【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
とある日のお昼過ぎ────。
大魔法使いメレブとスイーツ大好き魔族のソリテールはアマネの村にやって来ていた。とくに壮大なモノローグを挟んだりすることはないけれど。
単純にメレブの「魔法のじゅうたんがあればヨシヒコ達に会えんじゃね?」という軽率かつ不透明な考えによるものだが。今のメレブはソリテールという最強の友人がいるので山道だろうが運河だろうが魔物の巣窟も……たぶん、いけるはずだ。
「人間とお散歩出来るなんて夢みたい…」
そう言ってソリテールは小さな角を隠すために被っていた麦わら帽子の縁を掴み、ゆっくりと後ろを歩いていたメレブに笑いかける。
なんとも可憐な仕草をするソリテールを見ながら「もう一国のお姫様じゃね?」と思ってしまうのも仕方ないだろうとメレブは納得し、魔法の杖を支えにして山道を進んでいく。
「ところで。ソリテール」
「ふふっ、なにかしら?メレブさん」
「アマネの村って、ほんとに此方なの?」
「…………」
ふいっと視線を逸らす。
どうやらソリテールはヨシヒコと同じくらい方向音痴だったようだ。やれやれと溜め息を吐きつつ、メレブは魔法の杖を地面に突き立て、カランと魔法の杖が倒れた方に歩き始める。
「今のはどんな魔法なの?ねえねえ、教えて」
「ふふっ。それは内緒だ」
「むぅーっ」
「うわっ。なにそれかわいい」
メレブの身に付けたローブを摘まみ、クイクイと引っ張りながらソリテールはさっきの魔法の杖でやっていた不思議な決め方を教えてほしいと僅かに彼に見上げ、かわいい顔をドアップにして訊ねる。
しかし、これは教えないとメレブに言われ。ぷっくりと頬っぺたを膨らませて「私は怒っています」と彼女はアピールする。
ソリテールは魔族じゃなくて天使かもしれない。
「ムムッ。魔物の気配を感じる!」
「スライムとガイコツ剣士ね」
「『
ピカーンッ……。
メレブが魔法を唱えると彼のマッシュルームなブロンドヘアーが目映いほど発光し、スライムとガイコツ剣士を吹き飛ばす。
「メレブさん、いまのは……」
「さっきのはヨシヒコ達にも見せたことのない。私のとっておきの切り札的なやつ。自分の髪の毛を代償に魔物を退ける光を放つ。私はこの魔法を『頭の発光する魔法』と……そう名付けたよ」
「す、すごいわ!それさえあればどんな暗闇に潜んでいる凶悪な魔物も一発で発見できるし、さらには魔物を吹き飛ばせるなんて……!」
「うむ、そう褒めるな。なんか照れる」
そんなことを言いながらメレブは僅かに消えてしまった自分の髪の毛を労りつつ、もうちょっと使いどころを考えようと密かに誓った。
〈
くだらない魔法
自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。どんな魔物も吹き飛ばす強力な光を発する代わりに自分の髪の毛を捧げなくてはいけない。
この魔法はオリジナルだよ!