また正義の味方に   作:みりんはお酒

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第11話です。


実行

 作戦実行の日の朝。

 最終確認がおこなわれ、各自が行動に移した。

 

 

 「ヤン、切嗣。荷物はまとまった?」

 

 「もちろん」

 

 「大丈夫」

 

 

 ブレイクの問いかけにヤンと切嗣が答えた。

 切嗣はキャリコM700とトンプソン・コンデンダーを持っていく。

 狙撃銃も持っていこうと考えたが、重量があるためルビー達が持っていくことになった。

 

 そうして、各自移動を開始した。

 

----------------------

 

 ヤンとブレイクはバイクに乗り、切嗣は以前アーガスに行くときに使った荷台のようなものに乗っている。

 目的地まで木々の中を走っている。

 

 

 「ねぇ、切嗣。アダムを倒したら、どうするの?」

 

 

 ブレイクに聞かれたが、すぐに答えることはできなかった。

 

 

 「もしやることがないなら、私たちと行かない?」

 

 

 ヤンの提案にもすぐうなずくことができなかった。

 

 

 「そうだな、考えたこともなかったな」

 「でもそうだな、旅でもしようかな」

 

 

 おそらく切嗣はアダムを殺したらそうするだろう。

 だが、一度死んだ身のため、役目を終えたらこの世からいなくなることになりそうな気がした。

 

 

 「うちらと行こうよ」

 「きっと楽しいよ」

 「あと強いんだし」

 

 

 ヤンが積極的に誘ってきた。

 おそらく本心から言っているのだろう。

 なんか嫉妬のような視線を感じるのは気のせいだろうか。

 

 

 「なにかするなら、武器を買い替えたいかな」

 「もしかすると性能のいい武器が見つかるかもしれないからね」

 

 「変形する武器でも使ってみたらどうかな?」

 「持ち運びも今よりも楽になるよ」

 

 

 変形する武器か。

 ブレイクのは刀と銃に切り替えられるし

 ヤンのは、あれはよくわからない。

 意外とありなのかもしれない

 

 

 「検討しとくよ」

 

 

 こうして無駄話をしながら待機場所に着いた。

 ここからはヤンはバイクのもとに残り、切嗣とブレイクで行くことになる。

 

 

 「絶対成功させてよね」

 

 「もちろんよ」

 

 

 ヤンとブレイクが言葉を交わした後、森の中に消えていった。

 目標は森の中にあるレーダーであり、そこを破壊すれば飛行艇が計画外のルートを進んだとしても気付くのを遅らせることができる。

 その間に全員が乗り込み、レーダーの範囲外に逃げれば、作戦成功となる。

 

 

 「ねぇ、切嗣」

 「出会ってからいろいろあったよね」

 

 「そうだね」

 「人集めに賛同したのが最初かな?」

 

 

 切嗣とブレイクは思い出話をしながら目的地に向かった。

 

 

 「あのときは驚いたわ」

 「まさかファウナス以外が協力するとはね」

 

 「あのときはね、こうしたほうがいいかなと思ったんだよ」

 

 

 今更ながらブレイクとアダムの調査のためとは言えない。

 本当のことを言えば最悪敵とみなされるかもしれない。

 

 

 「最初は疑問しかなかったのよ」

 「あなたのことなど何も知らないし」

 「でも、私たちを助けてくれた」

 「そこは感謝しているのよ」

 

 「こっちも宿や食事も提供してくれたんだし、感謝しかないよ」

 「あそこでの体験は刺激的だったよ」

 「まさか銃弾をはじかれるとは思っていなかったし」

 

 「あれはしょうがないよ」

 

 

 話題はヘイブンのときの話に変わった。

 

 「ヘイブンでは突然の行動に驚いたわ」

 「アダムを殺そうとするんだもの」

 

 「それが目的だからね

 「そのために近づいたし」

 「終わり次第すぐに離れるよ」

 

 実際、アダム殺害後は離れる予定であった。

 自分の処遇がどうなるか不明なのだから当然。

 

 

 「切嗣、本当に私たちに協力しない?」

 「出会いはどうであれ、あなたの力が必要なの」

 「ヤンもそう言っていたし」

 

 

 しかし、それはできない相談であった

 

 

 「申し訳ないが、それはできないと思う」

 「一度死んだ人間だ。」

 「いつまでもつかもわからない」

 

 「そう。残念だわ」

 

 

 そう話していると、目的地に着いた。

 

 

 「切嗣は周りの警戒をお願いね」

 「私はレーダーの破壊をするわ」

 

 「了解した」

 

 

 そうしてお互いが離れた。

 ブレイクが周りにいる警備を倒しながら進んでいるのがわかる。

 ブレイクが下から着実に倒してくる。

 と同時に上からも倒している。

 だが、その動きに違和感があった。

 2か所で攻撃?

