【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法   作:SUN'S

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もうちょっと続けることにしました。

もしかしら原作の話にいくかもです!


大魔法使いメレブと無名の大魔族 PART 8

とある日の夕暮れ────。

 

大魔法使いのメレブと実は女神様かもしれない魔族のソリテールは勇者ヨシヒコ一行と一緒になって悪霊の鍵を探す旅をしているその時だった。またしても天啓を受けたが如くメレブは魔法を覚えた。

 

「みんなで仲良く夕飯を作りながら楽しく焚き火を囲んでいる。こんな時にも関わらず、私は新しい魔法を覚えたよ」

 

「それは本当ですかメレブさん!」

 

「まあ、本当なの?メレブさん!」

 

ヨシヒコとソリテールはずいっと身を乗り出し、焚き火を挟んで丸太に腰掛けているメレブに近付く。人間と魔族。相反する種族の垣根を越えるほどふたりはメレブの魔法に夢中なのである。

 

「この魔法を使えば…おそらく、いや確実に相手を倒すことが出来る、とても強力な魔法だ」

 

「良いからやれよ、へっぽこ魔法使い」

 

「ふっ。ならば受けよ。いやお前も女人だ。この魔法を掛けるのはやめておこう」

 

「えっ、そんなに?」

 

そう言ってメレブは悪態をつくムラサキに魔法の杖を構えるが直ぐに魔法の杖をヨシヒコに向ける。ムラサキはその態度に驚きつつ、自分に使ってもらえると知り、めちゃくちゃワクワクするヨシヒコに呆れる。

 

「ヨシヒコ。まずは両脇をグッッと閉じろ」

 

「こうですか?」

 

「うむ、良かろう。せいっ!」

 

メレブはヨシヒコに魔法をかけた。

 

だが、とくに眉毛が太くなったり顎がしゃくれることはなく目立った変化はない。ダンジョーもムラサキもソリテールも首を傾げ、メレブを見る。

 

「ヨシヒコ、ゆっくりと脇を開いてみ」

 

「は、はい」

 

ムワアァ…!

 

ヨシヒコは言われた通りに右の腕を軽く持ち上げた瞬間、ヨシヒコの近くでメレブの魔法を見ようとしていたソリテールはあまりにも強烈な悪臭にパタリと失神し、ムラサキは逃げ出した。

 

「ウグッ…これは!?」

 

なんとか辛うじてダンジョーは耐える。だが、いくら屈強な戦士とはいえ猛烈どころか強烈な悪臭に長時間も耐えることはできず、全力で走り出した。

 

メレブはローブと『そよ風を出す魔法』を利用し、なんとか清潔で爽やかな空気を補給しながらソリテールを抱き上げ、ゆっくりと走り出す。

 

ヨシヒコはあまりの悪臭に失神していた。

 

「ど、どんな魔物や魔族だろうと一瞬にして葬り去る最強の悪臭、いや激臭を発するこの魔法を私は『とてつもない激臭を発する魔法(     ワキガンテ     )』と……そう名付けたよ」

 

「良いから消せ!あほ!ばか!」

 

「テンガキワ!」

 

ムラサキの怒鳴り声を聞きつつ、メレブは激臭の発生源で目覚めと眠りを繰り返し続けているヨシヒコに解除の呪文を唱える。

 

この魔法は敵に使うのも危険だろう。

 

「うっ、私はなに?」

 

「ヨシヒコ。まさか記憶を…!」

 

「おめえのせいだぞ。このホクロ!」

 

「ふふっ。なんのことやら」

 

メレブは未だに失神したままのソリテールをおんぶしながらさっきの悪臭にまみれていたときの記憶を失ってしまったヨシヒコから視線を逸らす。

 

 

 




〈ソリテール〉

我らが女神様

大魔法使いのメレブの『とてつもない激臭を発する魔法』によって生まれて初めて失神するという状態を経験した。だが、もう二度とその魔法の効果範囲に近づくことはないだろう。



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