を取って足を払い、地面に叩き付ける。
「おいおい、やるじゃねえか!」
割と本気で叩き付けたんだが、ピンピンしている。
「はぁ。俺は今寝起きなんだよ。少しは休ましてくれよ。」
俺は次で決めようと呪力による身体強化で肉体を強化し、起き上がってくる男の背後を取って奴の左足を蹴り飛ばす。
男の片足は吹き飛んだ。
「ほら、もう決着は着いただろ?俺の勝ちでいいじゃんか。」
「何を言ってんだ!まだまだこれからじゃねぇか!」
なんで片足を飛ばされてテンションが上がるんだよ。理解出来ないな。……なんてことを思っていると男は瞬く間に左足を再生した。
反転術式か?この見た目で?そんな器用な事が出来るようには見えなかったんだがな。
「ほら、もう治った!続きだ!続きをしよう!早く!」
熱苦しいな。こういうタイプは苦手なんだよ。
「俺はもう疲れたんだ。式神でも相手しててくれ。」
俺は片手の薬指と中指の間を広げてもう片方の手を重ね、両親指を耳に見立てる。
「玉犬・渾。」
作中で伏黒が玉犬を破壊されたように、俺の場合は黒が最初に破壊されたので、白に力を継承させた。
「なんだぁ?っておい!待てよ!」
俺は玉犬に全てを任せると、大男を無視して人外塗れの道を歩く。
「……俺ってもしかして運無さすぎ?」
化け物に殺され、宿儺に殺され、またもや人外に絡まれる。俺は自身の不運さを呪うのだった。