 銃声はしていない。

 切嗣はヤンに連絡を取った

 

 『ヤン、ブレイクは銃なしで遠距離攻撃はできる?』

 

 『できないと思う』

 『私もルビー達に連絡したらすぐそっちに向かうから切嗣はブレイクの援護に向かって』

 

 

 いわれるまでもなく、切嗣は近づいていた。

 見ると、アダムとブレイクが戦闘しているのが見えた

 そしてそのまま森の中へ消えていった。

 

 

 『ヤン。ブレイクが森の中に消えた』

 『レーダーの破壊を頼めるかい?』

 

 『了解』

 

 

 そうして切嗣はブレイクを追った。

 

 

----------------------

 ブレイクは木々を利用して逃げていた。

 しかし、アダムはそれを逃がさんと追いかけていた。

 

 

 「アダム、もう私たちに関わらないで!」

 

 「うるさい!裏切者に成敗を下すまで追いかけるぞ」

 

 

 こうして逃げ続けていたが、開けたところでついに追い詰められた。

 滝壺の上に石でできた橋があり、その橋には手すりなどは存在していなかった。

 

 

 「もう逃げられないぞ、ブレイク」

 「お前は私に勝てない」

 「前も勝てなかったな」

 

 「そうよ」

 「でも今回は勝つわよ」

 

 

 そうして戦闘が始まった。

 アダムが切りかかろうとするところにブレイクが刀で防御。

 その後ブレイクは距離をとり銃撃をした。

 それをアダムは刀で弾き、距離を詰める。

 それを見たブレイクは横に移動し、アダムの横をとる。

 そのまま武器をアダムの脇腹に突き刺そうとする。

 アダムは後ろに飛んで回避した。

 

 

 そのまま第三者の銃撃が聞こえた。

 切嗣が射撃をしたのだ。

 

 

 「切嗣!?」

 

 

 驚きはしたが、流石に気づかれたのだろう。

 納得したような感じがした。

 

 

 「邪魔ものが!」

 「お前から殺す!!」

 

 

 アダムは切嗣との距離を詰める。

 切嗣はキャリコM700で距離を保とうとする。

 それをアダムは銃弾をはじきながら強引に距離を詰めた。

 下から上への斬撃。

 速い。

 

 

 「タイムアルター・ダブルアクセル!」

 

 

 切嗣がセンブランスを発動させると、斬撃を回避。

 そのまま後ろにとんでナイフを投擲した。

 それを交わしたアダムの後ろからブレイクが攻撃してきた。

 それをアダムが大きく回避した。

 そのままブレイクに反撃。

 右ストレートがきれいに決まり、ブレイクが後ろに吹き飛ばされた。

 それを見た切嗣は射撃を続けた。

 

 

 「お前、もしやヘイブンで攻撃してきたやつか?」

 「そうかお前か」

 「邪魔をするな!!」

 

 

 切嗣はナイフに持ち替え、近接戦闘の準備をした。

 アダムの斬撃をナイフ一本でしのぎ、顔へ攻撃した。

 切嗣の攻撃はアダムの頬をかすめた。

 

 

 「すごい。あのアダムをナイフ一本で」

 

 

 ブレイクが切嗣の強さを再確認していると、重要なことを思い出した。

 

 

 「切嗣!」

 「アダムは受けた攻撃を刀に集めることができるの」

 「それを放出して攻撃することもできるわ」

 

 

 なんだそれは。

 こっちからうかつに攻撃できないじゃないか。

 

 

 切嗣はその報告を受け、攻撃を最小限にした。

 だが、どんなに攻撃しても倒れる気配がない。

 ブレイクも同様であった。

 

 

 そんななか、アダムのセンブランスが発動した。

 うまく空振りさせたが、その衝撃波で切嗣は橋から落ちそうになり、今は片手で支えている状態になった。

 ブレイクも吹き飛ばされ、アダムに上に乗られた。

 

 

 「ブレイク、ようやく二人きりになれたな」

 「だがその時間もすぐに終わることだろう」

 

 

 ブレイクは何とか脱出しようとしたが、できなかった。

 しかし、なにかが聞こえた。

 切嗣が武器を滝に落とす音?

 切嗣が橋の上に戻るときの音?

