【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
ありがとう!
とある日の夕暮れ────。
勇者ヒンメルとその仲間達は激臭を振り撒く最低最悪の魔族と遭遇していた。ソイツの足元には白目を剥いて、泡を吹きながら気絶している失墜のミーネが無惨に転がっている。
「くひゃいじょ。こりぇふぁ…」
なにかを言っているヒンメルを無視し、フリーレンは自分の顔の回りに『そよ風を出す魔法』を利用して清涼な空気を保っている。ちなみにハイターは倒れ、アイゼンも倒れている。
フリーレンは魔法の杖にミーネを引っ掛け、ずるずると引きずって自分の激臭で失神している最悪の魔族を残したまま川辺に移動する。
数時間ほど経過した頃。
ようやく目覚めたミーネは「くっさあぁ……」と呟きつつ、ゆっくりと身体を起こしてフリーレン達の存在を認識する。
「……助かったわ。魔法使い」
「それはいいけど。あれなに?」
「メレブの禁書よ。それも最後のね」
「まさか……!」
「そう貴女や私のようなメレブの使徒なら一度は耳にする。かつてメレブの使ったところを見た魔王は破壊力に恐れたあまり、その存在を抹消しようとしたメレブ最大最強にして伝説の魔法…それが『
そう言ってフリーレンとミーネは盛り上がっているけれど。ヒンメル達は「ただの激臭を発する魔法じゃん、それ」と呆れる。
だが、それを彼女達に言わないのはメレブの魔法で何をされるか分からないからだ。もっともそういうときに被害を受けるのはヒンメルだけだ。
「その魔導書はどこにあるの?」
「……あの魔族に取られたわ。たぶん私の『絶望を与える魔法』より強いと勘違いした挙げ句、私に使おうとして失敗したってところね」
「ミーネ、ちょっと待ってくれ。なぜ君とさっきの魔族は殺し合いに発展しているんだ?」
「私は人間と一緒に暮らしていきたい共生派。彼は人間を滅ぼして魔族の世界を作りたい殲滅派だからだけど。えっ、知らなかったの?」
ミーネは「うそでしょ?」と呆れたように溜め息を吐き出す。どうやら本当に共生するつもりで活動しているらしい。だが、フリーレンに突っかかるのはやめないそうだ。
「ワキガンテ。こっちでは使えないね」
「くうぅぅっ。彼から魔導書を奪えれば!」
「ハイター。どうしようか」
「アイゼンが斧で激臭を掻き消すのはどうでしょう?私達も鼻を覆いながら進めば多少は軽減するはずですし…」
「俺だけ重労働だな」
そう言ってアイゼンは戦斧を構える。
本当に戦斧だけで『とてつもない激臭を発する魔法』にアイゼンは挑むようだ。フリーレンとミーネは「がんばれ、ほんとに」と彼を応援する。
〈
くだらない魔法・禁書
自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。メレブの禁書の最後であり、フタメガンテやダイベインを遥かに上回る破壊力を持つ禁断の魔法。この魔法を使いこなせる者こそメレブの継承者になるだろう。