【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法   作:SUN'S

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下着をずらす魔法

とある日の夕暮れ────。

 

勇者ヒンメルとその仲間達はまたしても失墜のミーネと出会ってしまった。だが、彼女はフリーレンと並んでミミックに上半身を呑み込まれ、ジタバタと暴れながら「暗いよー!怖いよー!」と騒ぐ。

 

「もうこのエルフ置いてかない?」

 

「アイゼン、流石にそれはダメです」

 

「とりあえず、二人とも引き抜こうか」

 

そう言うとヒンメルはフリーレンを呑み込もうとしているミミックに近付いた瞬間、ピタリと動きを止めてしまった。なんとなく予想の付いたハイターが彼に近付くと鼻血を流して気絶していた。

 

わりと間近でスカートの中を見たらしい。

 

しかし、ヒンメルはとても幸せそうに気絶している。ハイターは「ヒンメル、あなたは本当に」と悲しそうに彼を壁際に置き、スポンッ!とミミックからフリーレンを引き抜いた。

 

「うええぇんっ」

 

「ひいいぃんっ」

 

「臭いです」

 

「近寄るな、臭いが移る」

 

いくら絶世の美貌を持つエルフと魔族の美女とはいえミミックの生臭い唾液まみれになっているやつに抱きつかれるのはハイター達は嫌だったようで、二人は仕方なくお互いに抱き合って泣き続ける。

 

それから十数分ほど経過した頃。

 

ようやく泣き止んだ二人は「魔族なんかに」だとか「クソエルフなんかと」なんて悔しそうに呟きながら睨み合う。

 

「『下着をずらす魔法(   ブラズーレ   )』」

 

「あっ、貴女なんて魔法を…ッ」

 

フリーレンは素早く魔法をミーネに放った。

 

すると彼女は自分のそれなりに大きいと自負している胸を押さえながら部屋の隅っこに移動し、ごそごそとなにかをやっている。

 

「『下着をずらす魔法(   ブラズーレ   )』」

 

「くっ、お前も使えるのか」

 

そう言ってフリーレンは慎ましくもある胸を押さえながら部屋の隅っこに移動して、ごそごそとなにかをやっている。そんな意味不明な行動を何度も繰り返す最中、アイゼンとハイターは首を傾げる。

 

「アイゼン、あれは何をしているんでしょうね」

 

「さあな。それより酒はあるか」

 

「えぇ。ここにあります」

 

「ヒンメルが起きるまで向こうで飲むぞ」

 

「なるほど。妙案ですね!」

 

二人はヘンテコな勝負をしているフリーレン達から離れて、ラインハット城の城下町の露店で購入した「世界樹の雫」という知る人ぞ知る銘酒を開け、どっちが根負けするかを賭けつつ、二人は楽しく酒盛りを始めてしまった。

 

「『下着をずらす魔法』!」

 

「『下着をずらす魔法』!」

 

「真似しないでよ。魔族」

 

「貴女がやめれば?魔法使い」

 

そんな言い争いをフリーレンとミーネは延々と続けており、まったく終わる気配がないのはどっちもメレブの魔法に固執しているせいである。

 

 

 




下着をずらす魔法(    ブラズーレ    )

くだらない魔法

自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。対女の子用いたずら魔法であり、その気になれば戦闘の最中に注意を逸らすことも可能である。だが、男が使えば冷たい眼差しを受けることになる。


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