 違う。

 バイクの音だ。

 

 

 「さようなら、ブレイク」

 「楽しかったよ」

 

 

 アダムがとどめを刺そうとした瞬間、上からヤンが突っ込んできた。

 バイク諸共。

 

 

 「ヤン!」

 

 

 ブレイクは嬉しそうだ。

 このタイミングで切嗣が橋の上に戻ってきた。

 

 

 「切嗣。手を出さないでもらってもいい?」

 

 ヤンが提案してきた。

 切嗣としてはこの絶好の機会を逃す気はない。

 

 

 「ダメだ。3人でやる」

 

 「私からもお願い」

 「これは乗り越えなければいけないの」

 

 

 今切嗣はキャリコM700を失い、トンプソン・コンテンダーとナイフしかない。

 その状態でアダムに勝てるかといえば正直怪しい。

 だが、提案を飲めば、こちらがフリーになるかもしれない。

 

 

 「了解」

 

 

 切嗣は少し離れたところにいることにした。

 

 

 それを見たアダムがヤンに突っ込んできた。

 それをヤンが迎撃。

 打ち合いのあと、ブレイクがカバーに来た。

 それをアダムが返した。

 その隙を狙ってヤンが右ストレートを腹にあてた。

 アダムは何とかクリーンヒットは免れたが、強引に反撃した。

 それをブレイクが止めようとしたが、吹き飛ばされた。

 ブレイクは滝の横の崖にぶつかり、ちょっとした段差に乗った。

 ブレイクの武器は橋の上に残ったままになった。

 

 

 「ブレイク!」

 

 

 そっちに気を取られたヤンは前からセンブランスで攻撃するアダムに気付けなかった。

 アダムの渾身の攻撃。

 斬撃が可視化された状態で襲い掛かる。

 ヤンは防御を選択。

 橋の端まで飛ばされたが、なんとか耐えた。

 アダムは驚きを隠せなかった。

 

 

 「アダム、ここから離れて」

 「もう私たちに関わらないで」

 

 

 アダムはその提案を飲もうかどうか一瞬頭をよぎった。

 しかし、ヤンの手が震えていることに気付いた。

 

 

 「もう少しましな提案をしたらどうだい?」

 「やっぱ怖いんじゃないか」

 

 

 見透かされたことに悔やむしかなかった。

 

 

 「そういやお前、切嗣というのか」

 「宣言通り手を出していないことには感謝する」

  

 

 そういってアダムはヤンに襲い掛かった。

 アダムの斬撃は激しさを増していき、切嗣も介入のタイミングを伺っていた。

 だが、斬撃が止まった。

 ヤンがアダムの刀を片手で受け止めたのだ。

 さらにヤンの髪が黄金に輝いていた。

 

 

 「捕まえた」

 

 

 そう言い、センブランスの効果で威力が上乗せされた左ストレートを食らわせ、そのまま武器を滝つぼに捨てた。

 アダムは急いでその武器を取ろうとしたが、失敗した。

 そのまま上がってきたブレイクにアッパーをくらい、のけぞった。

 アダムとブレイクがお互いに立った時、両社の間にブレイクの武器があった。

 お互いにその武器めがけて突っ込んできた。

 ヤンもカバーのために突っ込んできた。

 

 武器はブレイクの手に渡った。

 そのままアダムの腹を刺し、ヤンは背中から思いっきり殴った。

 

 

 ブレイクが刀を抜くと、アダムは滝のほうへ歩いていき、そのまま落ちていった。

 その時を狙って、切嗣は射撃をし、アダムの頭を吹っ飛ばせた。

 

 

 すべてが終わった。

 切嗣の役目も、

 ブレイクの過去も

 

 ブレイクは下に落ちるアダムを見届けた後、泣き崩れた。

 元々仲間だったからだろう。

 昔を思い出しているからだろう。

 彼を救えなかったからだろう。

 とにかく泣き、ヤンがそばで座っていた。

 

 

 「どうやらお別れの時間のようだ」

 

 

 ブレイクが泣きやんだ頃、切嗣が切り出した。

 

 

 「ここに旧世代の人間が2人消える」

 「ここからは新時代だ」

 「僕は恒久的平和を成し遂げられなかったが、叶えてほしい」

 「ありがとう、さようなら」

 

 「ああ、さようなら」

 「さようなら」

 

 

 ヤンとブレイクは最後にそう言った。

 

 

 そうして切嗣は消えていった。

 ヤンとブレイクはそのまま感傷に浸る時間がないと思い、即座に走り出した。

 泣き目にはなっているが。

 

 

 「行こう」

 

 

 ヤンが手を差し伸べ、ブレイクが掴んだ。

 

 

 きっと切嗣以上に地獄を見ることになるだろう。

 その純粋な志がいつまでもつだろう。

 だが、諦める気はないらしい。




 終わりましたね。
 話の途中に違う作品を入れたりしてたんですが気づきました?
 正直少し変えているのでわかりずらいと思います。
 もしこのあと続けるなら入れようか迷っていたネタ系でもいれようかと思います。
 そんときは番外編となるかな?
 ということで、ここまで読んでいただきありがとうございました!!
 もし興味を持ったならRWBYとFate/Zeroをご視聴ください。
 本当にありがとうございました!
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