【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
どうぞ…!
とある日のお昼過ぎ────。
勇者ヒンメルとその仲間達は全知のシュラハトの部下を名乗る金髪の何処か胡散臭い魔族と対峙していた。そこまで強くないけれど。とんでもないほどくだらないメレブの魔法を使ってくるのだ。
「『
「くそ。こいつ物凄く近付き難いなっ」
「がんばれー」
「フリーレン。貴女も戦って下さい!!」
「ハイター、察してやれ。アイツも乙女だ」
金髪の魔族は斧でブッ叩かれようと。女神様の魔法をその身に受けようと。勇者の一撃に身体を斬られようと。ひたすら超速回復と『オナラを誘発する魔法』を使ってヒンメル達を追い詰める。
「『
金髪の魔族は魔法を放った。
「『
金髪の魔族は更に魔法を放った。
「『
金髪の魔族はもっと魔法を放った。
「『
金髪の魔族はとにかく魔法を放った。
とにかくオナラをさせようとする謎の執着心にヒンメル達はドン引きしながら小汚ない黄色い光を避け、金髪の魔族を攻撃する。
ヒンメルを守るように八角形の魔力が出現し、金髪の魔族の魔法を咄嗟に防ぐ。どうやらフリーレンは戦わない代わりに防御を受け持つようだ。
ハイターは「女神の三槍」を放って金髪の魔族を吹き飛ばし、アイゼンの放り投げた戦斧が魔族の胴体を抉り、ヒンメルの振り下ろした勇者の剣が金髪の魔族を真っ二つにした。
「『
ただの悪足掻きどころではない。
ヒンメルは茂みの中に隠れていたフリーレンを抱き上げ、ハイターはアイゼンを背負って、醜悪そうな臭いの塊っぽいやつから逃げる。
「ヒンメル。来てるよ」
「ハイター。来てるぞ」
「「じゃあ、自分で走ってくれない!?」」
二人とも全力疾走しているというのに、まったく疲れている様子もなく平然と走り続けている。だが、ほとんど真後ろに『オナラを誘発する魔法』によって発生したものが迫ってきている。
「えいっ」
フリーレンは『
やっぱり乙女として、あんなものに包まれるのは嫌だったのだろう。しかし、ヒンメル達から「最初から使ってよ!!」と怒られ、しょんぼりとしながら彼女は反省した。
「……ところで。やっぱりあの魔法も?」
「メレブの魔法だね。しかも禁書のやつ」
「確かに禁書級の魔法だった」
「あれは受けたくありませんね、絶対に」
そう言ってヒンメル達は溜め息を吐いた。
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くだらない魔法・禁書
自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。他人に無理やりオナラを誘発するという禁断の魔法であり。とんでもなくくだらない魔法だが、乙女にとって絶対に受けたくない魔法である。