【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法   作:SUN'S

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脅威の便意をもたらす魔法

とある日の夕暮れ────。

 

勇者ヒンメルとその仲間達はドラゴンの群れとの楽しい追い掛けっこを終えて、くたくたになりながら雨風と敵襲を防げる洞穴に一塊になっていたその時だった。ふとヒンメルが「メレブ最強の魔法ってどういうものなんだ?」と呟いた。

 

「…みんなには使いたくない」

 

「それほど恐ろしい魔法なのかい!?」

 

「なんで喜ぶんだ?」

 

「ヒンメルはそういうお年頃なんです」

 

フリーレンの言葉のせいでさらに興味を持ってしまったヒンメルは自分に掛けてほしいと頼み始める。もしもその光景を額の真ん中にホクロをつけたクソ適当なアイツが見たら笑うことだろう。

 

「はあ、もしものときはよろしくね?」

 

「……それほどですか。分かりました、もしものときは私が責任を持ってヒンメルのことを助けますので安心してください」

 

「がんばれよ、ヒンメル」

 

「ああ、もちろんだ!」

 

そんなやり取りをするヒンメル達に「どうして男の子はこんなにバカなんだろう?」とフリーレンは思いつつ、魔法の杖を高く掲げ、ゆっくりと魔法の杖の先端に魔力を集束する。

 

普段の彼女なら即座に魔法を放っているが、どうやら溜めを必要とするようだ。やはり最強の魔法ということもあり、イメージするのは難しいのかと三人は真剣に考える。

 

「『脅威の便意をもたらす魔法(    ダイベイン    )』」

 

彼女はそう言ってヒンメルに魔法を使った。

 

「あれ?とぐううおおおぉぉっ!?!?」

 

ギュルルルルッ……。

 

ふいっとフリーレンは視線を逸らす。

 

ヒンメルはいつものイケメンフェイスを苦痛と苦悶の色に染めながらお腹を押さえて座り込んでしまう。その様子にハイターとアイゼンは困惑し、フリーレンを見つめる。

 

「……メレブ最強の魔法は相手の……その、えと、トイレを誘発する魔法…で、その……」

 

「か、かわいぐおううぅっ!」

 

本当に珍しく真っ赤に顔を染めるフリーレンにヒンメルはもっと見ようと身体を揺するだけで脅威の腹痛に襲われ、ハイターは「ヒンメル、それはだめですよ!だめですからね!?勇者的にッ!!ほんとにだめですよ!!?」と叫ぶ。

 

「フリーレン。トイレに転移させてやれ」

 

「う、うん、そうだね」

 

「おわおおおぉっ!?」

 

「『トイレに転移する魔法(     ベンルーラ     )』」

 

ヒンメルはトイレに転移した。

 

「その魔法は封印ですね」

 

「そうだな」

 

「……あの魔族に使ったらね」

 

ふたりは「こんな恐ろしい魔法を魔族とはいえ自分と同じ女に使うつもりなのか!?」とフリーレンの発言に恐怖しながらヒンメルの無事を願った。

 

 

 




脅威の便意をもたらす魔法(     ダイベイン     )

くだらない魔法・禁書

自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。おそらくメレブの魔法の中で最強の破壊力と脅威の威力を誇っている魔法であり、この魔法を上回る魔法は現れることはないだろう。


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