「あーーーー!」
突然、ノーラと呼ばれている女の子が朝から大声を出してきた。
寝起きの頭にはなかなかきついものである。
そのことは他の人らも同じようであった。
「うるさいよ、ノーラ」
「うるさいですよ、ノーラ」
なんとか眠い目をあけて反応できたのはルビーとレンだけであった。
「まだ、切嗣に自己紹介してないじゃない!」
なるほど、そんなことか。
たしかにされていないが、名前は大体覚えている。たぶん
「それもいいけど、朝ご飯食べてからにしない?」
ブレイクの提案に態度だけでその場にいた全員が賛成し、準備を始めた。
その後、朝ご飯も終わり、宿の広間のところに全員が集まった。
「じゃあ、私から」
そう言って立ち上がったのは黒を基本として赤い装飾、薔薇をあしらったブローチを着飾っている少女であった。
「私はルビー・ローズ」
「武器はこの通り鎌で、センブランスは高速移動」
「鎌は銃にも変化するよ」
実際にここでやって見せてもらった。しかし、まったく仕組みが理解できない。なんだあれは。
次に立ち上がったのはブロンドの長髪で、右手が黄色の義手となっている少女であった。
「私はヤン・シャオロン」
「武器は腕についているこれで、殴ったり、銃撃したりして戦っている」
「センブランスはもらった攻撃で自身を強化して殴りに行く」
なかなか物騒なものであった。
実際、性格からして攻撃的な感じであったし、想定内で会った。
失礼なことを考えているからか、にらまれたようなきがするが。
ゆっくり立ち上がってきたのは、白が似合う少女であった。
「わたくしはワイス・シュニ―」
「シュニ―ダストカンパニーのところですわ」
「武器はこのレイピアで、センブランスはグリムを操ることなどですわ」
そのレイピアもどうせ何か仕掛けがあるんだろう。
あとグリムを扱えるのか?氷に関係あるのか?
そうして、自己紹介が全員分終わるまで続いた。
金髪で剣と盾を装備しているのはショーン・アーク。
センブランスはオーラを増幅させることらしい。
本人はよくわかっていないらしいけど
ハンマーとグレネードランチャーのどちらにも変形できる武器を持っているのがノーラ・ヴァルキリー。
反動で飛ぶとかどうとか言っているが、正直意味不明であった。
緑の服装で前髪が長い青年がレンであった。二丁拳銃で、どちらの銃にも刃物がついている。
センブランスは存在感を消すことらしい。
まだ幼さが残り、そばかすがある少年がオスカー。
正直この年齢で戦いに参加しているのが謎である。
最後に一人だけ中年男性で、保護者役だと思われる人がクロウ・ブラウンウェル。
武器は剣や鎌、銃に変化できるものであり、センブランスについては言及がなかった。
ブレイクは切嗣と初対面ではないため割愛とさせていただく。
「はい、切嗣の番だよ」
ルビーに提案され、簡単に自己紹介することになった。
この世界の知識がまだ不完全であるため、当たり障りのない答えをしようと思う。
「僕は衛宮きり…」
ここで突然、ベルがなった。
全員警戒態勢となり、身構えた。
切嗣は正直、ここまで学生でもできるのかと関心を覚えるほどであった。
クロウが代表して開けてみると、そこには銀髪の女性がいた。
「切嗣はいるかしら?」
切嗣からしてみれば、聞きなれた声。
だが、その存在は消えているはず。
頭の中が混乱していた。
その存在が道を歩くように自然に部屋の中に入り、みんなの前に立った。
「初めまして。私はアイリスフィール・フォン・アインツベルン」
「の記憶よ。」
「前は切嗣の嫁をやっていたわ」
明らかに他の人らは衝撃を受けていた。
そんなことを気にせず、話を続けていた。
切嗣は信じられなさそうな感じであった。
「自己紹介してたの」
「じゃあ、切嗣の最初から見せてあげる」
その意味を切嗣は理解した。
ダメだ。
この人らに自分の過去を見せてはいけない。
刺激が強すぎる。
「…」
声に出そうとしたが、その前に真っ白な空間に飛ばされた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お互いの安全を確認しあうため、各々呼びかけあっていた。
ルビーは突然目の前がどこかの農村に変わっていた。
