【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
とある日の夕暮れ───。
勇者ヒンメルとその仲間達は山賊や野党、マッチョすぎるオカマの魔族の暮らす町に来ていたその時だった。またしてもフリーレンは「新しい魔法を覚えたよ」と呟いた。
「今回はどんな魔法なんです?」
「言葉遣いが厳つくなるよ」
「ならヒンメルかハイターだな」
「えっ」
アイゼンの突然の裏切りにヒンメルは驚きつつ、なんとも言えない表情でハイターと一緒に潔くフリーレンの魔法を受けることになった。
「『
「どうだ?」
「どうだじゃねえよ。ばかやろう!」
「てめえ。このやろう、どうすんだこれ!」
確かにしゃべり方は厳ついけれど。
二人とも優しげな顔をしているので、とくに怖かったりするわけもないので言葉遣いをちょっと厳つめに変えているようにしか見えない。
そうフリーレンは考えながら「これってなんの役に立つんだろ…」と悩み、ちらりと町を見渡す。いっそのこと町に掛けよう。
「えいっ」
ちょっと気の抜けた掛け声と共に町を覆うようにフリーレンは魔法を使った。その事にヒンメル達は気が付いておらず、いっこうに治らない言葉遣いに悩んでばかりだ。
「みんな。もう行くよ」
「治ってねえんだよ、しゃべり方が!」
「しまいにゃ怒るぞてめぇ!」
「中々に面白いぞ」
「……じゃあ、はい。もうおわりね」
そう言ってフリーレンは魔法を解除し、やっと元のしゃべり方に戻れたことをヒンメルとハイターは抱き合って喜んでいる。
なんだかムカつく。そんなことを彼女は思いながらもヒンメルに向かってまた『厳つい言葉になる魔法』を使った。
「アイゼンもやる?」
「俺は元々厳ついが?」
「それもそうだね」
アイゼンの言葉に納得する。
その後ろでまだ『厳つい言葉になる魔法』の効果でしゃべり方の変わってしまったヒンメルは「どうすんだよ、これ?えぇ、このやろう」と力なくハイターに呟いている。
「ところで。フリーレン」
「なに?」
「あれはどう役立つんだ?」
「…えっと、んーっ。わからないかな」
ふいっと視線を逸らす。
どうやら本当にこの魔法の効果を理解しておらず、ただ覚えたから使ってみただけのようだ。だが、しゃべり方を変えられてショックを受けるということが判明したため、今後の戦いで役立つ……はずだ。
「ハイター。お前の魔法なら治せるだろ」
「確かに治せますが。こういうしゃべり方のヒンメルも新鮮なので良いかもしれませんよ?」
「それはない」
「じゃあ、なんで治してくれねえんだよぉ…」
「……えいっ」
フリーレンは渋々といった感じでヒンメルに掛かっていた魔法を解除し、甘んじてヒンメルのお仕置きという触れ合いを受け入れる。
〈
くだらない魔法
自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。しゃべり方を無理やり変えさせる効果なのだが、とくに恐ろしい効果というわけでもない。ただ、ものすごいしゃべり方になるだけだ。