【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法   作:SUN'S

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あとがきにDQ風ステータスあります。

DQ風ステータスのサイトで作りました。




蚊の気配を感じる魔法

とある日の夜────。

 

勇者ヒンメルとその仲間達は夏場になると必ずやって来る蚊を警戒しながら眠りにつこうとしているその時だった。スヤスヤと眠っていた筈のフリーレンが、カッと両目を見開いて「新しい魔法を覚えたよ」と寝返りをしつつ呟いた。

 

「どんな魔法ですか?」

 

「『蚊の気配を感じる魔法(     モスキテ     )』」

 

「急に蚊の気配が増えただと!?」

 

「この魔法の効果は蚊の気配を感じるだけ。とくに蚊を呼んだりする訳じゃないけど。ものすごく蚊の気配を感じるようになる魔法だよ」

 

そう力説するフリーレンの周りにはヒンメルが用意してくれた蚊帳がある。ちなみにアイゼンの筋肉は蚊程度では絶対に貫けないので、まったく気にせず今も静かに眠っている。

 

ぱんっ!ぱぱんっ!と手当たり次第に蚊を叩き潰そうと躍起になっているヒンメルとハイターを見ながらフリーレンはまた眠りについた。

 

「空裂斬っ!!!」

 

「ちょっとヒンメル!?」

 

ヒンメルは正体の見えない蚊に向かって勇者の必殺技を放った。だが、そのおかげでさっきまで耳障りなほど聞こえていた羽音は無くなり、二人とも安堵しながら眠りにつこうとする。

 

「おい。うるさいぞ」

 

「ああ、ごめんよアイゼ……」

 

「申し訳ありま……」

 

「どうした」

 

アイゼンは平然と寝ながら蚊を叩き、自分を守っている。ヒンメルとハイターは最初から自然体でいれば良かったのかと思いつつ、自分の布団に潜って羽音を聞いた瞬間に自然と飛び出る手に納得する。

 

今夜はぐっすりと眠れそうだ。

 

そんなことを考えながら二人は目を瞑る。すると異様にでかい羽音を聞き、目を開けると普通にドラゴンが目の前に鎮座していた。

 

「みんな逃げるぞおおぉぉ!!!」

 

そう言ってヒンメルは荷物とフリーレンを抱き上げ、ハイターはアイゼンを背負うだけで荷物はそのまま放置し、全力疾走している。

 

「んむぅ……まだ眠いよぉね…」

 

「それはごめん!だけど、ドラゴン来てるの!」

 

「ううぅ、えいっ」

 

ほとんど寝惚けたままのフリーレンはドラゴンに向かって『蚊の気配を感じる魔法』を使った。するとドラゴンは居もしない蚊を追い払おうと身体を動かし、めちゃくちゃに暴れまわる。

 

「……すぅ………すぅ…」

 

またフリーレンは眠り始める。

 

おそらく長旅のせいで疲れているのだろうとヒンメルは彼女に申し訳なく思いつつ、真後ろで火炎放射や尻尾の横薙ぎを繰り返すドラゴンから必死になって逃げ続けている。

 

「ところで。あの魔法はどうなるんですかね」

 

「さあ、僕には分からないよ」

 

「揺れる寝床も悪くないな」

 

ヒンメル達はそんなことを話しながら走った。

 

 

 




蚊の気配を感じる魔法(     モスキテ     )

くだらない魔法

自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。如何なる戦士も蚊の気配を感じ、注意散漫になってしまうという効果を持っているけれど。そもそも蚊の針が通らない戦士ばかりである。




勇者一行のDQ風ステータスです。

〈ヒンメル〉

【挿絵表示】


勇者一行の頭目。

勇者の剣のレプリカを携えて魔王討伐のために冒険をしている人間の青年。勇者一行の仲間でエルフのフリーレンに好意を寄せているけれど。基本的に空回りしているが、彼女を真剣に愛している。

〈フリーレン〉

【挿絵表示】


勇者一行の魔法使い

千年以上の年月を生きてきたエルフであり、世界最高峰の大魔法使いのひとりだ。世界各地に散らばったメレブの魔導書を集めているが、ほとんどその魔法は役立っていない。

〈ハイター〉

【挿絵表示】


勇者一行の僧侶

勇者ヒンメルの幼馴染み。魔王討伐と地酒を飲むために旅をしている。ヒンメルのフリーレンへの好意には気づいているので、それとなく手助けしているが実ったことはない。

〈アイゼン〉

【挿絵表示】


勇者一行の戦士

おそらく世界最強のドワーフの戦士。単純な力勝負になればドラゴンすら叩き潰し、大魔族でさえ粉々に粉砕してしまう。実質、ただの化け物である。

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