そこはのどかな何の変哲もない農村で会った。
先ほどの女の声が聞こえてきた。
「ここはアリマゴ島。切嗣が暮らしていたところよ」
「切嗣の父は研究をしていたのだけれど、それはかなりまずかったわ」
「だからここまで逃げてきた。」
「ほら見て、あそこにいる少年、切嗣よ」
そう言われ、ルビーが目を向けると少年が村の子供たちと遊んでいた。
子供時代によく見る光景だろう。
不自然な点はない。
そう考えているうちに暗くなっていた。
場所も海岸沿いになっており、少年と少女が座っていた。
「となりの少女はシャーレイ。」
「切嗣の父の研究を手助けしている人よ。」
二人はなにか話していたが、聞こえなかった。
ところ変わって、夕方。
切嗣の住んでいた家の前だと教えられると同時に、鶏を殺したシャーレイの姿があった。
口元は血で赤くなっており、服にも付着していた。
また、周りにも血が飛び散っており、ルビーは顔をしかめた。
そこに切嗣が帰ってきた。
「ダメ―ーー!」
ルビーの叫び届かず、切嗣はシャーレイの惨劇を見ていしまった。
切嗣はひどく驚き、怖がっていた。そこにシャーレイの姿を見いだせなかった。
「お願い、殺して…」
少年にそのようなことができようか。
切嗣も考えたのちに殺さずに逃亡した。
場面が変わった。
村が燃え、あちこちで殺し合いが発生した。
この光景を見たルビーは驚きのあまり声を出せなかった。
他の人らも同様だろう。
「これは聖堂協会と魔術協会、使徒による殺し合い、惨劇」
「島民たちは全員死亡した」
これほどの地獄を今まで見てきた人はいるだろうか。
そこには希望というものは存在せず、絶望のみがその場を支配していた。
その様子を見ていた切嗣は後ろから女性の姿に声を掛けられるときまで気づかなかった。
「ボウス、これを引き起こしたやつに心当たりは?」
少年はうなずき、自分のやるべきことを理解した。
その後、切嗣は家に帰り、父親に聞いてみた。
父親からの返答によって決意は固まった。
切嗣は銃を自分の親に構え、撃った。
銃声は数発しただろうか、確実に殺したであろう。
この様子を見ていた全員が理解が追い付いていなかった。
当然だ。一人を除いてここにいるほとんどがこんな経験をしたことがなかった。
その事件の後、切嗣は先ほどの女性、ナタリアのもとで訓練と経験を積んだ。
切嗣はとにかく周囲を巻き込む異端な魔術師を殺し続け、それによって正義がなされると考えていた。
「切嗣はね、とにかく危険な人たちを殺し続けたの」
「すべて殺さないと平和にならないと考えたのかしらね」
その方法としてナタリアスの仲介で父の遺骨から回収した魔術刻印の一部を回収し、自分のものとした。
そうして切嗣は殺し続けた。
また一人、一人。一人。一人。
「そんなある日、オッド・ボルザークを殺す仕事をしたわ」
ここまでで泣き出すものがいてもおかしくはない。
しかし、戦闘を経験しているのか、全員耐えている。
「殺害には成功」
「危険物の処理も終わったわ」
「だけど、体の中に特別製の蜂を仕込んでいた」
そう聞いてみてみると、ナタリアが乗っている飛行機には地獄が具現化した。
全員が人ではなく、化け物となっていた。
その状況下、場面が切嗣のところに戻っていた。
全員が切嗣はナタリアを助けるだろう、そう考えていた。
しかし、彼の判断は異なっていた。
「彼はね、今から飛行機を爆破するの」
それを聞いた全員がおこないを否定しようとした。
しかし、声が届くはずがない。
「かあさんだ」
そうかすかに聞こえたと思ったら、すでにロケットは発射していた。
きれいに飛行機めがけて撃ち、命中。
爆発四散し、墜落した。
その様子を見ていたルビーは泣き崩れていた。
ここまで悲惨な人生を歩んでいたとは思わなかった。
切嗣は声を震わせながら、
「やったよ、シャーレイ」
「僕は大勢の人を救ったんだ」
「あれが着陸したら、どんな損害がでるのか」
「わからない」
「僕は」
「あーーーー!!!!!!」
壊れた。その表現が一番正しい。
彼は人として壊れた。
もはや修復不可能であろう。
「ふざけるな!ふざけるな!」
「バカやろ----!!!!!」
派手に泣き崩れていた。
