【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
とある日の夕暮れ───。
勇者ヒンメルとその仲間達は性懲りもなく勝負を仕掛けてきた失墜のミーネに驚きつつ、彼女のヤバすぎる『絶望を与える魔法』を警戒する。しかし、そんな状況だというのにフリーレンは「新しい魔法を覚えたよ」といつものごとく呟いた。
「どんな魔法なのかしら?」
「『
「へっ……イタタタタタッ!!?」
突如、ミーネは身体を抱き締めるように掴んだかと思えば身体を振り回しながら痛みを訴える。その光景にヒンメル達は困惑し、無表情のフリーレンに恐る恐る視線を向ける。
「この魔法はプリン体を増やし、痛風にするという長寿のエルフや魔族、ドワーフにとって最も恐ろしい魔法なんだよ」
「それにしては効果が速いのでは?」
そうハイターは問う。
するとフリーレンは「それは『ちょっと攻撃力が上がる魔法』と組み合わせて、魔法の効力を底上げしているからだよ」と答えを言う。だが、その答えはあまりにも惨いものだった。
「『
「『
フリーレンとミーネの魔法はぶつかり、お互いの放った魔力の光線を押し合う。ほんの一瞬でも気を抜けば確実に命を破壊する生命の風化もしくは死ぬまで続く激痛を味わうことになる。
すでにヒンメル、ハイター、アイゼンは茂みの中に避難しているが。彼らには二人の魔法を止める術はないので仕方ないのだが。どちらも魔力だけは拮抗し、一歩も譲らない戦いを繰り広げている。
「やるわね、魔法使い!」
「そっちは頑張ってるね」
二人は暫し無言になる。
「『他人の鼻を豚鼻にする魔法』」「『顎がしゃくれる魔法』」「『服を生乾きにする魔法』」「『トイレに転移する魔法』」「『眉毛が太くなる魔法』」「『かまどに火を点す魔法』」「『猛烈に甘いものが食べたくなる魔法』」
「「くっ、メルクーアプリンが食べたい!」」
まさに魔法と魔法の壮絶な応酬を繰り広げているけれど。フリーレンとミーネの使っている魔法はすべてメレブの魔法のみだ。
謂わばメレブの後継を争っていることになる。
「受けなさいッ、メレブ最大の魔法を!!」
「それなら此方もメレブ最強の魔法を!!」
フリーレンは魔法の杖を高く掲げ、ミーネは両の手を合わせて突き出す。だが、二人の最大最強のメレブの魔法は「そこまでだよ」というヒンメルの言葉によって遮られてしまった。
「ミーネ。今回は退いてくれないか?」
「……良いわ。ただし、魔法使い!」
「なに?魔族」
「貴女に勝つのは、この失墜のミーネよ!」
そう言って彼女は飛び去る。フリーレンは「お前に勝つのは私だよ、ばーか」と呟き、ヒンメルの腕の中に倒れながらフリーレンは顔に掛かった魔法を素早く打ち消した。
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くだらない魔法
自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。相手のプリン体を増やし、年を重ねる毎に痛風となっていき、やがて全身を激痛が襲う。フリーレンは「ちょっと攻撃力が上がる魔法」を組み合わせることで、とうとうプリン体の増加を成功させてしまった。