ルビーも他の人らも泣いていた。
こんな人生、あまりにも辛すぎる。
「こうして切嗣は死に場所を求めるかのように転々としました」
「その結果、魔術師殺しとして知られるようになりました」
「そこで聖杯をとり、自分の願いをかなえることにしました」
「最終的には聖杯の一歩手前まで行きました」
だが、それで終わるはずがない。
気づいたら、全員、どこかの一室に飛ばされていた。
ビジネスホテルのような部屋であった。
「500人と衛宮切嗣、これが人類最後の生き残りとしよう」
テレビから音声が流れてきた。
テレビには二艘の船があった。
「300人が乗る船、200人が乗る船、どちらの船にも致命的な大穴があいた」
「治せるのは片方のみ」
「できるのは衛宮切嗣ただ一人」
「さぁ、どうする?」
切嗣は答えた。
「300人の船だ」
「ではもし、200人が君を拉致し、船の修理を強要してきたら」
ここで答えが詰まった。ルビーたちは説得するや逃げるなどであったが、切嗣は違う。
切嗣が答えるのを渋っていると
「200人を皆殺しにする」
すぐ隣で銃撃の音があった。
「そうして船旅をしていると、100人乗れる船があった」
「今度は100人が乗る船と200人が乗る船となった」
「また、どちらの船にも沈没に繋がるトラブルが発生した」
「100人の船に強要されたら、どうする?」
「答えは先ほどと同じだ」
そういって場面が変わった。
おそらくいるのはコンテナの上だろうか。
それを認識した瞬間に爆発音が鳴り響いた。
見ると、船が燃えながら沈没しており、助かる見込みはなかった。
「おかしいじゃないか」
ここで切嗣が叫んだ。
「助かったのが200人、死んだのが300人」
「これでは天秤の針があべこべだ!」
「これで正しい」
「君はいつも少数を切り捨てていた」
「これはその結果だ」
「まったくもって異なる」
「聖杯は奇跡で願いをかなえるのではないか」
「無論。しかし、それは既知の方法でなければならない」
「そんなの奇跡じゃない!」
「奇跡だ。平和という人間がなしえないものをなす」
「これが奇跡ではないなら、いったい何なのか」
切嗣は何も言い返せなくなった
「では、最後の命題だ」
「二人と一人、どちらを選ぶ」
切嗣は無意識的に一人を殺し、二人(妻と子)を選んだ。
「ごめんね、イリヤ」
「もう遊びにいけないね」
「ううん、いいの」
「イリヤはね、みんなといるのがいい」
そうして切嗣が笑顔を見せた後、イリヤの顔に銃を向けた。
ルビーを含む全員が止めようとした。
「さよなら、イリヤ」
銃撃があった。
イリヤの頭は吹き飛び、意思なき体が下に墜ちた。
あたりには血が飛び散っていた。
「イリヤ----!!!!!」
アイリがイリヤのところに飛んできた。
そして切嗣をにらんだ。
「どうして、私たちのイリヤを!」
「60億人の人類と家族二人」
切嗣はアイリに銃を向けた。
「僕は60億人を救う」
銃声が一回あった。
アイリは死亡した。
この結末を誰が予想できただろうか。
その後聖杯を破壊したが、その余波で地獄が具現化した。
生き残りがいたら奇跡の状態。
切嗣は必死に探していた。
その様子がどんどんぼやけてきて、気づいたら民家のところにいた。
切嗣は子供と話していた。
「じいさんは子供のころ、なにになりたかったんだ?」
「僕はね、正義の味方になりたかった」
「でもね、正義の味方は名乗れるのに制限があったんだ」
「あとエゴの塊で、どうしようもないやつだったんだ」
切嗣の声と子供の会話ではこれくらいしか聞こえなかった。
ー
そうして現実に戻ってきた。
呆然とするもの、理解しようとするものなど様々であった。
切嗣は自分の過去を掘り起こされ、椅子に座り丸くなっていた。
その場にアイリスフィールはいなかった。
全員に泣いた痕があったのはゆうまでもない
絶対に間違いがある。そうに違いない。ということで今回はキャラクターの簡単な紹介と切嗣の過去についてでしたね。いやーアニメ見よう!その後の展開はなにも考えてないけど、何とかなるよキット。
では、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。